そろそろマイホームがほしいと思ったときに直面するのが「いつ建てる? 」という問題。年齢的にいつがベストなのか、または一年のうちのどの時期に建てるのがいいのか、考えはじめると悩んでしまいますよね。
本来、ベストのタイミングは家族によってまったく違うもの。ここでは家づくりの先輩たちの体験談も参考にしながら、自分たちにとっての理想の時期を探ってみましょう。
経験者に聞く! 家を建てるタイミングはどう決めた?
実際に家づくりをしたファミリーに、どんな理由でいつ家を建てたのか聞いてみました。それぞれにきちんとした考え方があり、どの答えにも納得! です。
20代夫婦
「2 人とも実家が一戸建てで、家庭を持ったら家を建てると決めていたので、結婚して4年以内を目指しました。賃貸アパートの契約更新が2 年ごとだったので、2 回目の更新を目標にしたんです。計画は予定通りに進みましたが、驚いたことに途中で私( 妻 )が妊娠。新しい家族と新生活をスタートできたのはうれしいけれど、つわりもひどく、妊娠中の家づくりは正直言って大変でした」
30代夫婦+2 才・4 才の子ども
「庭のある家で伸び伸びと子育てしたくて、子どもが小さいうちに家を建てました。ただ、2 人の幼児を連れて打ち合わせに行ったり、ショールーム回りをするのは一苦労。打ち合わせのときは、ハウスビルダーの女性スタッフが子ども相手をしてくれて助かりましたが、ショールーム回りは思うようにできず、設備などは結局ネットで探しました。実物を見て選べなかったのがちょっと残念です」
40代夫婦+小学生・中学生の子ども
「家づくりはビッグイベントだから、ぜひ家族全員で参加したくて、子どもたちがある程度成長するのを待ちました。あまり小さいと覚えていないと思ったので。その間に頭金の目標額もたまりました。
結果は大成功! 子どもたちは部屋の内装を自分で決めたり、DIY でペンキ塗りをしたり、家づくりを満喫したみたい。設計者さんや職人さんと触れ合えたのもよかった。長男の将来の夢は“ 大工さん" 、長女は“ インテリアデザイナー" になりました」
30代夫婦+5 才の子ども
「家づくりの時期を決めたのは、ずばりお金です。住んでいた分譲マンションの価値が上がり、理想的な金額で売却できそうになったことと、近所に手の出る価格の土地が売りだされたタイミングが重なって、今しかない! と決断しました。この時期を逃さなくてよかったと思いますが、不動産の売却と購入を同時に進めるのは大変でした」
資金計画もタイミング選びのポイントに
用意できた自己資金( 頭金 )の額やローン返済の見通しも、家づくりの時期を大きく左右します。特に住宅ローンは定年までに完済するのが原則なので、金利の種類を賢く選びつつ、堅実な返済プランを立てることが大切です
そこで役立てたいのが、家族の年齢ごとの出費を予測するライフプラン表( 「家づくりが決まったら必ずおさえたい資金計画のはじめ方」参照 )。これを作成することで、毎年の貯蓄額の目標や、将来ローン返済に当てられる金額が具体的にわかり、家づくりをスタートさせるタイミングの目安になります。
ローン期間を長くすれば月々の返済額は少なくてすみますが、返済期間を定年後まで延ばすのはハイリスクなうえ、長い間利息を払いつづけるのは、結果的に得とは言えません。できる範囲で繰り上げ返済を検討するなど、老後の暮らしに影響しないローン計画を立てるのが賢明です。
1 年の中で家を建てる時期はいつがいい?
多くの人が避けたいと思う工事期間は、お盆、お正月、雪の時期、梅雨の時期など。これを除くと、ベストタイミングは春か秋に限られてしまいますが、実際はどうなのでしょうか。
お盆やお正月に工事をするデメリットは、施工会社もお休みするため工期が長くなり、仮住まいの費用などがかさんでしまうこと。また気温の低いお正月ごろは、コンクリートが固まるのに時間がかかるため、基礎工事も通常より2 ~3 日延びるといわれています。
雪の時期も同じで、基礎工事がやや長くなるほか、降雪量が多いと工事がストップすることも。「工期を短縮したいからこれらの時期は避けたい! 」と考えるなら、プランニングの早い段階で依頼先に相談しておきましょう。
梅雨の時期で気になるのは、木材が濡れてしまうこと。建築中の現場でびしょびしょになった床や柱を見ると、つい「建物は傷まないの? 」「住んでから湿気が出たりしないの?」と思ってしまいますよね。
でも、雨で濡れた程度の木材は、そのあと何日か晴れれば元の乾燥状態に戻るのだそう。反対に、雨よけとしてブルーシートなどで覆ってしまうと、湿気が飛ばずにカビが発生してしまうことも。信頼できる施工会社であれば、木工事が始まったら早めに屋根をつけるなど、できるだけ雨を防ぐ工夫をしてくれるはずです。
雨= 梅雨というイメージがありますが、じつは春や秋にも雨が多く、夏の終わりには台風がやってきます。そう考えると、工事のシーズンにはあまりこだわらなくてもいいのかもしれません。
ちなみに、具体的な着工の日程は、上棟式の予定日をもとに決められるのが一般的。結婚式などと同じく、上棟式は吉日を選んで行われますが、ほとんどの人はお勤めのない週末を希望するため、土日と重なる吉日は限られてきます。施工会社はそこから逆算して、いつ着工するかを決めるというわけ。ただし、最近では上棟式を行わないケースも増えているようです。
ライフプランに合わせて家を建てる
「子どもの小学校入学までに建てたい」などの目標があるなら、それに合わせてスケジュールを組む方法もあります。家づくりのどのステップにどのくらい時間がかかるのかを知り、逆算して家づくりのスタート時期を決めましょう。
ただし、家づくりに必要な期間は、人によって数カ月~数年もの差があります。プランをゼロから考える設計事務所やハウスビルダーと、プランを数パターンから選ぶハウスメーカーでは設計期間が異なりますし、木造在来、プレハブ工法、RC造など、建物の工法によって工期にも差が出ます。
ここでは設計事務所をパートナーに選び、延べ床面積23坪の2 階建てを木造在来工法で建てたケースを一例としてご紹介します。途中で大雪に見舞われるなど、予想外のスケジュール変更も! あくまで目安として参考にしてみて。
家づくりスケジュール例
15カ月前: 土地探しスタート
14カ月前: 土地購入、依頼先決定
13カ月前~6 カ月前: プラン検討
5 カ月前: 着工の予定が大雪のため延期に
4.5 カ月前: 着工、基礎工事スタート
3.5 カ月前: 上棟
2.5 カ月前: 外壁工事
1 カ月前: 内装・設備工事
マイホーム完成・引っ越し
まとめ
ベストのタイミング、思い通りのスケジュールで家を建てるのが理想ですが、なかなかそうはいかないのが現実のよう。時間にも気持ちにもゆとりをもって、予想外の事態に備えたいものですね。
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この記事のライター:後藤由里子
主婦の友社刊「はじめての家づくり」をはじめ、数々の住宅・生活関連記事を手がけるライター。キャリアは20年、これまでの実例や建築家、ハウスビルダーへの取材件数は300以上に及ぶ。
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