ココナッツオイル、アマニ油、エゴマ油など、さまざまな健康オイルがブームとなっています。その中でも近頃静かなブームを巻き起こしているのが「こめ油」。その名の通り米を原料にした油ですが、実際にどのような効能があるのかご存知ですか?また「危険性がある」という話もありますが、本当のところはどうなのでしょうか?
今回は、こめ油の効能や安全性、美味しい使い方についてご紹介します。
そもそも「こめ油」とは?
最近注目を集めている「こめ油」。普通のサラダ油とどう違うのかご存知ですか?
まず原料ですが、サラダ油は原料の規定がないので、大豆油もコーン油も紅花油も全てサラダ油と分類されます。
一方の米油は、JAS規格では「こめ油」が正式名称で、原料は国産米と定められています。玄米を精米したときに出る米ぬかから抽出されるため、「米油」「米ぬか油」「玄米油」などと呼ばれますが、全て同じ「こめ油」です。ただし「ライスオイル」と英語表示の場合は、国産以外の米を使っている場合もあります。
その効果は?危険性もあるって本当?
こめ油は米ぬかと米胚芽を原料として製造されるため、ビタミンEやトコトリエノール、植物ステロールなど天然成分が豊富。なんとこのトコトリエノール、普通のビタミンEの40倍以上の抗酸化力があるのだそう。
ですが最近、こめ油を抽出する時に「ノルマルヘキサン」という劇薬を使っているため人体に悪影響を及ぼすのではないか…という声がありますが、ここでちょっとご説明します。
こめ油を抽出する時は「圧搾法」「抽出法」「圧抽法」 のいずれかを用いますが、ノルマルヘキサンという溶剤を使うのは「抽出法」です。ほとんどのこめ油は「圧搾法」で搾油し、スチームリファイニング製法(蒸気のみで搾油し、溶剤を一切使用しない)によって精油しています。
近年の日本では安全性基準が非常に高く、検査も徹底しているため、劇薬の害を心配する必要はまずありません。どうしても不安な場合は「圧搾法」と分かるこめ油を購入すると良いでしょう。
「ちょい足し米油」で美味しさアップ!
実はこのこめ油、ほかの料理に「ちょい足し」をすることで、栄養素をアップさせるだけでなく味や食感にもプラスの効果をもたらしてくれます。
例えば、お米を炊くときにこめ油を数滴たらすと、お米一粒一粒が立ったツヤツヤご飯に。炊いている時からすでにいい香りが漂い、冷めてもホクホクのままです。また味噌汁、ラーメン、パスタなどにちょっと足すだけで口当たりも良くなり、コクが増します。
米油でクッキング!
こめ油はサラっとしてクセがないのでどんな料理にでも使えます。また高温に強く劣化しにくいのが特徴なので、揚げ物をしたあとでも油の痛みが少なく、油を繰り返し使っても匂いがあまり気になりません。
◎こめ油の絶品ドレッシング
油の味をダイレクトに生かせる料理を紹介します。まずはドレッシングから。ちょっと材料が多いですが材料を混ぜるだけのシンプルな工程です。お味は絶品なので作ってみてください。
【材料】
酢:大さじ6
こめ油:大さじ10
しょうゆ:大さじ4
塩:小さじ1
砂糖:小さじ2
玉ねぎ(みじん切り):適量
上記の材料をビンなどに入れてよく振り、乳化するまで混ぜれば完成です。
このドレッシングは、生野菜のサラダ以外にも、温野菜、焼き野菜にかけたり、マリネにしたり、ステーキにかけたりと便利に使えます。
◎こめ油のアボカドクリームパスタ
ニンニクをこめ油で炒め、タマネギ、角切りのアボカド、生クリームを入れてさらに熱します。そこに茹でたパスタを入れて軽く炒め、再びこめ油を入れ、塩コショウとオリーブオイルで味を調えます。最後に角切りのアボカドとトマトを和えて完成。アボカドがますますクリーミーに、濃厚な風味になります。
この「こめ油」がスゴい!
◎世界特許の抽出法による「こめ油」
こめ油はさまざまなメーカーから発売されていますが、中でもオススメは安全性でも信頼のおける『オリザ油化』の製品。1976年に低温抽出法の開発に成功し1982年に世界特許を取得。低温抽出法とは20℃の低温で油分を溶解・抽出する方法で、これにより熱による油脂の劣化と着色を防ぎ、高品質の油を得ることができるのだとか。
名前の由来は「γ-オリザノール」。γオリザノールは米ぬか特有の成分で、自律神経のバランスを整えたり、美肌、更年期症状緩和、血中脂質を改善する効果などが含まれ、医薬品や化粧品に多く利用されている成分です。サラッとしていてクセが全くなく、ドレッシングにも向いています。
(参考:オリザ油化 http://komeabura.life/)
◎山椒入り! 後味ピリリのこめ油
油メーカーの大手『築野食品工業』の「山椒香味油」は、和歌山の「山椒の里」と呼ばれる有田川町や紀美野町で採れる「ぶどう山椒」入りのこめ油。他の産地のものよりフルーティーなぶどう山椒を香りが飛ばないように石臼で挽き、香味油(こめ油)に入れています。すっきりしたオイルに、ピリッと山椒の後味が利いています。
このぶどう山椒を完熟させてツンとした辛みを除き、香りの高さだけを残した完熟山椒の「完熟山椒香味油」もあります。
(参考:築野食品工業 https://www.tsuno.co.jp/j/05/17/index.htm)
まとめ
ここ数年、健康オイルブームが続いていますが、こめ油は他の油よりビタミンEが多いのは魅力的ですね。香りや油切れも良いので、いつもの料理油をこめ油に変えたら「料理上手になったね」とほめられるかも。
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タウン誌、レシピ本編集記者。全国の珍しい調味料や麺類研究中。
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