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Vol.【52】【勝連さおりさん】
着回しアイデアやスカーフテクニックを紹介する記事が人気の勝連さん。骨格スタイルアドバイザー、日本スカーフコーディネーター協会認定講師、整理収納アドバイザーなどの資格をもち、栃木県を中心に、パーソナルファッションアドバイザーとして骨格診断や買い物同行、クローゼットの整理収納アドバイスセミナーの講師などを行っています。私生活では、中学1年生の長女、小学6年生の長男の2人のお子さんをもつママでもあります。
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みんなにファッションを楽しんでもらうことが私の喜び!
14年間のショップ販売員経験が今の活動の土台に
骨格スタイルアドバイザーの資格を取ったのは、6年くらい前です。
当時は、アパレルショップの販売員の仕事をしていました。
もともとパソコン関係の仕事をしたくて、高校では情報処理の勉強をしていたんですよ。
実際、最初に就職したのはシステム管理の会社でした。でもハードで疲れちゃって……。
お休みの日に友達と洋服を買いに行くのが楽しみで、どうせならこういう仕事がしたいと思うようになり、アパレルに転職しました。
後から知ったんですが、うちの父も若いときにアパレルで働いていたことがあって、アパレルの仕事を始めるときは「やっぱりね」と言われました。
確かに、小さい頃から革のジャケットを着せられたりして、昭和の時代にしてはこだわった洋服を着ている子どもでしたね。
販売員としては、14年間程働きました。
最初は、20代がターゲットの大人かわいい系のブランドに、出産後はモード系ブランドのマタニティ&キッズに、そのあとはミセスのブランドに。
ただ、モード系のブランドが、私は超絶似合わなかったんです(笑)。
今までふわっとした素材のかわいい系を着ていたのが、張りのある素材のかっこいい系に変わったら、似合わなくて。
お客さまもそうで、最初のブランドの顧客のかたが、モード系ブランドに異動してからも買いに来てくれていたんですが、他のお店の服のほうが似合うんじゃないかと思えることもありました。
そのうち、ショップ販売員よりも、もっとパーソナルな提案ができる仕事がしたいと思うようになってきました。
私自身、身長はありますがそんなにスタイルが良くないというコンプレックスもあって、どうやったらきれいに洋服を着られるかをずっと考えていました。
雑誌で「骨格スタイル分析」について知って、センスじゃなく理論がほしかった私にはちょうどよかった。
販売員を続けながら、東京に通って資格の勉強をしました。
2級の資格を取ってからは、仕事が終わった後や休日に、副業として、骨格スタイル診断の仕事をするように。
6年前、栃木ではまだそういうサービスをしている人が少なかったので、何それ?っていう感じだったんですが、ブログとフェイスブックを通して依頼を受けたり、知り合いの方に協力してもらったりして、1~2年そんな感じで続けたあと、販売員を辞めました。
単純にお休みがなくなって辛くなってしまったんです(笑)。
お客さまが、自分で似合う服を選べるようにサポート
ファッションのセミナーの様子。
暮らしニスタでは、誰でも簡単に再現できるアイデアを意識して記事にしていますが、仕事では主に、お客さまの骨格を診断したうえでお客さまに合わせてアドバイスをします。
骨格スタイル分析は、骨格タイプを「ストレート」「ウェーブ」「ナチュラル」の3つに分類することで、似合う素材やデザインを導く方法です。
でも、ただ似合うものを教えるわけではありません。
その方の好きなテイストやなりたいイメージをお聞きしたうえで、たとえ好みと似合うファッションが違ったとしても、好みみの服を着こなすにはどうすればいいかの落としどころを見つけていくんです。
お客さまは、30~40代の女性の方がメインです。
体形のお悩みもありますが、スタイリングがワンパターンになってしまうなど、普段着で困っている方が多いようですね。
診断は2~3分で、骨格構造や肌質をみさせていただきます。
それから、ご希望に応じて、ショップに同行したりクローゼットを見たり。
特にショップ同行は、販売員として長年いた現場でのアドバイスなので、一番得意ですね。
例えば、初めてショップに同行するときは、似合うコーディネートをバチッと選んであげるという感じではなく、いろいろな洋服を一緒に見ながら、似合う素材やデザイン、逆に得意じゃないものをお伝えしていきます。
私が選んで決めるのではなく、私がいなくても自分で選べるように、選び方をお教えする感じですね。
シーズンごとにお買い物同行を頼んでくださる方もいらっしゃって、2回目以降になると、「こういうパンツが欲しい」など目的やご予算に沿って一緒に選んだりもします。
ショッピング同行の時の様子。
骨格タイプは3つですが、好きなテイストや出したいイメージは、当然変わっていきますよね。
私も、20代の頃は小花柄を着ていたけれど、30歳を過ぎてからはシンプルなものが好きになって、40歳になった今はスーツも着こなしたい。
だから、提案は1回きりじゃないんです。
その方の目指すゴールが変われば提案の仕方も変わるので、そのときはまた頼んでほしいと思いながらやっています。
整理収納など、他の分野のプロとチームで活動も
「SSS-Style+」メンバーみんなと。
個人でファッションアドバイザーとしての仕事をするほかに、「SSS-Style+」というチームにも参加しています。
チームを立ち上げたのは、同じ暮らしニスタのこぼめぐ(小堀愛生)さん(前列左)
他にも暮らしニスタのメンバーがいます。
菊池のくらし(前列右)
hana interior(後列右)
はがゆっこ(後列右から2番目)
もともとこぼめぐさんとはママ友同士なんですよ。
骨格スタイルアドバイザーの資格を取るときに相談していたんですが、「整理収納と骨格スタイル分析は、合わせるとすごいサービスになる!」という話になったんです。
「SSS-Style+」では、ほかにも衣食住のプロが集まって、コンサルやセミナーを行っています。
最近始めたサービスが、新築時収納パッケージングサービス。
お客さまが現在のおうちから新居に移るとき、コートが何着、スカートが何着……とクローゼットの状態を調べてデータにします。
その中で、骨格に合わないものについては、「着ますか?着ませんか?」と聞いていきます。
クローゼットの整理収納は、骨格スタイル分析と組み合わせることで「いるorいらない」を理論で伝えられるので、みなさん判断が速くなるんです。
SSS-Style+で担当した新築時収納パッケージングサービスのお客様クローゼット。
それと、9月からはメンズのサービスを本格的に始めることに。
カラーの先生と男性のファッションアドバイザーと3人で組んで、宇都宮の男性をもっと盛り上げていこうと。
今はその準備を進めているところです。
アドバイスでお客さまが変わっていくのがやりがいです
お客さまにアドバイスをするときは、言葉を選ばないといけない場合もあるし、逆にはっきり言わないと伝わらない場合もあります。
でも、接客経験が長いので、そこは直感でわかりますね。
また、トレンドや、いろいろなショップやブランについて知っておくことも大切です。
「いつリサーチしてるんですか? よく時間ありますね!」って言われることが多いんですけど(笑)、もう、ファッションに関するものを見るのがクセなんですね。
例えばインスタでいろんなかたのコーディネートをチェックしたりもするんですが、勉強やリサーチの視点で探しているというよりは、趣味みたいな感じ(笑)。
毎日目に入れるのが普通というか。
いろいろ情報を目にしながら、これは〇〇さんに似合いそう!と思うものを見つけると、ご連絡してお伝えすることもあります。
仕事をしていて嬉しいのは、お客さまが楽しんでいる感じが伝わってくるとき。
最初にお会いした時と、何回目かにお会いした時とでは、雰囲気や目が違うんですよね。
以前セミナーにいらしたお客さま、ショートカットでボーイッシュなかたなんですが、骨格からはウェーブタイプというフェミニン系が似合うと診断しました。
笑いながらですが、「私こういうタイプが嫌いなのに、似合うってどういうことですか」っておっしゃっていて、嫌だったんだろうなと気にかけていました。
セミナーの後も、メッセンジャーでアドバイスしたり、ブログやフェイスブックを見ていただいたりしたんですね。
そして1年後くらいにまたお会いしたとき、ご自身で落としどころを見つけられたようで、「私やっぱりウェーブタイプだった! 先生が言っていた意味がわかった!」と。
本当はかわいい系よりカッコイイ系が好きだけど、ピアスをかわいい系にしてみたら、ママ友に「最近かわいくなったね」とすごくほめられたそうなんです。
自分の意識が変わって、似合わせられるようになったからだとおっしゃっていて。
時間はかかったけれど、すごくよかったなと思いました。
以前、スカーフの講座で、最初からスカーフをしていて、講座の間もずっと取らないかたがいました。
あとから話してくださったんですが、甲状腺の手術をしていて傷跡が残っていたんです。
今までは、その傷を隠すために嫌々スカーフをしていたけれど、セミナーに参加したおかげでスカーフをすることが楽しいと思えるようになったと言ってくださいました。
それはすごくよかったと思いましたね。
単純に、似合うファッションを探すというだけでなく、そういう喜ばれかたもあるのだとわかりました。
子どもたちの仕事への理解が支えに
数年前に撮影した娘とのお揃い風コーデ。
実は今、娘と息子、私の両親、妹とその家族とで、私の実家に暮らしているんです。
大人5人子ども4人の9人暮らしです(笑)。
家事は分担していて、私は妹と一緒に料理担当。買い物担当は別なので、家にある材料を見て何を作るか考えます。
料理はあんまり得意じゃないんですけど、献立を組み立てるのは得意なんですよ。でも、人数が多いので、一緒に住み始めた頃は分量が慣れなくて大変でしたね(笑)。
長女は今中1ですが、私がファッションの仕事をしていることを、ちょっと自慢に思ってくれているようです。
娘自身も、もう自分の骨格タイプがわかっているので、流行りも取り入れつつ似合うものを選んでいますね。
息子は、洋服自体はそんなにバリエーションがなくても生きていける子(笑)。
でも、私の仕事のことはとてもよく理解してくれていて、「がんばってね」といった言葉をかけてくれます。
私自身の趣味は、バレーボール。中学校のときにバレー部だったんですが、今は2チームをかけもちしています。
練習が週2回、大会も年に3回くらい。でも新型コロナウイルスの影響で最近はお休みが続いているのが残念です。
本当はもうちょっと自分の時間が欲しいんです。
ゆっくりごろごろするのが好きなので(笑)。でもどうかな……。
時間があっても、結局自分から忙しくしちゃうのかもしれませんね(笑)。
バレーボールメンバーと一緒の写真。
取材・文/大島佳子
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