海外の食文化をたくさん学んだことが財産です
暮らしニスタでは、簡単にできて目にも美しい料理レシピを発表し続けているEmiriさん。テーブルコーディネートテクニックも抜群! ご主人の海外赴任中、海外で世界の料理とテーブルデコレーションを学んだという素敵な経験の持ち主です。
「まだ首も座ってない長男を連れて渡米することになり、初めての育児を経験しました。不安でいっぱいでしたが、夫の勤務先が配偶者に優しく、世界の料理を学ぶ講座を開催してくれていたのでよかったですね。アメリカは、小さい子供がいるママでも自分の時間を確保して、リフレッシュすることが当たり前という雰囲気なので、習い事をしやすかったです。現地のお料理教室や自宅サロン、カルチャースクールでも料理やテーブルコーディネートを学んで。そのうちに長男がプレスクールに通ったご縁で、スクールの子供たちや親、先生に日本の家庭料理や文化を教えるレッスンを開くようにもなりました」
アメリカでは、巻き寿司や天ぷら、すき焼きなど、人気の和食を中心に講師として料理レッスンを開催。帰国後は、教えるスキルを生かして、約7年前からパン教室の先生として活躍。カルチャー教室や企業のショールームでも教えています。
「帰国後、次男の育児の合間に気軽に通える教室を探したんですが、見つからなくて……。それなら自分で環境を作るしかないと思って、ライセンスを取得して教室を始めました。手ごねパン教室での人気メニューはドイツの菓子パン・シュトレン。12月はラム酒を入れたドライフルーツのパウンドケーキ、1月ならお抹茶と小豆、黒豆などを使ったパン、2月はバレンタインに合わせてハート型のパンなど、季節のイベントに合わせたパン教室を開くことも多いです。カルチャー教室では料理のレシピだけでなく、テーブルコーディネートなどトータルで教えることも心掛けています」
上品で洗練されたディスプレイが好きというEmiriさんが伝授するテーブルコーディネートのコツは?
「ただ自分が好きなものを並べるだけでなく、家族やゲストが心地よく、楽しく過ごせる空間を心掛けること。その人に合ったコンセプトを決めるのもいいと思います。それに追加して自分らしさを取り入れたら、オリジナルな空間が作れますよ」
海外で覚えた料理メニューが食卓にのぼることもしばしば。パーティーで喜ばれる多国籍料理のメニューもお手のものです。
「日本ではあまりオーブンを使わないかもしれませんが、アメリカではオーブン料理が主流。帰国後もオーブンでハーブで漬け込んだリブ付きのお肉やチキンの丸焼きを作ることもあります。他にも韓国料理や、スペインの方から教わったパエリアなども家族に大好評です」
さまざまな資格取得で自分の引き出しが増えました
写真上:お正月にもおすすめの抹茶と甘納豆のクーヘン。
写真下:「日清ラ王アレンジレシピコンテスト」受賞作品。
海外赴任する前から、大学の家政学部でいろいろな調理技術を勉強したり、海外に行ったりする機会がたくさんあったというEmiriさん。
「大学では、食物、食品、栄養の勉強も夢中で学びました。海外にも興味があったので、ニュージーランドやイギリスへ語学留学やホームステイに行ったり、日系二世アメリカ人の叔父が住むサンフランシスコに遊びに行ったりもしていました。英語を話す機会にも恵まれたので、海外赴任していた頃には、英語で日本のレシピを作成するほどに英語も上達してましたね」
食空間コーディネートの知識などさまざまな資格を取得されている勉強家。興味があると畑違いのものでも勉強がしたくなり、次々と挑戦してきたというのだから、アグレッシブ!
「大手老舗百貨店の婦人服売り場に勤務していたときは、カラ―コーディネートの資格を取得しました。ディスプレイやスタイリングをプロとしてやっていくには、色の知識が必要と思ったんです。ディスプレイの仕方で売り上げが変わるので、面白かったですね。他にも、大学時代に国税局でバイトした経験から、税理士専門学校に入学し、税理士簿記論を制覇しました。母の介護食のために薬膳コーディネーターの資格を取ったり、子供英会話講師や塾講師をするためにインストラクターの認定を取ったり。いろいろな引き出しをたくさん持っていることで、必要なときにアイデアがポンポン出てきますし、教養や経験、知識が必要な食の仕事では、役だっています」
料理好きの母親の影響で食文化に興味津々に!
写真上:季節の行事を簡単におしゃれにディスプレイ。
写真下:妹さん家族とのティーパーティー。
料理好きなのは子供の頃からで、料理が得意だったお母様の影響が大きかったのだとか。
「3年前に亡くなった母が、季節の行事やおもてなしを大切にする人でした。誕生日などには、飾りつけをして、手作りのパーティー料理を作ってくれたので、自然と自分自身も行事ごとではインテリアやレシピ、ディスプレイに気を遣ったり、おもてなしをしたりすることが身についています。母は庭の梅の木から梅をとって梅干しを作ってくれるなど、ひと手間かけた、体にいい料理をいろいろ作ってくれたのが素敵ないい思い出です。子供の頃から母の手伝いをするのが楽しかったですし、いろいろ教わりましたね。母が私にしてくれた食育を今度はしっかりと子供たちに受け継いでいきたいです」
現在は、2人の男の子のママとしても大忙し。子育てや家事はもちろん、カルチャースクールなどの仕事もしながら、家族との時間も大切にしているパワフルママです。
「子供たちが少年野球をやっているので、お休みの日はもっぱら球場に行って、家族みんなで過ごしています。我が家は、夫が野球の監督を務めているので、ここ数年は野球三昧! 家族総出で子供たちの野球を応援しています。あと、小3の次男は、『毎週土曜日の夕飯は、僕が作る!』と宣言してくれたので、一緒に献立を決めるのも楽しくて。作るだけでなく、買い物に行ったり、配膳したり、いろいろお手伝いしてくれるのが嬉しいです」
暮らしニスタにも、さまざまな料理レシピを投稿しているEmiriさんの最近のお気に入りの料理はというと…?
「お鍋のコンテストに応募した『デコ鍋』にハマっています。子供たちが綿あめが大好きなんで、ふわふわの綿あめを入れたトマトベースのお鍋を考えました。綿あめは、真っ白な雪のイメージで冬にぴったり。火にかけるうち、雪のように溶けていくのも楽しめますよ。他にもレンジで2分で簡単に作れるエビマヨは、主人のおつまみとして大好評。春巻きの皮で作った巻き寿司は、もやしなど、冷蔵庫の残りものの野菜を春巻きの皮で巻くだけです。簡単だけど美味しいレシピがお気に入り。凝ったお料理もたくさん作ってきましたが、これからも、時間をかけずに手軽に作れるレシピをたくさん投稿したいです」
楽しく暮らせるアイデアを多くの人に届けたい
写真:自宅で開いている料理教室の風景。
Emiriさんの夢は、お母様から教わった食育を受け継ぎ、伝えることと、暮らしのエッセンスが詰まった本を出版すること。話が止まらない様子から、熱い想いが伝わってきました。
「母から教えてもらったことや今までいろいろ学んできたことをまとめて、人に伝えることで誰かの助けになればと思っています。私のパン教室『E style』は、皆が(Everyone)、毎日(Everyday)、簡単に(Easy)、楽しく(Enjoy)、洗練された上品な(Elegant)な暮らしを目指すという想いから、『E style』と名付けました。そういった『E style』のアイデアを生徒さんや縁のある方に発信していきたいですし、いつかみんなが簡単に楽しく暮らせるアイデアが詰まった本を一冊にまとめるのが夢です」
取材・文/福田恵子
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