ザーサイって、食べたことありますか? 中国料理のお通しや、桃屋の「搾菜」の瓶詰めなどで見たことのある人は多いでしょう。このザーサイ、知れば知るほど栄養面でも使い勝手でも優秀で、しかも漬物になってからは、料理の隠し味としても活躍する偉大な野菜でした。そのおいしさの秘密についてまとめてみます。
ザーサイとは?
ナタネ科のからし菜の変種で、主に中国で生産されています。根と茎と葉からなり、見た目は大ぶりの青菜のよう。中国語では榨菜=ジャーツァイ、日本ではザーサイと呼ばれるこの野菜「ザーサイの漬物」になるのはゴツゴツとした、茎のいちばん下の部分です。
日本の一般的なスーパーで売られているものは、すでに味付けがされてスライスしてあるものが多いので、元の形は想像しにくいかもしれませんが、カットする前のザーサイはゴツゴツして、コブがいっぱいの猿の頭のような形状です。
日本でも、茨城県や神奈川県などで生産され、生野菜として売られることもあります。
・ザーサイの歴史は?
ザーサイを漬物にするようになったのは、10~13世紀頃、中国(宋の時代)の涪州(ふしゅう(現重慶市)だという説がありますが、これは現在のザーサイの漬物とは別物で、今のような味付けになったのは19世紀末だという説もあります。
一説には、1898年に、四川省の農家がザーサイの漬物を作り始め、最初は友人などに分ける程度でしたが、そのおいしさが評判になり、大々的に生産するようになったという話もあります。
その後、1930年頃からは、当時の四川省涪陵(ふりょう)県の特産品として本格的に生産され、流通するようになりました。
第二次大戦後には中国の地方都市にも広がり、現在のように、台湾や日本でも作られるように。現在の中国での生産量は年間約20万トンで、うち2万トンが日本に輸出されています。
・ザーサイってどんな味?
ザーサイそのものの味は、カブに似ているそうです。葉をとり、よく洗って、そのまま繊維に沿って薄くスライスすれば、マヨネーズなどとも合い、生のままそれなりにおいしく食べられます。
日本ではザーサイはすでに漬物となり、味付けされているものというイメージなので、その漬物の味について一言で言うなら「ザ・中国料理」。醤油、砂糖で味付けされ、ごま油の風味がきいています。
・ザーサイの栄養は?
ザーサイには鉄分が多く、100gあたりおよそ2.9㎎、カリウムは100g中およそ68mg。鉄分が多いと言われる小松菜でも2.1㎎なので、ザーサイの鉄分含有量の多さは納得です。また利尿作用などのあるカリウムは、小松菜比で約4倍。これだけを見ても、かなり栄養的に優れた野菜ですね。
・カロリー
味付ザーサイ お徳用/桃屋
瓶詰めのザーサイの漬物の場合、カロリーは100gあたり50kcal。食物繊維が4.7gとなかなかヘルシーですね。
ただし塩分は多めで、食塩相当量が6.6gとけっこう入っているので、食べ過ぎには注意したいものです。料理に入れたりする場合は、水に浸けて塩抜きをするよう、レシピに指示がある場合もあります。
ザーサイの食べ方
ザーサイの旬は春先。とはいえ、生のザーサイを店頭で見かけることは少ないかもしれませんが、季節になって、運良く買い物中にザーサイを見つけたときは、生ならではの食べ方を楽しめるよう、生ザーサイの食べ方も覚えておきたいものですね。
日本での品種は、ザーサイとからし菜を掛け合わせた、ミウラーゼという品種が、クセが少なく食べやすいようです。
ただ、一般的には瓶詰めの、すでに漬物になったザーサイを食べることが多いのではないでしょうか? 暮らしニスタに届いたレシピの中から、そんな瓶詰めザーサイをおいしく食べる方法も、合わせてご紹介します。
・生の茎(コブ部分)の使いかた
生のザーサイはなかなかクセのあるものですが、甘味と苦さのミックス加減がなかなか他にはないお味。サラダのように食べたり、酢の物、ナムルにしたりしても良いですが、クワイのように、みじん切りにしてワンタンや餃子などに入れてシャキシャキ感を楽しむのも良さそうです。
・葉の食べかた
葉の部分はよく洗い、炒め物にするとおいしく食べられます。茎の部分はトロトロになり、生で食べるとちょっと強めに感じる辛味も飛んで、かすかに残る歯ごたえと、菜の花のような春の香りがたまりません。
また、あまりゴワゴワしていない小ぶりな生ザーサイの葉は、サラダにしたり浅漬けにしても良いでしょう。
【漬物として】
自分で漬けても良いですが、やはりすでに味付けのされた、漬物になっているザーサイが便利ですね。
お酒が進む5分副菜☆ ささみとザーサイの酢生姜和え
【材料 (2人分)】
ささみ…3本
ザーサイ(味付きスライス )…30g
酒(ささみの下味用)…小さじ1.5
塩 きび砂糖(ささみの下味用)…各ひとつまみ
おろし生姜…小さじ1/4
きび砂糖…ひとつまみ
いりごま…小さじ1
小ねぎ(小口切り)…ひとつかみ
酢…小さじ1/2
ごま油…小さじ1/2
鶏ささみをチンしたら、ザーサイの漬物を混ぜるだけ。他の調味料で甘味と酸味を少々追加して、そのままどうぞ!淡白なささみと、ザーサイの味のバランスが最高です。ささみは手でちぎっても大丈夫。包丁いらずで5分でできる時短おつまみですね。
2019.07.02レンチンしたささみとザーサイの和え物です。味付きザーサイを使っているので、調味料は控えめでちょうどいい。塩加減、酸味加減がちょうどよくて、お酒が進みます~(*^-^*)冷蔵保存している小口切りの小ねぎを使えば、包丁も使いません。続きを見る
【薬味として】
薬味としてザーサイを使うと、辛味やコクがプラスされて、さらなるおいしさUPや本格的な中国料理らしさを狙えます。
とりの手羽元で作る!絶品中華粥のレシピ
【材料 (材料(3~4人前))】
とりの手羽元…6~8本
生姜の皮…1カケ分
長葱の青い部分…2本分
酒…30cc
塩…小さじ約2杯
にんにく…2〜3カケ
水…適量
米…1.5合
トッピング
ザーサイ味付か塩抜きした物…大さじ4杯
フライドオニオン…大さじ2杯
フライドガーリック…大さじ2杯
長葱白い部分…1本分
キムチ…大さじ4杯
圧力鍋で作る、鶏の栄養たっぷりの中華粥。たっぷり食べてもカロリー控えめで、お財布にもお腹にもやさしいおかゆ、元気なときにもたくさん食べたいですね。ザーサイとキムチの中韓薬味対決も、味のバリエーションが広がって楽しいですよ。
2016.05.10今日は私ひこまるの特別レシピです☆っと言っても圧力鍋を使えば簡単に出来ちゃうし、味付けは塩のみの失敗なしのおもてなしにも使えるメニューです。お安い材料で、ちょっと高級中華の様な味わいが楽しめるので、是非お試し頂きたいレシピ...続きを見る
ピリッとおいしい!麻婆風ザーサイ冷奴
【材料 (2人分)】
木綿豆腐…150g
ザーサイの塩漬け(塩抜きする)…15g
食べるラー油…大1/2
味噌…小1/4
白ねぎ みじん切り…1/2本
しょうがチューブ…1センチ
ごま油…小1/4
めんつゆ…小1/4
花山椒…ふたつまみ
冷奴の薬味としても優秀なザーサイ。しっかりした食感の木綿豆腐で作ると、冷たい麻婆豆腐を食べているような気分に。簡単に作れるのに、口に入れるとごちそう感いっぱいで幸せになれます♡
2014.07.29冷奴を中華風で食べるアレンジレシピ。ピリっと辛い花山椒とザーサイで冷製麻婆風の冷奴です。続きを見る
【料理の隠し味として】
ザーサイのもつ発酵の旨味とごま油や香味野菜の風味が組み合わさった独特の味わいは、少量でも存在感を発揮してくれるから、味付けのアクセントに使うのもおすすめです。
メイソンジャーで常備菜☆おつまみ~箸休め~ご飯にもぴったり!
【材料(適量)】
ザーサイ…粗みじん切り
大豆水煮…さっと茹でる
鶏ささみまたは鶏むね肉…塩ゆでする
カイワレ大根
ごま油(材料がなじむくらい)
ごま(適量)
上の材料と調味料を混ぜるだけの簡単常備菜。ザーサイの塩分と旨味がじわっと滲み出て、他の具との相性もバッチリ。ごはんの上にのせて食べてもおいしく、おつまみにもぴったりで、ごはんとお酒が進みます。
2015.07.15冷たい常備菜はいかがですか?暑くてもさっぱりパクパク食べれてしまいます。ヘルシーだけれど栄養満点です!続きを見る
簡単なのに極上に見えちゃう!ラ王塩ラーメン
【材料 (1人分)】
ラ王塩ラーメン…1袋
豆苗…1/2パック分
ザーサイ炒め(市販品利用)…20g
シーフードミックス…60g
片栗粉…小さじ2前後用意
胡麻油…小さじ2
ザーサイ&豆苗炒めをのせて、インスタントラーメンとは思えない風味漂う本格ラーメンに。このザーサイ&豆苗炒めは、ごま油の香りが香ばしくて、ごはんのおかずにもぴったりな一品です。
2016.10.25塩味のラ王パッケージ裏面に、チキンスープに魚介エキス想像するだけで、美味しそうなスープだこと・・・麺を茹でている時に、箸でほぐしていると艶やかに、喉越しがすごく良さそうでした。液状のスープを仕上げに入れると、フワ~ッと美味...続きを見る
まとめ
生でもビン詰でも、今までザーサイなんて興味がなかったという人も多いのでは。ブームになるような派手なものでもありませんが、さすが中国ウン千年の歴史、じわりと感じる旨味とバランスの良い塩気とかすかな甘味、ごま油の香ばしさなど、素晴らしい完成度です。大人になってから食べるとその実力に気づく、そんな食材。ぜひ毎日のごはんのレパートリーに追加してください。
まとめ/伊波裕子
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