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Vol.【30】 【SHIMAさん】
フードディレクター、料理研究家、料理ブロガー、料理YouTuber、六本松蔦屋書店の食のコンシェルジュ。お料理のモットーは「簡単、時短、お洒落」。料理が得意じゃなくても料理が楽しめるようなレシピが人気。福岡県在住、夫&愛犬と暮らす。
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食を通していろいろな人と繋がり、食をもっともっと楽しみたい!
「食」に関することは何でも扱うフードディレクター
職業を聞かれると「フードディレクター」と答えています。レシピ考案を中心に、料理に関するさまざまなことでお仕事をしています。
レシピ開発は「この企業のこの商品を使って」とか、「このお鍋を使って」など、お題があって考えることが多いですね。
テレビの仕事もすることもあり、出演もあれば、裏方も。
例えば10分くらいの料理コーナーで時間内に完成させるためにシーンを計算しながら「切った素材」「焼いたもの」などと素材を用意したり、放送当日の裏での調理をやったり。
テレビ番組の裏方時の様子。生放送で料理を紹介するタレントさん(黄色い服の女性)とバックヤードで進行の打ち合わせ中。
CM撮影に使う料理の準備やスタイリングをすることもあります。他にも食のコラムやイベントの企画、六本松蔦屋書店さんで食にまつわる本を紹介する食のコンシェルジュもしていますし、生産者さんの相談なども。
六本松蔦屋書店で「食のコンシェルジュ」を担当。
なんでも屋さんみたいにいろんな内容がありますね(笑)
「食」を軸に見た人、食べた人、作った人たちに何かを感じてもらえることが出来る仕事ではないかと思っています。
「食」を軸にする!と心に決めたのは3年前
私は、もともと映像の編集の仕事をしていました。20歳で映像編集のプロダクションに就職して10年間勤め、結婚を機にフリーランス契約に。だいたい20年近く映像の世界にいました。今、自分のYouTubeチャンネルを持っていて料理レシピを配信しているので、その時の経験がとても役に立っています。
もともと、最初の進路でも料理関係に行くか映像関係に行くかすごく悩んだんです。映像の仕事をしながら、料理もずっと好きだったんです。
15年くらい前にブログが流行り始めたときに、たまたま愛犬のブログを書き始めて、そのブログにちょこちょこと料理記事を載せていたら、友達からその料理を独立してみたら?と勧められまして。
それをきっかけに、お料理ブログをスタート。食に関する仕事をやりたいと思い始めました。しばらくはブログでモニターをやったり、レシピサイトに登録したり、コンテストに出したりして、料理の世界での足がかりを作る準備をしていたという感じでした。少しずつお仕事を頂けるようになって、名刺に肩書きを入れたりして本格的に始めたのは3年くらい前からかな。「これで頑張っていこう」って徐々に食の方向にスライドして気持ちが固まってきました。
暮らしニスタになったきっかけは青山金魚さん
以前から、とあるレシピサイトのモニターをやっていました。キックオフイベントが開催されて、福岡から東京までひとりで行ってポツンとしていたら、声をかけてくれたのが、実は青山金魚さんでした。
意気投合して、集まりが終わったあと飲みにいって。2人で勝手に企画を立ててブログでコラボしてみたり、そうやって親しくなった金魚ちゃんが暮らしニスタを教えてくれたんです。
やってみたらすごく楽しくて。でも、時間がなくて一時離れたりもしまして…。そんな時に「そろそろやりなよ、サボってるでしょ?」と背中を押してくれたのも金魚ちゃんです。(笑)
六本松蔦屋書店では青山金魚さんの食のイベントを企画しました。
暮らしニスタは楽しいですね。料理だけではなく生活全般のことが投稿されているので、読者としても「これやってみようかな」「あれを試してみようかな」と生活のハリにつながります。
投稿する際に気をつけているのは「嘘を書かない」こと。
時短をうたってるのに、作ってみると案外時間がかかるとか、ぶきっちょでもできると書いてあるけどなかなか難しいとか、そういうことがないように(笑)。「こんなことをやれば読者の方が楽になるかな」とか、「家族が喜びそう」と試してみたいという気持ちになってもらえるように、届ける先を意識して投稿しています。
一番好きなのは、作ることを考えている時間
話が映像のことに戻りますが、映像の編集というのは、ディレクターさんが撮ってきたさまざまな映像パーツを組み合わせること。見せる順番を考えて、それに文字や音楽を入れていきます。この「材料を加工してひとつにする」ということが料理づくりにとても似ていると感じています。
私の料理は「こういうものを作ろう」と先にメニューを決めて、そのために材料を揃えるのではなくて、買い出しに行った先で「旬のお魚があるから、あれと組み合わせてこういうものを作ろう」と材料から料理を決めていくことが多いです。材料の組み合わせを考えることが好きなんでしょうね。
そういう意味で、私はプラモデルも好きでよく作るのですが、それは出来上がりに向かう組み立てる時間の楽しみですし、DIYにはまっているのも同じ理由。作ることを考えている時間がたまらなく大好きなんです。
何もない壁にご主人とキッチンの棚をdiy。
大変だったレシピ制作とは…。
料理に関わることなら何をしていても楽しいのですが、メーカーさんのサイトのレシピ開発で、コンビニに売っているものだけでレシピを作るという依頼は大変でした。掲載レシピは16本くらいとはいえ、40本ほどのアイデア出しが必要で、毎日毎日コンビニに通いましたね。買わないけどうろうろするので、絶対へんな人だと思われてるだろうなって(笑)。苦労しましたが、出来上がったサイトを見せていただいたときには嬉しかったですね。コンビニしか開いていないような時間まで働くような忙しい人にも届くだろう、作ってくれるだろうと思ったら、頑張ってよかったと感じました。
自分自身も、忙しい時に買ってきたお弁当を食べることもありますが、お皿に盛り付けなおしたり、出来合いのものでもちょっと手間を加えたりするだけで気持ちが変わるんですよね。これからも日々が楽しくなるようなことを紹介していきたいと思っています。
食を支える人たちと食卓とをぐるっと繋ぎたい
私は誰でも作れるような簡単な料理を発信している反面、昆布を加えて飯を炊いたり、お出汁をきちんと取るなど、ていねいに作る料理も大好き。
やはり、食べることは生きる基本ですからね。
そこで、大切な食を楽しみ、食についてゆっくり考える場所ができたらいいねということで、友人とユニットを組み、農家さんやこだわりの調味料を作っている人に来ていただいて、その人たちとお客さんがコミュニケーションをとれる場所でもあり、食を感じる場所でもあるイベントを年に3回ほどやっています。
その時に、私達はカレーを作るのですが、この野菜はそこの農家さんがこんな風に作っているとか、このナッツは燻製でそこにいるお姉さんが作ったものだとか、一つの皿のお料理の中にいろんなエピソードを盛り込むようにしています。
こんなふうに、農家さんや食のメーカーさんなど色んな人が関わり、作り手と食べる人とをぐるっと繋ぐようなことができたらいいなと考えています。
これからも、「食」を通して人が繋がったり、
料理が得意じゃない人でも作れるような簡単で美味しいレシピで「美味しかった!」と喜んでいただけたり、「『食』って楽しい」を感じてもらえるような活動もできたらと思っています。
取材・文/市村遥子
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