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家庭用冷凍庫の電気代はどのくらい?効果的な節約方法を解説

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家庭用冷凍庫の電気代はどのくらい?効果的な節約方法を解説

普段、冷蔵庫を使っていて「もっと冷凍室が大きければいいのに」と感じることはありませんか。特に、夫婦共働き世帯や子どもが多い家庭、大型スーパーで食材のまとめ買いをする人にとって、多くの食品を冷凍保存できる家庭用冷凍庫はとても魅力的ですよね。しかし、家庭用冷凍庫は一般的な冷蔵庫と比較してラインナップが少なく、情報も限られているのが実情です。購入を検討していても、電気代などが心配で躊躇してしまう人も多いのではないでしょうか。ここでは、家庭用冷凍庫について電気代を中心に解説します。

1.気になる家庭用冷凍庫の電気代、月1000円アップは覚悟しよう

家庭用冷凍庫の電気代は?

家庭用冷凍庫を購入したいと考える理由のひとつとして、「食品を冷凍保存して節約につなげたい」という要望が挙げられます。確かに安いときに食品を購入し、冷凍保存しておけば食費の節約にはなります。そこまでストイックな節約を目指していなくても、買い物の頻度を減らすことが結果的に節約につながることも少なくありません。

しかし、食費の節約で残る金額以上の電気代がかかるのであれば、家計全体の節約にはならず、むしろ余計な出費となってしまいます。そこで確認しておきたいのが、家庭用冷凍庫を設置した場合の電気代です。

三菱電機が製造・販売しているホームフリーザーを例に考えてみましょう。一般家庭で多く使用されるのは、120~150Lの製品です。三菱電機が開示しているデータによると、144Lの製品では年間1万3230円、121Lの製品では年間1万1475円の電気代がかかります。単純に12カ月で割ると、1カ月あたり1000円前後の出費となります。

もちろん、家庭用冷凍庫は使い方によっても電気代が変動するため、毎月の電気代が一定額とはなりません。しかし、目安として現在の電気代よりも月1000円ほど高くなると考えるといいでしょう

 

月1000円アップは高い?安い?

この金額を高いと感じるか、安いと感じるかは、人によって異なります。単純に考えれば、冷凍庫でたくさんの食品を保管することで食費を月1000円以上節約できるのであれば、購入したほうがいいと判断することもできるでしょう。しかし、実際には冷凍庫を設置することで起こり得る生活の変化も考える必要があります。

たとえば、現在使っている冷凍室が狭いために、買い物の頻度が多くなっていると仮定しましょう。毎日、その日に食べる分だけを購入するという買い物の仕方は、総じて割高になる傾向があります。店に足を踏み入れることで、つい余計なものを買ってしまうこともありますし、車を使って買い物に出る場合はガソリン代もかかるでしょう。たとえ徒歩で行ったとしても、買い物のために時間を使っていることになります。

この事実を考えると、やはり家庭用冷凍庫を購入してまとめ買いにシフトしたほうが合理的だと判断できます。

しかし、合理的である反面、意外なデメリットがあることも忘れてはなりません。それは、まとめ買いした食品を無駄にしてしまうおそれがあるということです。安いときにまとめ買いをして家庭用冷凍庫に保存する方法は、かなりの計画性が求められます。購入したものは消費期限内に必ず消費し、買い足したものは先に買ったものよりも奥に詰めるなど、徹底した在庫管理が必要なのです。それを怠ると、いくら安く購入しても結局はお金も食材も無駄にしてしまうことになります。

ここで大切なのは、食事や食材に対して自分がどのような考え方を持っているかを冷静に分析することです。一人暮らしで仕事が激務、帰り道は家にまっすぐ帰りたいという人は、休みの日にまとめ買いをし、家庭用冷凍庫に保存しておくのもいいでしょう。毎朝お弁当をつくらなければならず、冷凍食品をたくさんストックしておきたいという人も重宝するはずです。休みの日に1週間分の献立を考え、下ごしらえをして冷凍保存するという場合にも、家庭用冷凍庫が役に立ちます。

一方、毎食そのときの気分で食べるものを決めたいという人や、在庫管理が苦手でいつも食材を余らせてしまうという人は、うまく使いこなせない可能性も考えなければなりません。

 

自分の生活を楽にするために必要であるか否かという基準での判断が大切

このように、月1000円ほどの電気代を損得だけで考えると、実際の生活で家庭用冷凍庫のメリットを存分に活かすことはできません。損得ではなく、今より1000円程度アップする電気代が自分の生活を楽にするために必要であるか否かという基準で判断するといいでしょう。

確かに、冷凍室が狭いことはかなりのストレスです。保存期間は圧倒的に冷凍保存のほうが長く、季節を問わずに好きなものが食べられるというメリットもあります。

しかし、冷凍保存することによる味の劣化は否めず、冷凍した食べ物を好まない人も少なくありません。家庭用冷凍庫の購入においては、このようなデメリットもあることを理解しておくといいでしょう。

これらのポイントを踏まえたうえで、家庭用冷凍庫を購入しようと決めたのであれば、あとはなるべく電気代がかからない使い方を心がけるのみです。最新型の家庭用冷凍庫は省エネ設計になっているものが多く、正しく使えば著しく電気代が上がることはありません。

想定内の電気代に収めるためには、家庭用冷凍庫の正しい使い方を理解して実践することです。家庭用冷凍庫をうまく使って食費を抑えれば、これまで以上の節約になる可能性もあります。長く使うことを前提に、購入費用と電気代を含めたランニングコストを考えることが大切です。

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2.小型冷凍庫のほうが電気代が高い?大型のほうがお得?

自分の生活に適した容量の冷凍庫を選ぶべき

一般的な冷蔵庫を購入する際に、「大きいほうが電気代は安いですよ」というセールストークをされたことはありませんか。それは、半分事実であり、半分は事実と異なります。正確にいうのであれば、1Lあたりの電気代は大型のほうが安いということです。

先に比較した三菱電機のホームフリーザーでも、1カ月あたりの電気代は144Lで1102円、121Lで956円です。これから1Lあたりの電気代を求めるとそれぞれ約7.65円、約7.9円となります。わずかな差ではありますが、確かに144Lのほうが安いですね。この事実からわかることは、自分の生活にもっとも適した容量の冷凍庫を選ぶべきであるということです。誰でも容量が大きいほうが電気代が安く済むという単純な話ではありません。

しかし、家庭用冷凍庫のラインナップはそれほど多くないため、実際には自分の生活に合う容量の製品を見つけられないこともあるでしょう。そのときは、1Lあたりの電気代の安さに注目し「大は小を兼ねる」と考えてもいいかもしれません

特に、今後家族が増えるなど生活に変化が起きる可能性が高い場合には、必要最低限の容量ではなく、ワンサイズ上の製品も選択肢に入れるといいでしょう。もちろん、製品によっては1カ月の電気代も大型のほうが安い場合があります。特に、製造されてからの期間が長い家庭用冷凍庫の場合は、容量が大きい最新型の製品のほうが電気代が安いことも少なくありません。

製品を選ぶ際には、電気代に関する表記をよく確認しましょう。小型冷凍庫のほうが電気代が高いというのは、あくまでも大きな容量を必要とする人にとっての話です。そもそも容量が少なくていいというのであれば、小型のほうが電気代は安いのが一般的です。

冷凍庫は性質上、容量いっぱいに詰めたほうが性能を発揮しやすいものです。「よりお得な冷凍庫を」と思って大容量の冷凍庫を購入しても、庫内がスカスカの状態では効率が悪く、場所を占有するだけでしょう。

また、たくさん入るからといって不必要なものまで購入してしまうと、結果として無駄を生んでしまうことにもなりかねません。これでは、せっかくお得な大容量の冷凍庫であっても、宝の持ち腐れになってしまいます。

一方、小型冷凍庫の電気代は割高ではありますが、めいっぱい詰めることもそう難しくありません。スペースに余裕がなければ、無駄に食品を買ってしまうことも少なくなります。そういった意味では、小型冷凍庫のほうが節約には有利だと考えることもできます。

もっとも、農業や家庭菜園などで野菜を一気に収穫するとか、大型スーパーで買い物レジャーを楽しむ機会が多い人は、お得であるかどうかにかかわらず、大容量の冷凍庫が必要になるでしょう。せっかく収穫した野菜を無駄にするのはもったいないですし、ロットが大きい食品は冷凍保存せざるを得ません。そのような生活スタイルに慣れていて、冷凍した食品をうまく使いこなせる人にとっては、大型冷凍庫のほうが使い勝手もよく、お得であることは間違いないでしょう。 購入にあたり家電量販店へ出向けば、大型のほうが電気代が安いといわれるかもしれません。

 

消費電力に注目してみるのもひとつの方法

しかし、そもそも電気代は電力会社によって異なるものであり、今後もずっと同じ料金設定で推移していくとも限りません。本当に電気代が高いのか安いのかを見極めたいのなら、金額ではなく消費電力量に注目してみるのもひとつの方法です。家庭用冷凍庫には年間消費電力量が明記されています。電力量が大きければ当然電気代もかかるため、おおよその検討がつきます。

必要な冷凍庫の容量を計算するときは、現在使用している冷蔵庫の冷凍室もあわせて考えると適した容量を算出できます。また、夏と冬では必要な容量が変わってくることもあり得ます。しかし、家庭用冷凍庫は一般的な冷蔵庫とは異なり、必要がない期間は電源を切っておいても問題はありません。夏の期間だけ冷凍庫として活用し、冬は食品庫として使ってもいいのです。このような使い道も考えて、自分にとってもっともお得な容量の製品を選ぶことが大切です。

 

3.どうせなら安く抑えたい!家庭用冷凍庫の電気代節約方法

家庭用冷凍庫の無駄な開閉を極力避ける

家庭用冷凍庫の電気代を節約するためには、正しく使うことが第一です。まずは、無駄な開閉を極力避けましょう。家庭用冷凍庫は基本的に食品の長期保存に使用するものとして考え、短期の保存は冷蔵庫の冷凍室を使用します。たとえば、未開封の冷凍食品は家庭用冷凍庫に保存し、開封して使いかけた冷凍食品は冷凍室に入れて使い切りましょう。

また、1週間に1度、使う食品を冷凍室に移し替えるのも効果的です。家庭用冷凍庫は普段から開閉する必要がない状態にしておくといいでしょう。また、容量に余裕があるからといって、計画性のないままに詰め込むのは開閉の回数を多くしてしまいます。「あれはどこに入れたっけ?」という状態は、扉を開けている時間を長くするため、電気代が上がる要因にもなりかねません。

冷凍庫のなかは、いつでも整理整頓を心がけ、先入れ先出しを徹底しましょう。消費期限ごとに段を使い分ければ、使う順番に迷うこともありません。家庭用冷凍庫には複数の段が設けられているケースが多いので、有効に活用しましょう。冷蔵庫のように、扉を開けてから「何にしようかな?」と考える使い方は、家庭用冷凍庫には向いていません。考えてから扉を開ける癖をつければ、開閉回数はかなり減らせるでしょう。

 

なぜ家庭用冷凍庫の開閉が少ないほうがいいのか?

ではなぜ、家庭用冷凍庫の開閉は少ないほうがいいのでしょうか。冷凍庫の性能を十分に活かすためには、庫内の温度を一定に保つことが重要です。開閉の回数を減らすことで、室内の暖かい空気が冷凍庫に入るのを抑えられます。冷凍庫は温度が上がってしまうと、庫内を設定した温度に保つために多くの電力を必要とします。これが電気代が上がってしまう原因です。

これは、一般的な冷蔵庫にもいえることではありますが、その度合いは冷蔵庫の比ではありません。家庭用冷凍庫は1ドアタイプのものが多く、一度ドアを開けるだけでも庫内全体が室内の空気に当たってしまいます。一方、一般的な冷蔵庫は複数のドアで構成されているものが多く、室内の空気に当たるのは最低限で済むのです。

 

家庭用冷凍庫の庫内の温度を一定に保つためには?

庫内の温度を一定に保つためには、入れる食品の温度にも注意を払う必要があります。入れた瞬間に庫内の温度が上がってしまうような食品は、ワンクッション置いてから入れたほうが賢明です。調理済みの食品を入れる場合は十分に冷えてから入れる、冷蔵庫で冷やしてから入れるなど、工夫することで庫内の温度を極端に上げずに済むでしょう。これは電気代の節約にも有効ですが、ほかの冷凍している食品を傷めないためでもあります。面倒くさがらずに食品の温度を必ずチェックしましょう。

また、冷凍するものをすき間なく詰めることも大切です。これは、冷凍庫と冷蔵庫の明確な違いでもあります。保冷剤をイメージしてみましょう。たくさんの保冷剤を詰めたクーラーボックスは長時間にわたって低い温度を保つことができます。

しかし、小さな保冷剤1個でクーラーボックス全体を低い温度に保つことはできません。そればかりか保冷材はすぐに溶けてしまい、効率が悪いクーラーボックスとなってしまいます。冷凍庫においては、凍った食品が保冷剤だと考えるといいでしょう。すき間なく詰めることで食品同士が保冷し合い、少ない電力で大きな保冷効果が得られます。

 

家庭用冷凍庫の設置場所も電気代に影響する

これだけでもかなりの電気代節約となりますが、使用方法による節電には限界があります。より効果的な節電を望む場合は、設置場所の条件を考えてみることも必要です。家庭用冷凍庫は多機能冷蔵庫などとは異なり、基本的に一度温度設定をしたらそのまま使い続けるケースが多いものです。

そのため、設置場所の条件が電気代に大きな影響を与えます。たとえば、西日が降り注ぐような場所は理想的な設置場所ではありません。強い西日が少なからず庫内の温度を上げてしまいます。キッチンの条件に恵まれない場合は、家庭用冷凍庫はあくまでも保存用と割り切り、日の当たらない倉庫などに設置するのもひとつの方法です。

 

電力会社の切り替えも節約に有効

しかし、これらの方法を実践しても満足な節約にはならないということもあります。そんなときは、思い切って電力会社の切り替えも検討してみましょう。かつては住んでいる地域によって決められていた電力会社も、自由化が進んで自分で選べるようになりました。この方法であれば、電気代そのものを安く抑えることも可能になります。家庭用冷凍庫を設置すれば、月1000円程度とはいっても電気代が上がることは間違いありません。

それなら月1000円以上安くなる電力会社に切り替えるのも選択肢のひとつといえるでしょう。電力会社を切り替えることで電気代が安くなり、家庭用冷凍庫の使用によって食費が節約できるのなら、まさに一石二鳥ですね。

4.ポイントはどこ?電気代が安い家庭用冷凍庫の見分け方

どんなに使用方法に気をつけていても、もともと電気代がかかる家庭用冷凍庫であれば節約の効果も半減してしまいます。まずは、電気代が安い家庭用冷凍庫を選ぶことが先決です。冷却方式は、家庭用冷凍庫の電気代にもっとも関係があります。家庭用冷凍庫には、直冷式とファン式という2つの冷却方式があり、どちらの方式を採用しているかによって電気代が変わってくるのです。購入を検討する際には、冷却方式がなんであるかを確認しましょう。

 

直冷式

直冷式は、冷凍庫内に冷却器を設置して、庫内を直接冷やす方式です。庫内を満たした冷気は自然対流により食品を冷やします。消費電力も少なくて済むため、電気代は安い傾向にあります。直接食品に冷気が当たらないため、食品の鮮度を長く保持できることもメリットといえるでしょう。直冷式の冷凍庫にはファンがついておらず、運転音は静かです。

しかし、ファンによる自動霜取りは行われません。そのため、年に数回の霜取り作業が必要になります。扉を開けたときに大量の霜がついていたという経験があれば、その冷凍庫は直冷式です。直冷式を選ぶのであれば、霜取りの手間がかかることとその都度庫内を空っぽにする必要があることを理解しておきましょう。また直冷式は、庫内における冷え方にムラが出ることもあります。

特に、冷却器に直接触れている箇所はよく冷えますが、庫内中央部分などは極端に冷えが悪いため、食品の保存には注意が必要です。また、ファン式と比較すると冷却スピードが遅いため、特に使い始めは冷えるまでの時間を考慮して稼働させましょう。

 

ファン式

ファン式は、壁で仕切られた冷凍庫の奥に冷却器を設置し、ファンの動力で冷凍庫内へ冷気を送って冷やす方式です。直接冷気が庫内に入り込まないので、霜取り作業の必要がないというメリットがあります。電気代は直冷式よりも高くなる傾向ですが、それを霜取り作業の手間代と考えることもできるでしょう。ファンによって冷気を庫内にまんべんなく流すため、食品を均一に冷やせる点もファン式のメリットです。

一方、デメリットとしては、ファンによる運転音の大きさが挙げられます。この問題点に関しては、静音設計の製品を選ぶことで軽減できます。また、庫内を流れる冷気が食品に当たってしまうため、鮮度保持では直冷式が優位とされています。ファン式を選ぶのなら、未開封の冷凍食品の保存や比較的短期間の保存に使用するといいでしょう。

 

実際の電気代はデータにあらわれないところが大きく影響

もちろん、製品情報として消費電力量や電気代の目安なども見分け方のポイントになります。なるべく電気代を安く抑えたいというのであれば、直冷式で消費電力量が少ない冷凍庫を選べば問題はありません。

しかし、これはあくまでも机上の論理です。実際の電気代はこのようなデータにあらわれないところが大きく影響することがあります。一般的に、家庭用冷凍庫は1ドアであり、上開き式と前開き式があります。上開き式は箱を開けるように上面の扉を上へ引き上げて開けるタイプです。前開き式は一般的な冷蔵庫と同様、手前に扉を引いて使用します。家庭用冷凍庫の多くは前開き式ですが、容量が大きくなると上開き式も選択肢に入ってくるでしょう。

 

●開閉方式

実はドアの開閉方式によっても電気代は変わってきます。上開き式は、冷凍庫の広い面を大きく開けることができ、庫内をしっかりと見渡せるので、大量の食品保存には非常に便利です。

一方、開口部が広いために庫内の冷気が逃げやすく、元の温度に戻すために電力を使用します。その点、前開き式は上開き式よりも温度を戻すために使用する電力量は少なくて済みます。冷気も逃げにくく、節電に一役買ってくれるでしょう。

もちろん、前開き式のほうが電気代が安いと一概に断定することはできません。開閉方式に関しても、結局は開閉回数や扉を開けている時間の長さなど、使用する人によって電気代に違いが出てくるからです。

 

●庫内の間仕切りの数

そしてもう1点、忘れてはいけないチェックポイントは、庫内の間仕切りが適切な数であることです。冷凍庫の使いやすさや機能性を考えると、どうしても「間仕切りがたくさんあったほうがいいのでは?」と思ってしまいますよね。しかし、冷却効率から考えると、間仕切りが多すぎるのはメリットとはいえません。間仕切りはその箇所のみを冷やすのであれば非常に効率的です。

しかし、冷凍庫は基本的に庫内全体を冷やす前提でつくられています。庫内にまんべんなく冷気を送るにあたって、多すぎる間仕切りは邪魔になってしまいます。また、便利なはずの間仕切りが使い勝手を悪くしてしまうことも少なくありません。家庭用冷凍庫は冷蔵庫とは異なり、入れるものは大きなものが中心となります。

間仕切りは細々としたものを分けるには便利ですが、大きなものを入れる際にはむしろ不便です。使い勝手の悪さは扉を開けている時間を長くしてしまいます。データとしての消費電力量や仕様も大事ですが、使い勝手の良し悪しが結果として電気代に影響することも忘れてはなりません。

 

5.新しい冷凍庫は電気代の節約になる?買い替えたほうがお得?

冷蔵庫は買い替えでお得に

「冷蔵庫は壊れる前に買い替えたほうがお得」という話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。もちろん、冷蔵庫が壊れてしまえば日常生活に支障が出ます。壊れる前に買い替えたほうがいいのは当然といえるでしょう。

しかし、こういわれるのはそれだけではない理由があります。それは、しい製品のほうが電気代が安くなるケースがあるからです。これは、家庭用冷凍庫にも同じことがいえます。かつて、冷蔵庫や冷凍庫は多くの電力量を消費する家電として認識されていました。時代は変わり、省エネに対する意識の高まりと比例して家電はどんどん省エネ仕様に変化してきています。

内閣府による消費動向調査では、冷蔵庫の買い替え年数の平均は10年となっています。同等容量の冷蔵庫であれば、10年間で年間消費電力量は500kWhほども少なくなっている場合があります。これは電気料金に多少の変動があることを加味しても、1 kWhあたりの電気料金を27円とすれば年間1万3500円程度の電気代が安くなる計算になります。少なくとも10年使用すると仮定すれば、冷蔵庫の買い替えは十分お得といえるでしょう

 

家庭用冷凍庫は冷蔵庫の電気代節約効果に有効

では、家庭用冷凍庫ではどうでしょうか。冷凍庫も冷蔵庫と同様、かなりの省エネ化が進んでいます。しかしながら、主流となっている120~150Lの家庭用冷凍庫における年間電気代が1万円を超えるのに対し、冷蔵庫の年間電気代は500Lクラスでも5000円前後です。

このように、冷蔵庫と比較すると家庭用冷凍庫の電気代は決して安いとはいえません。しかし、家庭用冷凍庫を設置することによって、冷蔵庫買い替えの際にはさらに消費電力量の少ない冷凍室が小さい製品でも問題はなくなります。新規で家庭用冷凍庫を購入するのであれば、冷凍庫そのものによる電気代の節約効果よりも、ゆくゆくは買い替えが必要になる冷蔵庫の電気代節約効果を狙ったほうがいいかもしれません。

もちろん、すでに家庭用冷凍庫を所有していて、その製品が製造から10年以上経過しているといった場合は、冷凍庫を買い替えたほうが電気代の節約になるでしょう。 しかし、電気代の節約だけの目的で冷凍庫を買うのは避けたほうが賢明です。冷凍庫はあくまでも、冷凍によって食品を長期保存することに対するメリットを重視して購入しましょう。

家庭用冷凍庫は冷蔵庫と比較して流通量が少なく、決して安い買い物ではありません。購入後には月1000円程度の電気代もかかります。家庭用冷凍庫があれば、食べ物であふれかえっている冷蔵庫内の食品を冷凍して保存することができますし、安売りのときに冷凍食品を大量に購入することもできるでしょう。トータルで見れば、節約になる要素もたくさんあります。そうはいっても、新規購入となれば出費が余計にかかってくることは間違いありません。

もちろん、電力会社の切り替えなどで対策を講じた場合はその限りではありません。場合によっては以前よりも安くなる可能性もあります。電気代の節約を考えるときは、とにかくその製品にかかる電気代を安く済ませたいのか、その製品を購入することで起こる相乗効果に期待したいのかによって判断が変わってくるものです。新しい冷凍庫だからといって電気代が安くなるとは思わず、そのほかの方法も組み合わせてトータルで電気代を安く抑えるよう心がけましょう。

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https://kurashinista.jp/column/detail/4931

6.家庭用冷凍庫の電気代節約、結局何が効果的?

家庭用冷凍庫はとても便利な反面、月1000円程度の電気代がかかり、決してメリットばかりとはいえません。しかし、使い方次第では支払う電気代以上のメリットを感じることもできるのです。開閉の回数をなるべく少なくして庫内の温度を一定に保つことを意識するだけでも電気代は変わってきます。熱いものを入れないこと、たくさんの食品を密に詰めることなど、日々の使い方で冷凍の効率をよくすることも効果的です。

しかし、実際の生活では理屈でわかっていてもそのとおりにはいかないことも多々あります。料理が完全に冷めるまで待っている時間がないこともありますし、詰めている食品を一度すべて使い切りたいときもあるでしょう。 それらの問題をすべてクリアにするためには、電力会社の切り替えが非常に効果的です。電気代の節約は節電にもつながるので、環境にとっても意義があります。

しかし、日々の生活に不便を感じるほどの節約は生活の質を低下させてしまうと同時に、精神的な負担も大きくなります。電力会社を切り替えることで電気代そのものが安くなれば、「電気代の節約に励まなきゃ」というプレッシャーからも少なからず解放されるでしょう。精神的なゆとりが生まれ、それが結果として家計全体の節約につながる可能性もあるのです。

かつては公共的な意味合いが強かった電気料金ですが、2016年4月から始まった電力自由化により、電気代を賢く節約している人が増えてきました。節約できた金額は実に、年間で平均1万8000円と大きなものです。 家庭用冷凍庫にかかる年間の電気代が1万円だとしても、1万8000円の節約ができれば大幅なプラスになります。

もちろん、これはあくまでも一例ですが、電力の使用状況によってはこれほどの節約効果が得られるということです。電気代を大幅に節約するためには、日常における電気の使い方を考えることに加えて、電気代の見直しも必要です。まずは、現状をしっかりと把握し、そのデータをもとに電力会社を切り替えた場合の電気代をシミュレーションしてみましょう。想像以上にうれしい金額が算出されるかもしれません。

それでも、電力会社の切り替えには不安も伴いますよね。選べる電力会社の幅はとても広く、それぞれに特色があります。解約違約金が発生しない電力会社が多いので、自分に合う電力プランをじっくり選ぶことが大切です。「電気代がかかるから」という理由で家庭用冷凍庫の購入を断念する必要はありません。電力会社の切り替えで電気代を節約し、家庭用冷凍庫を有効活用しましょう。

 

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