ハンバーグのソースやビーフシチューなどに使われる、コクのある焦げ茶色のデミグラスソース。誰でも一度は食べたことがあるでしょう。肉料理がグンとおいしくなるこのソース、実は自宅で簡単に作れるんです。時間のあるときに作っておくと、色々な用途に使えるデミグラスソース、自分で作ってみませんか?
デミグラスソースとは?
日本ではデミグラスソースと表記されますが、元々はフランス料理の「ラ ソース ドゥミ-グラース(la sauce demi-glace)」から来たもの。じっくり煮詰めた濃厚なソースという意味で、フレンチの基本的なソースのひとつです。
小麦粉をバターでこんがりと色づくまで炒めたものを野菜や牛の出汁とともに煮詰めたもので、野菜や肉の旨みが濃縮された、深い味わいのソースです。
焦げた風味とほのかに感じる苦味が素材の味を引き立てる、完成度の高いこのソースは、1800年代の終盤、一般市民がレストランというものに通い始めた頃に大流行しました。その流れを受けて、日本で明治時代に始まった洋食店でも広く用いられるようになりました。
今でも洋食系のレストランでは、ハンバーグやビーフシチュー、オムライスといったメニューには欠かせないソースですし、そのほかにも創意工夫がなされて、色々な食材と合わせて使われています。
デミグラスソースが有名な洋食店では、東京日本橋のたいめいけんがありますが、オムライスにたっぷりとかかったここのデミグラスソースはニンニクが効いた独特のおいしさで、一口食べるとあとはもう夢中で、いつの間にか最後まで食べてしまうような素晴らしいものだとか。
デミグラスソースの歴史
デミグラスソースのレシピを完成させたのは、フランス人シェフのオーギュスト・エスコフィエだと言われています。伝統的な宮廷フランス料理の大衆化、革新に貢献した、フランス料理界の巨匠です。1800年代の終わりから活躍を始め、近代フランス料理の父とも呼ばれた有名人で、パリのホテル・リッツを開業しました。
エスコフィエの活躍と同時期、19世紀の終わり頃は、フランスのレストランで一世を風靡したデミグラスソースですが、1900年代に入ると徐々に使われなくなってきたそうです。なぜかといえば、このソースの完成度があまりに高く、様々な素材に合うのですが、それゆえに料理が「没個性」になることを恐れて、各シェフが使わなくなってきたからだとか。
実際、フランスでは現在、スーパーでもデミグラスソース缶などはほぼ見あたらず、料理のレシピにもあまり登場しません。フランスで考案されたソースが、遠く海を渡った日本では100年以上も人気が継続しているのに、本国ではもう過去の遺物となっているというのは面白い現象ですね。
デミグラスソースの簡単な作り方!
その完成度の高いデミグラスソース。自分で作ってみたくなりませんか? エスコフィエのレシピの場合、フォンドヴォー(子牛の出汁)から作ることになってしまうので、その辺りは省略して、先ずはちょっと手間のかかる、やや本格派のデミグラスソース作りをおさらいし、次に暮らしニスタの投稿の中から、きよみんーむぅさんの、簡単デミグラスソースをご紹介します。‘’簡単‘’とは言いますが、味は本格派の、覚えておいて損はないレシピですよ。
・やや本格デミグラスソースの作り方
【材料(作りやすい分量)】
玉ねぎ…2個
バター…35g
薄力粉…50g
スープストック…500cc
砂糖、塩…各小さじ1/2
【作り方】
1. 玉ねぎは薄切りにして、バターを溶かしたフライパンで透き通るまで炒める。
2. ①のフライパンに小麦粉を加え、茶色く色づくまで中火で炒める。
3. 少しずつスープを注ぎ、よく混ぜる。
4. ③をとろみがつくまで弱火で煮詰め、砂糖と塩で味を整える。
・簡単バージョンの作り方
お肉屋さんの、粗びきハンバーグステーキ。
【デミグラスソースの材料】
ケチャップ…大さじ2
とんかつソース(中濃ソース)…大さじ2
◎牛乳…大さじ2
◎醤油…大さじ1
◎ジャム(今回はベリーミックス使用)…小さじ1
◎バター…5g
◎塩・胡椒…少々
赤ワイン…100cc
コーヒーフレッシュ…2個
【作り方】
1. ケチャップととんかつソースを耐熱容器に入れて、600Wで30秒レンジで加熱する。
2. なべに赤ワインを入れて煮詰める。
3. 半量まで煮詰まったら、◎と①、ケチャップ、とんかつソースを入れさらに少し煮詰める。
4. 仕上げにコーヒーフレッシュを入れ,混ぜる。
きよみんーむぅさんの投稿はこちら。
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市販のデミグラスソースを使うなら
小麦粉から作るデミグラスソースにも挑戦したいけれど、ふだんのおかず作りにはどうしても時短が必要。というわけで、各メーカーさんが腕によりをかけたおいしいデミグラスソースの缶詰や顆粒などを使ってみてもいいですね。
色々なブランドがありますが、中でも人気の銘柄3点をご紹介します。
ハインツ デミグラスソースシェフソシエ 290g/ハインツ
ソース缶と言えばのハインツが、自信たっぷりに届けてくれる、プロ仕様の贅沢なデミグラスソース「シェフソシエ」。肉の旨みがぎゅっと濃縮されたソースです。コクと深い甘みがあり、上等の牛肉と合わせるだけでとろけるおいしさが実現します。缶切りで開ける仕様の場合は、購入前によく確認してください。
MYクッキングソース ドミグラスソース 285g缶/明治屋
コクがあるのにスッキリとした上品な味わいは、さすが明治屋ブランド。煮込み料理や肉料理のソースなどに幅広く使え、便利です。化学調味料無添加というところもポイントが高いですね。「ド」ミグラスソースというネーミングも、より本場の発音に近くて、フランスっぽい味なのかしらと期待してしまいます。
S&B ブラウン缶 デミグラミックス200g×2個/エスビー
カレールウでお馴染みのS&B商品のデミグラスソース。細かいフレーク状のパウダーで、少量だけ使いたいときにも便利です。少量づかいで1人分から作れる手軽さと、さっとスープに溶けやすく、コクをプラスしたいときの隠し味などにも応用できる使い勝手の良さで人気上昇中。
デミグラスソースを使ったレシピをご紹介
やはり日本人はデミグラスソースが大好き。本国フランスではもうそこまで使われていないとしても、すでに日本の家庭の味となったデミグラスソースづかいのアイデアは、暮らしニスタにもたくさん届いています。その中から、今すぐ食べたいデミグラスソースを使ったレシピを7点、お送りします!
チーズと卵でダブルとろ~りな濃厚チーズオムレツ!
【材料 (1人分)】
卵…3個
オイル…小さじ1+小さじ2
塩・コショウ…少々
ご飯…120g
牛肉(こま切れ肉)…50g
玉ねぎ…40g
グリンピース…15g
デミグラスソース(市販)…50g
ケチャップ…10g
マッシュポテト…50g
モッツァレッラチーズ…100g
牛乳…大さじ5
パルミジャーノ(または粉チーズ)…小さじ1
黒コショウ…お好みで
ちょっとひねりをきかせて、玉ねぎと牛こま切れ肉、グリンピースとともにデミグラスソース味に仕上げたごはんの中に、ポーチドエッグを忍ばせたオムライス。上からたっぷり、マッシュポテト入りのチーズソースをかけて。真ん中を切ると、中からとろ〜りとポーチドエッグの卵黄がとろけてきます。外側と内側で、卵をダブルづかいの、ゴージャスなオムライスです。
2019.05.08卵でくるんだオムライス!ちょっとひねりをきかせて、ご飯は 玉ねぎと牛こま切れ肉 グリンピースとともにデミグラスソース味に仕上げ 中にポーチドエッグを忍ばせます。上からたっぷり、マッシュポテト入りのチーズソース(アリゴ風)を...続きを見る
おせちに飽きたらカレーも良いけどハヤシも♡フレッシュトマトの簡単ハヤシライス
【材料 (3~4人分)】
トマト…大1個
玉ねぎ…1個
牛こま切れ肉…100ℊ
塩コショウ、薄力粉…各少々
マッシュルーム缶(水煮)…1缶(約50ℊ)
デミグラスソース缶(市販)…1缶(約250ℊ)
酒…大さじ2
トマトケチャップ…大さじ1~2
バター…大さじ1
温かいごはん…適量
イタリアンパセリのみじん切り…適宜
生クリーム…適宜
デミグラスソース缶を使った、お手本のようなしっかりレシピのハヤシライス。一見重そうに見えるかもしれませんが、実はフレッシュトマトを使っているので、さっぱりとした後味でいくらでも食べられそうな爽やかさ。小さい子どもは意外とカレーよりもハヤシライスの方が食べやすかったりするので、好き嫌いの多いお子さんにこそ試してみて欲しいメニューです。
2018.12.29お正月が過ぎ、おせちやごちそうを沢山食べたあとはカレーが恋しくなる方も多いのではないでしょうか。カレーは個人的にも大好きですが、我が家は娘が小さいこともあり、大人と同じカレーが食べられないのでカレーを作る機会が減りました。...続きを見る
パンにもご飯にも合う♪♪デミソース角煮
【材料 (2~3人分)】
豚ばら肉ブロック…1本(400g)
デミグラスソース…100g
赤味噌…大さじ1杯
ざらめ…大さじ1杯
ニンニク…2〜3カケ
水…300cc
付け合せ
春菊(菊菜)…1袋
塩…小さじ1杯
粒マスタード(なくてもOK)…適量
フランスで生まれたデミグラスソースが日本で豚バラ&赤味噌と出会い、和洋折衷の角煮に。インターナショナルなこの出会い、豚肉の脂に負けないソースのコクが絶妙なバランスで、こってりとごはんが進むおかずになりました。「デ味噌―ス」とダジャレが出るくらいご機嫌になれる、新感覚の角煮。ぜひ試してみてくださいね。
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ミートボール♪きのこデミグラスソース
【材料 (4人分)】
牛豚合挽肉…400g
A 生姜(すりおろし)…半片分
A ウスターソース…大さじ1
A塩、胡椒、ナツメグ…各少々
Bえのき(4㎜長さに切る)…200g
Bとき卵…1個分
Bパン粉…大さじ6
B牛乳…大さじ3
赤ワイン…大さじ1
玉ねぎ(薄切り)…1/2個
サラダ油…大さじ1
塩…少々
マッシュルーム(薄切り)…4個
しいたけ(薄切り…4個
しめじ…80g
Cデミグラスソース(缶詰) …280~300g
C赤ワイン、みりん…各大さじ3
Cケチャップ、ウスターソース…大さじ1
C塩、胡椒…少々
たっぷりのきのこと、きのこ入りのミートボールをデミグラスソースで煮込んだ、温かくて濃厚で、みんなが幸せになれる味の一皿。子どもはもちろん大好きなデミグラスソース味で、大人はワインに合わせて、それぞれの楽しみ方ができるので、たくさん作って、大皿にドーンと出したいですね。余った分は冷凍保存もOKです。
2017.10.19ぐっと冷え込むようになりました。温かくて濃厚なごちそうメニューを、家族とかこみたくなりますね^^そんな時にお勧めな1品「ミートボール♪きのこデミグラスソース」をご紹介します♪きのこたっぷり!ミートボールにも、肉の半量のえの...続きを見る
ふわとろオムライスピラフ✨
【材料 (冷凍ピラフ 150g分)】
〈デミグラスソース〉
●ケチャップ…大さじ3
●中濃ソース…大さじ2
●赤ワイン…20㏄
●ハチミツ…大さじ2強
●水…20㏄
★卵…2個
★牛乳…大さじ1
1人分のデミグラスソースが欲しい、というときに便利な、少量のデミグラスソースレシピ。冷凍ピラフをチンする間にソースを煮詰め、スクランブルのふわふわ卵を同時進行すれば、ハフハフ、もぐもぐ、最高のオムライスに出会えますよ。デミグラスソースとオムライスの相性と言ったら… フランス人にも教えてあげたい食べ方ですね。
2016.03.13無性に食べたくなるデミオムライスピラフ❤冷凍食品のピラフに、フワフワの卵、そして特性のデミソースをかけるオムライスピラフは最高です(*^^*)続きを見る
レトルトソースで簡単★豚肉巻きキャベツのデミグラソース煮
【材料 (4人分)】
キャベツ…大1/2個
豚バラ肉(薄切り)…8枚(250g)
★レトルトデミグラスソース…1袋(285g)
★ケチャップ…1/4カップ
★赤ワイン…1/4カップ
★コンソメ(顆粒)…小さじ1
サラダ油…小さじ2
キャベツに豚バラ肉を巻いて、レトルトのデミグラスソースで煮るだけの簡単おかず、つまり、ロールキャベツの裏返しバージョンです。外側に豚肉が巻かれている分、デミグラスソースのからみもバッチリで、ジューシーなキャベツがこれまた激ウマ。野菜をたっぷり食べたいときに。ボリュームも満点です♪
2016.07.13キャベツに豚バラ肉を巻いて、レトルトのデミグラスソースで煮るだけの簡単おかずです。キャベツたっぷり~ボリューム満点です♪続きを見る
【WMF圧力鍋】加圧4分!ふんわり極旨煮込みハンバーグ
【材料 (4人分)】
<ハンバーグ>
合いびき肉…500g
玉ねぎ(みじん切り)…1/2個
卵…1個
パン粉…大さじ3
牛乳…大さじ3
塩胡椒…少々
ナツメグパウダー…小さじ1/8
オールスパイスパウダー…小さじ1/8
<煮込み用ソース>
デミグラスソース…1缶(290g)
水…200ml
赤ワイン…120ml
ケチャップ…大さじ3
ウスターソース…大さじ1
砂糖…小さじ1
クローブ(ホール)…2~3粒
ブイヨン(固形)…1個
<付け合せ野菜>
にんじん(大きめの乱切り)…1本
玉ねぎ(6等分くらいのくし切り)…1/2個
ブロッコリー(小房に分ける)…1/3房
油…小さじ2
デミグラスソース缶に、ワインやケチャップなどで風味を追加。圧力鍋で調理するので、野菜の旨みも混ざり合い、よりおいしくなったソースでいただくハンバーグ、絶品です。しかも圧力をかけて加熱したハンバーグは中に肉汁を閉じ込めてふわふわ♡老舗洋食屋さんのハンバーグに負けない美味しさです!
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まとめ
野菜と肉の良いところを全て引き出しあったデミグラスソース。一時はフランスじゅうのメニューがこのソースで染まったくらいだそうなので、相当人気があったんでしょうね。
日本では洋食屋さんでもファミレスでも、使わないところはないくらいのデミグラスソース。流行のサイクルが短い日本でこれだけ長く愛されてきたということは、これからもきっとデミグラス系のメニューは生き残って行くことでしょう。便利なデミグラス缶も良いですが、自分で作れるようになってしまえば最強ですね。
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まとめ/伊波裕子
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