イタリア料理店のメニューなどで見かけるボンゴレビアンコ。「自宅でもおいしく作りたいな~」と思ったことはありませんか?
ボンゴレビアンコとは、簡単に言えば、あさりが入ったパスタ料理の一種。でも、実はかなりバリエーションが豊富なのです! そんなボンゴレビアンコについて、「そもそもボンゴレビアンコって何?」という基本情報から、おいしく作るコツやアレンジレシピまでご紹介します。
ボンゴレビアンコとは?
ポモドーロ、ジェノベーゼ、カルボナーラなどと並び、日本でよく知られたパスタとして名前が挙がるのが「ボンゴレビアンコ」。
イタリア料理店などのメニューで見かけることができるのはもちろん、レトルトのパスタソースでもラインナップしている、知名度のあるパスタですよね。
そのボンゴレビアンコは、イタリア語の「vongole=あさり」+「bianco(白い)」からなる言葉。あさりを白ワインで蒸し煮にして具材として使うパスタ料理を総称するものです。
実はこの“総称”というのがポイント。具材やソース、パスタの種類もアレンジできるので、バリエーションはかなり豊富なのです。
ボンゴレビアンコは種類豊富!
ボンゴレビアンコの具はあさりが基本なのですが、ほかのものを加えてもOK。
例えば、キノコ、キャベツ、菜の花などはボンゴレビアンコで人気の具材。キャベツを加えて「キャベツとあさりのボンゴレビアンコ」にしたり、水菜を使って「あさりと水菜のボンゴレビアンコ」にすることができます。
パスタの種類も、スパゲティを選べば「あさりのスパゲティ」、ペンネを選べば「あさりのペンネ」になりますが、これらもすべて「ボンゴレビアンコ」の一種。
ときには、あさりの代わりにシジミやハマグリなど、ほかの二枚貝を使ったものでも「ボンゴレビアンコ」と呼ばれたり、「ボンゴレビアンコ風」などと表現されることがあります。
ソースはオイルベースのものが多いものの、和風ソースで作られたボンゴレビアンコも存在していますよ。
ボンゴレロッソとどう違う?
似たような名前のパスタに「ボンゴレロッソ」がありますよね。こちらは「vongole=あさり」に「rosso=赤い」というイタリア語をつなげたもの。
「rosso=赤い」はこの場合、トマトのことを指しています。つまり、あさりを使ったトマト入りのパスタのこと。写真のように赤いトマトソースのものは「ボンゴレロッソ」のわかりやすい例です。
ただし、この分類もちょっと曖昧。例えば、オイルソースのあさり入りパスタにミニトマトが散りばめられたようなものは「ボンゴレロッソ」と言われたり、「ボンゴレビアンコ」と分類されたりすることもあるのです。
つまり、実際のところはケースバイケース、と言えそうです。こんなふうに大らかに分類できちゃうところが、パスタの楽しさのひとつかもしれませんね!
では、続いて、ボンゴレビアンコをおいしく作るコツを見ていきましょう♪
ボンゴレビアンコを作るコツは?
ボンゴレビアンコを自宅で手作りするなら、おいしく作りたいですよね。ボンゴレビアンコを作るならここが大事!というポイントをいくつか挙げてみましょう。まず、基本的な作り方は次のとおり。
<ボンゴレビアンコの基本的な作り方>
(1)大きめの鍋にたっぷりの水を入れて沸騰させ、パスタを入れて茹でます。
(2)パスタを茹でている間に、ソースを作ります。フライパンにオリーブオイル、にんにく、赤唐辛子を入れて弱火にかけます。
(3)にんにくの香りがたったら、あさり、白ワイン、パセリを加えて中火にし、フタを閉めて蒸し煮にします。
(4)あさりの殻が開き始めたらフタをとり、塩、こしょうで調味します。
(5)煮汁が半分くらいになり、白っぽくなるまで煮つめたらソースが完成。
(6)茹でたてのパスタを(5)に加えてよく混ぜ合わせ、塩、こしょう各少々で味を調えます。
作り方はシンプルですよね。次に大事なポイントを見ていきましょう。
◎Point1…あさりはしっかり砂抜きを
スーパーなどで売られている生のあさりは砂抜きをされていないのが一般的。貝を食べたとき、砂抜きをちゃんとしないと食べたときに「ジャリッ」と砂が歯にあたると、なんとも嫌な気持ちになってしまいますよね。
これはボンゴレビアンコに限った話ではないのですが、あさりを使うときには必ず事前にしっかり砂抜きをしておきましょう。
\あさりの砂抜きのやり方はこちら!/
2018.12.27栄養価も高くておいしいあさりは食卓に頻繁に登場させたい食材ですが、なんとなく調理で面倒に思えてしまうのが「あさりの砂抜き」ではないでしょうか。食べたときに「ジャリッ」とした時の残念な気持ち! そこで今回は、「ジャリッ」を防...続きを見る
◎Point2…ソースを煮詰める
あさりは貝が開けば熱が通っていて食べられますが、そこで火を止めずにもう少し煮詰めるのをお忘れなく。全体が白っぽくなるまでソースを煮つめていきましょう。
あさりのうま味が凝縮され、ワインの風味もアップしますよ。ソースを煮詰めるときには、オリーブ油大さじ1~2を加えるのもおすすめです。
◎Point3…軽く火を通す
ボンゴレビアンコを作るとき、あさりは火を通し過ぎないようにするのが大事なポイント。ソースを乳化させたら、そのあとは煮すぎないこと。適度に火を通して、ふっくら柔らかな身に仕上げましょうね。
◎Point4…パスタは固めに茹でる
「パスタはアルデンテがよい」などと言われますが、堅めに茹でることでおいしさが格段に変わってきます。パスタのパッケージにある茹で時間の表示より1分ほど早めに、1本を取り出して食べてみるとよいでしょう。
「ちょっと堅いかな」というくらいが目安。茹でたあと、ソースと合わせるときにも熱が入ることを計算します。茹であがったパスタはザルに上げますが、茹で汁は全部捨てずに100~200mlほど残しておきましょう。
◎Point5…パスタにあさりのうま味を吸わせる
パスタはソースが完成する前に茹で上がらないように気を付けて準備。茹であがったらすぐ、フライパンのなかのソースに投入します。あさりのうま味がたっぷり出たソースをパスタによく吸わせましょう。
このとき、汁けが少ないようなら、さきほど残しておいたパスタの茹で汁を少し加えるとちょうどよく仕上がりますよ。
ボンゴレビアンコのおすすめレシピが知りたい!
ボンゴレビアンコをおいしく作るコツがイメージできてきましたよね! いくつか守りたいコツがあるものの、基本的には作り方はシンプル。手軽にできるのがうれしいですね。
具材はあさりのほかにもいろいろな具材を入れて自由に楽しめるのがボンゴレビアンコの魅力。ここでは、ちょっとアレンジを効かせた、ボンゴレビアンコの簡単&人気レシピを5つご紹介します。
菜の花とあさりのスープスパゲッティ
【材料(2人分)】
フェデリーニ…160g
塩…大さじ1~
あさり(殻付き)…20粒
菜の花…1束(160g)
だし汁…400㏄
白ワイン…大さじ2
オリーブオイル…大さじ1~
ニンニク…1個
赤唐辛子…1個
黒コショウ…少々
春が旬のあさりと菜の花が具。だし汁をベースにあさりのうま味も加えた、汁が多めのスープスパゲッティです。太さ1.4~1.5mmの細めパスタ「フェデリーニ」を使って、つるりと喉ごしのよい仕上がり。あさりは盛り付けの時に少し殻をはずすと盛り付けもきれいにできますよ。
2019.03.11春が旬のあさりと菜の花のパスタ。だし汁にあさりのうま味も加えた、汁が多めのスープスパゲッティです。春の香りと おいしさをお楽しみください。続きを見る
たっぷり大葉とあさりの焦がし醤油スパゲッティ
【材料(2人分)】
スパゲッティ(卵入り)…180g
大葉…20枚
あさり(むき身)…140g
バター…15g
醤油…大さじ2
しょうがすりおろし…5g
日本酒(または白ワイン)…大さじ1
塩・コショウ…適量
むき身のあさりを使ってお手軽に。バターと焦がし醤油で味をつけたスパゲッティに、大葉の千切りをたっぷりのせた和風パスタです。醤油は最後に鍋肌にまわしいれることで香ばしくなりますよ。すりおろしたショウガも加えるので、さっぱりさわやかな味わい
2017.06.14むき身のあさりを使ってお手軽に。バターと焦がし醤油で味をつけたスパゲッティに大葉の千切りをたっぷりのせた和風パスタです。すりおろしたしょうがを加えてさっぱりさわやかに仕上げています。続きを見る
オシャレな本格パスタ♡私の『ボンゴレロッソ』
【材料(2人分)】
パスタ麺…90g×2
あさり…220g
トマト…大1個
玉ねぎ…1/4個
にんにく…1かけ
塩…小さじ1/2
砂糖…小さじ1と1/2
白ワイン…大さじ2
エクストラバージンオイル…大さじ2
イタリアンパセリ…適量
ボンゴレビアンコは赤いトマトが加わると「ボンゴレロッソ」になりますが…。このレシピは、トマト缶を使わずフレッシュトマトを入れてサッパと仕上げるので、ボンゴレビアンコとボンゴレロッソを「足して2で割った」というテイストになります。あさりとトマトのバランスが絶妙。
2017.09.17ボンゴレロッソは一般的なイタリアンレストランでは『トマトたっぷり&油たっぷり』で出てきますが、私のレシピではフレッシュトマトを使ってサッパリと仕上げています。塩味とトマトの風味のバランスが絶妙なパスタです。続きを見る
素麺もレンジで簡単!やみつき♡ボンゴレそうめん☆パスタより時短!火を使わない!素麺アレンジレシピ♪
【材料(1~2人分)】
素麺…1束
あさり(塩抜きした物)…230g位
ニンニク(粗みじん切り)…1かけ
バター…4g
酒…大さじ6
パスタを素麺に置き換えた、アレンジ版ボンゴレビアンコ。夏に消費しきれなかった素麺を使えるうえに、火を使わない時短レシピなのも魅力! パスタのボンゴレよりもあっさり、さっぱりと軽い感じになりますよ。ママのランチなどにおススメ☆
2016.08.30夏が終わりに近づくと、素麺もそろそろ飽きてくるころ。。。しかも、消費しきれなかった素麺が残ってしまいがちですよね(>_<)そんな時、アレンジ素麺で、新鮮なお料理にしちゃいましょう♪もちろん!火を使わない、時短レ...続きを見る
パスタ風あったかうどん「ボンゴレクリームうどん」
【材料(1人分)】
冷凍「さぬきうどん」…1玉
あさり(砂抜きしておく)…100g
パセリ(みじん切り)…適量
にんにく(みじん切り)…1/2かけ
オリーブ油…小さじ2
白ワイン…大さじ2
鷹の爪(種は取り除く)…1/2本
牛乳…50cc
生クリーム…50cc
しょうゆ…小さじ1
塩…少々
こしょう…適量
あさりのうま味をクリーミーに味わえるボンゴレビアンコ。しかも、パスタの代わりに今度はうどんを使います。牛乳、生クリームベースのソースに、しょうゆも加えてちょっと和風の味わいです。鷹の爪をお好みで、加えても省いてもOK。
2018.01.16あさりの旨みをクリーミーに味わえる、パスタ風のうどん。 続きを見る
まとめ
ボンゴレビアンコはオイルベースだったり和風だったり、野菜やキノコが入ったりと、いろいろなバリエーションがあります。
家庭で作るなら、野菜たっぷりで栄養満点に仕上げるのもいいかも。コツをおさえれば、簡単においしく仕上げることができますよ!
ぜひ、自由にアレンジをして、ボンゴレビアンコを作ってみてくださいね。
文/北浦芙三子
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