まず、パスタがのびてしまう原因。それは「水分」と「デンプン」のため。専門店ではよく「パスタは茹でたてを食べて」と言われますが、この茹でたてとは、パスタの表面が「水分」を含んで、中心部はあまり水分を含んでない、芯のある状態。いわゆるアルデンテです。
もう一方の「デンプン」は、茹でると溶け出して糊化する性質をもちますが、そもそもパスタを茹でる、ご飯を炊くといった調理法は、このようにデンプンを糊状にさせることを目的としています。このデンプンは冷めて時間が経つと再結晶化(老化)するため、茹でたてや炊きたてがおいしさのピークで、冷めていくとぼそぼそした腰のない食感に。
さらに、小麦粉に含まれるタンパク質が水を吸って揉まれると「グルテン」に変わり、パスタやパンなどの弾力や歯ごたえを生むのですが、このグルテンも冷めていく過程で固まって粘り、パスタ同士がくっつくことに。
でも、市販のお弁当やお惣菜のパスタは、フォークでクルクル巻きとれたり、一口分ずつ口に運べたりしますよね? そうなのです、時間をおいても固まらないテクニックがいくつかあるので、ぜひお弁当づくりに採り入れてください。
パスタがのびない、固まらないテクニックあれこれ
1 材料からひと工夫
お弁当にスパゲッティのようなロングパスタを長いまま入れるのも、じつは固まりやすくする原因。これをさらにお弁当箱にぎゅうぎゅう詰めにすると、密着してより一体化することに……。
そこで、長い乾麺は、半分に折って茹でると、ほぐしやすく、ずっと食べやすくなります。
またマカロニなどショートパスタを使えば、小鍋で手軽に調理でき、食べやすさもアップ。
ショートパスタの中でも、溝がある剣のような切り口のペンネは、くっつきにくくおすすめです。
2 のびない+固まらない茹で方は「塩+油」
パスタは「塩水で茹でる」とのびにくくなります。これはパスタの表面にあるグルテンが塩の中のナトリウムイオンと結びついてバリアを作ってくれるから。たっぷりのお湯で塩分1〜3%を入れて茹で、茹で時間の表示よりも1分ほど早く取り出し、ちょっと固いかな?というぐらいがアルデンテの目安。
そして、最も簡単にできるパスタを固まらせない方法が、この塩投入の際に油を加えておくことです。
塩の後に油を大さじ1〜2杯加えて茹でると、パスタがオイルコーティングされてくっつきにくくなります。油は価格の安いものでOKです。
3 「少し固め」に茹で、「ソース+茹で汁」でのびない対策
プロのシェフは、茹でるのと同時進行でパスタソースを作り、このソースにお玉1杯分の茹で汁を加えて、白っぽく乳化するまで煮ます。アルデンテ状態でザルにあげたパスタを直ぐにこのソースと合わせて少し煮ることで、パスタがソースを吸っておいしく仕上がり、パスタ自体ものびにくくなります。
4 茹でたら調理前に、「油を絡める」、「広げて冷ます」、「水で洗う」
実践している方も多いポピュラーな方法が、茹で上がったパスタの水気を切り、温かいうちにサラダ油やオリーブ油、胡麻油などを少量絡めておくというもの。
風味の出るバターやベーコンなどの動物性の油は、冷えると白く固まるので、常温でもサラッとしている植物性の油がベター。油は多いほどくっつかないというわけではないので少量で大丈夫です。
油を絡ませたらバットやお皿に重ならないように広げて冷ますと、油がしっかりいきわたり、乾燥を防いで、お弁当にしてもくっつきにくくなります。
茹でた後にナポリタン、あるいは冷製パスタにするのなら、茹でたてをザルで水切りしてから、水で表面のぬめりを落とすように洗い、炒めるプロセスへ進む、あるいはオイルを絡めておくと、固まりにくくなります。ぬめりがないと味は入りにくいので、ソースを多めに絡ませて仕上げましょう。
パスタとソースを分けて入れる場合は、茹で上がったパスタを流水で冷やし、しっかり水切りして、お弁当箱に。油を絡めなくてもくっつきにくくなります。
5 炒める、混ぜる、かける、どの味つけでも定番は強い
炒める、ソースを混ぜる、かける、と味つけはさまざまですが、いずれでもトマトソース系は冷めてもおいしく食べられる人気メニュー。とくに油でしっかり炒めて味を付けるナポリタンや油分を多く含むミートソースは、パスタ同士がくっつきにくくなるので、お弁当におすすめです。
パスタが完成したら、他のおかずが傷んでしまわないように冷ましてからお弁当箱に詰めるのが鉄則。忙しい朝なら、あらかじめ具材やソースをボウルに作っておき、茹でたパスタを混ぜて、粗熱を取っている間に朝の身支度を済ませれば効率的ですね。
6 入れ方は、「一口分ずつ巻く」
フォークでソースを絡めて一口分ずつ(長い麺なら巻いて)詰めると、固まりにくくなります。
7 固まってしまったら、「オイルでほぐす」
お弁当タイムに固まったパスタとご対面。そんなときはオリーブ油を少しずつかけるとほぐれますが、お弁当に油分のあるおかずを入れておくだけでも食べやすくなります。
お弁当パスタのおすすめレシピを教えて!
すぐできる!夏の簡単ランチ♪サラダパスタ
【材料(サラダフリッジ1袋分)】
早ゆでサラダフリッジ…1袋
きゅうり…1本
トマト…1個
しそ…5~10枚
※ジェノベーゼ…大3(お好み)
塩コショウ…(お好み)
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茹でないパスタ!お弁当にもお勧めなエビとブロッコリーのクスクスサラダ
【材料(2人分〜)】
エビ…12個
ブロッコリー…1株
クスクス…100g
塩…少々
茹で汁…80ml
プチトマト…10個
ジェノヴェーゼソース…大さじ2
オリーブオイル…少々
ゆで卵…2個
バジリコ…少々
硬質小麦のディラム・セモリナ粉で作る世界最小のパスタといわれるクスクスは、茹でずに蒸らすだけでラク。クスクス、エビ、ブロッコリー、プチトマトをジェノヴェーゼソース、オリーブ油で和えて完成。
お弁当用の冷凍パスタのおすすめ
日本製粉 オーマイ お弁当 たらこスパゲッティ (4カップ入)
冷めても香ばしい粒感のあるたらこソースは、国内で加工したたらこを使用。トッピングしたのりも風味の良い国産のり。紙カップ入りだから便利です。1パック160円(税抜)/編集部調べ。
日清食品冷凍 スパ王プレミアム ジューシーナポリタン
主材料のスパゲティはデュラム小麦のセモリナ100%を使用。やわらかめに茹で上げたスパゲティに、ソーセージとピーマンを合わせ、完熟トマトを使用したケチャップとウスターソースで風味よく仕上げてあります。1パック150円(税抜)/編集部調べ。
参考:文部科学省「食品成分データベース」(https://fooddb.mext.go.jp/)
まとめ/武位教子
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