最近、全国各地のさまざまな地酒が知られるようになり、日本酒好きも増えていますよね。以前に比べて飲む機会が増えた、なんて人も多いのでは?
でも、よく聞く日本酒一合ってどれくらいなの? また、強いお酒というイメージがあるけど、本当? カロリーはどれくらい? 日本酒について、アルコール度数や飲むときの適量を調べてみました。
日本酒ってどんなお酒?
日本酒とは米と麹、水を原料とするお酒のこと。穀物の発酵の力を利用して作る「醸造酒」になります。製法は日本独特のもので、飲むときに熱燗(温める)、常温、冷酒(冷やす)のどの状態でも楽しめる、世界でも独自の文化をもつお酒といえるでしょう。
日本酒と焼酎の違いって?
日本酒が醸造酒なのに対して、焼酎は「蒸留酒」になります。蒸留酒とは、醸造酒を蒸留して作るお酒。世界のお酒の分類でいうと、ビール、ワインなど穀物や果物を発酵させて作るものが醸造酒、発酵させたものをさらに蒸留して作るウイスキー、ラム、ブランデーなどが蒸留酒になります。
日本酒の「一合」ってどのぐらいの量?
よく、1日一合くらいのお酒が適量といわれます。でも、一合って一体どれくらいなんでしょうか。
一合は約180ml。お酒の単位として使われる「一升」は約1.8リットルと決められており、その10分の1が1合ですね。
自宅で日本酒を飲むときには、一升瓶の10分の1が一合と覚えておけば、適量がわかると思います。
居酒屋などで「一合徳利」と呼ばれて出されるものは、だいたいこの量なので、徳利1本分くらいと考えてもいいかもしれません。
実はアルコール度数が決まっている
日本酒(清酒)と表示されているものは、酒税法により、アルコール度数が22度以下と決まっています。
市販されている日本酒は、アルコール度数が15度前後のものが主流です。日本酒は強いお酒というイメージがあるかもしれませんが、どんなに強いものでも、アルコール度数は22度を越えません。
確かにビールやワインに比べれば日本酒のアルコール度数はやや高め。ただ、焼酎、ウイスキー、テキーラなどの蒸留酒は醸造酒を加熱蒸留して作るので、アルコール度数がいっそう高めになります。
焼酎はだいたい25度くらいウイスキーでは40度以上と考えると、日本酒はそれほど強いお酒とはいえないですよね。
日本酒一合のアルコール量って?
基準飲酒量は各国で決められています。そして、日本では昔から基準飲酒量に「1単位」を使ってきました。
この「1単位」がお酒なら一合となります。ビールなら中びん1本、ウイスキーはダブル1杯、焼酎は0.6合を目安としています。
これらは、純アルコールに換算するとそれぞれ20gです。つまり、日本酒一合に含まれるアルコールも20gになります。
※参考:厚生労働省e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol
なぜ「一合」がいいの?
なぜ、一合くらいのお酒がよいといわれるのでしょうか。公益社団法人アルコール健康医学協会では、日本酒一合までを、さわやかな気分になる、陽気になる「爽快期」としています。これ以上になるとお酒が身体にとどまる時間が長くなり、体内からアルコールが消失するまでにも時間がかかってしまいます。
例えば体重60kgの人が一合のお酒を30分以内に飲んだ場合は、体内にアルコールが残る時間は3~4時間ですが、これが二合になると、約6~7時間になるそうです。
もちろん、体質によってはもっと長くかかります。こうなると、お酒の弱い人が夜に二合以上のお酒を飲んだ場合、翌日、二日酔いになるということもあり得ますよね。
健康のためには「一合」を目安に飲みたいですね。
※出典:公益社団法人アルコール健康医学協会
日本酒でよく聞く「盛り切り」ってどのぐらいの量?
「盛り切り」、現在は「盛っ切り(もっきり)」と言われることが多いよう。
「盛っ切り」とは、枡にグラスが入った形で、グラスになみなみと日本酒が注がれて提供されるスタイルのこと。
もともとは、日本酒を量り売りしていた時代に、グラスや枡になみなみいっぱいの酒を注いで1杯いくらと決めて売ることを「盛り切り」と言いました。
現在では、「盛っ切り」スタイルでもお店によってお酒の量は異なります。
ちなみに、「盛っ切り」の日本酒を飲むときは、グラスの中のお酒をこぼさないように口をつけてお酒を減らし、そのあと枡にこぼれた分をグラスに移して飲むのが主流。
ですが、枡にこぼれた分を枡から直接飲んでもOK。木の香りがお酒にうつって、おいしく飲めますよ。
日本酒一合ってカロリーはどのぐらい? 他のお酒と比べると?
日本酒はお米でできているから太りそう!というイメージを持っている人も多いと思います。本当にそうなのでしょうか。
日本酒の1単位である一合(180ml)は、約170kcalになります。そう聞くと、「結構カロリーが高いな」と思う人もいるかもしれませんね。でも、ビール中びん1本のカロリーはそれよりも多く、約200 kcal。ワインはグラス1杯で90 kcal。日本酒は一合で終わりにする人でも、ワインはガブ飲みしてしまうこともあるのではないでしょうか?
実際、「お酒を飲んで太る」という人のほとんどが、ビールやワインをがぶ飲みして、油っぽいおつまみをどんどん頼んでいるのではないでしょうか? 日本酒のおつまみは和食が多いですし、決して「お米が原料だから日本酒が太る」ということではないようです。
参考までに、文部科学省が発表している100gあたりのアルコール類のカロリーをご紹介しておきます。
・清酒 103~107 kcal
・ウイスキー 237 kcal
・ビール(淡色) 40 kcal
・ワイン(赤・白) 73 kcal
・焼酎 146 kcal
・ブランデー 237 kcal
※出典:文部科学省食品成分データベース
アルコール度数やカロリーを知って上手に付き合おう
私たちの身近なお酒、日本酒。アルコール度数やカロリーが高いイメージがありますが、決してそうではないことがわかりましたね。「一合」を目安に、楽しく、飲みすぎに注意して付き合っていきたいですね。
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まとめ/吉田直子
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