姫ニスタ

今月の注目姫ニスタさんインタビュー!

Vol.【28】 【*yuko*(曽布川優子) さん】

シンプル調理でおいしく、彩りのきれいなイタリア料理が人気の暮らしニスタさん。20年間のイタリア生活の中で料理を学び、料理学校で料理・ドルチェ課程のディプロマを取得。4年ほど前に帰国されました。帰国後、和食に目覚めて昆布大使に就任し、だしソムリエ資格も取得。東京都下でご主人と娘さん3人で暮らしています。

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アンラッキーを転機に変えて、イタリア料理の先生に


取材時にyukoさんが出してくださったお手製の前菜プレート。フリッタータやカポナータなど彩り豊か。イタリアで購入した食器やテーブルウェアは、帰国後も愛用中です。

 

夫の転勤でイタリアへ。そこで起こった驚きの事件が人生を変えました

暮らしニスタとしては主にイタリアンなどの料理レシピを投稿している *yuko*(曽布川優子) です。
私はもともと食品会社に10年勤めていたこともあり、料理が大好き。結婚してからはタイ料理教室に通ったこともあります。

そもそも、ローマへは夫の海外転勤に伴って移り住みました。結婚して娘が生まれ、娘が1歳半になるころだったかな。ちょうどイタリア料理がブームだったので、夫の転勤は、本場のイタリアンが食べれるのが楽しみで仕方ありませんでした。


2軒目に住んだ家の様子。白を基調としたシャープなイメージのインテリアに。


グリーンが気持ちいいテラスがお気に入りで、ここでよくランチをしたそうです。

当時はイタリア語なんて全く話すことができず、ただ単語を並べるくらいの語学力。でも温かなローマの方々に支えられ、また子育てを介して友人も増え、数年経ってやっと暮らしにも慣れてきた…、そんなときに「事件」が起こりました。
外出先から帰ってドアを開けると、部屋がまるで映画のワンシーンのような有り様に。あらゆる引出しは開け放たれ、宝石類はごっそり盗まれていて…。
なんと、泥棒に入られてしまったのです。

ちょうど主人は日本へ出張中で、娘は小学校にいる時間帯に起こった事件でした。イタリアではそういった泥棒事件がよくあり、あとで聞いた話では近所で何件も起こっていたとか。
保険が下りたものの、失った物や思い出の品が戻ってくるわけでもなく、本当にショックでした。あまりに衝撃的で、以来しばらく自宅を空けるのが怖くて外出もしなくなってしまって…。いわゆる引きこもりです。(笑)
でも娘の前でいつまでも落ち込んでいるわけにはいきません。何かを始めてみようと思い行動を起こすことに。
それが、私がイタリアで料理学校へと通い始めたきっかけなのです。

 

イタリア料理はゼロから始めて、料理教室を開くまでに


料理学校の卒業証書と教科書。

現地では、週3日、6カ月のコースを3つ通いました。
まず、イタリア料理の基礎とプロフェッショナルコース、その後続けてドルチェコースにも。
私のような外国人もいれば、シェフを目指す現地の方など、いろんな方がいてとても刺激的でしたよ。
実は、私は甘いものが苦手だったのです。それがドルチェ課程の授業で毎回試食するうちに、気づけばドルチェの虜に。(笑) 
だって本当においしかったんです!


イタリアの料理学校で作ったイタリアンスイーツ。

そして、料理学校を卒業した後は、駐在員の奥様を中心にお料理教室を開いたり イタリア人の友人にお寿司や和食の作り方を教えたりしました。
海外では 歓送迎会などのホームパーティーを開く機会も多いので、おもてなし料理やテーブルコーディネートを実践で学ぶよい経験になったと思います。


自宅でのホームパーティーの様子。


ホームパーティーではドルチェも何品か手づくり。


お正月には必ずおせちを手作り。


お嬢さんがいらっしゃるので、ローマにいてもひな祭りパーティーは必ず行っていたそう。

 

でも、イタリア料理の最高の先生は「マンマ」

料理学校ではイタリア料理の基本をしっかりと学べたので非常に満足はしているのですが、とはいえ「イタリア料理でもっとも勉強になったことは何?」と聞かれたら、「マンマの味」と答えるかな。
イタリアでは仲良くなったイタリア人の友人や、夫の仕事関係の家族から自宅にお呼ばれされることがたびたびありました。夫の友人のナポリ出身のペトリチオーネ家とは親戚一同が集まる夏の別荘へ毎年ご招待いただきナポリの郷土料理ボンゴレロッソやババというケーキをごちそうしていただきました。
イタリアのマンマたちに作り方を教わって、自宅でトライしてみるのも楽しかったですね。


ペトリチオーネの奥様が作るボンゴレロッソは最高なお味だったそう。


イタリアマンマのジョジョの作るナポリの伝統的なドルチェ ババ(画像あり)

 

イタリアでは、腕利きシェフたちが自慢のレシピを躊躇なく教えてくれました

もともと食いしん坊ぞろいの我が家 イタリア滞在中はローマに限らず各地方に出かけ外食を楽しみました。
イタリアにはその地方地方でしか食べられない食材や料理がたくさんあります。
夫の友人のピエトリーノの レストラン”タベルネッタ・ディ・ピエトロ・レッチェ“はカラブリアの山の中にあるキノコ料理の専門店。オーナー兼シェフのピエトリーノは料理に関して研究熱心。
ある日「トマトスパゲッティだよ」と出されたのは麺だけなのかと思うような一皿。でも不思議なことに口に入れるとトマトの味がします。作り方を聞くと、「トマトを漉して、その汁でソースを作ったんだ」とピエトリーノ。
そんなふうに、イタリアのレストランのシェフたちは、けっこうざっくばらんに自分のレシピを教えてくれることが多かったですね。中には「よかったら見においでよ」と厨房へ案内してくれるシェフもいたほどです。   


ピエトリーノに教わり作ったリングィーネ・アクア・ポモドーロ。


濾したトマトの汁を応用した透明なトマトゼリーを創作。今でも時々作る、お気に入りの一品です。透明なゼリーにはトマトのうまみがたっぷり!                   

だしを効かせた和食やイタリアンなど、シンプルな料理が好き

イタリアには20年暮らして、約4年前に帰国しました。
スーパーも、私が日本に暮らしていた当時とは勝手が違うので、最初は戸惑いの連続です。
和食を作ろうとだしを買いに行ったら種類が多すぎてどれを買ったらいいかわからないし選べない…となりまして。
思い立って、だしの勉強を始めることにしました。
昆布大使を務めさせていただいたり、だしソムリエ資格も取得したり。
だしを学ぶにつれて、わが家の食卓では和食率がぐんぐん上昇。
だしを効かすと、素材の風味を生かせますよね。イタリアンでも素材を生かして、塩とオリーブオイルで味を調えるだけ、というようなシンプル調理が多かったのです。
そういういじりすぎない調理法 素材の味を生かす味付けは和食とイタリアンでも共通部分があると思います。
自分の料理の「モットー」にしたいポイントでもありますね。


だしでマリネしたサーモンのカルパッチョ


だしを効かせたトマトの冷たいスープ

 

色もの素材で華やかな料理に。保存方法も工夫して彩りよく

料理に関してはもうひとつ大切にしていることは、彩りとパッと見ておいしそうと感じられる盛り付けです。
例えば、家庭料理では和食はブラウン系になりがちですよね。でも、味がぶれない程度に、グリーン系などの素材を加えて華やかに仕上げたいところ。
例えば、肉じゃがにはグリーンピースをプラス。ちょっとした炒め物はレッド・グリーンなどと対照的な色合いの食材を組み合わせる、という具合です。
色みをプラスできる野菜としては、赤・黄パプリカやズッキーニなんかもいいですね。イタリアンでおなじみの食材ですが、和食にもよく合うんですよ。
パプリカは安いときに買って、焼いて皮をむいてマリネに。ズッキーニは輪切りにして両面を焼いてから冷凍しています。こうすると保存が効くし、「彩りが欲しいな」というときにサッと使えて便利です。


色味を効かせたメニュー例。夏野菜の和風麻婆。


だしをじっくりしみ込ませた冬瓜とトマトのそぼろあん

暮らしニスタは料理からDIYまで幅広いのが好き。趣味が拡大中です!

「暮らしニスタ」の投稿を始めたのは、今から2年ほど前でしょうか。
以前は料理レシピばかりでしたが、最近は100均グッズや、おいしいもののご紹介記事もアップしています。
他の暮らしニスタさんの投稿が楽しくて、読んでいるうちに触発されて、興味の幅が広がっているんです。
本当はDIYの記事も出してみたい~(笑)
実際に、最近ではキッチンのコンロ周りに100均で見つけたレンガ調リメイクシートを貼って、DIYに挑戦してみました。なんと総額400円ほどで完成!
料理だけじゃなく、DIYなどいろいろなジャンルがあって楽しみが広がる。
それが私にとって、暮らしニスタ最大の魅力です。


キッチンの壁レンガ調のリメイクシートを貼ってイメチェン。「でも、近くでは見ないでくださいね(笑)」

 

娘もがんばるから、私も! 今後はお仕事にもますます励みます

実は今年の9月から娘がイギリスで仕事をすることになりました。
これまで私がメニュー開発をするために食事に出した試作品を「おいしい」と褒めてくれたり、率直過ぎる意見をくれてけんか腰になったりと、娘とは楽しい思い出がたくさんです。
自宅から巣立つのは、母としては心配だし寂しい気持ちがもちろんあります。
でも、彼女もイギリスでがんばるだろうから、私もがんばりたい!!
これからは、今まで以上にメニュー開発のお仕事もやっていきたいし、出張料理教室の他にも自宅で小さなお教室教室を始めることも計画中。
料理コンテストもバンバン参加するぞ~と張り切っています。
これからも家族の健康と笑顔のために、おいしいものを作っていきたいと思っています。

取材・文/北浦芙三子

 

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