「ペペロンチーノ」と言えば、ニンニクとオリーブオイルの風味に、トウガラシが効いたシンプルな味が人気の定番パスタ。でも、「ペペロンチーノ」ってどんな意味なのか知っていますか?
今回はペペロンチーノの名前の由来や作り方のポイント、おすすめアレンジレシピなどを紹介します。
ペペロンチーノの意味は?
私たちが知っている「ペペロンチーノ」はイタリア料理の一種で、イタリアでは「アーリオ・オリオ・ペペロンチーノ」と呼ばれています。イタリア語では、アーリオはニンニク、オリオはオイル、ペペロンチーノはトウガラシという意味で、この3つの食材を使ったパスタを指します。
本場イタリアでペペロンチーノを食べたい時は、アーリオ・オーリオを付け加えないと、トウガラシという意味で捉えられてしまうので注意が必要ですね。
イタリアでは簡単に作れる家庭料理の一つとして親しまれているペペロンチーノですが、「絶望のパスタ」という異名も持ちます。
これには諸説ありますが、どんなに貧しくても、ニンニク、オリーブオイル、トウガラシがあれば作れることが由来とされています。
ペペロンチーノの基本レシピをご紹介
では、基本のペペロンチーノの作り方をチェックしましょう。シンプルな料理ですが、おいしく作るにはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。
【材料(2人前)】
オリーブオイル…50cc
ニンニク(粗みじん切り)…2片
トウガラシ(半分に折る) …2本
塩…ひとつまみ
パセリ(みじん切り)…8g
スパゲティ…200g
作り方
① スパゲッティを茹でている間に、フライパンにニンニク、オリーブオイル、トウガラシを入れ、フライパンをゆすりながら弱火で温めます。
② ニンニクに色がつき、泡が小さくなるまで火が通ったら、スパゲティの茹で汁60ccを加え、刻んだパセリと塩を入れます。
③ スパゲティを加えたら、オイルとスパゲティをしっかりとからめ、オイルが乳化して白っぽくなったら完成です。
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ペペロンチーノをおいしく作る最大のポイントは、やはり「乳化」です。次の項目で乳化について詳しく説明します。
乳化とはどのようなものか知りたい
乳化とは、本来は混ざり合わない水分と油が混ざった状態を指します。ドレッシングは使う前に必ず振りますよね。これは、油とお酢を容器ごと振って混ぜ合わせることで乳化させているのです。ただ、しばらくするとこれらはまた分離してしまいます。
乳化した状態を持続させるには、これらを結び付けておく乳化剤が必要です。マヨネーズはお酢と油、卵でできています。本来混ざり合わないお酢と油に、乳化剤の役割を果たす卵が加わることでマヨネーズが出来上がるのです。
ペペロンチーノを作るときに、パスタの茹で汁とオリーブオイルを混ぜ合わせる工程がありますが、このときパスタの水分とオリーブオイルの油分は、パスタの茹で汁に含まれるでんぷんやタンパク質などによって、乳化が進んでいます。
きちんと乳化することによって、水っぽさや油っぽさがなくなります。また、舌触りがなめらかになり、パスタにソースの味がしっかりからむので、おいしいペペロンチーノに仕上がります。
この乳化がうまくいかないと、油っぽくなったり、パサパサしたりして、おいしさが半減してしまうのです。
乳化を行う時のポイント
おいしいペペロンチーノを作るために必要な乳化ですが、いくつかポイントがあります。
① お湯は少なめに
パスタから出るでんぷんやタンパク質の量が濃厚であるほど、オイルと混ぜた時に乳化しやすくなります。そのため、パスタを茹でる際には、パスタの量に対してお湯が多くなりすぎないようにしましょう。
② 茹で汁とオイルの量
パスタの茹で汁の量ですが、オイルに対して多すぎても少なすぎてもうまくいきません。茹で汁50ccを最初に入れてから、様子を見ながらスプーンで茹で汁を足していくと失敗しにくいのでおすすめです。
③ タイミング
茹で汁はパスタを茹で終える1分前くらいにオイルに入れるのが最適です。乳化したソースは冷えると分離が進む性質を持っているので、乳化が終わったタイミングでパスタとからませるのがベストです。
④ パスタとソースのからめ方
パスタとソースをからめるときは、空気を含ませるようにしてさいばしで混ぜると乳化がスムーズに進みます。ただ、かき混ぜすぎるとパスタの食感が悪くなるので、注意が必要です。
ペペロンチーノのアレンジレシピ7選
ペペロンチーノは魚介類やキノコ類などと相性がよく、洋風でも和風でもおいしくいただけます。シンプルなペペロンチーノをおいしく作れるようになったら、ぜひアレンジレシピにも挑戦してみてくださいね。
1、ポルチーニ茸とドライトマトのペペロンチーノ~スパイスクリームチーズ~
【材料(1〜2人分)】
パスタ(お好みの太さ)…100〜200グラム
乾燥ポルチーニ茸…20〜30グラム
ドライトマト…3~4枚
桃屋の刻みニンニク…大さじ1
顆粒コンソメ…小さじ1〜2
ブラックペッパー…適量
オリーブオイル…適量
あればアーラのスパイスクリームチーズ…お好み
乾燥ポルチーニとドライトマトを使ったペペロンチーノは、食卓が豪華な印象になりそう。トウガラシの代わりにスパイスクリームチーズを使っているので、チーズ好きにはたまりません。
2、ちゅるん❤なめこの和ペペロンチーノ【*和風*ランチ*節約*きのこが主役】5分~10分
【材料(1人分)】
パスタ…80g
A ベーコン…1枚
A ペペロンオイル…大さじ2
B ひらきなめこ…6本
B えりんぎ…1本
B ジンジャーパウダー…ふたつまみ
しょうゆ…大さじ1
パスタのゆで汁…お玉1/2杯
ペペロンチーノはキノコとの相性も抜群!なめこやエリンギを使い、醤油で味付ければ和風のペペロンチーノの出来上がりです。
2017.11.13なめこをお味噌汁だけで使ってませんか?炊き込みご飯にしたり、炒めてもちゅるるるるちゅるんで美味しいです♪今日は、先日仕込んだ 手作りペペロンオイルがいい感じに仕上がってきたので、なめこ入りの和風ペペロンチーノを作ってみまーす。続きを見る
3、小麦不使用のスパゲッティでしらすと桜えびのペペロンチーノ
【材料(1人分)】
小麦不使用スパゲッティ…90g
しらす…大さじ2
桜えび(乾燥しているもの、もしくは小えびなど)…大さじ1
水菜…適量
ニンニク…1/2かけ
輪切りとうがらし…小さじ1/2
オリーブオイル…大さじ1
塩…少々
醤油…小さじ1
グルテンフリーの食生活を実践している人だって、小麦不使用のスパゲッティを使えばペペロンチーノを楽しめます。カリカリのしらすと桜えびを入れておいしくいただきましょう。
2017.09.19小麦不使用のスパゲッティでペペロンチーノを作りました。簡単にできるのでランチにもおススメ。パスタにあまり登場することのないしらす。弱火でいるように炒めてカリカリにしています。今回使ったしらすがちょっと小さ過ぎてよくわからな...続きを見る
4、生ハムとルッコラのペペロンチーノ
【材料(1人分)】
スパゲティ…150g
ルッコラ…1束
生ハム…3枚
オリーブオイル…50ml
ニンニク(大きめ)…1個
トウガラシ…1本
パスタのゆで汁…大さじ4
無塩バター…5g
乾燥パセリ…適量
ブラックペッパー…適量
ルッコラと生ハムを加えたペペロンチーノは、彩りも豊か。生ハム・ルッコラ・トウガラシの組み合わせが、本場イタリアを連想させます。
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5、菜の花とアサリのペペロンチーノ
【材料(2人分)】
菜の花…1/4房
アサリ…10個
長ネギ…1/4本
スパゲティ…150g
オリーブオイル…大さじ2
にんにく…大きめひとかけ
赤唐辛子…1本
白ワイン…50ml
パスタのゆで汁…適量(汁気の調整用)
無塩バター…5g
塩…適量
菜の花が旬の時期にはこちらのアレンジがおすすめです。アサリの旨味が染み込んだペペロンチーノは絶品ですよ!
2019.04.03旬の菜の花に、アサリの旨味とネギのほんのりした甘さを合わせてペペロンチーノに仕立てました!続きを見る
6、話題沸騰中★知らなきゃ損★巷で噂の簡単絶品のぺぺたま
【材料(1人分)】
パスタ…80~100g
ベーコン…25g
卵…2個
ニンニク(みじん切り)…1かけ
オリーブオイル…大さじ1
茹で汁…大さじ1
白だし…大さじ1
バター…5g
パセリ…適量
鷹の爪…適量
ブラックペッパー…適量
塩…適量
珍しい組み合わせが魅力のこちらのレシピは、一度食べるとハマってしまう人も多いようです。卵の火入れにさえ注意すれば、それほど難しくないのも嬉しいですね。
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7、【秋の旬レシピ】さんまのペペロンチーノ
【材料(2人分)】
さんま…1/2尾
グリーンオリーブ…2個
ブラックオリーブ…2個
にんにくのみじん切り…小さじ1
赤唐がらし…1/2本
バジル…1枚
スパゲッティ…100g
オリーブオイル…小さじ1
A割烹白だし…小さじ4
A水…大さじ1
イタリアンパセリ・みじん切り…小さじ2
オリーブオイルエクストラバージン…適量
さんまがおいしい季節にぜひ作ってみたいのが「さんまのペペロンチーノ」。オリーブやハーブ、ガーリックとともにいただくさんまは、いつもとは違った味わいが楽しめるはず。
2016.10.13旬のさんまをちょっと洋風アレンジ。シンプルな味付けのペペロンチーノを作るのが苦手という人も、割烹白だしを入れるだけでいつもの料理がランクアップ!オリーブオイルやガーリック、ハーブの香りも食欲をかきたてます♪続きを見る
まとめ
イタリア語でペペロンチーノとはトウガラシのことを指し、本場イタリアでは「アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ」という家庭料理で親しまれています。
オイル系パスタの定番とも言えるペペロンチーノは、少ない食材で簡単にできるのが魅力ですが、おいしく仕上げるには乳化がポイント。パスタの茹で汁とオリーブオイルをしっかりと乳化させ、パスタとからませることでおいしいペペロンチーノが出来上がります。
さまざまなアレンジを加えるとさらに楽しめる料理なので、ぜひ色々なアレンジを加えたペペロンチーノに挑戦してみてくださいね。
名前によって損したり得したりしているアラサーフリーライターです。昨年突然の湿疹を伴うアレルギー症状に見舞われ、食事や生活習慣を改善したことで克服した経験から、オーガニック食品や漢方などに興味があります。
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