麻婆豆腐や中華炒めなど、おうちでも簡単に作ることができる中華料理。フライパンで手軽に作れますが、ちょっと本格的に「中華鍋」を使ってみたくなることもあるでしょう。ただ、気になるのは、お手入れの方法や使い方です。お手入れのタイミングはいつが最適?洗剤を使っていいの?スポンジで洗えばOK?中華鍋を長く愛用するためのお手入れ方法を紹介します。
「中華鍋」とは?
中華料理と言っても、炒めものに揚げもの、煮て作るもの、天心などの蒸し料理まで、さまざまな種類があります。一般的なテフロン加工のフライパンとふたがあれば、たいていの中華料理を作ることができますが、もう少し本格的に作ってみたいときは、中華鍋があると便利です。
この中華鍋、鉄製からチタン製、ステンレス製、アルミ製など、実は種類がいろいろあるのです。
なかでもメジャーなのは、鉄製の中華鍋。鍋底が広いため、火のまわりが早いのが特徴です。熱伝導がよく、強い火力で鍋全体を一気に加熱します。素早く火が通るので、焦がさずに美味しく仕上げることができます。底が丸いので油が溜まりやすく、少量の揚げ油でもカラリと仕上がるうえ、煮物や蒸し料理も作りやすいのです。料理好きな人はもちろん、料理をがんばりたいという人にも大人気。
この鉄製の中華鍋を、長く使うために必要なお手入れや注意点をまとめてみました。
新品の中華鍋を使うとき
中華鍋を購入したら、そのまますぐに使いたくなりますが、ちょっと待って。サビの表面に施された錆止め加工を落とさなければなりません。
①まずは軽く洗う
中性洗剤とスポンジで軽く洗い、ほこりを洗い流します。洗い終わったらふきんで水分を取り除きます。
②空焼きをする
中華鍋をコンロに置いて、中火で空焼きをします。鍋を返しながら、外側をまんべんなく焼きます。白い煙が出たら強火にします。
③表面の色が青白く変わるまで空焼きする
色の変化が起こったら、錆止めを焼き切ったサインです。鍋のフチや裏側もしっかり焼きましょう。このとき、火傷をしないように気をつけて。
④自然に冷ます
錆止めを焼き切ったら、火を消し、コンロにそのまま置いて自然に冷まします。この後、洗う工程がありますが、熱い状態で水をかけると、高温の水蒸気が上がって火傷をしたり、鍋が変形したりする危険も。粗熱が取れるまで冷ますことがポイントです。
⑤洗剤で洗ったら完了
鍋が冷めたら、洗う工程へ。スポンジに中性洗剤をつけ、ゴシゴシ擦って汚れを取り除きましょう。洗い流したら水分を拭き、乾かしたら一旦終了です。
空焼きの次は「油ならし」を
次は「鍋ならし」「油ならし」を行います。これは中華鍋に油を馴染ませる工程で、鍋の表面に油の膜を張って、食材の焦げ付きを防ぐ効果があります。ちょっと面倒に思うかもしれませんが、油ならしは大事な工程。早速取り掛かりましょう。
⑥中華鍋に油を入れ中火にかける
水気を切った中華鍋をコンロに置き、お玉1杯分の油を鍋に入れます。油を鍋全体にまわし広げ、中火にかけます。油の量は多めに感じるかもしれませんが、しっかりお玉1杯分を使ってください。
⑦余分な油を捨て、慣らし炒めを
鍋全体にしっかり油を馴染ませたら、「慣らし炒め」をします。余分な油を捨て、野菜の茎や皮、外葉などの残り野菜を中火で炒めます。野菜を炒めることで、鍋に油膜を作りやすくなるほか、鉄特有の臭いをとることができます。
⑧洗剤を使わない。「たわし」「ささら」で洗うこと
慣らし炒めをしたら、再び鍋を洗います。このときは、洗剤は不要。「たわし」や「ささら」という竹や木の棒を束ねた洗浄用具で洗います。
洗剤で洗ってしまうと、せっかくコーティングした油が落ちてしまい、こびりつきや焦げ付き、サビの原因に。再度、油ならしをしなければいけなくなるので、気をつけましょう。
⑨表面に薄く油を塗ったら完了!
洗い終わったら鍋の水分を拭きとり、表面に油を塗ります。サラダ油をなじませたキッチンペーパーを使って表面を薄く拭いたら、準備は完了です。これで毎日使えますよ。
中華鍋の日々のお手入れ方法は?
鉄製の中華鍋を長く使い続けるには、毎日のお手入れも肝心です。しっかりお手入れを続けると、食材がこびりつきにくくなり、いい中華鍋に育ちます。
①中華鍋を洗うとき、洗剤は使わない
中華鍋を使ったら、もちろん洗いますが、このときも洗剤を使いません。なぜなら、洗剤はさびの原因になるから。中華鍋に余熱があるうちに、お湯に浸し、たわしやささらで洗いましょう。鍋にこびりついた汚れや塩分を落とすことができます。また、水ではなくお湯を使うことで、洗剤を使わずにも汚れが落ち安くなります。もしうっかり洗剤で洗ってしまったら、再度、空焼きを行い、油ならしをしてみてくださいね。
②薄く油を塗ったらお手入れ完了!
洗い終わったら、火にかけて水気を飛ばします。その後、サラダ油をなじませたキッチンペーパーで表面を拭いて、日々のお手入れは完了です。保管する前に油を塗ることで、サビを防ぐことができます。このひと手間、面倒ですがお忘れなく!
【注意点】中華鍋に料理を入れっぱなしにしないこと
中華鍋は大きく、お皿にのせきれなかった料理をそのままにしたり、中華鍋に料理を入れて冷蔵庫に保存したりしていませんか?料理を入れっぱなしにすると、塩分や水分によって錆びる原因にも。すぐに器に盛り、汚れが落としやすいうちに洗うようにしてください。
ひと手間が大切!中華鍋を長く楽しんで
空焼きをしたり、洗剤を使わずに洗ったり、油ならしをしたり……。これらは忙しいときは特に手間に感じてしまいます。でも、しっかり行うことで、焦げ付きやサビを防ぐことができ、中華料理の仕上がりにも違いが出てきます。せっかく買った中華鍋を長く楽しむために、日々鍋を育てる気持ちでお手入れをしていきましょう。
文/暮らしニスタ編集部
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