ホクホクとした食感や自然な甘さが魅力の栗。でも、下処理の面倒さを考えると買う気にならなかった…という経験はありませんか?
そうなのです。栗は皮のむき方や茹で方にコツがいるのが、ちょっとした難点。そこで今回は、栗の皮を簡単にむく方法や茹で方のコツをご紹介します。「下処理問題」をクリアして、栗ご飯や栗きんとんなど栗メニューを思いきり楽しめるようになりましょう!
栗のおすすめの食べ方は?
売り場で栗を見かけたら、「わ~、そんな季節なんだな」とうれしくなりますよね。栗は日持ちがあまりしないので、手に入れたら早めに食べるようにしたいところです。栗ご飯やスイーツにするのもいいのですが、まずおすすめしたいのはシンプルな食べ方。
◎茹でて食べる
栗の魅力を満喫するなら、やはり基本は茹で栗。茹でて皮をむき、そのままいただくシンプルな食べ方がよいでしょう。口の中でホロリと崩れる食感と、自然な甘みはやみつきになりますよね。栗は品種がいくつかありますので、品種の違いによって異なる甘みや食感を味わうことができます。
茹で方はのちほどご紹介しますが、皮ごと茹でるほうが皮をむくのは簡単。皮をむくのが面倒なときは、茹で上がりの栗を包丁で縦半分に切り、中身をスプーンですくって食べるのもおすすめです。
◎むいてそのまま食べられる?
フルーツの仲間のようなイメージがある栗ですが、実は種子。収穫した栗は皮をむいてそのまま生で食べられないことはないのですが、控えたほうが無難です。
と言うのも、栗は生の状態ではえぐみが強く、茹でたときのような甘みを感じられず、渋く感じてしまうかもしれません。食感も「ホクホク」ではなく、「コリコリ」としたもの。また、生の栗には虫が入っている場合もあり、熱を通さない生の状態では衛生面でもおすすめできません。
栗の簡単なむき方
栗は、一番外側がトゲトゲの「イガ」、そのなかにツヤツヤとした茶色の「鬼皮」、さらに中には薄く張り付いた「渋皮」があります。おいしい部分を守るかのように、栗は3つの皮に包まれています。皮をむくのは大変なイメージがありますが、簡単にむく方法もあるのでさっそくチェックしてみましょう。
◎生の栗の皮をむく
料理やお菓子の素材など生の栗を使う場合、鬼皮と渋皮、どちらもきれいに簡単にむき取るためには、次のような方法がおすすめ。
(1)栗は鬼皮が付いたまま丸1日水に浸すか、熱湯に10~30分ほど浸します。これで皮が柔らかに。
(2)栗の「座」と呼ばれる鬼皮の底にあるザラザラした部分と、ツヤツヤとした茶色い部分の境目あたりに包丁で切り込みを入れます。
(3)切込み部分に包丁または指を入れて、ひっぱるようにして鬼皮をむきます。
(4)鬼皮をむいたら、渋皮も包丁で削ぎ取ります。面取りをするイメージで渋皮を切り取るのもよいでしょう。面取りをしておくと、茹でるときに形が崩れにくくなります。
(5)皮をむき終えたらすぐ氷水に浸します。こうすることでアクを抜き、変色を防ぐことができます。
◎栗を茹でてから皮をむく
生の状態から栗の皮がむきにくいときは、茹でてからむく方法もあります。鬼皮や渋皮が柔らかくなっているのでむきやすさは申し分なし。ただし、茹で過ぎると形が崩れたり、渋皮を残すことができなくなったりするので固めに茹でておくのがコツです。
(1)鍋にたっぷりのお湯を沸かし、栗を入れて1~3分ほど茹で、火を止めて30分ほどお湯のなかに放置。
(2)栗が手でさわれるくらいの温度になったら、包丁で鬼皮の「座」とツヤツヤとした部分の境目あたりに切り込みを入れます。
(3)鬼皮を包丁でむき、渋皮も包丁で削ぎ取ります。
(4)皮をむき終えたらすぐ氷水に浸します。
◎栗専用の皮むきアイテムを使う
包丁を使うのが苦手…という人には、栗の皮をむくために開発された道具を使うのもおすすめです。有名なものは、諏訪田製作所の「新型 栗くり坊主」という栗専用の皮むきバサミなど。この場合でも、最初に栗を熱湯に10~30分ほど浸しておくとよいでしょう。栗の皮むきが気軽にできるようになるので、一家に1つ持っておくのもいいかもしれませんね。
栗の茹で方
それではいよいよ、栗の茹で方を見ていきましょう。皮ごと茹でる方法と、皮をむいてから茹でる方法がありますので、それぞれ順にご紹介します。栗は天日干しにすると甘みが増すので、茹でる前には日当たりのよいところに半日ほど置いておくとさらにおいしくなりますよ♪
◎皮をむかずに茹でる場合
(1)栗を半日から一晩ほど水に浸します。
(2)鍋にたっぷりの水を入れ、強火で沸騰させ、塩少々を入れます。
(3)沸騰したお湯のなかに栗を入れ、弱火にして20~50分ほど茹でます。途中で混ぜて栗の上下を変えてあげるとよいでしょう。茹で時間は栗の大きさによって調整をしてくださいね。
(4)火を止めたら、お湯が冷めるまで栗をお湯に入れたまま放置。こうすることでアク抜きができ、皮むきもしやすくなります。
(5)お湯が冷めたら栗を取り出して皮をむきます。
◎皮をむいてから茹でる場合
(1)栗は皮をむき、氷水に浸しておきます。
(2)鍋に水をたっぷり入れ、(1)の栗を加えます。
(3)中火から弱火にかけ、30~45分ほど茹でます。火が強いと煮崩れしたり、栗の中心部へ熱が通らないことがあるので、火加減に気を付けましょう。茹で時間は栗の大きさによって調整を。
(4)大きな栗を選んで固さを確認します。柔らかくなっていればでき上がり。
栗を使ったアレンジレシピ
下処理をカンタンにする方法がわかったら、栗が食べたくなってきましたよね! では最後に、栗を使ったレシピをチェックしておきましょう。いろいろなメニューに使える栗でしが、なかでも定番人気の栗ご飯、栗きんとん、渋皮煮の3メニューについて、おすすめレシピをご紹介します。
◎栗ご飯
(「秋のおいしさをいっぱい詰めた栗ご飯弁当!!」より)
【材料(作りやすい分量)】
米…2合
昆布…4g
栗…200g
塩…2g
黒ごま…少々
秋らしさを感じらさせてくれる栗の炊き込みご飯。このレシピでは、下処理してある栗ご飯用の栗を使って、ササッと作れます。昆布でうま味を加え、塩分量は控えめに調整。夕食はもちろん、お弁当メニューもぴったりです。フタを開けたときに食べる人の喜ぶ顔が目に浮かびますね!
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◎材料2つ♥茹でて混ぜるだけ♥メープル栗きんとん【*少材料 *超簡単 *野菜のおやつ】
【材料(一口サイズの栗きんとん10個分)】
栗…12個
メープルシュガー…大さじ2
おせち料理はもちろん、普段のおやつにもなる栗きんとん。いろいろなレシピがありますが、こちらは材料2つだけで作るシンプルなレシピです。茹で栗が作れたら、熱いうちにつぶしてメープルシュガーを混ぜるだけ。茶巾絞りにすることで見た目もかわいく仕上がります。
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◎栗の渋皮煮♡ゆったりと流れる時間の中で作る秋味♪
【材料】
栗…420g程度
砂糖…350g
重曹…小さじ1/2×3回分
ラム酒…大さじ1/2
熱湯…適量
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まとめ
皮のむき方や茹で方など、栗はちょっとしたコツで簡単に扱えるようになるのですね。これからは新鮮な生栗を見かけたらゲットして、そのおいしさを家庭で存分に味わってみてはいかがでしょうか。
文/北浦芙三子
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