イタリア生まれの伝統野菜であるロマネスコ。
最近、スーパーでも見かけるようになったので、「知ってる!」という方も多いと思います。
ゴツゴツとした黄緑色の外見が印象的で、「世界一美しい野菜」とか、「クリスマスツリーにそっくり!」などいろいろな評判が飛び交っていますが、いったいどんな野菜なのでしょうか。
ロマネスコの概要や食べ方、栽培方法、おすすめのレシピまで、ロマネスコについて気になる情報をまとめてチェックしてみましょう!
ロマネスコとはどんな野菜?
ロマネスコとは、カリフラワーの仲間に分類される野菜のひとつ。
ヨーロッパが原産で、イタリアで人気のある伝統野菜です。
カリフラワーの仲間には紫やオレンジなど色鮮やかなものが存在していますが、ロマネスコはそのなかでも明るい黄緑色。
中は白っぽい色になっています。
しかも、ロマネスコが特徴的なのは、螺旋を描く円すい状の美しい形!
そのデコラティブなルックスから、別名「うずまき」、「さんご礁」とも呼ばれています。
魚料理や肉料理の引き立て役として活躍してくれるので、フランス料理などでは人気の素材となっています。
ロマネスコの歴史
ロマネスコは16世紀にローマで開発された野菜と言われています。
カリフラワーとブロッコリーを掛け合わせて作られたとか、ロマネスコの方がカリフラワーやブロッコリーよりも歴史が古いとか諸説があります。
さらに、ドイツでも16世紀に開発されたという説も。発祥の歴史には謎が多いようです。
ヨーロッパで大規模に生産されるようになったのは1990年代で、日本でもその頃から栽培する農家が増えてきました。
ロマネスコがおいしい時期、鮮度の見分け方
ロマネスコの旬は11月下旬~12月。イタリアでは冬の味覚としておなじみです。
店頭で選ぶときには、葉が青々としてハリのあるものが新鮮。
つぼみは硬く締まっていて、持ったときに重みを感じるものを選びましょう。
カットされている場合は、断面が白いものが新鮮です。
断面に変色が見られるものは鮮度が落ちているので避けましょう。
ロマネスコはどんな味?
味については、ゴツゴツとした見た目とは裏腹にクセのない味わいで、ホットサラダにするにもぴったり。
程よい甘みやうま味があり、加熱することで甘みが増します。
また、軽く茹でるとほどよい歯ごたえやホクホクとした食感に。
茹で過ぎると風味を損ないますので注意してくださいね。
保存方法について
ラップに包み、冷蔵庫の野菜室で1、2日保存できます。
早く使わないときは固めに茹でて密閉できる袋などに入れ、冷凍庫で保存するとよいでしょう。
ロマネスコとブロッコリー、カリフラワーとの違いが知りたい
よく似ているカリフラワーやブロッコリーとの違いについても整理してみましょう。
◎種類の違い
カリフラワーもブロッコリーもアブラナ科アブラナ属でキャベツの仲間。
ロマネスコも分類上は同じキャベツの仲間なので、カリフラワーやブロッコリーとの違いは品種の違いになります。
同じ仲間であることや、つぼみの集合体を食べるという点も同じなので、見た目や味が似ています。
◎味の違い
味は似ていますが、少し違います。カリフラワーよりもロマネスコのほうが甘みがやや強め。ブロッコリーのような甘みやうま味があります。茹でたときの食感はコリコリとしていて固さがあり、ブロッコリーよりもカリフラワーに近い印象です。また、ゴツゴツとした突起の部分があるので、カリフラワーよりも舌当たりを強く感じるかもしれません。
◎見た目の違い
まずは色の違い。ロマネスコは黄緑色で、茹でると翡翠色になります。
また、可食部であるつぼみの集合体は、よ~く見るとひとつひとつが美しい螺旋状を描くピラミッド形になっています。
これは「フラクタル構造」と呼ばれるもので、カリフラワーやブロッコリーには見られないもの。
さらにそのピラミッド形のひとつひとつもよく見ると、構成する小さな粒もフラクタル構造になっているのです。
「世界一美しい野菜」などと称されるのは、この形状にあるようですね!
ロマネスコの栽培方法が知りたい
近頃では、日本でもロマネスコの販売者が増えてきましたが、それでも日本では手に入れることがまだまだ難しいかもしれません。
そこで人気なのがロマネスコの自家栽培。
種と苗、どちらからでも自家栽培できますが、ここでは比較的育てやすい苗からの栽培方法についてご紹介します。
よかったら挑戦してみてはいかがでしょうか?
◎準備するもの
・ロマネスコの苗
・鉢(プランターでもOK)
…鉢なら深さ30cm以上のもの。プランターなら土が20ℓ以上入る横長のものがおすすめ。
・野菜用腐葉土または培養土
…土を自分で作るときは土に肥料、堆肥、苦土石灰を混ぜます。
◎手順
(1)鉢やプランターの土に、苗のポットよりもやや大きい穴を掘ります。複数植えるときは、株間30cmを空けて。
(2)穴に水をたっぷり注ぎます。水が引いたら、苗をポットから外し、根に付いた土ごと苗を植え込みます。
(3)たっぷりと水を与えます。これで植え込みは完了。
(4)土の表面が乾燥してきたら、株全体に水が行き渡るようにたっぷりと水を与えます。目安は1週間に1、2回、できれば朝がよいでしょう。
(5)苗の植え込みをしてから20日ほど経ったら、水に薄めた肥料を混ぜて水やりする形で土に肥料を与えます。その後も1週間に1回を目安に追肥。
(6)花が咲く前、花蕾の直径が15~20㎝ほどになったら収穫どき。株元から切り取って収穫しましょう。
◎期間
ロマネスコが育つ適温は15~20℃。植え付けは夏の終わりごろがおすすめです。
まだ株が小さいうちに寒い日を迎えると、小さくなってしまうこともあります。
収穫までの期間は品種によって異なりますが、苗を植え付けてから3~4カ月後くらい。
ロマネスコのオススメレシピが知りたい
日本ではまだまだなじみが薄いロマネスコ。
でも、家庭で使うとメニューの幅がますます広がりそうですよね。
そこで、ロマネスコを使った家庭で作るのにおすすめの料理レシピを10つご紹介します。
よかったら作ってみてくださいね♪
炊飯器でほったらかシチュー♡ロマネスコを飾ればオシャレ~♪
【材料(4人分)】
鶏むね肉…300g
にんじん…1本
じゃがいも…1個
玉ねぎ…1/2個
コンソメ…1個
熱湯…400ml
牛乳…400ml
ロマネスコ…中心部分のみ適量
まずはロマネスコを使うレシピ初級編!
シンプルなシチューも、ロマネスコを飾ればこんなに大胆でオシャレに。
ロマネスコは薄い塩水を沸騰させた湯で、軽く茹でておくのがポイントです。
このレシピでは、シチューは炊飯器に材料を入れて放ったらかしにするだけでできるのも魅力。
2018.02.27炊飯器の中に材料を入れて放ったらかしにするだけで出来るミルクシチューです。ロマネスコを飾ればテーブルも大胆でオシャレになります♪続きを見る
ロマネスコのゴルゴンゾーラソース(「ツリーみたい!びっくり食材のオススメな食べ方」より)
【材料(作りやすい分量)】
ロマネスコ…1株
ホワイトソース…適量
ゴルゴンゾーラチーズ…適量
コショウ…好みで
小さな子どもたちも食べやすい、ロマネスコの和え物。
スチームケースで加熱するか茹でたロマネスコに、ゴルゴンゾーラチーズを溶かし込んだホワイトソースをかけて、さっと和えれば完成です。
子ども用ならホワイトソースだけにするのもおすすめ。食べる直前にコショウをかけて。
2015.12.23クリスマスツリーの形をしたお野菜があるのをご存知ですか?続きを見る
簡単副菜*ロマネスコと新玉の春色ツナマヨサラダ
【材料(3~4人分)】
ロマネスコ…1株
新玉ねぎ…1/2玉
きゅうり…1本
生食用ボイル海老…50g
ツナ缶…70g1缶
野菜の塩…少々
カロリーハーフマヨネーズ…大さじ2
だし醤油(だしつゆ)濃縮5倍…大さじ1.5
コショウ…少々
砂糖…少々
さらにレベルアップして、ロマネスコと他の具材を組み合わせて作るサラダがこちら。
エビのピンクとロマネスコの緑が綺麗な春色なサラダです。
エビのほかにも新玉ねぎとキュウリ、ツナも入って、さり気なく具沢山。
簡単に作れておもてなしの1品にもなる料理です♪
2018.03.16エビのピンクとロマネスコの緑が綺麗な春色なサラダ美味しいよ~!!(((o(♡´▽`♡)o)))簡単おもてなしの1品にもオススメです♡是非お試しを♡続きを見る
クリスマスパーティーに♪ロマネスコとベーコンのおめかしパスタ♡
【材料(3人分)】
スパゲティ…3人分
塩…小さじ1くらい
にんにく…1かけ
ロマネスコ(茹で)…200g
ベーコン…180g
昆布だし顆粒…1/2袋くらい
油…大2くらい
醤油…大1くらい
ピンクペッパー…好みの量
家庭によくある材料とロマネスコがあれば作れる、おめかしパスタ。
ロマネスコの持ち味が切るシンプルな味付けや、簡単に作れる手軽さも◎です。
ロマネスコは茹でると柔らかくしっとりした食感。
クリスマスメニューにもよいのですが、普段から食べたくなる一品ですね♪
2016.11.18ロマネスコが出回る季節ももう直ぐです。シンプルに美味しくて、簡単に出来るパスタの紹介です♪ーーーーーーーーーロマネスコの季節ですね•*¨*•.¸¸♬去年、スーパーで見た主人が、「食べたい」って言ったので、購入してお料理しま...続きを見る
美しい~♪ロマネスコのマリネ 淡雪のようなくちどけのブルサンを添えて!!
【材料(4人分)】
ロマネスコ…1株(520g)
ブルサン(プレーン)…1個(100g)
ザクロ…40g
オリーブオイル…大さじ1
塩・コショウ…少々
今度は逆に、ちょっと変わった食材をプラスするおすすめマリネ。
ブルサンチーズとザクロ、ロマネスコを使います。
ロマネスコは茹でたら水にさらさずに熱いうちに味をつけるのがポイント。
くせのないロマネスコとクリーミーなブルサンチーズ、酸味のあるザクロがマッチ。
2017.12.25最近よく見かけるようになったイタリア野菜「ロマネスコ」。初めてこの野菜をローマの市場で見かけたときはなんてごつごつとした固そうな野菜だろうと思いましたが食べてみてびっくり~ごつごつとした見かけとはうらはらにくせのないお味。...続きを見る
ロマネスコとヤリイカのガーリックオイル和え(「花生ハム乗せで可愛く免疫力up!! 手毬弁当」より)
【材料(1人分)】
ロマネスコ…適宜
オリーブオイル…適宜
にんにく(チューブでも可)…少量
ヤリイカ…1本
レモンの絞り汁…少量
塩…少々
お弁当をかわいく彩ることができるのも、ロマネスコの得意技。
塩茹でしただけでもいいのですが、オリーブオイルとにんにくで炒めて香り付けしたヤリイカと、茹でたロマネスコを和えるともっと美味。
ロマネスコには塩とレモンの絞り汁で下味も付けてさっぱり仕上げます。
2017.10.11ほぐし鮭の手毬にビタミンEや葉酸豊富な 皮むき白胡麻をまぶして季節の変わり目に免疫力アップ⤴︎⤴︎ロマネスコもビタミンCが豊富です✧‧˚でもでも女の子らしさも忘れずに……生ハムの花をのせて❁ 続きを見る
お花畑のようなカラフルカリフラワーのスープパスタ!
【材料(2人分)】
カラフルカリフラワー(ロマネスコなど)…200g
オリーブオイル…大さじ1~
タマネギ…30g
ハム…20g
スープ…800ml
パスタ(パスタ・ミスタ)…100g
パルミジャーノ…大さじ2~
クリームチーズ…20g
塩…少々
黒コショウ…少々
エディブルフラワー…なくてもよい
こちらはパーティメニューにもなる華やかな一品。
ロマネスコをはじめ、白いカリフラワー、紫や黄色のものが1袋に入ったカラフルカリフラワーで作るスープスパゲッティです。
パスタも数種類が入る「パスタ・ミスタ」がおすすめですが、手持ちのパスタを数種類、混ぜて使ってもOK。
2019.02.20白い普通のカリフラワーをはじめ 紫や黄色 黄緑色 ロマネスコなどが一袋に入ったカラフルカリフラワーでスープスパゲッティを作りました。おいしさのポイントは みじん切りにしたタマネギをしんなりするまでじっくり炒めたらみじん切り...続きを見る
医者が青くなる☆彡リコピンたっぷりトマト鍋デコレーション(レシピ付)
【材料(2、3人分)】
トマト水煮缶…2缶
玉ねぎ…1/2個
ベーコン…70g位
にんにく…2かけ
ロマネスコ…1/2株
ブロッコリー…1株
豚ばら肉…200g位
キャベツ…1/4個
パプリカ…2/3個
ミニトマト…6個くらい
お好みで〆麺(サラダ用パスタなど)…好みで
オリーブオイル…大さじ1杯
ローリエ(月桂樹)…2枚
きび砂糖(普通の砂糖可)…大さじ3
塩(あればハーブ塩)…小さじ1
とんかつソース…大さじ2
ほたて貝柱…6個くらい
鍋料理だって、ロマネスコを使えばパーティーにもぴったりのカラフルなお鍋に早変わり!
トマトたっぷり使ったトマトソースをベースに、ロマネスコやブロッコリーなど野菜たっぷりで栄養満点のお鍋に仕上げましょう。
食材の出しが出るので、顆粒スープ不要でおいしく作れますよ♪
2016.12.03パーティーにもピッタリのトマト鍋のご紹介です。今回はトマトソースのレシピ付きです。(市販のトマト鍋の素をご使用頂いても構いません)「トマトを食べると医者が青くなる」っというイタリアのことわざをご存知でしょうか?『トマトが赤...続きを見る
ロマネスコがツリーに
【材料(作りやすい分量)】
ロマネスコ…一株
レタスなど葉もの…適量
トマト…適量
モッツァレラチーズ…適量
クリスマスツリーに似ているロマネスク。
クリスマスパーティーに活躍する食材としてもやっぱり人気です。
このレシピではロマネスコ1株を切らずに蒸して、どーん!と盛り付けるのがポイント。
食べる時にはケーキの様にカットして取り分けます。
パーティーで盛り上がること間違いなし!
2019.12.18最近はスーパーや直売所でも見かけるようになったロマネスコじぃーと見てたらクリスマスツリーに見えてきた‼️✨🎄✨切り分ける時はケーキの様にカットして👍簡単にできて、かわいいクリスマス料理を紹介します🎵続きを見る
ツリーのロマネスコで!野菜たっぷりクリスマス鍋
【材料(4人分)】
ロマネスコ…1株(560g位)
貝殻パスタ…10個
aむきえび…200g
aホタテ…100g
a豆乳クリーム…大さじ2
a卵白…1個分
a小麦粉…小さじ1
aオリーブオイル…小さじ1
塩・コショウ…少々
ニンニク…10g
アンチョビ…1枚
オリーブオイル…大さじ2
玉ねぎ…200g
ジャガイモ…300g
ムール貝(またはあさり)むき身…12個分
キャベツ…130g
赤・黄色パプリカ…各1/2
ブロッコリー…1/2
雪の結晶型パスタ…12個
トマトソース缶…1缶
最後にもう1つ、クリスマスパーティーに役立つレシピをご紹介。
ニンニク、アンチョビをオリーブオイルで炒めて香りを出し、野菜やシーフード、スープを加えて鍋に仕立てる、ちょっと手の込んだごちそう鍋です。
ここでも、ロマネスコは丸ごと1株、大胆に盛り付けるのがポイント。
2016.12.12ロマネスコを丸ごと使ってツリーに見立てたクリスマス鍋。玉ねぎ ジャガイモ キャベツ星型パプリカ ブロッコリー ロマネスコ そしてエビのすり身を詰めた大きなシェル型パスタ 雪の結晶型パスタをちらした野菜たっぷりのトマト味のお...続きを見る
まとめ
ロマネスコは一見、個性的ですが、味にくせなくて甘みがあり、幅広いメニューに使えるのですね!
いつもの料理もロマネスコを添えたり具材に加えたりするだけで、ぐっと華やかに変身してしまうかも?!
まずは売り場でゲットして料理に使ってお試しを。
気に入ったら、自家栽培するのもよさそうですね。
取材・文/北浦芙三子
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