一度はどこかで耳にしたことがある「パルミジャーノレッジャーノ」というチーズ。でも、実際にはどんな食品なのかあまり知られていないようです。
特に「パルメザンチーズとは違うの?」と思っている人も多いはず。そこで今回は、パルミジャーノレッジャーノの基礎知識から、おいしいおすすめレシピまでまとめてご紹介します。
ずばり「パルミジャーノレッジャーノ」とは?
パルミジャーノレッジャーノは“イタリアチーズの王様”とも言われる、イタリアを代表するチーズのひとつです。800年以上も前から現在まで、ほとんど変わらない品質で製造されています。
パルミジャーノレッジャーノは、脂肪分の一部を分離させた牛乳と、搾りたての分離させていない牛乳を合わせて作ります。 混ぜ合わせた牛乳を温めてから、乳酸菌、レンネット(凝乳酵素)を加えると、カゼインというたんぱく質が凝固し、凝乳ができます。その凝乳からホエイ(乳清)を取り除いたものを小さく切って型に入れ、加圧して水分を出します。
水分が切れたら型から外して、高濃度の食塩水に漬け、乾燥させてから熟成庫の中で熟成させます。
パルミジャーノレッジャーノの定義
パルミジャーノレッジャーノは、イタリアの伝統的な食文化として厳密な製法が守られています。
イタリア北東部にあるパルマ、レッジョ・エミリアなどがあるエミリア=ロマーニャ州で作られていることが条件。パルマはパルミジャーノレッジャーノの名前の元にもなっています。 さらに、最低24ヶ月間熟成させたチーズの中から、形・色・ツヤ・空洞がないかなどの検査をしたうえで、DOPの認定を受けたチーズだけが「パルミジャーノレッジャーノ」と呼ばれます。
ちなみに、熟成12ヶ月の時点で微小な傷や内部にわずかな欠陥が見られるものは「パルミジャーノレッジャーノ メッツァーノ」に等級を分け、チーズの表皮に焼印などでマークを付けています。
DOPとは、「Denominazione di Origine Protetta(デノミナツィオーネ・ディ・オリージネ・プロテッタ)」というイタリアの品質認定表示のこと。認可を受けたものはチーズに「DOP」の刻印が押されています。DOPの規定によって、パルミジャーノレッジャーノは1日に1回しか製造できないそうです。
パルミジャーノレッジャーノの味の特徴
いわゆる白カビ系のやわらかいチーズとは違う、超ハードタイプのチーズです。水分が少なくて塩味が強く、ナチュラルチーズ本来の芳醇な風味を楽しむことができます。また旨味成分が凝縮してできたアミノ酸の白い結晶が、「しゃりしゃり」とした独特の食感を生み出します。
ほかの似ているチーズとの違い
よく似ているのは「グラナパダーノ」というチーズ。その違いは、こちらは搾った牛乳を数時間休ませ、部分的に脱脂した牛乳で作る点です。このためグラナパダーノはやや脂肪分が少なめとされています。 熟成期間も異なり、パルミジャーノレッジャーノでは最低24ヶ月間熟成させるところを、グラナパダーノはそれより短い9ヶ月から食べることができます。
日本でもおなじみの粉チーズ「パルメザンチーズ」は、パルミジャーノレッジャーノとは違う食べ物。「パルメザン」という名前は、フランス語の「フロマージュ・パルメザン」と英語の「パーマザーン・チーズ」を組み合わせた言葉で、「パルミジャーノレッジャーノに似ている」という意味になります。
もしパルミジャーノレッジャーノとまったく同じ工程で作られたチーズでも、エミリア=ロマーニャ州で作られておらず、DOP認定を受けていないものは、「パルミジャーノレッジャーノ」と呼ばれることはありません。
パルミジャーノレッジャーノにも種類があるの?
一口にパルミジャーノレッジャーノといっても、その種類はさまざま。分け方のひとつは、乳牛の種類による分類です。
たとえば、フリゾーナ種やブルーナ種という牛の乳が使われたものや、赤牛の乳を使ったもの、山地で育てた牛の乳から作られるの、モデナ山という山にいる白牛の乳を使ったものなど。それぞれ風味や香り、味わいが違うとされ、世界中のグルメを魅了しています。
パルミジャーノレッジャーノのおいしい食べ方は?
パルミジャーノレッジャーノのおいしい食べ方のひとつは、そのままスライスしていただく方法。赤ワインやスパークリングワインなどと相性抜群です。
もうひとつは、チーズグレーターなどで削ってパスタやリゾット、グラタン、サラダなどにかける方法。またバルサミコ酢やハチミツをかけると、デザートとして味わうこともできます。
ちょっと贅沢ですが、カレーやシチュー、味噌汁などの隠し味に使う方法も。料理の旨みがぐっと深まりますよ。
パルミジャーノレッジャーノのおすすめレシピが知りたい!
ここからは、パルミジャーノレッジャーノの濃厚な味わいを活かしたレシピをご紹介。お酒のおつまみ、お惣菜、パーティーにぴったりのスペシャルメニューまで幅広く取り揃えました。
アスパラガスのグリル
【材料】 (1人分) アスパラガス…3本 塩…ひとつまみ オリーブオイル…小さじ1 パルミジャーノレッジャーノ…適量
シンプルなレシピなので素材の味が引き立ちますよね。アスパラガスは硬い部分を切り落としてピーラーで皮をむいて食べやすく。パルミジャーノはたっぷりかけて召し上がれ♪
2019.03.01 友人がアスパラガスを持って飲みにきてくれたので、ビストロで調理しました。新鮮なアスパラガスはシンプルに味わうのが一番!続きを見る
パパのおつまみに♪火を使わず冷蔵庫で!チーズと昆布漬け~サーモン添え~
【材料】 パルミジャーノレッジャーノ…30g 刻み昆布…10g 日本酒…適量 スモークサーモン…適量
パルミジャーノレッジャーノと刻み昆布を容器に入れて日本酒を注いで漬けておく、という驚きのおつまみ。日本酒がしみこんだチーズは、どんな味になるのか楽しみ。特にお酒好きの方はトライしてみてくださいね!
2016.08.17 日本酒は女子の美肌にも一役かってくれます。パパのおつまみにも、自分へのご褒美にも。漬け込んでおくだけの美味しいおつまみ如何でしょう続きを見る
乾物レシピ♪切干大根のカルボナーラ
【材料】 (2人分) 切干大根(乾燥)…30g バター…10g ベーコン…40g 塩…適量 ブラックペッパー…適量 卵…1個 生クリーム…100g パルミジャーノレッジャーノまたは粉チーズ…適量 パセリのみじん切り…適量
パスタではなく、なんと切干大根で作るカルボナーラ!糖質オフのダイエット中にもうれしいレシピですよね。パルミジャーノレッジャーノを使ったカルボナーラソースにシャキシャキ食感の切り干し大根がクセになる味わいです♡
2016.05.24 切干大根を使ったレシピでとっても美味しかったのが、切干大根のカルボナーラです♪切干大根の甘みがとっても美味しい、クセになるお味でした♪続きを見る
クリスマスに♪ツナとオリーブのふんわりヘルシーピザ☆
【材料】 (2~4人分 ピザ1枚分) A 強力粉…200g ぬるま湯…140g ドライイースト…3g オリーブ油…大さじ1 塩…2つまみ
B オリーブオイル…大さじ1 ブラックペッパー…適量 粉チーズ…大さじ2 ツナ…1缶 オリーブの実(種抜き)…10個 ミニトマト…3個
C パセリ…適量 パルミジャーノレッジャーノ…適量
トマトソースやシュレッドチーズは使わず、仕上げにパルミジャーノレッジャーノをふりかけたヘルシーピザ。コクのあるリッチな味わいなので、ワインと一緒にいただくのもおすすめですよ。
2015.12.24 メリークリスマス♪クリスマスにもぴったりな、少しヘルシーな味わいのピザ、ツナとオリーブのふんわりヘルシーピザのレシピをご紹介します!粉チーズを使っていることで、ヘルシーな味わいに仕上げています♪パルミジャーノレッジャーノも...続きを見る
パンプキン・ジャック・パスタグラタン
【材料】 (6 人分) カボチャ…1 個
A オリーブオイル…適量 合挽き肉…150g スパイスファクトリー お肉のためのハーブミックス…大さじ1 タマネギ(横半分に切って5mm厚のクシ切りに)…1/2個
B スープスープ パンプキンスープ…1p ハインツ ちょっとだけホワイトソース…2p 塩・コショウ…適量
C モンスーロ ペンネリガーテ(表記通りに茹でる)…150g インゲン(塩茹でして2cm長の斜め切りに)…10本 カンタレッリ パルミジャーノレッジャーノ…大さじ3
【冷蔵品】オリジナル ミックスチーズシュレッド…大さじ5
カボチャ1個まるごとで作るグラタンは“映え”バツグン!電子レンジを使えば硬いカボチャも短時間で加熱できます。ジャック・オー・ランタンversionにしなくても、ホームパーティレシピで盛り上がりそう♪
https://kurashinista.jp/articles/detail/13470
まとめ
昔から変わらない方法で、その土地の人々が誇りをもって作り続けているイタリアを代表するチーズ「パルミジャーノレッジャーノ」。普段の食卓でも特別な日のディナーでも、ぜひその魅力を味わってみたいですね。
文/後藤由里子
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