「お酒は大好きだけど、あんまりお酒を飲み続けると太りそう…」と思うことはありませんか。
逆に、「アルコールのカロリーは吸収されないから、お酒は飲んでも太らないんだよ」と言う人もいて、一体どっちが正しいのか…と気になるところです。
そこで、そんな「お酒は飲むと太る?太らない?」問題について徹底検証。
太りにくいお酒の飲み方についてもご紹介します。
お酒を飲むと太るの?
お酒とは、ご存知の通り、アルコール入り飲料のこと。
アルコール自体のカロリーは「エンプティカロリーだよ」という話を聞いたことはないでしょうか?
「エンプティカロリー」とは、本当は「栄養が空っぽ(=エンプティ)だよ」という意味。アルコールは栄養素が少なく、体内に入っても吸収されにくい性質です。
ほかの食品なら体内に栄養分が吸収されて蓄えられるところを、アルコールのカロリーは肝臓で分解されて熱として放出されるので体に蓄積されにくい、という性質を持っているので「エンプティカロリー」表現されることがあります。
でも、この「エンプティカロリー」という言葉のニュアンスから「カロリーがない」と誤解され、「アルコールのカロリーはエンプティカロリーだから太らない」と誤解を生んでいるところもあるよう。
実際には、アルコールのカロリーはすべて熱となって放出されるわけではなく、体内に残る部分もあります。
大量に飲酒をすると蓄積量も増えます。
しかも、アルコールはカロリーのみではない「太る原因」を持っているので要注意!
太る原因については、後ほどご紹介します。
お酒のカロリーってどのぐらい?
アルコールのカロリーは1gで約7kcal。
また、アルコール度数が高いお酒ほどアルコール自体のカロリーは高くなります。
では、文部科学省の食品成分データベースをもとに、ビールやワイン、焼酎など、いくつかお酒の種類ごとのカロリーをチェックしてみましょう。
◎ビール
100mlを約100gと考えると、カロリーは40~63kcal。350ml缶1本なら140~200kcal程度になります。
銘柄にもよりますが、350ml缶1本に含まれるアルコールは14g程度で、アルコールだけなら14×7kcal=98 kcalなのですが、ミネラルやビタミン群などのカロリーが加わるため、実際のカロリーが140~200kcal程度となります。
◎ワイン
ワイングラス1 杯弱で100ml。約100gと考えるとカロリーはグラス1杯弱で75kcalほど。グラスで軽く2杯飲むと150kcal程度。
◎日本酒
日本酒はカロリーが高いイメージがありますよね。実際には1合で160ml。約160gと考えると、カロリーは日本酒1合で160~170kca 程度です。
◎焼酎
100mlを約100gと考えると、銘柄によりますがカロリーの目安は甲類焼酎で206kcal、乙類焼酎で146kcal 。チューハイなどにして割ると、割ったジュースなどの糖分もカロリーに加わります。文部科学省の「食品成分データベース」によれば、例えば、缶チューハイ・レモン風味350ml缶なら、350gで182calです。
◎ウイスキー
100mlを約100gと考えると、カロリーは237kcal。シングル1杯は30mlなので、約30gと考えるとカロリーは約70kcal。 こちらも何かで割るなど、飲み方によってカロリーが変わります。
お酒で太る理由とは?
カロリーだけを見ると、「じゃあ、ほかでカロリーを調整しようかな?お酒を飲む分、白ご飯を食べないとか?」などと考えてしまいそうですが、ここでちょっとご注意を!
実は、お酒にはアルコールのカロリーのほかにも、太る理由が潜んでいます。
◎太る理由1:そもそも高カロリー
先の章でもご紹介したとおり、アルコールはなかなかの高カロリー。同じ1gで比べると脂肪は9kcal、タンパク質は4kcalなのに、アルコール1gは7kcalと思うと、このカロリーはあなどれません! いくらエンプティカロリーと言っても、すべてが蓄積されないわけではないので注意したいところ。
◎太る理由2:お酒は中性脂肪を増やす
これが大きな盲点です。お酒を短時間でたくさん飲むと、肝臓がアルコールの分解を優先してしまうため、脂肪を分解する働きがストップしてしまいます。さらに、肝臓で脂肪酸がせっせと合成され、中性脂肪の材料になることに。こわいですね~。
お酒と一緒に食べたものの糖質や脂質がエネルギーに換えられずに、体内に脂肪として蓄積され、これが太る原因になります。
◎太る理由3:お酒で食欲が増進される
さらに、お酒は食欲増進作用があります。
「お酒を飲んだら、食欲がますます湧いた」という経験はきっとあるはず。エネルギーが十分に足りていても、ついついおつまみを口にして食べ過ぎてしまいがちです。
◎太る理由4:腹ペコと勘違いすることも
では、「お酒を飲むときは何も食べずに飲んだほうが太らないの?」と言うと、これも考えもの。食べ物をとらずにお酒を飲むと低血糖になることがあるからです。血糖値が下がると、お腹はいっぱいなのに脳のほうでは「あれ?空腹のサインが来たぞ」と勘違いしてしまうため、深夜になってドカ食いをしてしまうということも…。
ひどい場合は、低血糖発作を引き起こすので、おつまみなしでの飲酒は絶対におすすめできません。
お酒で太る原因となる成分とは?
結局のところ、お酒を飲むと太ることがあるのは、どんな成分が原因になっているのでしょうか。主なものをピックアップしてみました。
◎アルコール成分
アルコール自体のカロリーは一部が熱として放出されますが、体に蓄積される部分もあります。お酒をたくさん飲む人は、この蓄積分が多くなるので注意!
◎お酒に含まれる糖質など
蒸留酒と醸造酒の違いで言えば、アルコールのカロリーだけを見ると、焼酎やウイスキーといった蒸留酒のほうが上。ビール、ワイン、日本酒といった醸造酒のほうがアルコールのカロリーは低めでしたよね。
でも、醸造酒には基本的に、炭水化物や糖質が含まれていて、この成分も太る原因になります。
◎おつまみに含まれる成分
太る理由でもお伝えしたとおり、お酒を飲むと中性脂肪が増え、食欲が刺激されます。お酒と一緒にハイカロリーなおつまみを口にしたり、糖質の多いものを食べたりすれば…文句なしで太る原因に!
お酒で太りにくくなる飲み方とは?
最後に太りにくくなるお酒の飲み方をご紹介します。できそうなものから試してみてくださいね。
◎ヘルシーなおつまみを選ぶ
「せっかくお酒を飲むんだから、好きなものを自由に食べたい!」と思うかもしれませんが、やっぱり、お酒のおつまみは低カロリーでヘルシーなものを選ぶのがベスト。
なかでも、噛み応えのある野菜スティックやカリカリとした食感のサラダ、カロリーの低い豆腐、胃の中でふくらむ海藻系など、満腹感をえやすいものがベターです。
枝豆などの豆類や、レバ―、鶏ささみなど肝臓の働きを助ける成分を含むものも◎。
◎ハイカロリーな料理は少量にとどめる
でも、から揚げなどのハイカロリーな揚げ物や、味の濃いチーズなどはお酒によく合うし、おいしいですよね~。食べるのを我慢してストレスがたまるくらいなら、おつまみのなかに少しだけ加えておくとよいかも。
◎糖質の少ないお酒を選ぶ
糖質が含まれているビールやワイン、日本酒といった醸造酒より、糖質を含まない焼酎やウイスキーなどの蒸留酒を選べるとよいでしょう。
最近ではビールにも糖質OFF商品なども登場しているので上手に活用するといいですね。ただし、法律で定められた基準を守っていれば、「糖質ゼロ」、「糖質OFF」などと表示することが可能。「糖質ゼロ」と表示のあるお酒でも、糖分が少しは入っている商品もあるので飲み過ぎにはくれぐれも注意してくださいね。
◎飲み過ぎない
当たり前のことですが、でもやっぱり重要なのは、飲みすぎないのが一番!
中性脂肪を増やさないためにも、「お酒は飲んでも飲まれるな!」ですね。
まとめ
お酒を飲むと太るのはよ~くわかりましたが、やっぱりお酒は飲みたいもの!
禁酒をしてストレスを溜めるよりは、上手にお酒を付き合っていきましょう。
太りにくい飲み方を試しながら、これからも楽しくお酒と付き合ってくださいね。
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文/北浦芙三子
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