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コラム

ちまきについて徹底解説!レシピや作り方をご紹介

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ちまきについて徹底解説!レシピや作り方をご紹介

「ちまき」と聞くと、どんな食べものをイメージするでしょうか。端午の節句に食べる白い餅菓子だったり、中華料理店で登場するおこわだったり、人によって想像するものが違うかもしれませんね。

そうなのです。ちまきは長い歴史のなかで、いくつかの異なる形に発展していった食べもの。ここではそんな知っているようで知らない、ちまきについての基本情報や作り方も解説します。

「ちまき」とは何か知りたい

「ちまき」とは、もち米やうるち米、米粉などで作る餅菓子、あるいはおこわの一種。餅を笹の葉や竹の皮などに包み、長細い円錐形か三角形に整え、蒸してモチモチに炊き上げて作ります。

「ちまき」と同じ名前なのに、お菓子だったりおこわだったり…とは、なんだか不思議ですよね。そこで、まずは、ちまきがどのように誕生し、どんなふうに変化をして今に至っているのか、ちまきの歴史や由来を見てみましょう。

◎ちまきの由来

ちまきの由来とされる、中国の有名な故事があります。ご紹介しましょう。

紀元前、中国にあった「楚」という国のお話。楚に、王様の側近で詩人である屈原(くつげん)という人がいました。屈原は人柄がよく、人々から慕われていましたが、陰謀によって国を追われ、川に飛び込んで命を落としてしまいます。以降、屈原の命日である5月5日には、人々が供養のために川に米を流すようになりました。

しかし、川に住む竜がお米を横取りしてしまうので、竜が苦手とする植物の葉でお米を包み、邪気を払う5色の糸で縛って川へ流すようになったのだとか。これがちまきの始まりとされる故事です。

また、今では、ちまきは笹などの葉で包まれるのが一般的ですが、古くは「茅(チガヤ)」という葉で包まれていました。「茅」とも「チ」とも読むために「ちまき」というの名前が使われるようになったと言われています。

◎ちまきの歴史

日本のちまきは、中国から伝わったと言われています。一説によると、日本では奈良時代から平安時代前期には、ちまきがすでに存在。934年(承平4)ごろの「倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」に「菰(まこも)葉をもって米を包み、灰汁(あく)をもってちまきを煮る」と記載があるなど、古い文献に記録が残っています。

甘い餅菓子にしたり、おこわにしたりと各地で変化しながら全国へ広まっていきました。笹の葉には殺菌や抗菌、防腐作用があるので、それを利用して武士が携帯食としてちまきを持って戦に出たというエピソードもあります。

江戸時代には、縁起のいい柏餅が端午の節句の食べものとして江戸で好まれるようになりましたが、関西では伝統を重んじ、端午の節句にはちまきを食べる風習を続けたと考えられています。

「ちまき」の中身が知りたい

ちまきには甘いタイプおこわタイプがあるとお伝えしましたが、もう少し詳しく見ていきましょう。
ある調査によると、日本のちまきは地方によって異なります。北日本と東日本は似ていて、西日本や鹿児島では、ちまきの中身はそれとは別もののようです。

◎北日本、東日本

北海道から関東、甲信にかけたエリアでは、ちまきの中身は「おこわ」が一般的。もち米などに肉やキノコ類、タケノコなどの具を混ぜて竹の皮で包み、蒸し上げられます。中華料理店などで登場する「ちまき」のイメージに近いかもしれませんね。

◎西日本

東海エリアより西側に入ると、甘いお団子のようなちまきが人気。こちらは、青々とした笹の葉を開くと、白くてもっちりとしたお団子が顔を出します。北陸地方や近畿地方、中国地方、四国地方などのほか、九州の一部や沖縄県でもこうした甘いちまきがよく食べられているようですよ。

◎鹿児島

もうひとつのちまきが、「灰汁巻き(あくまき)」と呼ばれるもの。これは鹿児島県のみで多く食べられているようです。灰汁巻きは、もち米を灰汁に漬け込んでから竹の皮で包み、灰汁で炊き上げるというもの。食べるときには砂糖醤油や黒砂糖、きなこなどをつけて味わいます。

子供の日に「ちまき」を食べる理由が知りたい

端午の節句には災厄疫病を逃れる、という意味を込めてちまきを食べる人も多いかもしれませんね。元々、「子供の日」である5月5日にちまきを食べる風習は、先ほどご紹介した中国の故事に関係しています。

先ほどの故事では、屈原の命日は5月5日でしたよね。この日には供養のために人々が川にお米を流したのがちまきの始まりとなりました。その後3~5世紀ごろ、中国では旧暦5月5日の端午節に邪気を払う食べ物としてちまきを食べる習慣が生まれました。

日本へも端午の節句が中国から伝わるとき、ちまきを食べる風習も伝わりました。すでに平安時代には、宮中行事として端午の節句にちまきが用意されていたようですよ。

日本と海外の「ちまき」の違いは?

ちまきは中国発祥ですから、中国やその近隣でも食されています。そのちまきは、日本のちまきとは様子が違うようです。チェックしてみましょう。

◎中国のちまき

中国では地域や家庭によってちまきの中身が違い、やはり甘いお菓子系のものや塩気のあるおかず系のちまきに大別できます。

甘いお菓子系のちまきは、北京など北方で好まれる傾向があり、もち米をベースにナツメを入れたり小豆を包んだりします。口にするとき、さらに砂糖をつける食べ方もポピュラー。

一方、おかず系のちまきは広東省など南方で人気。もち米を使うのは同じですが、塩などで味付けした豚バラ肉やチャーシュー、塩漬けにした黄身、鶏肉、あひる肉、ハム、エビなどを包みます。

◎台湾のちまき

台湾でもちまきが食べられています。台湾では、中国南方のもののようにおかず系が主流。もち米にチャーシューを入れるちまきのほか、干しエビやシイタケ、豚肉、貝柱、アワビといった具を贅沢に入れた八宝ちまきなどが知られています。また、台湾南部の飲食店では、蒸すのではなく、茹でたり煮たりして作るちまきも見られます。

オススメのちまき店が知りたい

ちまきのことがわかるにつれて、本格的なちまきが食べたくなってきましたよね。そこで、ちまきを日本国内で買える、おすすめのお店を3つご紹介します。ただし、販売を終了している場合もありますので、お店を利用する際には事前に確認してみてくださいね。

◎御粽司 川端道喜(おんちまきし かわばたどうき)

水仙粽と羊羹粽の2種類があり、完全予約制です。営業時間は9:30~17:30、水曜定休。1月は粽の販売なし、8月も全休のため粽の販売はありませんのでご注意を。
<店舗DATA>
住所:京都府京都市左京区下鴨南野々神町2-12
電話:075-781-8117(完全予約制)
URL:なし

◎ちまき屋

甘くないおかず系のちまきなら、まず名前が挙がる有名店。横浜中華街にあり、「予約なしでは商品が手に入らない」とも言われる台湾ちまき専門店です。台湾出身の先代から受け継ぐ、茹でる「チマキ」(写真)は、しょうゆ味のもち米に豚角煮、しいたけ、干し海老、ピーナッツが入ってボリュームもしっかり。
<店舗DATA>
住所:横浜市中区山下町186
電話:045-264-8528
URL:http://chimaki-ya.com/

◎聘珍樓(へいちんろう)

横浜で創業130年以上の歴史を持ち、本店(写真)売店のほか、百貨店に店舗があることでも知られる高級中国料理店、聘珍樓(へいちんろう)。その蓮の葉ちまきは通販サイトでも買えるので、お取り寄せして、家庭用の蒸し器で温めて味わうことができます。化学調味料・合成着色料・合成保存料は不使用なのもうれしいですね。
<店舗DATA>
住所:神奈川県横浜市中区山下町149 中華街大通中央(聘珍樓横濱本店)
電話:045-641-8068(聘珍樓横濱本店売店)
URL:https://www.heichin.com/
聘珍樓ショッピングサイト:https://heichin-shoppers.jp/

「ちまき」のレシピが知りたい

ちまきの作り方についても、最後にチェックしておきましょう。ちょっと手間はかかりますが、手作りのちまきはおいしさも格別。セイロを使う基本的な作り方と、フライパンで作る方法の2種類をご紹介しますので、よかったら作ってみてくださいね。蒸し上がったちまきは、冷凍して保存することもできますよ。

◎ちまきのレシピ/基本編

photo by暮らしニスタ

<材料>
もち米…好みの量(1合でちまき2~3個が目安)
好みの具材(豚肉、タケノコ水煮、にんじん、ねぎ、干しシイタケなど)…適量
油(ラードまたはサラダ油)…適量
調味料(しょうゆ、オイスターソース、酒、砂糖など)…適量
水…適量

<手順>
1.もち米は洗って7時間ほど水に浸し、ザルにあげて水気を切ります。

2.干しシイタケは水に戻しておきます。豚肉や野菜などの具は5㎜ほどの角切りにします。

3.中華鍋にサラダ油を熱して2の具材を肉、野菜の順に炒めます。

4.調味料を入れ、かぶるくらいの水を加え、煮汁が半分ほどになるまで煮詰めます。

5.別の鍋にサラダ油を熱し、1のもち米を透き通るまで炒め、4を加えて混ぜ合わせます。

6.竹などの皮で5を包み、たこ糸でしっかり縛ります。

7.湯気が立った蒸し器に6を入れ、強火で30~60分ほど蒸します。途中、蒸し器の水が少なくなったら足しましょう。

photo by暮らしニスタ


◎ちまきのレシピ/フライパン使用編

<材料>
基本編と同じ

<手順>
1.基本編の1、2と同じ要領でもち米を吸水させ、具材を切ります。

2.フライパンにサラダ油を熱して1の具材を肉、野菜の順に炒めて火を通します。

3.水気を切っておいたもち米を加え、調味料と全体がかぶるくらいの水(乾物の戻し汁があればそれも)を加えます。

4.ときどき炒めながら、水分がなくなるまで煮詰めます。

5.アルミホイルかクッキングシートで4を包み、端は外れないようにしっかり折るか、ホッチキスなどで留めます。

6.フライパンに5を並べ、包んだ端が水に浸らない程度に水を入れ、ふたをして強火にかけます。沸騰したら弱火にして15分ほど蒸します。途中、フライパンの中の水が少なくなったら足しましょう。

まとめ

紀元前の故事に由来する食べ物、ちまき。歴史が長い食べ物だけに、いろいろな国や地域で、個性豊かなちまきが育まれてきたのですね! 名店の味を楽しんだり、手作りをしてみたりと食べ比べながら、次の端午の節句には好みのちまきを用意してみてはいかがでしょうか。

文/北浦芙三子

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