好き嫌いは分かれるものの、エスニック好きには香りがたまらない「パクチー」!好きすぎて、どんな料理にも入れてしまう“パクチニスト”と呼ばれる人も少なくないとか。実は、美容や健康にも良い成分が含まれているそうなんです。コリアンダーとの違いやおすすめのレシピも紹介します♪
パクチーってどんな食材?
セリ科の一年草、香味野菜として世界中で人気
パクチーはセリ科の一年草で、古代ローマやエジプト文明の時代から、世界中で食べられていた香味野菜。パクチーというのはタイ語名。トムヤムクンやヤムウンセン、ガパオライスなど、タイでは、薬味としてほとんどの料理にのせて食べます。タイ料理がポピュラーになるにつれて、日本でも知られるようになりました。
ベトナムではザウムイと呼ばれ、生春巻きやフォーに欠かせない食材です。中華料理の香菜(シャンツァイ)も同じもの。中南米ではシラントロと言い、スープやサルサなどにも入っているそうです。
コリアンダーというのは、パクチーの英語名。ただ料理で使うときには、パクチーとコリアンダーは別の食材を指すようです。
パクチーとコリアンダーとの違いって何?
植物としては同じものだけど、香辛料としては別扱い
パクチーとコリアンダーの違いは、タイ語と英語の違いだけで植物としては同じ。最近、日本に入ってきた植物と思われがちですが、鎖国以前にポルトガルから伝わっていました。ポルトガル語の 「coentro」から由来して、和名は「コエンドロ」というそうです。
日本料理にはほとんど使われないこともあり、一般には西洋料理で使う香辛料の「コリアンダー」として先にその名が知られるようになりました。西洋料理では、生の葉っぱではなく種子をスパイスとして使用します。よく熟してから収穫し十分に乾燥させた種子は、クセの少ないオレンジのような爽やかな風味で、ひき肉料理やソーセージ、シチュー、ピクルスなどに欠かせません。
パクチーは、1990年代頃からエスニック料理の店が人気を博すにつれて、好んで口にする人が増えてきました。タイ料理店で生食する葉のことを「パクチー」と呼ぶため、パクチー=生で食べる野菜というイメージが定着しました。
そのため、決まりではありませんが、日本では種子を使ったスパイス=「コリアンダー」、生で食べる葉っぱ=「パクチー」と、分けて呼ぶ人が多いようです。
パクチーに含まれている成分って?健康増進効果は?
抗酸化作用があるビタミンCが豊富!
パクチーの独特の香りは、リナロール、ゲラニオール、ボルネオールといった精油成分が含まれているため。これらの成分は、胃腸の働きを助けるなど、健康を保つ効果が期待できるそうです。
また、抗酸化作用を持つビタミンCや鉄、カルシウムなども含まれています。βカロテンやビタミンB1、B2、Eといった栄養素も豊富なので、美肌効果や疲労回復効果もあるそうです。日焼けが気になったり食欲が落ちる暑い季節には、特に頼もしい野菜といえますね。
古代から薬として使われていた
古代エジプトでは薬草として使われていたと医薬書に記されており、埋葬の際に亡骸と一緒に入れる習慣があったとか。また、古代ギリシアやローマでは、種子を薬として使用していました。中国医学では茎や葉、根などを乾燥させたものを生薬として使うそうです。
古代から健康を保つための知恵として使われてきたパクチー。忙しい現代においても、日々の健康を支えてくれる食材として取り入れたいですね。
パクチーはどうやって保存するのが良い?
生で食べるなら冷蔵、冷凍保存なら約1カ月持つ
薬味として使うことが多いパクチーは、一度に全部食べきれないことも多いですよね。そんなときは、食べ切れる期間によって保存方法を変えるのがおすすめです。
すぐに生で食べる場合は、冷蔵保存が適切。茎を水に浸して、湿らせたキッチンペーパーで包みます。その後は、乾燥を防ぐためにポリ袋などに入れて野菜室に。 できれば生えていたときと同じように立てて保存すると、栄養素が減りにくくなります。約2週間をめどに食べきりましょう。
すぐに食べきれないと思ったら、冷凍保存に。葉や茎を適度な大きさに刻んで、冷凍保存袋に入れて密封します。そのまま冷凍庫に入れれば、約1カ月は大丈夫。根を保存するなら、別にラップで包んで冷凍しましょう。
パクチーを使ったレシピが知りたい!
タイ料理店では口にする人も多いものの、まだ自宅では食べたことがないという人もいるのでは?
健康にもおすすめの野菜なので、簡単でおいしいとっておきのレシピを紹介します。マンネリ化した土日のランチメニューやビールを飲みたい日などに、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
お箸が止まらない♪ チキンとパクチーのレモンガーリックサラダ
【材料(2~3人分)】
鶏むね肉…1枚
きゅうり…1本
パクチー(刻んで)…ちゃわんに山盛り1杯分
塩こしょう(鶏の下味用)…少々
酒(鶏の下味用)…大さじ1
塩こしょう…少々
きび砂糖…小さじ1/2
ガーリックパウダー…1/4
レモン汁…1/2
ごま油…小さじ2
鶏むね肉をレンジでチンして作る、鍋がいらないお手軽メニュー。ビールのつまみにもおすすめです。パクチーの風味とレモン汁で、タイ料理っぽさがグッと出ます。隠し味のきび砂糖がポイントです。
2018.07.24レンジでしっとり仕上げた蒸し鶏に、きゅうりとパクチーを混ぜた爽やかなサラダです。パクチーはベランダ菜園で収穫したもの。ダイソーの種で育てのですが、しっかり香りが立ったパクチーに育ってうれしい*^^*サラダの味付けにはナンプ...続きを見る
3ステップ!『パクチー素麺』夏はやっぱりアジアンソーメン♪
【材料(1人分)】
素麺…1束(50g)
長ねぎ…12㎝分
パクチー…適量
スイートチリソース…大さじ2
お手軽ランチにぴったりの超簡単エスニック。いつもの素麺にビタミンたっぷりのパクチーをプラスすることで、夏バテ予防にもなりそうです。パクチーの分量は、好きな人は好きなだけのっけて召し上がれ。
フライパンで完結!さっぱりジューシー“塩レモン酢どり”
【材料(2~3人分)】
鶏モモ肉…400g
クミンシード(なくてもOK)…大さじ1
パクチー(長葱のみじん切りでも可)…1袋使用
<肉の漬けダレ調味料>
サラダ油…30cc~40cc
塩レモン…大さじ1
粒マスタード…大さじ1
おろしにんにく(チューブ可)…小さじ1/2
ごま油…小さじ1
片栗粉…大さじ2
薄力粉…大さじ1
<レモンダレ調味料>
レモン汁…大さじ3
みりん…大さじ1.5
フライパンひとつでできる、限界まで揚げ油を減らした優秀レシピ。おろしにんにくに粒マスタード、ゴマ油と、食欲増進する食材がたっぷり。最後にパクチーを山盛りにのせれば完成です。さっぱりしていていくらでも食べられちゃう唐揚げです♡
2017.07.20みんな大好きな唐揚げ!夏にピッタリな塩レモンを使った唐揚げをレモンで更に酢どり風に仕上げてみました。限界まで油を減らしました。地球にも優しいレシピです。最後にレモン汁とみりんのソースを絡めましたが、その手前の唐揚げの状態で...続きを見る
旨すぎ! エスニックオムレツ
【材料(2~3人分)】
卵…3個
ツナ缶(オイル漬け)…1缶
あおさ(焼きのりを細くしてもOK)…大さじ3
パクチーチューブ(生のパクチーでも)…5cm
玉ねぎ…1/2個
塩こしょう…各少々
<混ぜるだけつけダレ>
スイートチリソース…大さじ1
ナンプラー…小さじ1/2
レモン汁…小さじ1/2
ハバネロソース…数滴
オムレツにパクチーを加えることでエスニック料理に早変わり♪パクチーはチューブの物でも生でも大丈夫。パクチーチューブを冷蔵庫に常備しておけば、突然の来客でもひとひねりある一品でもてなせます。
2019.04.23いろんな具材で楽しめるオムレツを、今回はエスニック風味にしてみました。ピリ辛のつけダレをつけて食べればビールも進みます!続きを見る
パクチスト必見!『パクチーゼ』
【材料(作りやすい分量)】
パクチー…3分の1束
ニンニク…1カケ
オリーブ油…大さじ1
パルメザンチーズ…小さじ1
こしょう…少々
パクチニストにとっては、最強なのがこのパクチーソース。ミキサーで一気に仕上げた後は、冷凍保存できます。白身魚や鶏肉料理のソースにも合うので、使い道は無限大。エスニックでも中華でもイタリアンでも、お好みでパクチーをプラスできますよ。
2017.01.122016年を代表する『今年の一皿』に選ばれたパクチー。私含め、パクチーを愛して止まない人のことを『パクチスト』と呼ぶらしい。そんなパクチストなアナタは必見!パクチーで作る『パクチーゼ』、悶絶のうまさなんです!続きを見る
健康にも良いパクチーを食卓に取り入れてみて♡
パクチーはマンネリ化する献立を彩る救世主。食欲が落ちたときに取り入れると効果的です。薬味として利用したりスパイスとして肉や魚を風味付けしたりとアイデア次第。揚げ物に添えるだけでもエスニックな一皿に。自分の好きな食べ方を見つけてみてくださいね。
文/稲垣幸子
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