家にいるときは、なんとなく常にテレビをつけているという家庭は多いのではないでしょうか。
しかし、大人にとっては“なんとなく”でも、実は乳幼児にとっては、テレビの刺激は強すぎるということがあるのです。
そこで今回は、乳幼児がいる環境での“テレビとのつき合い方”についてご紹介します。
2歳以下のテレビ視聴はとくに要注意!
アメリカや日本の小児科学会は、「2歳以下の乳幼児がテレビやDVDなどのメディアを長時間視聴すると言葉の発達が遅れる可能性がある」と提言していることをご存知ですか?
テレビやDVDなど、子ども用に作られた教育的なものであっても、2歳以下の乳幼児の長時間視聴は避けたほうがベター。
第一、子どもが映像を見て学んでいるように見えても、テレビやDVDなどのメディアは受動的なので、ただ映像が流れていくのを眺めているだけにすぎません。
そればかりか、視聴者側の呼びかけに反応するなどといった双方向のコミュニケーションが取れないため、コミュニケーション発達の遅延につながる可能性もあるのです。
また、悪影響はそれだけではありません。
乳幼児は遊ぶことで成長に大切な想像力を養い、物質の法則などを学びます。けれど、テレビのついている環境では遊びに集中することができません。
テレビを見ていないようでも、CMになると、パッと画面を振り返る子どもの姿を見たことはありませんか?
見ていないようでも、子どもの意識は多少なりともテレビに向いており、気になるところがあるとテレビを見てしまうのです。
そのため、テレビをつけっぱなしにすることによって、発達に必要とされる「遊ぶ」という行為にあてるべき貴重な時間を子どもから奪ってしまうことになりかねません。
また、夕方から夜にかけてテレビを見ると、子どもの睡眠障害の原因になることもあるため注意が必要です。
テレビをつけると子どもはおとなしく見ていてくれるので、家事などがしやすくなるのでついつい頼ってしまいがちですが、ずっとつけっぱなしという環境は、とくに2歳以下の子どもには適していないと言えます。
もちろん、食事を用意する間にちょっとテレビを見せるなど短時間であれば問題ありませんよ。
また、乳幼児が起きている時間は、睡眠や生活に必要な時間を除くと1日5時間ほどしかありません。
だからこそ、この時間に、しっかりと親子のコミュニケーションを取ったり、絵本や工作をしたり、外で遊んだりしたほうが子どもの成長にとってよいと思いませんか?
乳幼児のいる環境でのテレビとのつきあい方
テレビやDVDなどのメディアから何かを積極的に学べるようになるとされているのは、3~4歳以降といわれています。
しかし、2歳前後から、幼児番組を見ながら体を動かしたり、好きなアニメキャラクターができますよね。
なので、あんまり神経質にならずに、この頃から長時間ではなく少しだけ見せるというのはOK。
ただし、視聴する際のルールは決めましょう。
ここでは、メディア視聴のルールの一例をご紹介します。
【メディア視聴のルール】
・テレビやDVDなどをつけっぱなしにしない
・出来るだけ親子で一緒にみる
・番組を決めてみせる(暴力的なコンテンツや性的なものは避ける)
・外遊びやおもちゃ遊び、絵本を読む時間を確保してからみる
・食事のときはテレビをつけない
・テレビを見ながら他の遊びを始めたら、テレビを消す
・夕方以降はテレビをみせない(睡眠障害を避けるため)
・メディアを視聴する時間を決めておく
幼児番組は子どもによいものと思い、ついつい何時間でも見せてしまいがちですが、小さい子どもは情報を処理できないため、悪影響のほうが大きいよう。
そのため、大人が見たい番組がある場合にも、できるだけ子どもが寝たあとなどに見るのがベストです。
子どもが少し大きくなれば、テレビやDVDなどのメディアから学ぶこともできるようになるので、そのときこそ育児の強い味方になってくれます。
けれど、大きくなっても長時間視聴は禁物。
外遊びや絵本の時間など、ほかの遊びの時間を確保した上で、テレビなどのメディアとうまくつき合っていきましょう!
<プロフィール>
たいらまお
フリーライター
大学時代に教育学部で言語学・教育学・心理学などを学ぶ。大学卒業後、教育関連企業に就職。退職後カナダに渡り、留学カウンセラーとして働く。現在は帰国し、子育ての傍らフリーライターとして、子育て・恋愛・旅行関連の記事など幅広く執筆活動を行っている。
写真© ucchie79 - Fotolia.com
フリーライター
大学時代に教育学部で言語学・教育学・心理学などを学び、教育関連企業に就職。退職後カナダに渡り、留学カウンセラーとして働く。帰国後、子育ての傍らフリーライターとして、子育て・恋愛・旅行関連の記事など幅広く執筆活動を行っている。
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