えのきはスーパーマーケットや八百屋さんで、一年中手に入れることが身近な野菜のひとつです。香りや食感がよく、さまざまな料理に活用できるうえ、お財布に優しい価格なのも人気の理由といえるでしょう。
さらにお得な大容量パックを購入して、使いきれないえのきの取り扱いに困ったことがあるという人も多いのではないでしょうか。今回は、えのきが冷凍保存に適しているのがどうかをまとめました。ぜひ参考にしてくださいね!
えのきって冷凍保存して大丈夫?
えのきはほとんどの場合、1度に使いきることを想定した束がパック包装され販売されています。メーカーにより1パックの容量はさまざまですが、一般的には定番サイズの約200gパックと小さめサイズの約100gパックの2種類あります。元々低価格なえのきですが、ときにはさらに安い価格で特別販売されていたり、200gパックが2個セットになったお得パックで販売されていたりすることもあり、ついつい多めに買ってしまうことも。
一度に使い切れなかったえのきを冷凍保存できたらいいですよね。
えのきは冷凍すると栄養価がアップ!
えのきはカロリーが低く、ヘルシーなイメージなので栄養価も低いのでは?と思っていませんか?しかし実は、食物繊維が豊富に含まれているほか、ビタミンB群やカリウムなどのミネラルも豊富で、さらにたんぱく質も含む栄養たっぷりの食材なのです。
そんなえのきは冷凍するとさらに栄養価がアップするという特性を持っています。冷凍すると栄養価がアップする理由は、冷凍することにより膨張した水分がえのきの細胞壁を壊し、細胞の中に閉じ込められていた栄養素が外に溶け出して来て、吸収率がアップするからなのです。
冷凍により外に溶け出して来る栄養素には、アニル酸・グルタミン酸・アスパラギン酸などがあげられます。これらの栄養素には、脳の機能を活性化する働きや疲労回復、または生活習慣病を予防する効果も期待できるそうです。
冷凍すると食感はどう変わる?
野菜の中には、冷凍することで食感や風味が落ちてしまうものもあります。その原因は前述したように、冷凍することにより野菜の中に含まれる水分が膨張し、細胞壁を壊してしまうためです。細胞壁が壊れた野菜は、細胞内にあった水分や栄養素が溶け出してしまうため水っぽくなったり、シャキッとした食感が損なわれたりしてしまうのです。
冷凍えのきの場合も同様に、解凍後の状態は生のえのきと比べてフニャッとした見た目になります。しかしそもそもえのきは、生のままではなく加熱調理して食べる食材。そのため調理してしまえば、さほど食感が悪いと感じることもないでしょう。
冷凍によって旨味が3倍に!?
また冷凍することによりえのきから溶け出すグアニル酸・グルタミン酸・アスパラギン酸は旨味成分でもあります。えのきを生のまま調理したのに比べ、冷凍してから調理したえのきの旨味は3倍ほどにもなるそう。冷凍により多少食感が落ちるデメリットより、旨味が格段にアップするメリットの方が大きいため、えのきは冷凍に適した食材であるといえるでしょう。
購入したえのきの冷凍方法とは?
スーパーなどで販売されているえのきのほとんどは、袋に入れられて販売されています。冷凍する場合には、どのような処理をするのが適切なのでしょうか?では、さっそく2つの冷凍保存の方法をご紹介します。
生のまま冷凍する場合の手順
生のえのきを冷凍保存する場合の注意点は、洗わないこと!えのきは水に弱く、風味が落ちてしまったり、劣化が早まったりしてしまうため。しかし、えのきは菌床栽培というクリーンな環境で栽培されているため、ひどく汚れているというケースはほとんどありません。また加熱調理をして食べることが前提の野菜なので、洗わなくても安心です。どうしても表面に付いた汚れなどが気になる際には、キッチンペーパーなどでふき取りましょう。
1.購入した際に入っていた袋から取り出します。
2.石づき(根元部分)を切り落とし、食べやすい大きさに束を分けます。
3.なるべく平らになるように冷凍用保存袋などに入れ、封をします。
4.冷凍用保存袋の上から新聞紙などで包み、冷凍します。
多くの食品は冷凍保存するとき急速に冷凍するほどよいとされています。そのほうが細胞壁が壊れにくく食感などへの影響が少ないため。逆にえのきなどのきのこ類を冷凍する際は、ゆっくりと温度を下げることで細胞の中にできる氷の粒が大きくなり、それが細胞壁を壊わして栄養や旨味成分を流出させるのがねらい。フリーザーバッグごと新聞紙などで包みゆっくりと凍らせるのがポイントです。
えのきを茹でてから冷凍する場合の手順
えのきは塩茹でしてから冷凍保存するという方法も。冷凍する手順は生の場合に比べ、多少手間がかかりますが、茹でてから冷凍することにより、そのまま料理にも活用することができ便利です。
1.石づきを切り落とします。
2.えのきを食べやすい大きさにほぐします。
3.小さじ1杯の塩を入れた鍋を沸騰させ、えのきを入れ1分ほど茹でます。
4.茹であがったらしっかりと水分を取り、冷凍用保存袋などに入れて冷凍します。
生のまま冷凍したえのきと違って、えのきを茹でてから冷凍するとひとかたまりになってしまうため、一度に使い切れる分量ずつパッキングして冷凍することが大切です。
えのきを冷凍した場合の保存期間は?
えのきはきのこの中でも水分含有量が多く、傷みやすいという特徴があります。購入した当日から3日以内に使い切れるようであれば、冷蔵保存で構いませんが、購入して3日以上使う予定がない場合には、冷凍保存することをおすすめします。
冷凍保存すると、約1ヶ月間は美味しさを保つことができるといわれています。また冷凍することにより栄養価や旨味もアップすることから、購入してすぐに冷凍保存してしまうのもいいでしょう。
冷凍えのきの解凍方法
冷凍えのきを料理に使用する際には、必要量を直接フライパンや鍋に入れて調理と解凍を同時に行うのがおすすめの方法です。冷凍したえのきは、調理することで、冷凍によって壊れた細胞壁から旨味成分が溶け出し、料理をおいしくしてくれます。
冷凍したえのきを常温でゆるやかに解凍した場合、えのきの細胞の中に含まれていた旨味成分や栄養素などが水分と一緒に流れ出てしまうので、流出した水分も捨てずに使うようにしましょう。
冷凍えのきに向いているレシピ・向かないレシピ
冷凍えのきはさまざまな料理に使えますが、特に炒めものや煮込み料理、スープのレシピに向いています。なぜなら、冷凍えのきを凍ったまま鍋やフライパンに直接投入できるからです。
対して冷凍えのきが向かないレシピとしては、「えのきの肉巻き」などが挙げられます。えのきを肉に巻く過程で、冷凍えのきがゆっくりと解凍されてしまうため水っぽくなってしまうから。またヘルシーレシピとして、ハンバーグや餃子の具材にえのきを加えることがありますが、これも同じ理由で冷凍えのきは向いていません。
冷凍OK!えのきの作り置きレシピ
特売などでえのきが安く手に入ったら、作り置きおかずを作って冷凍しておくのもオススメです。食事の準備に時価がかけられないときや、あと一品ほしいときに重宝しますよ。
薄味だからアレンジ自在!作り置きレンジで簡単【あっさりなめたけ】
【材料(作りやすい分量)】
えのき…2袋
☆きび砂糖…大さじ1
☆白だし…大さじ2
☆醤油…大さじ2
えのきを大量に使ったオリジナルなめたけです。甘味料としてきび砂糖を使用することで、あっさりとした味わいに仕上がります。ごはんや冷ややっこのトッピングとしてはもちろん、スープの具材としても使うことができます。もちろん冷凍保存も可能!
2018.03.22レンジで簡単に作れ、アレンジのきくなめたけです。えのきが安い時に是非!こんなアレンジはいかがでしょう↓↓https://kurashinista.jp/articles/detail/45446https://kurash...続きを見る
【作り置き基本のレシピ】レンジですぐできる!ミックスきのこのうま塩煮
【材料(作りやすい分量)】
お好きなきのこ(しいたけ、えのき、まいたけなど)…4パック(400g)
塩…小さじ1
酒…大さじ1
唐辛子(輪切り)…小さじ1/2
にんにく(チューブ)…小さじ1/2
鍋を使わず電子レンジだけで作るお手軽レシピです。材料もシンプルなので、家庭にある材料だけでパパッと作ることができますよ。しっかりとした味付けなので、お弁当の具材にもぴったり!毎朝の朝食作りやお弁当作りに活用してみてくださいね!
2016.07.13「いろいろキノコの塩うま煮」は、鍋も使わずレンジでチンで完成する簡単作り置きレシピです。しっかり味のついたきのこは、ご飯に混ぜたり、トッピングに使ったり、いろいろな用途で使えます! 和風も洋風もイケますし、お酒のおつまみに...続きを見る
茹でてぷるつる♪ 柚子とねぎ味噌の水晶肉団子
【材料(3人分・18個)】
豚ひき肉…250g
長ねぎ…1本
えのき…1/3袋
酒…大さじ1
塩…ひとつまみ
味噌…大さじ1.5
柚子皮…1/2個分
片栗粉…適量
柚子の香り効いたえのきが主役の肉団子です。肉団子のまわりに片栗粉をまぶして茹でることで、プルプル食感に仕上がります。まとめて作って凍らせておくと、スープの具材などに使えて便利です。スープの中に凍った肉団子を入れるだけなので、お手軽ですよ。
2018.12.01柚子の香りがたまらない、ねぎ味噌味の肉団子です。揚げるのではなく、片栗粉をまぶして熱湯でゆでるだけなので、とってもヘルシー♪柚子の風味がねぎ味噌とよく合い、ひと口食べて思わず「美味い♪」とうなってしまいました^^肉種には野...続きを見る
まだまだあります!えのきのおすすめレシピ
鶏団子と野菜の柚子胡椒鍋
【材料(1人分)】
水…350cc
白だし…大さじ2・1/2
酒…大さじ1・1/2
みりん…大さじ1・1/2
鶏ももひき肉…100g
はんぺん…1/2枚
塩こしょう…少々
キャベツ(短冊切り)…適量
えのき(石づきを取り2等分する)…適量
柚子(スライス)…1/2個分
あらびき胡椒…1つまみ
生の柚子を使い、香り高く仕上げたスープです。えのきと鶏だんごから出るダシがこのスープの味の決め手!最後にかけるあらびき胡椒の効果により、やさしい味わいの中にもしっかりとインパクトのあるスープに仕上がります。
https://kurashinista.jp/articles/detail/53977
アレンジ自在の作り置き♡きのこのペペロンチーノ風炒め
【材料(2人分)】
エリンギ…大1本
えのき…1/2袋
しめじ…1/2株
ニンニク…1片
輪切り唐辛子…少々
白ワイン(A)…大さじ1
醤油(A)…大さじ1
塩こしょう…少々
イタリアンパセリのみじん切り…適宜
ペペロンチーノ風の味付けなので、お酒との相性バツグン!またオムライスやパスタの具材としても応用することができます。冷蔵で3日ほど保存が可能なので、えのきのストックが豊富にある場合はたくさん作って保存するのもよいアイデアです。
2018.05.07きのこがたっぷり食べられるヘルシーおかずです。ニンニクと輪切り唐辛子の風味が効いているので、そのままおつまみとしても◎パスタと和えたり、オムレツの具材にしても美味しく、アレンジの幅も広いので、沢山作って作り置きしておくと便...続きを見る
安くて簡単!「卵のあんかけ黄金炒飯」
【材料(1人分)】
あったかいご飯…200g
えのき…50g
卵…2個
小口切りネギ…大さじ1杯
かつお節使い切りパック…1袋
マヨネーズ…小さじ1杯
薄口醤油…小さじ1杯
塩…少々
水…200cc
水溶き片栗粉(水:片栗粉/小さじ1:1)…小さじ2杯分
卵をたっぷり使ったリッチなあんかけチャーハンです。えのきやネギの食感が活きた特性あんが、食欲をそそりますよ!さらに隠し味のマヨネーズが深いコクを生み出し、クセになる味付けが魅力的な一品です。
2018.02.19「難しい事は抜きの簡単レシピ」卵を2個使うのでちょこっとリッチ気分が味わえます♪卵たっぷりのあんかけ炒飯を簡単にご自宅で作ってみませんか? 簡単だから、盛り付けはちょこっとだけ手をかけて、見た目美味しくお安く仕上げましょう...続きを見る
栄養バッチリ!たっぷり大根おろしのみぞれ鍋
【材料(2人分)】
ダシ汁…500㏄
日本酒…大さじ2
大根…1/2(450g)
豚ロース肉…300g~
しいたけ…4個
えのき…1/2袋
豆腐…1/2丁
春菊…1/2袋
ポン酢…適量
一味唐辛子…お好みで
豚肉やきのこ、春菊などが入ったみぞれ鍋です。美味しさの秘訣はたっぷりと大根おろしを入れること。さっぱり上品な味に仕上がります。また冷凍でストックしているきのこ類は、鍋料理に使うのがおすすめです。きのこからもたっぷりダシが出て、鍋の旨味がグン!とアップしますよ。
2018.11.29寒い夜には鍋がいいですよね。最近 よく作るのが 栄養価が高い大根おろしをたっぷり入れたみぞれ鍋です。ヤマキ基本のだし 焼きあごと焼き煮干しで 濃い目にとっただしに 大根おろしをたっぷり入れます。具材は 豚肉 シイタケ エノ...続きを見る
絶対においしい~バター醤油風味のきのこたっぷりスパゲッティ
【材料(2人分)】
スパゲッティ…160g
オリーブオイル…大さじ1
にんにく…1片
赤唐辛子(小)…1個
マッシュルーム…4個
しいたけ…3個
エリンギ…2個
舞茸…80g
しめじ…1パック
えのき…1/2
バター…15g
醤油…小さじ2
青海苔…少々
茹でたブロッコリー…少々
塩…少々
きのこをたっぷり使ったヘルシーなパスタです。醤油バターに青のりをトッピングした大人も子どもも大好きな味付け!きのこがたくさん手に入ったときにはぜひ作ってみたい一品ですね。
2018.11.22ヘルシーで 安いといえばきのこ~そんなきのこをたっぷり使った きのこ畑のようなスパゲッティです。きのこは 舞茸 しいたけ エノキ しめじ マッシュルーム エリンギ、全部揃えることはありませんが 単品よりも何種類か合わせた方...続きを見る
まとめ
えのきの冷凍保存の方法をまとめました。えのきは冷蔵状態ではあまり日持ちしない野菜なので、できる限り新鮮なうちに冷凍保存することをおすすめします。冷凍の手順も簡単なうえ、料理にも使いやすい冷凍えのきをぜひ試してみてくださいね!
参考/文部科学省「食品成分データベース」
まとめ/暮らしニスタ編集部
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