コラム

賃貸でも諦めない！ディアウォールで壁や床を傷つけないDIY＆収納アイデア14選

更新日：2020.08.07

「部屋に棚を取り付けたいけれど、壁に穴が開くのは賃貸だから無理」と諦めていた人たちの救世主のごとくあらわれた「ディアウォール」。金具を使わずに垂直に木材を立てることができるので、賃貸アパートでの一人暮らしや、賃貸マンションにお住まいのファミリーを中心に人気が沸騰しています。

これまで賃貸では不可能だと思われていたDIYも、ディアウォールならOK★予算を抑えながら簡単に棚や収納を増やすことができますよ！ここではディアウォールの基本情報とともに、実例やアレンジ作例をたっぷりとご紹介します。

「ディアウォール」とは

photo by 奥田倫子さん

「ディアウォール」は、2×4（ツーバイフォー）住宅の構造用木材「2×4材」をはめ込んで、天井と床の間に突っ張らせ、壁に柱を作ることができるアジャスター。専用の棚受けパーツを使って棚を作ったり、ウォールデコレーションが楽しめます。「ディアウォール」は若井産業というメーカーの商品名ですが、このパーツやシステムについての一般名称のように使われています。

壁や天井を傷つけないのがメリット

天井と床に木材を取り付ける場合、通常なら金具やネジなどで壁や天井に穴が開いてしまいますが、ディアウォールを使うことで、部屋に傷をつけずにDIYができます。コンクリートや石膏ボードのようにクギの打てない所にも取り付けられるので、家じゅうのいろいろな場所で本格的なDIYを楽しめるのが魅力です。

お部屋に合わせて好きな色と形が選べる

カラー展開はホワイト・ライトブラウン・ダークブラウン・ブラックの4色。形状は2種類で、丸みのある「レギュラーライプ」と直線的でスマートな「シンプルタイプ」があり、お部屋の雰囲気に合わせて形と色を選ぶことができます。
カインズやドイトなどのホームセンターで扱っているほか、ネット通販でも購入できます。金額はお店によって異なりますが、およそ1つのパーツが800～1,500円程度（柱用システム1本分／棚受けともに・税抜）です。柱に使う木材も通販で購入できますよ。

「2×4材」とは

2×4材は、2×4（ツーバイフォー）住宅用に規格化された木材。「厚み」と「幅」が「インチ」（欧米の長さの単位）で表され、1インチ(19mm)と2インチ(38mm)の2種類の厚みがあり、それぞれ「1×材（ワンバイ材）」「2×材（ツーバイ材）」と呼ばれています。
幅は2インチ～10インチまでさまざまなサイズがありますが、ディアウォールに使われるのは、主に4インチ(89mm)と6インチ(140mm)のもの。2×4材や1×4材、2×6材や1×6材です。

1×4材の強度は？

1×4材の厚みは2×4材の半分の19mm。重さも半分になるので組み立てやすく、価格も安いので気軽にチャレンジできますが、強度を比較すると2×4材にはかないません。キッチンの調味料ラックなど、重いものは置かないような棚を作るのがおすすめです。
ちなみに、専用の棚受けパーツを2コ使ったときの耐荷重は、2×4材・1×4材の場合で5kg、2×6材・1×6材の場合で7kg です（公式サイトより）。

木材が短い場合は中間ジョイントを使う

木材の長さが足りない場合は、中間ジョイントという別売りのパーツを使って連結することもできます。お店で短い木材を買ったほうが持ち運びがラク、という場合などに便利です。また、ディアウォールには内側に入れられるスペーサーが付属しているので、長さの微妙な調節はこれでできます。

「ラブリコ」や「ウォリスト」にも注目！

「ディアウォール」が発売されたのは10年ほど前。数年間はひっそりと販売されていましたが、昨今のDIYブームで一気に注目が集まり、同じ機能を持つ「ラブリコ」や進化系の「ウォリスト」などが、続々デビューしています。

「ディアウォール」「ラブリコ」「ウォリスト」素材＆機能比較

「ディアウォール」「ラブリコ」がばねの力で突っ張るのに対し、「ウォリスト」はばねとジャッキの力で突っ張る仕組み。また、「ウォリスト」は2×4材を4本までまとめて使えるので、しっかりとした棚や収納には「ウォリスト」が向いていると言えます。

「ラブリコ」は公式オンラインショップで、2×4材とのセット販売や豊富なカラーラインナップ、2×4材用の壁紙なども扱っているので、DIY初心者やウォールデコレーションとして楽しみたい人におすすめできそうです。

棚を作りたい人には「ウォリスト」がおすすめ

ディアウォールやラブリコを使ったユーザーの「もっと収納力のある棚が作りたい」「もっと奥行きがほしい」というニーズを取り入れて、開発されたのが「ウォリスト」。壁一面の本棚や食器棚など、しっかりした強度のある棚を作りたい人におすすめです。

2×4材を束ねることで奥行きのある棚に

「ウォリスト」は専用の金具で2×4材を4本まで束ねて使うことができるため、棚の奥行きが最大で35.6㎝に。また、ばね＆金属製のジャッキで突っ張ることで、よりしっかりと固定されます。

＜2×4材を束ねたときの奥行き＞
1本で使うと：奥行き 8.9㎝
2本束ねると：奥行き17.8㎝
3本束ねると：奥行き26.7㎝
4本束ねると：奥行き35.6㎝

要注意！ディアウォールの危険な使い方

ディアウォールなどの突っ張りシステムを使うと、手軽に柱が立てられるので、板を貼って仕切り壁を作りたい、壁掛けテレビにしたい……と夢は広がりますが、じつはこれ、どちらも危険な使い方なんです。

2×4材を使うので、一見しっかりとした柱に見えますが、構造は突っ張り棒と同じ。設置当初はしっかり支えていた突っ張り棒が、月日を重ねるごとにゆるい状態になってきたという経験はありませんか？特に危険なのが、柱より前に荷重がかかる使い方。柱の前面に棚板をつけたり、テレビを掛けたり、柱より前に荷重が加わると、前に引っ張られる状態になり、転倒しやすくなります。

天井と床が強度のポイント

天井の根太（ねだ／土台）がない場所には「突っ張り力」がきちんと働きません。根太のない場所で強く突っ張りすぎると、天井板が抜けたりすることも。壁面以外は根太が入っていない場所が多いので、リビングなどの間仕切りとして使うのは危険なのです。

クッションフロアやカーペット、畳などの柔らかい床の上に設置するのもNG。床が沈み込んで倒れてくるおそれがあるので、かならずフローリングなどの堅い床を選びましょう。

壁掛けテレビにするなら「ウォリスト」の専用金具を使って

「ウォリスト」には、32～52インチテレビに対応する、専用の「テレビ壁掛け金具」もラインナップ。補強材と金具で棚の内側に設置すれば、テレビ台としてブルーレイやスピーカーなどの周辺機器もすっきり置くことができますよ。

ディアウォールの使い方・取り付け方

ｐhoto by ここらむさん

ディアウォールの基本的な使い方

基本的な取り付け方は、この4ステップです。

（1）床から天井までの高さを採寸する
（2）床から天井までの高さよりも40～45mm短くした2×4材を用意する
（3）ディアウォールを2×4材にセットする
（4）2×4材を垂直に立たせて設置完了

これで柱が完成。あとは棚受けパーツを使って棚板を設置していきます。

ディアウォールの設置に必要なもの

（あ）定規　
材料の長さを測って、ねじ（ビス）を打つ位置やカットする場所を決めるときに欠かせない道具。もちろん普段使っている定規を使ってもOKですが、直角に折れた金属製の定規（さしがね）は角度を正確に測ったり、線を平行・垂直に引くときに便利。200～300円で購入できるので、そろえておきたい道具です。

（い）巻き尺（メジャー）
床から天井までの高さを測るときに使う道具。一般的な住宅であれば、3mくらいまで測れるものがあれば問題ないでしょう。

（う）鉛筆
ねじを打つ位置や木材をカットする場所などに、印をつけるときに使います。

（え）電動ドライバー（またはドライバー）
ねじ（ビス）を回転させて固定するための道具。手動のドライバーは力が必要で、何本もねじをとめるのは想像以上に重労働。できれば電動ドライバーがあると◎。

ほかには電動工具にセットして使うドリルビット（ねじの下穴をあけるための金具）があると、ねじが曲がって入ったり木材が割れたりするのを防げます。

ここから実例紹介！ディアウォールをキッチンに活用してみよう

こまごまとしたものが多いキッチンには、収納はいくらあっても足りないですよね。ディアウォールを使って棚を取り付ければ、手軽に収納スペースが増やせます。

ディアウォールで叶える薄型オープン棚

お皿やカップ、調味料など、かなり収納力のある棚も、ディアウォールで作ることができます。設置した2本の柱に板壁と棚を取り付けるだけで素敵なカウンターに。板壁にアイアンバーやアイアンウォールを取り付ければ収納の幅がぐんと広がりますよ。

セリア×ディアウォールでカフェ風キッチン

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ディアウォールを使って　今まで釘が打てなかったパネル壁面に棚等を作ってカフェの様に見せる収納でお洒落なキッチンになりました(^-^)v続きを見る

ディアウォールを壁面収納に使ってみよう

どこにでも設置できるディアウォールは、壁面収納でもその力を発揮します。ディアウォールを壁際に取り付けて、これまでうまく整理できなかったものを収納しましょう。

窓風パーテーションで玄関をすっきりかわいく

お客様を迎える玄関なのに、モノがあふれていると生活感が丸出しになってしまいますよね。これもディアウォールで解決！2本の柱を立ててべニア板を貼り付け、内側にすのこやフックを付けてモノを掛ければ、目隠しになってすっきりした印象に。玄関ではほかに鏡を設置するアイディアも人気です。

ディアウォール×セリアで可愛いショップ風収納型パーテーションをDIY

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ディアウォール×セリアで仕上げた裏面が収納になっているパーテーションです！玄関先に子供のテニスラケット、MyクーラーBOX等がごちゃついて散らかってるのが丸見えで解消したくて収納が出来て可愛いデザインを作って見ました!!続きを見る

ディアウォールと有孔ボードで壁面収納

穴の開いた板「有孔ボード」を使って、壁面収納を作ったアイデア。ディアウォールで柱を設置し、柱と柱の間に有孔ボードを挟み込むように取り付けます。有孔ボードには絵を飾ったり、小物入れを取り付けたりすることができ、子どもたち自分でお片付けしやすい収納の完成です！

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柱にも同じ壁紙を貼って見た目スッキリ♪

おしゃれな壁に飾り棚がある風景。一見、2×4材が見えないのは柱にも壁と同様の壁紙を貼っているから！両面テープで貼りつけているので、はがすときも簡単です。ディアウォールをより自然に使いこなすには、壁紙を利用するのもありです。

賃貸でも諦めない！ディアウォールで飾り棚を設置しよう。

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シンプルな学習机にディアウォールで棚をプラス！

お子様が使用する学習机。お部屋が狭くて小さなサイズしか置けないとき、ディアウォールを活用すれば、学習机と壁の隙間に作り付けのような棚を設置できます。有孔ボードも取り付ければいろいろ掛けられて便利。2×4材とディアウォールを同じ色で塗装しているので一体感がありますね。

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ディアウォールで洗面所を快適空間に♡

狭い洗面所の縦の空間を有効活用。洗濯機の後方にディアウォールで2本の柱を立てて棚を作ることで、洗濯かごや収納ケースを置くことができてスッキリ。クリップ式の扇風機を取り付ければお風呂上りも涼しくて快適です♪

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ディアウォールに似てるラブリコで念願の本棚を

リビング横にある本棚がいっぱいになり、他の場所にも本や漫画が分散されていたため、ラブリコで本棚をDIY。柱1本で棚を作ると浅くなってしまうため、2本並べて奥行きを出しました。白く塗装したこともあって圧迫感もなく、本が１ヶ所にすっきりまとまりました。木材の長さを指定してホームセンターでカットしてもらったので、作り方は簡単♪