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Vol.【37】【こぼめぐ(小堀愛生)さん】
整理収納コンサルタント、整理収納アドバイザー、親・子の片づけマスターインストラクター、二級建築士、インテリアコーディネーターなど多くの資格をもつ。水道設備工事の会社で、衣食住のサービスを提供する部門を立ち上げ、専門知識を生かしたセミナーや、個人宅の片付けサービス、住宅の新築やリフォームのプランニングなどを行う。中2、小5、小3の3人のママ。
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整理収納で、お客さまが変わっていくことが嬉しい
仕事のために始めた整理収納の勉強が、暮らしを変えた
整理収納アドバイザーには、大きく分けて2通りの方がいます。片付けが得意で突き詰めたい方と、片付けが苦手だった方。私は、後者です(笑)。
もともと住宅には興味があって、大学で建築を学び、ハウスメーカーの商品開発室で住宅の設計をしていました。でも体調を崩して転職。長女を出産するまでは、キッチンメーカーのショールームで働いていました。
2人目の出産のあと、夫の実家が経営する水道設備工事の会社に入社。リフォームの仕事に携わっていたのですが、あるときトイレのリフォームで伺ったお宅で、数年前にリフォームを担当したキッチンが物でごちゃごちゃになっているのを目にしたんです。私の提案が良くなかったんじゃないかと反省……。それをきっかけに、整理収納アドバイザーの勉強を始めました。
それまで、整理収納のセンスはなかったと思います(笑)。物が少ない独身時代はそれでもなんとかなっていましたが、家族が増え、いろいろなカテゴリの物が増えてからは大変なことになっていきました。
物をグループ分けして収納するという概念がないので、買ったものはとりあえず使いやすい棚にどんどん押し込むわけです。当時の自宅の写真を見て自分でもびっくりしたんですが、粉ミルクの横に殺虫剤がドーン(笑)。育児関係のプリントは積み上がって地層ができていて、プリントを探しても、この辺かな?あ、違った!バラバラバラ……みたいな(笑)。がんばって整理しようとファイルを買ってきたら、背表紙の5倍に膨れるくらい入れちゃって持てないという(笑)。
かつてのこぼめぐさん家。ザ・ビフォー!!
そんな状態だったのが、仕事のために勉強した整理収納法を家庭で実践してみたら、暮らしがうまく回るようになったんです。片付ける基準がわかるようになると、人が増えようと物が増えようと大丈夫。半年もしないうちに、家事と子育てをしながらフルタイムで働くことが苦じゃなくなりました。
アフター! 上の写真と同じ場所の写真とは思えません。
衣食住、どこかの切り口から暮らしを楽しくしたい
玄関近く、階段下に学校の荷物をまとめて収納できるスペースをつくりました。普段の学校準備はここで整います。
当初はリフォームのお客さま向けに始めた整理収納ですが、私自身が暮らしの中で効果を実感したことで、もっと広く、子育てや仕事をしながら家事をしている方たちに伝えたい、と考えるようになりました。それで、衣食住のサービスを提供する部門を立ち上げることにしたんです。
骨格スタイルアドバイザー、フードスタイリスト、バースデープランナーなど、スペシャリストを集め、セミナーやコンサルタントなどのサービスを提供しています。暮らしニスタで活躍中の勝連さおりさんもスタッフの一人。実は勝連さんはもともとママ友なんです(笑)。
ともに活動するメンバーとともに。衣食住のリーダーとこぼめぐさん。
整理収納を何とかしたいと思っている人たちの中には、片付けることだけで気持ちが上がる方もいれば、そうでない方もいます。ファッションが好きだから似合う洋服を知ることがができるなら気持ちが上がる、料理が好きだからキッチンを使いやすくすることなら気持ちが上がる、という方もいます。どこかの切り口から、暮らしをもっと楽しくするお手伝いができればと思っています。
個性に合わせて収納のシステムを変えるのがポイント
玄関の様子。帽子やアウター、カバンなど、出かける前にサッと取り出せて、帰宅するとすぐ定位置に戻せるように工夫しています。
毎朝、起きるのは6時くらい。朝食は用意しますが、家族みんな自分の食器の後片付けは自分でやるので、私がやることはほとんどありません。7時半頃に出勤し、昼休みに一度帰宅して、夕食と翌日の朝食まで食べられる量のおかずを作っています。大したおかずじゃないんです。めんどくさがりなので、楽ちんがテーマ。「整理収納の観点からレパートリーを絞り込んだ」定番品です(笑)。
実は最近、私は、あまり家事をやっていないことに気づきまして(笑)。少し前に半月板を損傷して松葉杖を使っていたのですが、家族みんなが各自で家事をやってくれていたので、あまり困らなかったんです。夫は、もともとレンジでチンもしないタイプでしたが、子どもたちがやる姿を見ているからか、洗い物などもしてくれるようになりました。もはや、いつ母親業をリストラされてもおかしくないと危機感を覚える毎日です(笑)。
お子さんたちは自分で服をたたんで収納します。日々のルーティンとして、指示を出さなくても子どもたちは自分で動いてくれます。
特に長女は家事が好きなようで、料理を作ったり、私の脱いだスリッパの位置を直したり (笑)、きっちりしていますね。3人の子どもたちはそれぞれ個性があって、得意不得意があります。以前は、3人に同じ収納グッズを用意して同じ仕組みで片付けをさせようとしていたんですが、うまくいかない。持ち物の量や、持ち物との付き合い方は一人一人違うので、それぞれのやりやすさにクローズアップして、収納のシステムやグッズも変えるようにしました。
例えば、アウターの収納。外から帰ってきたときに掛けられるように、廊下にフックを付けているのですが、それぞれの身長に合わせて高さを変えています。さらに、1つずつラベルを付けていて、毎日アウターを変える長女には「1着まで」、チャレンジ精神たっぷりの長男には「絶対に落ちない服」、慌てがちな次男には「ていねいにかけてね」と、それぞれに響くメッセージを添えています。
おしゃれに興味が出て、ついたくさんのアウターをかけがちな長女に向けてのメッセージ。
仕事が終わるのは夕方5時半頃で、そこからは学童のお迎えや塾の送り迎えに。夕食を済ませてから、夜9時まで営業している近所のセリアに買い出しに行くこともあります。私、100均とニトリとカインズホームが大好きなんですよ! お客さまの収納グッズを調達するついでにいろいろと見て回って、暮らしニスタの記事のネタを見つけることもあります。このグッズで家のあそこを改良してみよう!と。でも、専門は整理収納なのに、暮らしニスタの記事は食べ物に関することも多いので、「食いしん坊なのかな」って思われているかもしれないですね(笑)。
夜は12時頃には寝るようにしていますが、どんなに忙しくても、テレビドラマだけは見ます! ほとんどのドラマを録画しているんです。早く寝たほうがいいかなと思うんですが、ドラマが気になって眠れないまま1時間過ごすくらいなら、1.5倍速でいいから見ちゃおう、と(笑)。生活の中の楽しみの一つですね。
お客さまに役立つこと、喜ばれることを仕事に
施工事例のひとつ。パントリーがすっきりきれいに!
仕事では、お客さまに変化があるのがわかると嬉しいですね。最近は新しい事業の準備があって、現場に行く機会が減り、寂しさも感じています。でも、私が行かない現場でも、スタッフを通じてお客さまが変わっていく様子を聞くと、よかったなと思います。
日本は、女性が家のことをやるべし、みたいな風潮があるじゃないですか。本当はそんな決まりはないのに。家事をうまくやれないと後ろめたさを感じたり、やるのが気が重くなっていったりして、自己肯定感も下がっていく。それならプロの手を使っていいと思うんです。リセットすることで、そのあとの暮らしが変わってくるので。
これまで伺ったお宅では、最初は「夫には内緒で…」とおっしゃっていたのが、最終的にはご主人も一緒になって整理収納の理論を実践してくれたこともありました。初日にはお化粧せずに疲れた表情だったお客さまが、2回目からお化粧して迎えてくれたり、家が片付くと気持ちも変わっていく。仕事なので、お金を生み出さないといけないんですが、お客さまにとって役に立つことやお客さまが喜ぶことでそれを得られるのが一番ですね。
取材・文/大島佳子
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