たけのこは、スーパーなどで見かけると「春がきたな」と感じるくらい、春の旬野菜の代表格。生のたけのこが出回るのは3月末ころから5月初旬にかけての短い期間だけです。しかし、自分で処理をするのはハードルが高いと敬遠してしまう人も多いのでは? せっかくの春の味覚を味わえないのはもったいない! アク抜きと保存のコツを覚えて、たけのこ料理をおいしくいただきましょう。
知っておきたい、たけのこの栄養と成分
たけのこは孟宗竹の地下茎から伸びた幼い茎部分のこと。ビタミン類は少なめですが、むくみを予防してくれるカリウムやマンガンが多く、食物繊維もたっぷり。うま味成分のアスパラギン酸を豊富に含み、これが体の代謝を高め疲労回復やスタミナアップに効果をもつと言われています。冬から春にかけて季節の変り目に体調をくずしやすい人こそ、たけのこ料理で元気をとりもどしましょう。 また、アクの原因となる独特のえぐみは、シュウ酸、ホモゲンチジン酸と呼ばれる成分によるもので掘り出した直後から増加していきます。カルシウムの吸収を悪くさせる原因にもなるためアク抜きは必須ですが、このアクは除きすぎても本来の素材の風味をそこなう場合があります。 よく紹介されている基本のアク抜き方法で、米ぬかや米のとぎ汁を使うことが多いのは、ほどよく風味を残してアク抜きしやすいから。重曹を使ってもよいのですが、アクが抜けやすいため、分量に注意する必要があります。
米ぬか&とうがらしを使った昔ながらのアク抜き方法
アクの原因であるシュウ酸は水にさらすと溶け出すため、取り除くのは簡単です。しかしホモゲンチジン酸は酸性なので、アルカリ性の物質と反応させないと溶けだしてくれません。そのため、アルカリ性の米ぬかを使ってアクを吸着させるのです。とうがらしは抗菌効果とえぐみを殺すために用います。上で述べたようにたけのこは収穫直後からアクがどんどん増していくため、手に入ったらすぐに丸ごと皮つきのままゆでるようにしましょう。
材料と用意するもの
材料 たけのこ…2~3本 米ぬか…1カップ程度 赤とうがらし…1本
用具 鍋(できるだけ大きなもの) 落としぶた 竹串
① たけのこに切り込みを入れる まずは穂先分5~6㎝を斜めに切り落とし、切り落とした部分に縦1~2㎝くらいの深さ(1/3程度の深さ)で切り込みを入れます。穂先部分を切り落とすのは、この部分のアクが最も強いため。また切り込みを入れるのは効率よくゆで上がるようにと、皮がラクにむけるからです。② なべに入れて水からゆではじめる できるだけ深さのある大きななべを用意して、たけのこが重ならないように並べます。米ぬかととうがらしを加えて、たけのこがかぶるまで水を注ぎ入れてください。そのまま強火にかけ、一度沸騰させます。③ 火を弱めてじっくりゆでる ひと煮立ちしたら落としぶたをして、火を弱めます。気泡がつねに落としぶたにあたるくらいにグツグツと沸いた状態をキープしながら、煮汁がこぼれないように火加減を調整してください。だいたい1時間半~2時間ほどゆで続けます。 たけのこは浮き上がりやすいので、落としぶたで押さえることで均一にゆで上がります。また空気に触れたままゆでると色が悪くなるため、途中でゆで汁の量を確認し、蒸発して水が減っていたら適宜足すようにしましょう。④ ゆで上がりを確認して冷ます 根元から2~3㎝くらいの太い部分に竹串を刺し、すっと通るようになったら火を止めてそのままなべの中で冷まします。 冷ましている間にもアクが抜けていくため、ゆで汁から出したり、水で洗うのはNG! 気長に待つようにしましょう。
⑤ 皮をむいて実をとり出す 切り目を入れた部分に指を入れてぐるりと皮を開くようにむきとります。穂先はていねいに一枚ずつはがし、細く乳白色な部分だけ残して先端のかたいところを切り落としてください。この時点ではじめて水洗いをし、米ぬかを落とします。
保存は、皮つきのまま煮汁ごとor 皮をむいたら水にひたして
すぐに使わないときは煮汁ごと保存容器に入れて冷蔵庫へ。4~5日ていどならそのままでも保存可能です。むいてしまった身はタッパーなどにひたるくらいの水と一緒に入れて冷蔵保存します。ときどき水を変えれば1週間くらい保存ができます。
米ぬかがなくてもできる、たけのこのアク抜き方法
米ぬかは案外日持ちがせず、ふだん手元にないもの。そんなときは以下の材料などで代用してもアク抜きができちゃいます。
米のとぎ汁を使ってアク抜きする方法
米のとぎ汁には精米で削り切れなかった米ぬかが含まれているので、同じような効果があります。できれば2回目くらいまでのとぎ汁を使い、足りないようなら、一掴み分くらいの生米と水を加えてゆでるようにしましょう。ここで気をつけて欲しいのが、同じ白米でも無洗米のとぎ汁では米ぬかがほぼ付着していないためアクはうまく抜けません。 そのほかの手順は米ぬかの場合と一緒です。米ぬかのかわりに米のとぎ汁と赤とうがらしを入れて1時間半~2時間ほどゆでてください。
重曹を使えば短時間でアク抜きOK
重曹もアルカリ性質を持ち食物繊維をやわらかくする効果があるため、たけのこや山菜などのアク抜きによく用いられます。ただし、米ぬかやとぎ汁にくらべてアクが抜けやすいため、素材本来の風味まで抜けてしまいがちです。加える分量やゆで時間によく注意して使うようにしましょう。また、重曹の場合はたけのこの皮をむいてからゆでるのが基本です。1ℓの水に対して小さじ1程度の重曹を溶かし、赤とうがらしと一緒に30分ほどゆでます。 ちなみに、アルミ製のなべは重曹と科学反応をおこして変色してしまうので、使用は避けるようにしましょう。
大根おろしのしぼり汁でもアク抜きが可能
大根おろしでアクを抜くときは、たけのこは生のまましぼり汁に漬けおきます。アルカリ性質で中和させるほか、アミラーゼなどの消化酵素がアクを分解してえぐみ成分をやわらげてくれます。この酵素は熱に弱いため、加熱せず常温でつける必要があります。また、たけのこは細かく切ったほうが水回りがよく早くアクが抜けますが、その分風味も落ちやすくなってしまいます。料理の用途に合わせ、やや大ぶりに切り分けてからつけるのがおすすめです。☆大根おろし水の作り方は以下の通り ①大根を細かくおろして布巾などに包み、ギュッとしぼってボウルに入れます。たけのこ1本あたり2カップくらい用意するのが目安。 ②おろし汁1カップにつき塩小さじ1弱を加えて、同量の水を注ぎます (たけのこ1本の場合、おろし汁2カップ、水2カップ、塩小さじ2弱を合わせる) ③皮をむいて適当な大きさに切ったたけのこをひたらせ、1時間くらい漬けます。 この方法はたけのこが生なので、あまり日持ちがしません。大根おろし水に漬けたまま冷蔵庫で保存し、その日中に食べきるようにしましょう。も少し長持ちさせたいときは、大根おろし水に漬けこんだ後、一度ゆでてから水にひたらせて、冷蔵してください。途中で水をかえれば1週間ほどは保存できます。
小麦粉と酢を使ってもアク抜きができる!
たいていの家で常備している小麦粉と酢、塩を使ってもアク抜きができます。水3ℓに対して小麦粉、酢各大さじ3と塩大さじ2を加えて溶かし、あとは米ぬかと同様にゆでるだけ。小麦粉は水にまぜるときダマになりやすいため、先によく溶かしてから使うのがポイントです。
加熱時間は半分以下! 圧力なべでアクを抜く方法
基本のアク抜き方法は普通のなべを使った場合とほぼ一緒ですが、いくつか圧力なべの構造上で注意点があります。まず定番の米ぬかですが、そのまま使うと蒸気口が詰まってしまう心配があります。そこで100均などで売っているお茶パックにいれて使用するとよいようです。カスが出ないので洗うときの手間も減って一石二鳥。また、米のとぎ汁もそのまま使えるので、圧力なべを使うときのおすすめの方法になります。重曹は気泡が出やすくなるため使わないほうがよいでしょう。
新鮮なたけのこの見分け方&アク抜きしたあとの保存テク
得する選び方
新鮮なたけのこを見分けるポイントは穂先の色と根元部分。切り口の断面と根元のいぼが白く、穂先は黄色がかったものほど鮮度がよい状態になります。収穫から日にちがたつほど穂先が緑色になっていきます。
アク抜きしたたけのこの上手な保存方法
ここで紹介するのは、「冷蔵保存」「冷凍保存」「びん詰め」の3パターンです。☆冷蔵保存の場合(保存期間は1週間ほど) ゆで方のところでも記載していますが、アク抜きしたあと水にひたしたまま冷蔵庫で保存します。最低でも1日1回は水を新しく取りかえるようにしてください。1週間は日持ちが可能です。タッパーなどの容器が冷蔵庫でかさばるようなら、ジッパーつき保存袋などに入れてもOKです。空気を抜いてぴっちり口をと閉じれば、少なめの水でも保存ができます。
☆冷凍保存の場合(保存期間は1ヵ月ほど ) たけのこは冷凍するとは繊維が壊れてスが入ってしまうため、やや食感が変わります。そのため大きいかたまりでの保存には向きません。細切りなど小さめに切って水にひたしたまま冷凍庫で保存してください。逆に味がしみ込みやすくもなるので、煮物や炊き込みごはんなどに使うのがおすすめです。
☆びん詰めにして保存する場合(保存期間は約半年~1年ほど) 長期保存させるためには、空気にふれないように真空状態にて保存させます。アク抜きがきちんとできていないと、悪臭が出ることもあるのできちんと処理をしてから保存するように気をつけましょう。また、保存びんはジャム用などの密閉できるものを必ず用意してください。びん詰めの手順は以下の通りです。
① 使用するびんとふたを熱湯で煮沸し、アク抜きしたたけのこを詰めます。 ② 水(または塩水)をびんのふちまで入れてふたを軽くしめてください。 ③ 深さのある鍋に並べて水をびんの肩口まで注ぎ、火にかけて沸騰させます。 ④ ふたに軽く熱湯をかけてからとり出し、ふたをギュッと閉めます。 (とにかく熱いので、やけどに注意! 厚手のゴム手袋を使って手早くとり出し、布巾で包みながら作業しましょう) ⑤ 鍋にもどして、もう一度びんごと煮沸します。びんがかぶるくらい水を足し、再度沸騰させます。 ⑥ 取りだしたら逆さまにして置き、そのままさましてください。ふた側を下にして圧力をかけることで雑菌が入るのを防ぎます。
旬のたけのこを味わいつくすおすすめレシピ
市販のたけのこ水煮で♥手作りメンマ♥やみつき【#超簡単 #だし粉 #野菜のおつまみ 】5分-10分
【材料 (作り易い分量目安 2~4人分)】 たけのこ水煮…1袋(220g) だし粉(かつお節と昆布)…1パック めんつゆ(3倍濃縮)…大さじ2 ごま油…大さじ2 ラー油…適量
市販の水煮の竹の子と紙パック入りのだし粉を使って、フライパンでサッサッと作れちゃう。しゃきしゃきっとした食感で、ごはんもビールもすすんじゃうこと必至!
2018.06.26 市販の水煮の竹の子と、だし粉をつかって、フライパンで超かんたーん!うまーい!手作りめんまはいかが?自分で作るから、味の濃さもピリ辛にするのも自由自在♪♪しゃきしゃきっとした食感で、ごはんもビールもすすんじゃいました♪続きを見る
たけのことグリンピースのふんわり卵とじ味噌風味
【材料 (3人分)】 たけのこの水煮…250g グリンピース…30g たまご…2個 ごま油…大さじ1 a味噌…大さじ2 aみりん…大さじ1 a酒…大さじ1 a三温糖…小さじ2 a水…大さじ1 a白だし…小さじ1
たけのこを食べやすい大きさに切ってからごま油で炒め、味噌などで調味して、卵でふんわりとじたら出来上がり。白いご飯はもちろん、日本酒のおつまみにもおすすめです。
2017.04.25 たけのこを食べやすい大きさに切ってからゴマ油で炒め味噌を加えグリンピースと卵でふんわり仕上げました。 味噌風味なところがまさにミソ。白いご飯はもちろん 日本酒のおつまみにもいいですよ。続きを見る
旬を食べよう♡簡単!たけのことタコの胡麻酢味噌和え
【材料(4人分)】 ゆでたけのこ…400g 生食用ボイルたこ…150g 合わせ味噌…大さじ2半 砂糖…大さじ2 酢…大さじ1半 あらくすった黒ごま…大さじ2
弾力のあるゆでだことシャキシャキのたけのこ、それぞれ食感の違いが楽しいレシピ。ごまが香るみそ仕立ての味つけは、お好みで青じそやみょうがなどの薬味を加えても。
2017.04.21 たけのこ富豪2017キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!たけのこまつりだ\( ・ω・`\)わっしょい(´/・ω・)/一発目は大好きなごま酢味噌和え♡今回はこれまた大好きなタコとコラボさせましたよ~(*゚∀゚*)ムッハーこりゃ...続きを見る
デトックス効果に☆重ねて、かけて、包むだけ♪筍の梅だれホイル焼き
【材料 (2人分)】 たけのこの水煮…約150g しいたけ…2個 玉ねぎ…1/2個(100g) 梅干し(種なし)…約30g ☆白だし…小さじ2 ☆みりん…小さじ2 ☆しょうゆ…小さじ1
たけのこを重ねて、合わせ調味料かけて、ホイル包むだけの、簡単ホイル焼きレシピ。たけのこには不溶性食物繊維が豊富だから、デトックス効果も期待できちゃいます
2018.04.06 春の風物詩である筍(たけのこ)そんな筍を使って重ねて、かけて、包むだけの、簡単ホイル焼きレシピのご紹介♪☆筍(たけのこ)の栄養と効能☆アミノ酸の一種のアスパラギン酸がアスパラガスよりも豊富にあり、疲労物質の乳酸を素早く燃焼...続きを見る
参考:文部科学省「食品成分データベース」
まとめ/久賀友美
2016.04.15 野菜売り場に並ぶみずみずしい春野菜。でも「定番料理以外に食べ方がわからない」、「子どもが苦手」と手が出ない人も多いようです。そこで、料理上手の暮らしニスタたちが作る春野菜・激うまレシピ10点をご紹介します。旬の味を楽しんで...続きを見る
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