-
Vol.【58】【MaMan*さん】
ハンドメイドアイデアクリエイターとして、雑誌やテレビのハンドメイド企画の監修などを手がけるMaMan*さん。暮らしニスタでも、身近な素材を使ったかわいいだけでなく実用性もあるものづくりのレシピが好評。ご主人と高校生の長女、中学生の次女との4人暮
らしです。
●ペットボトルキャップをリユースクラフト♪ 〜メモリアル・クラウン〜
●カンタン♪ときめきパーティーDECO♪ **星降るバルーンガーランド**
「ままごと」で毎日の生活がちょっと楽しくなる!
↑アトリエの様子。子ども部屋の半分をアトリエにしています。たくさんある作品や材料も生かした見せる収納に。
ものづくりが好きな家族のもと、工作や手芸が大好きに
私の創作のテーマになっているのは「ままごと」です。
小さい頃からままごと遊びが大好きで。
大人になってからも、娘が小さい頃は一緒にままごとの道具を作って遊び、童心に帰って一緒に楽しみました。
今は、娘たちは成長してままごとを卒業しましたが、今も、ままごとをテーマにした私のものづくりに付き合って遊んでくれています。
↑MaMan*さんお手製のままごと道具です。
私は、3世代同居の6人家族で育ったのですが、とにかくものづくりが好きな家族でした。
父は、アスレチック遊具など木製造形物の制作に携わっていて、家でも庭にログハウスを
建てたりブランコなど遊び道具を作ってくれたり。
母は農作物を育てることに長けていて、祖母は縫物が得意。
そのおかげで、私自身も工作や手芸が大好きになりました。
↑MaMan*さんのお父様が孫たちのために制作してくれた折りたたみ式パネルや木馬。
遊び終わったらコンパクトに収納できる工夫がこらされています。お父様と共作した遊具もたくさんあったそう。
私は、幼稚園の頃から、教育テレビ「できるかな」を観て、段ボールなど身近なものが変身することにワクワクし、小学生になると、人形作家・大高輝美さんのフェルト細工の愛らしさに目も心も奪われ、マスコット作りに没頭。
リカちゃん人形も好きで、端切れを組み合わせて洋服や小物も作っていました。
平面の布をちょっとつまむと立体になるのがおもしろくて、その頃から将来は洋服のデザイナーになりたい、という夢を思い描くようになりました。
そして、中学・高校の頃には実際に自分の服もたくさん作り、高校卒業後は、念願だった文化服装学院へ進学しました。
↑高校時代に大きな影響を与えたティーンズファッション雑誌『Junie(ジュニー)』。
今でも大切に残してあるぐらい、MaMan*さんをワクワクさせた本です。
この雑誌には、洋服のパターンも囲み製図として多数掲載してあり、その方式を応用してサクッと作ったというのが写真左下の子どもたちのワンピース。
リボンコサージュなども高校の時にリメイクしながら楽しんで制作していました。
↑学生時代のデザイン画を今でも大切に保管しています。
子ども服部門のコンテストで入賞をしたことがあり、キッズアイテム分野に興味を持ったのも学生時代でした。
これまでの仕事や出合いが今の活動につながっています
文化服装学院卒業後は、アパレルメーカーで子ども服のパタンナーを務めました。
求められる技術やセンスが、自分の中で形になったときには、うれしかったですね。そして、子ども服に携わる過程で雑貨や小物も好きになりました。
その後、雑貨の道を経験したいという気持ちと、旅ではなく海外に滞在してみたいという希望が大きくなり、アパレルメーカーを退職して、単身フランス・パリへ。
3か月間、現地で語学学校に通いながら、陶器の絵付け(ポーセリング)を学びました。
↑絵付けの練習をしていたころの作品。MaMan*さんが大好きなアリスの小説から、ジョンテニエルさんの挿絵を模写して練習に励む機会が多かったのだそう。
帰国後は、絵付けの仕事をしたいという夢も抱きつつ、ノベルティ企画会社に就職。
化粧品メーカーなどのキャンペーングッズの企画・デザインを担当しました。
それまではメインの製品作りに携わってきたので、メインをアシストするアイテムの開発は自分にとっては新境地。
でも、お題をいただいて制約がある中で、メインをサポートするアイデアを考え且つ自分なりのデザインを生みだせることが、私にはすごく合っていたんですね。
ここでの経験が、その後の制作活動につながっていると感じています。
一方で、絵付けも続けていました。
20代後半には、技術が身に付いた手ごたえを感じ、作家活動を始めるため会社員を辞めてフリーに。
ただ、すぐにそれだけで生活することは難しいと感じていたので、最初は週に4日は雑貨店でアルバイトをし、残りの時間を使って受注制作を開始しました。
受注開拓の一つとして、タイルメーカーやレストラン、フローリストなど、ウェディング関連の対応をされていて自分の作風に興味をもっていただけそうなところにまずはお電話をして「ご覧いただけるようでしたらウェルカムボードのサンプルを持ってお伺いいたします。」とコンタクトをとりました。
もちろん、電話だけで終わってしまうこともありましたが、ご依頼につながったら全身全霊で取り組んでいましたね。
↑MaMan*さんが手掛けたウェルカムボード。結婚式のその後も長く愛用できることコンセプトに。
写真右は折りたたみテーブル式タイル天板のウェルカムボード。
記念日やお名前、好みのイラストやモチーフなどをタイルに描いたそうです。
結婚をして、長女、次女を出産したあとも、依頼をいただいて自宅での制作は続けていましたが、外に出る仕事はその時の時間調整が難しく、控えていました。
子どもがいる状況でできることはないかを探っているとき、見つけたのが雑誌『Babymo』に付いているエントリーシート。
自分が作ったものを編集部のかたに見ていただけるチャンスかもしれない、と思い、子どもの初節句のときに作ったローブとお菓子ひな壇の写真を付けてポストに投函しました。それが幸いなことに編集部のかたの目にとめていただき、作品作りの企画監修としてのお仕事をいただく機会にも数回恵まれました。自分からいろいろなところに出向く機会が少なくなっていたときに、こういう形でできる仕事があるんだというのは新しい発見でした。
今振り返ると、子育てで昼夜の区切りもなくフル回転の時期でしたが、アイデアを考え形にしてそれを提供できることがすごくパワーになりました。
↑写真左側の2枚は、編集部に応募したときのもの。
写真右はMaMan*さんが制作を担当した記事です。
また、「ブログ」との出合いも衝撃でした。
リフレッシュできることを探そうと、インターネットで大好きな「パリ」を検索していたところ、ある写真家さんの生活が書かれた日記を見つけたんですね。
インターネットにうとかった私はブログというものを知らず、「これって今日のパリのこと?!」とくぎ付けになり、ものすごい衝撃を受けたことを覚えています。
そこで、自分でもやってみよう!と。
子どもたちとのままごと遊びのために使ったものや遊び方をレシピの記録のように書いて、写真も入れて。
でも最初のうちは「送信」は押さないで、練習だけくり返していました(笑)。
あるとき「送信」をぽちっとした瞬間から少しずつ世界が変わりましたね。
手芸のポータルサイトにも投稿してみたところ反応を徐々にいただくようになり、その後の制作活動を広げるきっかけになりました。
大変だなと思う洗い物も、キッチングッズが変われば楽しくなる
ずっとものづくりを続けてきましたが、その根底には、ままごとがありました。
ままごとは、私にとっては、日々の暮らしの中に、ちょっとワクワクすることを加えるようなこと。
「洗い物大変だな……でも、キッチングッズをかわいくしたりアイデア加えたら楽しくなるかな?」と考えるなど、手間だと思うことでも、ものづくりと合体させたりすることで、楽しみをプラスできます。
だから作るものも、遊び道具や置き物で終わるのではなく、暮らしで実用できる要素を組み込んで提案したいという思いがあります。
ままごとグッズだけれど、ティーンのアクセサリーになったり、大人の暮らしで使える道具になったり。
私自身、大人になった今でもままごとが大好きなので、ままごとを卒業した世代にも永く愛でてもらえるようなアイデアをこれからもたくさん考えていきたいと思っています。
↑リビングは、リセットできるまっさらな空間にしたいので、スッキリを心がけているそうです。
暮らしニスタは始めて約3年になります。
最初は、ハンドメイド作品のプロセスを紹介する、という意識で投稿していました。
でも、ほかのみなさんの記事も楽しませていただく中で、ただ作品を紹介するよりも、暮らしが楽しくなるアイデアを共有して一緒に楽しみたい、という思いがどんどん大きくなりました。
もしも私の作ったものを好みだと思ってくれる人が少しでもいてくださったり、それを見て1日ほっこりしてくださったらうれしい。
暮らしって常に普通にあるものだけれど、そこにちょっと何かを加えることで見え方が違って楽しくなります。
「暮らしニスタ」はそういうアイデアが詰まったサイトだと思っているので、微力ながら自分も参加できてうれしいと思っています。
↑5周年のイベントではディスプレイを担当。自分のディスプレイを見ていただけたということ以上に、いつも投稿を見ていた暮らしニスタのかたがたに会えたことがうれしかったとMaMan*さん。ディスプレイの勉強にもなり、宝物になっているそうです。
旅で味わった感動を込めたものを作り、いつか1冊の本にしたい
これまでお声をかけていただいたどの仕事も、その時々ですごくうれしくて、本当に思い出深いのですが、中でも印象に残っているのが本を出版したことです。
2009年に、インターネットの記事でインタビューを受けたことがあるのですが、そのときに、これまでの作品が一冊の本になったらうれしいという淡い夢をお話ししたんですね。
それが、翌年には本当に本を出すことになったんです。思い描いたものが実現していく経験として、すごく心に残っています。
小さい頃から思い続けていたことを集約していただけた。
数十年後にこうなるよと、小さい頃の自分に教えてあげたい気持ちでした(笑)。
私は旅が大好きです。
子どもたちが大きくなり、家族4人揃って旅をする時間は少なくなってきましたが、成長した子どもたちとだからこそ、一緒に旅をして感動を共有したい、と思っています。
フランスでお世話になったかたのところや、海外に住んでいるお友達のところなど、ゆかりのある場所に行きたいですね。
そして、旅先の風景や食べ物、見たもの感じたことを作品に込めてものづくりをしたいという思いがあります。
いつか、大好きな旅から刺激を受けて創作したものを、一冊の本の中におさめることができたらうれしいなぁ、なんて夢も思い描いたりしています。
↑2020年のお正月、久しぶりに家族4人揃っての旅は台湾へ。そのときの思い出を込めて飲茶セットを作りました。
取材・文/大島佳子
これまでの姫ニスタさんのインタビュー
★Vol.57 RIRICOCOさん
★Vol.56 にじいろ工房さん
★Vol.55 AKKOさん
★Vol.54 junkaさん
★Vol.53 かよママさん
★Vol.52 勝連さおりさん
★Vol.51 玉田悦子さん
★Vol.50 iie designさん
★Vol.49 横田ちひろさん
★Vol.48 ひろさんきっちん♪
★Vol.47 奥田倫子さん
★Vol.46 森麻紀さん
★Vol.45 いがらしかなさん
★Vol.44 戎谷洋子(Yoko.E)さん
★Vol.43 ハニクロさん
★Vol.42 ちゃこさん
★Vol.41 高木あゆみさん
★Vol.40 栄養士まみさん
★Vol.39 Asakoさん
★Vol.38 Harukaze+25さん
★Vol.37 こぼめぐ(小堀愛生)さん
★Vol.36 増田陽子さん
★Vol.35 からあげびーるさん
★Vol.34 ちゃらんさん
★Vol.33 yunyun(猪俣友紀)さん
★Vol.32 まどなおさん
★Vol.31 桃咲マルクさん
★Vol.30 SHIMAさん
★Vol.29 コドモ・アイ てんちょうさん
★Vol.28 *yuko*(曽布川優子) さん
★Vol.27 and_a_plusさん
★Vol.26 midoriさん
★Vol.25 香村薫さん
★Vol.24 aiai*hankoさん
★Vol.23 Emiriさん
★Vol.22 青山金魚さん
コメント
全て既読にする
コメントがあるとここに表示されます