中華料理などのとろみづけに使ったり、唐揚げの衣に使ったりと、用途の広い片栗粉。砂糖やしょうゆなど基本調味料と同様に、常備している家庭は多いですよね。でも、常備しているという安心感からか、使おうとしたときに「あっ、これじゃ足りない!」となることも少なくないようです。
そんなときも、片栗粉の代用になる食品を知っていればピンチを切り抜けられるんです!
この記事ではどんな食品が代用できるのか、それぞれどんな特徴があるのかを紹介していきます。しっかりチェックして、いざというときに備えておきましょう。
片栗粉って何でできていて、どんな働きをするの?
■片栗粉の原料
片栗粉という名前は、もともとは「カタクリ」というユリ科の植物の根茎に含まれるでんぷんを抽出したものだったことに由来します。カタクリは、国内では東北地域に自生する植物で希少なため、少量しかとることができませんでした。
そのため江戸時代の末期には原料のカタクリの採取量が減ってしまい、片栗粉の原料は、明治時代以降に北海道で栽培が奨励された「じゃがいも(馬鈴薯でんぷん)」にその役目を引き継ぎました。
それは、カタクリとじゃがいものでんぷんは、水を加えて加熱すると透明で粘着性の高い糊液になることで共通しているから。原料は変わりましたが、名称の片栗粉だけはそのまま残りました。
■片栗粉の栄養
片栗粉に含まれる成分はでんぷん(炭水化物)がほとんど。タンパク質は含んでいません。江戸時代には、消化がよいことから病後の滋養薬として、お湯に溶かして飲ませていたそうです。
■片栗粉の働き
片栗粉の特徴は、65℃程度の低い温度で糊化すること。だから煮汁にとろみをつけるときは、水で溶いた片栗粉を、一旦火を止めた煮汁に加えることがポイント。その理由は煮立った煮汁に加えると、全体に混ざる前に煮汁に触れた部分から固まりはじめてしまうから。水溶き片栗粉が全体に混ざったら、再び軽く煮立てて火を止めましょう。
片栗粉は粘度が高い(小麦粉の約10倍、コーンスターチの約4倍)ことから調味料が食材に絡みやすく、粘度が高いと液体が対流しにくいため料理が冷めにくくなるという特徴もあります。
さらに片栗粉はほぼ無味無臭で透明度も高いため、食材本来の風味や色合いを損ねないといった利点もあります。
片栗粉でつけるとろみは、他のもので代用できる?
料理をしていて、とろみをつけたいときに「しまった、片栗粉切らしてた!」ということがありますよね。そんなとき代用品としてまず考えられるのが小麦粉です。小麦粉にもでんぷんが含まれているため、水溶き片栗粉と同じように小麦粉を同量の水で溶かせばある程度のとろみを出すことができますよ。
ただし、前述のように片栗粉に比べて粘度は10分の1程度なので、あんかけのように粘り気のあるとろみがほしいときには、小麦粉では不向きでしょう。
逆に、シチューやカレーなど、ややサラッとしたとろみがほしいときには小麦粉がおすすめです。
片栗粉の代用品になる食品とその特性
小麦粉以外にも米粉やコーンスターチ、葛粉や天ぷら粉、上新粉、白玉粉、レンコンパウダー、サイリウムなども片栗粉の代用品として使うことができるでしょう。
片栗粉の代用品として使われる主なものの特徴をそれぞれまとめてみました。
■小麦粉
小麦粉をとろみづけに使う場合の特徴は前述のとおりですので、ここではソテーや揚げ物に片栗粉の代用品として使ったらどうなるのかを述べましょう。薄力粉には100gあたりに約8gのタンパク質が含まれているため、加熱すると焦げるという性質があります。
また片栗粉がほぼ無味無臭なのに対し小麦粉には独特の香りがあり、ソテーなどのように意図的に焦がして香ばしさを引き出すこともあります。
揚げ物の場合は、片栗粉は竜田揚げに代表されるようにサクサクと軽い食感になりますが、小麦粉だと表面はカリッと中はジューシーな食感になります。
■コーンスターチ
とうもろこしのでんぷんから作られたコーンスターチは、デンプンに含まれる「アミロース」と「アミロペクチン」のうち、冷えた状態で粘度を保つ性質の「アミロース」の割合が高いのが特徴。だから洋菓子子のカスタードクリームなどに適しています。
また、片栗粉より粒子が細かくサクサク感のある揚げ物を作ることができます。
■米粉
うるち米を砕いて作る米粉は、きめが細かいので揚げ物にするときに衣を薄くつけることができます。吸う油の量が少ないため、ヘルシーな揚げ物を作りたいときにおすすめです。
■唐揚げを作る際におすすめな片栗粉の代用品は?
唐揚げを作るときに片栗粉を使う人は多いでしょう。でも、小麦粉や米粉、コーンスターチといった原料が異なる粉も片栗粉の代用品として使えます。それぞれの粉で粒子の違いなどがあるので、片栗粉とは違う食感を楽しむこともできます。
片栗粉がある場合でも、ときどき唐揚げの衣に使う粉を変えてさまざまな食感の唐揚げを楽しんでみてはいかがでしょうか。
片栗粉を使ったアイデアレシピ4選
主菜になる竜田揚げや甘酢あんかけやおやつによさそうな大根もちなど、片栗粉を使ったおいしいレシピを紹介します。
ご飯もお酒も進んじゃう♡サバの竜田揚げ
【材料(2人分)】
サバ(切り身)…2~3切
醤油(A)…大さじ2
酒(A)…大さじ2
みりん(A)…大さじ1
しょうがのすりおろし(A)…小さじ1
片栗粉…適量
揚げ油…適量
サバの切り身を合わせた調味料に漬け込み、下味をつけます。10~15分ほど漬け込んだら、片栗粉をまぶして油で揚げればできあがりです。サクサクでおいしいサバの竜田揚げは、メインのおかずにもお酒のおつまみにもおすすめです。2019.03.08今日3/8はサバの日!通年手頃な価格で購入でき、栄養価の高い青魚でもあるサバは主婦にとって嬉しい存在。ですが、いつも塩焼きや味噌煮ばかりになってしまう、という方も多いかもしれません。そんな方におすすめなのが竜田揚げです。し...続きを見る
野菜たっぷりな鮭の甘酢あんかけ
【材料(2人分)】
鮭…200g
塩・コショウ…少々
薄力粉…少々
タマネギ…1/2(120g)
人参…1個(100g)
インゲン…8本(50g)
aだし汁…1カップ
a醤油…大さじ1
aすし酢…大さじ3
aみりん…大さじ1
片栗粉…大さじ2
一口大に切った鮭をまずは薄力粉をまぶしてカリッと焼きます。鮭を取り出したら、タマネギと人参を炒め、調味料を加えてひと煮立ちさせましょう。レンチンしたインゲンを加え、水溶き片栗粉を加えてとろみをつけたらできあがりです。
2019.02.26インゲン タマネギ 人参といった野菜たっぷりの鮭の甘酢あんかけです。だしをきかせて ちょこっと和風に仕上げました。すし酢を使って簡単に味付けしています。お弁当のおかずにもお勧めです。続きを見る
お餅でもんじゃ焼き風❤大根もち❤
【材料(お餅2個分)】
切り餅…2個
すりおろし大根…5cm
干し海老…50g
ネギ(葉の部分)…1本分
塩…少々
かつお顆粒…小さじ1/2
片栗粉…大さじ3
胡麻油…大さじ1
レンチンでやわらかくした切り餅をベースに、干し海老やネギ、片栗粉などを混ぜて丸め、フライパンで表面がカリッとするまで両面焼いたらできあがりです。もちっとした食感がやみつきになりそう。
2019.02.10余ったお餅で、これぞ、本物の大根餅を作ってみました?これが夫にも大好評★外側がカリッと中はもっちりしかも、食べてるうちに何やら、懐かしい食感。。。これってもんじゃ!!!もんじゃは小さなフライ返しで天板にこすりつけながら焼い...続きを見る
レンジでチンして捏ねるだけ♪もっちりビターなチョコ餅
【材料(お餅8個分)】
お餅(50g)…2個
チョコレート…50g
砂糖…大さじ1
牛乳…大さじ2
片栗粉…大さじ2
ココアパウダー…適量
お餅と牛乳、砂糖、チョコレートを電子レンジで加熱して作ります。お餅とチョコレートをよく混ぜたら、片栗粉を振ってこねて丸め、ココアパウダーを振りかけて出来上がりです。来客時のお茶請けにも喜ばれそうですね。
2019.01.25お餅アレンジレシピで大人気のチョコ餅。我が家で初めて作ったのは、当時中学生だった長男でした。使うチョコによって、甘さが変わってくるのでお好みで調整してください。続きを見る
まとめ
料理にとろみをつけたり、ソテーや揚げ物の衣にしたりと、料理の様々なシーンで登場する食材、片栗粉。小麦粉や米粉、葛粉、コーンスターチなど片栗粉の代用品として使える粉は意外とたくさんあります。片栗粉の代用品としてだけでなく、とろみ具合や食感が変わるそれぞれの粉の特徴を生かして使ってみてくださいね。
まとめ/暮らしニスタ編集部
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