夕方になると脚が太くなっていたり、寝起きの顔がパンパンだったり、むくみって嫌ですよね。体の中の余分な水分が引き起こすこのむくみ、食べ物で解消することはできるのでしょうか? むくみに効く食べ物や食べ方がきっとあるはず、ということで、「食」からのむくみ対策、考えてみましょう。
むくみとは
むくみとは、体の細胞内に水分が余計に溜まっている状態、血液中の水分が必要以上に血管の外にしみ出し、皮膚と皮下組織内に溜まっている状態のことを言います。
体内の血流循環がスムーズにおこなわれないと、水分が溜まってむくみやすくなるのですが、一日中ずっと同じ姿勢が続いたり、長時間の立ち仕事をする人は、特に足にむくみを感じやすいのではないでしょうか。
ここでは、医師の診断に従うべき妊娠や、心臓、腎臓、肝臓や甲状腺などの疾患が原因で起こるものではなく、長時間立ち仕事をしたとき、水分を多く取りすぎた時などの、生活由来で起こる軽度のむくみ対策について考えてみます。
・むくみの状態
日常的なむくみは、例えば足が重だるいな、と感じたときなど、皮膚の上から指で押したときに、へこんで、指のあとがなかなか元に戻らないような状態や、1日じゅう立ち仕事をして、夕方に靴がきつく感じられるような状態。また、お酒を飲みすぎた翌朝に、まぶたが腫れぼったくなるなど、そんな症状が「むくんでいる」状態です。
むくみの原因
むくみの原因は大きく分けて7つ。この中に思い当たるものがあれば即対策を。
・血行不良
むくみの原因として、まず考えられるのが「血行不良」です。なぜ足がむくみやすいかというと、血液を循環させるポンプの役目を果たす心臓から最も遠い位置にあるからなんです。足は重力の影響を受けて、血管から血液中の水分がしみだしやすく、またその水分が、血管へ戻りにくい部分。血行が悪くなると、静脈に備わっている、余計な水分や老廃物を排出する働きが悪くなるため、むくみの原因となります。
立ち仕事や、座り仕事でも長時間同じ姿勢でいるとき、飛行機の移動で動けないときなども同様に、むくみが起こりやすくなります。
むくみに気づいたときは、足を十分動かしたり、軽い運動をすれば、筋肉のポンプ作用によって血液が流れ出し、むくみを解消することができるでしょう。
・リンパ液の停滞
体内の浄化作用と免疫の役割を担うリンパ液。このリンパ液は、体じゅうの老廃物などを回収・排出したり、病原菌やウイルスなどと闘ってくれています。このリンパ液が流れているのがリンパ管。体の至る所を巡っているこのリンパ管の流れが滞ってしまうと、体内に余分なものが蓄積されてむくみとなるのです。
・筋力低下
前述のリンパ液には、血液でいうところの心臓のような、ポンプの役割をするものがないので、リンパ管のまわりにある筋肉がその流れを支えています。この筋肉が衰えていると、リンパの流れに影響し、老廃物を排出しづらくなって、むくみにつながるというわけです。
男性より女性の方がむくみやすいというのも、この筋力に関係しています。ウォーキングや筋トレなどで、日頃からある程度の筋力を保つことが、むくみ予防につながります。
・冷え
体が冷えると、血行が悪くなったり、筋肉が硬くなったと感じたりしますね。血行不良や筋力の低下はむくみを招くもと。冬場や、夏のクーラーなどで冷えた体は、半身浴や食事に気をつけてできるだけ温めましょう。
また、自律神経の乱れから体温調節機能が低下している場合もあるので、ちょっとおかしいなというときは、医師の指導を仰ぎましょう。
・水分、塩分、アルコールのとりすぎ
水分や塩分を多くとりすぎると、血管の中の水分が増え、外にしみ出しやすくなるためむくみます。
アルコールは、血液内血管の透過性を高め、これもまた血管の中の水分をしみ出しやすくしてしまうのです。
塩辛いおつまみでたくさんお酒を飲んで二日酔い。それを解消するために水をたくさん飲んで… などというのは、むくみの面から考えると最悪のコラボですね。
・水分不足
加減が難しいものですが、逆に水分をとらなすぎてもむくみを引き起こします。これは、水分が不足すると静脈の血行が悪くなり、血液中に滲み出た水分を静脈が吸収できなくなるからです。適度な水分補給は、むくみ対策にも効果的なんですね。
・病気、薬由来のむくみ
内分泌疾患にかかると、体の中に水分が溜まるようになります。この場合は足だけでなく、腕や顔などさまざまな箇所がむくんできますので、おかしいなと感じたらすぐに医師に相談を。
また薬の副作用でもむくむ場合がありますので、そうした場合もすぐに医師または薬剤師に問い合わせる必要があります。
むくみを放っておくと?
慢性化すると、水分を排出する静脈の機能が低下したり、静脈瘤や色素沈着、皮膚の潰瘍などができてしまったりする可能性のあるむくみ。やはり放っておいてはいけませんね。
日常生活でじょうずに運動を取り入れるほか、体を温める温活や、食事に気をつけるなど、むくみを感じたら、なるべく早めに症状を改善したいものです。
むくみやすい食べ物
長時間同じ姿勢もとっていないし、筋肉もそこそこついているのにむくむ。そんな人はもしかしたら食生活原因があるのかもしれません。むくみやすいとされている食品にはどのようなものがあるのでしょうか。よく言われているものを挙げてみます。
・梅干し、漬物
これは言わずと知れた塩分。塩分の取りすぎになる可能性があるからですね。
・ラーメン、味噌汁
ラーメンのスープ、味噌汁などの汁物は、確かに塩分が多いです。
・かまぼこなどの、魚の練り製品、ハムなどの加工品
肉や魚の加工品は、口に入れた時の味は薄めでも、かなりの塩分が使われています。
これらに共通した特徴は塩分の高さ。一定以上の塩分を摂取すると、脳が体内の塩分濃度を下げようと、水分を取り込もうとします。その結果、体から余計な水分が出ていかなくなり、むくんでしまうというわけです。
むくみに効く栄養素
長時間の立ち仕事や、朝のむくみに効くものを栄養素的にまとめると、次のようになります。
1. 良質なタンパク質
女性に多いのがタンパク質不足によるむくみなのだそう。十分なタンパク質が摂れていないと血液中のタンパク質濃度が低くなってしまうので、その濃度を高めようとして、血管内にある水分を外に出そうとする作用が。血管から追い出された水分は行き場をなくしてしまい、むくみにつながるというわけです。
動物性、植物性、どちらもバランス良く、肉、魚、卵、大豆、乳製品と、1日の中で摂取できれば理想的です。
2. カリウム
カリウムは、ナトリウム(塩分)といっしょに水分を排出する作用があります。利尿作用でむくみのもとになる余分な水分を排出できるので、カリウムを多く含むきゅうりやスイカは特におすすめです。
ただこういったカリウムの多い食品は、腎臓の機能が正常に働いている場合なら良いのですが、疾患がある場合には避けた方が良いものでもあり、腎疾患のある方は、医師との相談が必要です。
3. カルシウム
カルシウムはナトリウム(塩分)の排泄を促したり、過剰に摂取したナトリウムの吸収を妨げたりする働きがあります。カルシウムが不足した状態だと、ナトリウムが蓄積しやすくなるので、牛乳やチーズ、小魚、小松菜などで、常に十分な量のカルシウムを摂取しておくことが大切です。
4.マグネシウム
マグネシウム不足になると、体は細胞内に余分な水分を溜め込むようになり、むくみの元に。といってもマグネシウムって何を食べたらいいの? と疑問がわいてしまいますよね。
日常よく食べるものの中でマグネシウム含有量の多いのは、大豆食品や魚介類。しらす、油揚げ、納豆。イワシの丸干しやアサリなども、マグネシウムを豊富に含んでいます。
5. サポニン
豆類に多く含まれるサポニンには利尿作用があり、体内の水分量をバランス良く調節してくれます。過剰な水分が排出されることでむくみ対策に。サポニンを多く含む食べ物には、大豆、小豆、ごぼうなどがあります。
むくみに効く利尿作用のある食べ物
次に、むくみ改善が期待できる利尿作用に効果のある食べ物を見てみましょう。暮らしニスタには、ここでご紹介したもの以外にも、むくみに効く食材を使ったレシピがたくさんあるので、そちらもあわせて利用してください。
1. 小豆
カリウムとサポニンが豊富な小豆。市販のあんこなどを活用して、頻繁に食べると良いでしょう。
ヒンヤリ&プルン♪暑い日に嬉しい優しい甘さ♪小豆ミルクプリン(水ようかん)
【材料 (小さめのグラス 7~8個分)】
☆さらしあん(粉末)…50g
☆砂糖…90~100g
☆アガー…10g
水…100cc
牛乳…400cc
練乳…10g
ひんやりと口あたりの良い和風プリン。粉末のさらしあんで作るので簡単です。練乳がなければ砂糖と牛乳を増やしても良いですが、入れるとコクがアップしておいしいですよ。
2016.06.22この季節になると食べたくなる水ようかん。今回は牛乳で作って小豆ミルク水ようかんにしてみました( ´艸`)プリンに近い感じかな(;^_^A優しい甘さで、子供達にも好評でした(*^_^*)続きを見る
2.とうもろこし
カリウムが利尿作用を高めるとうもろこし。ヒゲ部分は特に利尿作用に優れ、中医学では薬として扱われるそう。
材料2つでアンチエイジングに!とうもろこしのアヒージョ
【材料 (とうもろこし1本分)】
とうもろこし…1本
にんにく…2片
薄力粉…大さじ1
オリーブオイル…大さじ3
塩…小さじ1/2
ブラックペッパー…少々
ミネラルを効率よく体内に循環させるとうもろこし。だるさの解消や疲労回復効果にも優れている上、代謝を高めてくれるので、シーズンにはできるだけたくさん食べておきたいですね。
2018.08.21甘くっておいしい夏の風物詩といえは「とうもろこし」ですよね~!そんなとうもろこしを、材料2つで簡単レシピに☆あと引くお味ですよ♡☆とうもろこしの栄養と効能☆アミノ酸の一種のアスパラギン酸が豊富にあり、疲労物質の乳酸を素早く...続きを見る
3. そら豆
カリウムを豊富に含み、利尿作用でむくみを予防してくれるそら豆。ビタミンやミネラルをバランスよく含みます。
3分de無限❤鶏ガラそら豆ベーコン 【#そらまめ #ベーコン #野菜のおつまみ】
【材料 (1~2人分 )】
そら豆…15莢
ベーコン…1枚
鶏ガラスープの素…3g
すりおろしにんにく…3g
ごま油…小さじ2
おつまみに最適なそら豆。ビールなどの水分をたくさん摂取したときには、利尿作用のあるそら豆はぴったりです。日頃むくみが気になる人は、塩分控えめを意識して。
2019.06.10梅雨の合間のカラッと晴れた週末はやっぱビール@青山金魚です八百屋さんの店頭に並んだらこれも絶対まっ先に食べたい♪旬のお野菜「そら豆」莢に入ったまま焼いて塩もいいけれど、今日はがっつりおつまみ味にして食べたーい。でも、前の日...続きを見る
4. スイカ
約90%が水分のスイカ。利尿作用の高いカリウムを豊富に含んでいます。利尿作用は果肉よりも皮の白い部分に多く含まれているそうですが、食べる人は少ないですよね。
旬のおいしさがいっぱい詰まったスイカのグラニータ♪
【材料 (4人分)】
スイカ(皮付きの状態で)…800g位
レモン汁…大さじ1
砂糖…大さじ2~3
グラッパまたは白ワイン…小さじ2
ラムネシロップ…大さじ2
水…大さじ4
ゼラチン…2g
ハート型スイカ…4個
グラニータはイタリア版かき氷。日本のかき氷と違うのは、シロップをかけるのではなく味のついた氷を削って作るところです。そのまま食べても十分おいしいスイカですが、たまには目先を変えてこんなデザートも良いですね。
2017.07.19グラニータはイタリアの氷菓子。イタリア版かき氷の様なものですが日本のかき氷と違ってシロップをかけるのではなく味のついた氷をけずって作ります。カフェ・エスプレッソのコーヒー味やレモンのグラニータが有名ですが旬の夏のフルーツで...続きを見る
5. 冬瓜
成分の96%が水分で、利尿、解熱、解毒などの作用があり、昔の人は薬のように思って食べていたほど。
夏バテ防止に‼低カロリーな冬瓜入り☆冷製ミネストローネ
【材料 (2人分)】
冬瓜…約200~250g
ナス…1本(100g)
玉ねぎ…1/2個(100g)
ピーマン…2個
トマト…2個
ベーコン…約100g
にんにく…1片
☆水…200g
☆コンソメキューブ…1個
☆ローリエ…1枚
☆塩…小さじ1/2
オリーブオイル…大さじ1
「冬瓜(とうがん)」と書きますが、実は旬は夏から。水太りの予防になるという冬瓜は、確かにこんな季節にこそ食べたいですよね。野菜たっぷりの冷たいミネストローネなら、食欲のない暑い日でも、するするとおなかの中に収まってしまいます。
2017.08.0990%以上の水分があり、とても低カロリーな冬瓜。「冬」という字がありますが、この時期が旬で今の時期からお店で売られています。そんな冬瓜を使って、冷たいスープレシピのご紹介♪もちろん、温かいままでも美味しいです♡☆冬瓜(とう...続きを見る
まとめ
足のむくみの不快感は、だるくて辛いだけでなく、水分不足や逆に過剰摂取など、体の不調のサインだったりもするんですね。むくんだときは軽く流さず、食生活や運動の見直しのきっかけにできたら良いですね。
まとめ/伊波裕子
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