アルミホイルで包んで作った焼き芋などの食べ物。電子レンジで温めたら、バチッと火花が出た!そんな経験はありませんか?「アルミホイルを使ったものを、電子レンジで温めるのは危険」と言われますが、どうしてなのでしょう。ここでは、その理由をすっきり解明。さらに電子レンジでアルミホイルを便利に使う裏ワザ情報もご紹介します!
電子レンジでアルミホイルを使うのは危険!
アルミホイルはおにぎりを包んだり、ホイル焼きにしたり、フタにして蒸し調理をしたりと何かと便利なアイテムですよね。でも、電子レンジで温めるときには、注意が必要。ポイントをご紹介します。
基本は「電子レンジでは使わない」
一般的な「あたため」機能を利用したいとき、電子レンジでアルミホイルを使うのは基本的にはNG。ラップで包んだ料理と同様に「あたため」機能を使ってしまうと、火花が散ってしまうことがあります。ひどいときには、電子レンジが壊れたり、火災の原因になることも!!
「電子レンジの解凍機能ならOK」
電子レンジの解凍機能は、通常の「あたため」機能よりも弱い出力で、じっくり時間をかけて加熱するもの。そのため、アルミホイルで一部を覆ったような状態でも、実は電子レンジで使えるそう。凍ったお肉などの一部をアルミホイルで覆って、解凍機能を使えば、熱が通り過ぎるのを防ぐこともできて、なかなか便利なんですよ♪
ただし、電子レンジの庫内の壁にアルミホイルがあたるとても危険です。庫内のスペースに対して余裕あるサイズの器やお皿を使い、なるべく中央に置くようにしましょう。
オーブン機能付き電子レンジなら使えることも
オーブン機能やトースター機能が付いた電子レンジなど、コンビネーションタイプもありますよね。こうした機種なら、アルミホイルが使えることがあります。※必ず説明書でご確認ください。
では、電子レンジでアルミホイルを温めると危険な理由や、オーブン機能付き電子レンジの「あたため」機能についてなど、さらに詳しく見ていきましょう。
どうして電子レンジでアルミホイルを使うと火花が出るの?
電子レンジで温めると火花が出るのは、アルミホイルだけではありません。下記を電子レンジの「あたため」機能で使ったときにも、バチッ!という音を聞いた人がいるのではないでしょうか。
・ホイルのミニケースが入ったお弁当
・金属のお皿、スプーン、フォーク
・金や銀の飾りが付いたお皿
・アルミ串で刺したバーベキュー料理
・オーブンレンジに付属している角皿
・缶詰
つまり、「電子レンジで温めると火花が散る」という現象は、アルミホイルのような金属全般で起こるということ。では、どうしてそのような現象が起こるのかについて説明します。
火花が出る原因は「マイクロ波」
電子レンジでアルミホイルを使うと火花が出る原因は、電子レンジの「あたため」機能のしくみにあります。「あたため」機能は、「マイクロ波」という電磁波を出し、食品に含まれている水分をブルブルと振動させることで熱を生じさせるもの。ところが、このマイクロ波は水分だけではなく、「電子」も刺激します。
「電子」とは、目には見えないのですが、アルミホイルなど金属の表面にたくさんいる素粒子。この電子は、電磁波を浴びると動きが激しくなり、なかには外へ飛び出してしまうものも。こうして飛び出た電子が何かにぶつかって「バチッ!」と鳴るのが、火花の正体。
こんなときは、とくに注意!
とくに次のような状態だと、電子レンジで温めたときに火花が散りやすく、電子レンジの故障にもつながることがあるのでご注意を。うっかりやってしまいがちかも!?
・アルミホイルにシワが寄り、とがった部分ができている
・アルミホイルの端がヒラヒラと動く状態になっている
・料理が金属のお皿やアルミ皿に盛り付けられている
・アルミホイルなど金属と電子レンジの壁面がくっついている、または、近い
アルミホイルを電子レンジで加熱してしまったときの対処法は?
万が一、アルミホイルや金属が使われているものを電子レンジで加熱してしまったときは、あわてて扉を開けるのはNG!急激に酸素が入り込み、火災の原因になることも。
扉を開けずに電子レンジ本体の電源を切り、しばらく様子を見ましょう。異常がなければ問題はありません。ただし、庫内が破損している場合は使用せず修理が必要になります。そのまま使用すると故障や火災の原因にもなるので、チェックしておきましょう。
また、焦げ臭かったり、においが気になる場合は電子レンジクリーナーなどで庫内を拭き取っておきましょう。レンジに「お手入れ」機能がついているものもあるので、そちらを利用するのも良いでしょう。
オーブン・オーブンレンジはアルミホイルが使える?
次に、オーブン機能付き電子レンジ、いわゆる「オーブンレンジ」について考えてみましょう。
オーブン機能やトースター機能なら使用OK
さきほどお話したように、電子レンジは電磁波を使って食品を温めますよね。一方で、オーブンレンジのオーブン機能やトースター機能は、通常、赤外線ヒーターの熱で食品を温めます。電磁波が電子を刺激して電子がヤンチャに動き回り、火花が出たり故障したりすることもないので、アルミホイルが問題なく使えるんです♪
もちろん、キッチン備え付けのオーブンも同じです。
スチームオーブンレンジはどうなの?
電子レンジの進化版とも言われる「スチームオーブンレンジ」。こちらは、水蒸気を利用して焼き上げるしくみで、100~300℃の過熱水蒸気による機能が付いています。このスチーム機能による加熱でも、電磁波を発生せず、電子が刺激されないので、アルミホイルを安全に使うことができます。
機能をじょうずに使い分けて
ちょっと気をつけたいのは、オーブンレンジやスチームオーブンでアルミホイルが使えるのは、一部の機能に限る、ということ。複合タイプの機種の場合、電磁波を使った加熱機能がどれか見極めることが大切です。
オーブンレンジの場合、電磁波による加熱は「あたため」であったり、「レンジ」であったり、機種によっていろいろな表現がされているかもしれません。
スチームオーブンレンジでは、電磁波による「あたため」機能と赤外線ヒーター熱による「オーブン」機能、「スチーム」機能を3つとも兼ね備えている機種があったり、「スチーム」機能のみの機種があったり…。見極めがさらに難しいでしょう。
目安としては、付属されている金属の角皿が使える機能なら、アルミホイルも使用OKです。より安全に使うためには、付属の取扱説明書で、どの機能ならアルミホイルが使えるのか必ずチェックしてください。
電子レンジでゆで卵を作るのに、アルミホイルが使えるって本当?
ここまで「電子レンジでアルミホイルを使うのは危険!」というお話をしてきました。が!!実は、電磁波とアルミホイルの関係を利用して、便利に電子レンジ調理をする裏ワザも…。最後にそんな裏ワザを1つご紹介しますね。
例えば、ゆで卵。通常、電子レンジで卵を温めると爆発しますよね。爆発するのは、卵内部の水分を電磁波が振るわせて、しまいには卵の殻がパン!と破裂してしまうから。
そこで、アルミホイルが電磁波を吸収し、遮断する性格を利用してみましょう。アルミホイルで電磁波が卵に直接届かないようにすれば、爆発を防ぐことができるんです。具体的な作りはこちら。
【電子レンジで作るゆで卵】
<用意するもの>
・卵1個
・アルミホイル
・マグカップ(深さのある耐熱容器)
・水
・ラップ
<作り方>
1.卵をアルミホイルで包みます。隙間ができないようにしっかりと包みましょう。
2.マグカップに1を入れ、水をかぶるくらいまで入れ、ラップをふんわりとかぶせます。
3.電子レンジ(500W)で加熱。※加熱時間は、固ゆで卵なら5分が目安。電子レンジによって異なるので、様子を見ながら調整を。
4.電子レンジから出して5分ほどおき、アルミホイルを外して卵を冷水で冷ましたら完成!
いかがでしょう?ゆで卵を1つだけ作りたいときや、お鍋で茹でる時間を短縮したいときなどにぴったりの方法ですよね。
※ネットでも成功者の多いこの茹で方。ただ、この調理方法はあくまでも裏ワザで家電メーカーなどでは推奨されていません。どうしてもやってみたい!という人は自己責任の範囲で試してみてくださいね。
まとめ
電子レンジでアルミホイルを温めるのは基本的にはNGだけど、方法によっては使えるとわかりましたね。アルミホイルを安全に使うためのポイントは、解凍機能やオーブン機能、スチーム機能などを選ぶこと。電子レンジとアルミホイルで工夫して、毎日の料理をますます便利においしく作り上げていきましょう!
文/北浦芙三子、暮らしニスタ編集部
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