数多くの金融機関で扱っている「フラット35」は、今や住宅ローンの主役ともいえる存在です。民間ローンとも公的ローンとも違うその仕組について、本ページでは詳しく解説します。
サイト内の「住宅ローンの種類(種類)とそれぞれの特徴」も参考にしてください。
フラット35とは
「フラット35」は、民間と公的融資をミックスしたようなローンで、最長35年まで借りられる長期固定型金利の住宅ローンです。
銀行や保険会社、ノンバンクなど多くのところで扱っていますが、基本的には35年間全期間一律の固定型、もしくは11年目から金利が上がる段階制の商品です。銀行オリジナルの住宅ローンのように、数多くのタイプの商品はありません。契約時に返済終了までの金利が確定するため、金利が比較的低く、返済計画が立てやすいのが特徴です。
ただし、同じフラット35という名前の商品でも、取り扱っている金融機関によって金利は異なります。2015年では、金利の低いところは1%台、高いところは2%前半と、およそ1%の差があります。
これはフラット35が銀行の住宅ローン商品ではないために起こる現象です。どのフラット35も、銀行はあくまでも窓口でしかなく、ローンの債権は住宅金融支援機構が買い取ることになっているのです。
つまり各金融機関は、もとになるローン債権に対する金利に、それぞれの窓口で取り扱う手数料などをプラスして、独自の金利を発表しているというわけです。
フラット35を利用できる条件
フラット35は、住宅金融支援機構による独自の基準に合っている物件でないと利用できません。契約前に検査を受ける必要があります。
物件に対する検査が厳しい半面、人に対する条件は緩やかです。収入が一定でないなどの理由で銀行ローンの審査に通らなかった人でも、フラット35なら利用できることもよくあります。
フラット35を利用できる住宅の要件
- 一戸建ての場合、住宅の床面積が70㎡以上あること。
- 住宅の耐久性などについて、住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合していること。
詳しい技術基準に関しては、新築の住宅技術基準をご覧ください。
- 店舗や事務所と併用した住宅の場合、住宅部分の床面積が全体の2分の1以上であること。
- 建設費(建設に付随して取得した土地の購入費も含む)または購入価格が1億円以下(消費税含む)であること。
- 申し込み時から2年以内に完成予定で、人が住んだことがない住宅であること。
フラット35を利用できる人の要件
- 申し込み時の年齢が70歳未満であること(親子リレー返済の場合は70歳以上も可)。
- 安定した収入があること。
- 日本国籍をもつ人、または永住許可などを受けている外国人であること。
- フラット35とその他の借り入れ金を合わせた全ての借り入れ金の、年間返済額の年収に占める割合が、
年収400万円未満・・・・・30%以下
年収400万円以上・・・・・35%以下
であること。
- 申し込み本人または親族が住むための住宅の建設資金または購入資金であること(リフォームのための資金にはできない)。
融資のリスクがないので保証料は無料
フラット35は基本的に保証料が無料です。これは、住宅金融支援機構が各金融機関からローン債権を買い取ったあと、それを住宅ローン担保証券にして機関投資家に売っているためです。
つまり融資のリスクは金融機関や住宅金融支援機構ではなく、機関投資家が負うことになるので、保証人を立てる必要がなく、保証料もかからないのです。
返済条件の変更や繰り上げ返済の手数料がゼロ
住宅ローン返済が始まってから、元利均等返済から元金均等返済に変更したり、ボーナス払い併用から毎月払いのみに返済方法を変更したりしても、手数料はかかりません。
また繰り上げ返済をする場合、ほかの住宅ローンでは手数料がかかることもありますが、フラット35は無料で何度でも利用できます。
さらに低金利のフラット35Sを利用する
フラット35を利用できる条件を満たしたうえで、さらに省エネ性や耐震性など一定の要件を満たした物件と認定されると、金利の引き下げを受けられます。
★おしゃれな注文住宅を建てたい方はこちら
★注文住宅のカタログを取り寄せたい方はこちら
こちらの記事もおすすめ!
2015.12.04家を買うと、住宅ローン返済が始まり、固定資産税もかかります。消費税や健康保険料の増額などで、年々増加する支出が増えるなかで、家計の資金繰りに不安を感じる人も多いでしょう。こうした状況を考慮して、所得税を減税してくれる制度が...続きを見る
2015.12.04住宅ローンを選ぶときのチェックポイントは、「金利のタイプ」「返済方法」「返済期間」の3つ。金利のタイプは3種類、返済方法は2種類あり、それぞれにメリット、デメリットがあります。商品によって異なりますが、返済期間は最長で35...続きを見る
2018.03.06すでに物件が完成しているマンションや建て売り住宅を購入するのと違って、これから家を建てる場合は住宅ローンの手順が煩雑になりがちです。どんな審査を受け、どんな書類が必要か、また、土地の購入や家の建築の過程で手続きをどう進めれ...続きを見る
コメント
全て既読にする
コメントがあるとここに表示されます