良質なオイルやビタミンEなどの栄養素を含み、美肌作りや生活習慣病予防にうれしい効果満載のくるみ。
和食にもスイーツにも使える便利素材ということもあって人気ですが、このくるみ、食べすぎると逆に健康を損なうことになるとか…?
くるみとは?
ナッツ類の中でも、その食感やおいしさで特に人気の高いくるみは、栄養満点の木の実です。
そのまま食べるのはもちろん、砂糖やチョコレートなどでコーティングしてもおいしく、ケーキやソースに幅広く使える食材ですね。
くるみは古い歴史を持つナッツで、紀元前から食べられていたという説もあります。
いま日本売られているものは、アメリカ西海岸や中国を主な生産地とする「ペルシアグルミ」と呼ばれる西洋品種の1種だそう。スーパーなどでも、すでに殻を割って身だけにした食べやすいものが手軽に購入できます。
国産のくるみもあり、主な生産地は長野県です。大ぶりで皮が割りやすい「シナノグルミ」という品種が有名です。
くるみの栄養素や効能は?
くるみには脂質が多く含まれ、なんと、実の約70%を占めるのが脂質です。
脂質と聞くと、カロリーが高そうとか、太りそう、吹き出物に悩まされそう、などというイメージかもしれませんが、このくるみの脂質は「不飽和脂肪酸」の1種であるオメガ3という良質な脂肪。
この脂肪には、リノール酸やαリノレン酸が含まれているため、血液をサラサラにする働きが期待でき、生活習慣病の予防になるのではと言われています。
脂質が多いため、カロリーも高めですが、ビタミンやミネラル類も豊富に含まれているので、様々な健康効果が期待できるのです。
その代表的なものについて書いてみます。
・血液サラサラ効果
脂質が多いのになぜ?と思うかもしれません。
くるみを摂取することで、体内の悪玉コレステロールや中性脂肪の数値が下がったという研究結果があるのです。
青魚の脂質と同じく、オメガ3という良質な脂肪は、健康効果を高めるんですね。
・便秘解消
くるみに含まれる不溶性食物繊維を適量摂取すると、便秘を改善することができます。
便のカサを増やしたり、腸内を刺激することで排便を促してくれるのです。
また、腸内の善玉菌のエサとなって腸内環境を整えてくれるのもありがたいですね。
・美肌効果
αリノレン酸が多く含まれるくるみ。このαリノレン酸、オメガ3脂肪酸の一種で、代謝をアップする働きがあります。
代謝がよくなると、肌のターンオーバーを整え、シミができにくくくなったり、キメが整ったりと嬉しい効果が。
・脳の活性化
「認知症の予防にくるみが良い」と聞いたことはありませんか?
くるみに含まれる脂肪のオメガ3は、体内で、’’頭をよくする’’と一時期話題になったDHAという物質に変換され、脳の活性化を促してくれるようです。
・アンチエイジング
活性酸素の働きを抑えたり、体の老化を防ぐと言われるビタミンEを含有しているので、アンチエイジング効果も期待できます。このビタミンEは脂溶性ビタミンなので、油といっしょに摂取すると、より吸収がよくなるそうです。
・糖質の代謝に働きかける
くるみは低糖質ダイエットの強い味方です。
というのも、ビタミンB1は、糖質からのエネルギー産生を手助けしてくれるビタミンだから!
摂取した糖質を効率よくエネルギーに変換させてくれれば、脂質となって体内に蓄積されることもなくなるはずですね。
くるみの適切な摂取量は?
そんな体に良いくるみ、1日の適切な摂取量はどのくらいなのでしょう?
大きめのくるみ1個は大体3g前後で、カロリーは20kcal程度です。
つまり、10個食べると200kcalに。
大体ご飯を軽く1杯食べたのと同じ熱量ですね。
身体にいいからといって食べ過ぎると、当然太ってしまうこともあるので適量を心がけてください。
一日に必要な不飽和脂肪酸の量が1.6〜2.4gとされていることから、
それをくるみだけで摂取するとなると、量的には18〜25gほど。
大きめの実で7~8個、ということになります。
カロリーは150~160kcalということになりますが、嗜好品なので、この程度で十分ではないでしょうか?
小腹のすいたときにおやつに食べたり、サラダのトッピングにしたりというような食べ方をすると、適量を継続して摂取できますね。
購入するときは、余分な塩分や脂質を摂取することがないよう、できれば食塩無添加でノンフライのタイプを選んでください。
また、くるみに含まれている、健康効果が期待されるαリノレン酸は、とても酸化しやすいので、できるだけ殻付きのものを購入して、自分で割って食べるのが理想です。
殻からはずしたものを購入する場合は、鮮度に注意して、なるべく新しいものを選びましょう。
くるみを食べ過ぎるとどうなる?
いくら健康に良いものでも、食べ過ぎては弊害が… くるみの食べ過ぎで予想されるデメリットにはどんなものがあるでしょう。
・太る可能性
上で書いたように、くるみのカロリーは結構高めです。
おいしいからといって、100gも食べてしまっては、700kcal近く摂取することに。
これはいくらなんでも食べ過ぎです。
毎日続ければ、くるみのせいで太った、ということになりかねません。
・腸内環境が悪化する可能性
食物繊維が豊富なくるみは、確かに便秘予防に役立つのですが、それは適量を食べた場合の話です。
便秘に効くからと言って食べ過ぎては本末転倒。
不溶性の食物繊維を過剰摂取すると、便が硬くなり、便秘を悪化させてしまうことも。
くるみに限らずですが、食物繊維の過剰摂取には注意が必要です。
また、くるみの脂肪分が影響して、胃腸内でと脂と水分が分離してしまい、食べたものをきちんと消化できなくなって腹痛や下痢をおこす原因にもなりかねません。
・吹き出物や肌荒れの可能性
脂肪分の多いナッツ類を食べ過ぎれば吹き出物ができやすくなるのは当たり前。
くるみがいかに健康効果が高くても、やはりそこのところは変えようがないんですね。
ただ、ナッツ類全般に言えることですが、吹き出物や肌荒れを引き起こすのは、ナッツ自体が持っている脂質ではなく、加工する際の油分が原因だという説も。
くるみを選ぶときは、加工に油脂が含まれていない、できるだけナチュラルなものを選ぶのが良いでしょう。
くるみのおすすめの食べ方は?
いちばん手軽なのは、おやつとしてそのままつまむことです。
1日の適正な摂取量は10粒程度なので、お茶の時間に甘いものやでんぷんを使ったお菓子などをつまむよりは、くるみを食べたほうが健康効果も期待できます。
殻ごとのくるみ手軽には購入できないかもしれませんが、ネットショップなどでは無添加のものがよく販売されています。
また健康食品店では、殻からはずした状態で、さらに無添加のものが販売されていることも多いので、そういった店での購入が安心です。
生のくるみは甘みがあって香ばしく、何もしなくてもおいしいものですが、そのままではものたりないという人は、塩やはちみつなどをかけたり、シリアルとまぜて朝食に食べたり、ヨーグルトに入れるのも良いですね。
くるみの割り方は?
殻付きのくるみを買った場合は、中の実を取り出すためにどうしたら良いのでしょうか。
「くるみ割り」を使う
ペンチのようなくるみ割り器があれば簡単です。
ペンチの先にくるみをはさんでぎゅっと握ればすぐに割れるでしょう。
中の実までつぶさないように、殻だけを割るテクニックを身につけてください。
また、ハンマータイプの場合も同じく、中の実まで叩き割ってしまうことのないように、注意しましょう。
渋木製作所 くるみ割り器 852068/渋木製作所
ペンチ式で、誰でも使いやすいくるみ割り器です。
キッチンばさみで
キッチンばさみの刃と持ち手の間の部分に、くるみ割り用のスペースがあるものであれば、そこに殻をはさんで割ることができます。
殻を柔らかくして
くるみ割り器がない場合は、くるみをひと晩水に浸けて、殻をやわらかくするという方法もあります。
水に浸して柔らかくなったくるみの水気を拭き取り、フライパンで殻を軽く煎ると、殻のつなぎめに隙間ができます。
この隙間にドライバーなどを差し込み、こじ開けるのですが、成功率が低いようなので、できればくるみ割り機の購入をおすすめします。
水につけて乾煎りまでした段階なら、金槌で叩いても割ることができるようなのですが、周りに割れた殻が飛び散るので、この場合は床にタオルなどを厚く敷き、その上に紙袋、ビニール袋と重ねて置き、その中で殻を割るようにすると良いでしょう。
このときも、くれぐれも実をたたきつぶすことのないように、注意しながら殻だけを割るようにしてください。
中の身が出てきたら、そのまま食べることができます。
渋皮がついていますが、これはそのまま食べて問題ありません。
くるみを使ったおすすめレシピが知りたい!
暮らしニスタに届いたくるみを使ったレシピで、健康に良いくるみをあきずに食べ続けましょう。
【寒くなったこの時期に!】「腎」の強化で体ぽかぽか☆えびとクルミのカレー豆乳スープ
【材料 (2人分)】
くるみ…15g
えび…6尾
ブロッコリー(小房)…約50g
コンソメキューブ…1個
水…300ml
豆乳…200ml
カレー粉…小さじ1
塩・胡椒…各少々
バター(無塩)…10g
豆乳ベースのスープにくだいたくるみを入れて。食感も楽しいくるみのスープです。
2019.11.12急に寒くなり、風邪や体調不良が心配です💦そんな時には、「腎」を温めるのが1番‼︎「腎」とは、五臓の1つで体の要なんです。そこで、くるみとえびを使ったヘルシースープのご紹介♪☆胡桃(クルミ)の栄養と効能☆糖質のエネルギー代謝...続きを見る
トースターで簡単!おつまみにもぴったり♡ツナカレーのなすボート
【材料 (なす 1本分)】
なす…1本
ツナ缶…1/2缶
玉ねぎ…1/4個
マヨネーズ…大さじ1
カレー粉…小さじ1/2
ピザ用チーズ…適量
くるみ(無くてもOK)…15g
なすを丸ごと使ったなすボートは、トースターでこんがりと仕上げます。
簡単なのにボリュームがあり、カレー味のツナマヨがとろとろのなすと相性抜群です。
2019.07.17なすを丸ごと使ったなすボート!仕上げは、トースターで★とっても簡単なのに、ボリュームある1品。カレー味のツナマヨがなすととても合います♡続きを見る
フライパンで簡単★黒糖とクルミのバウムクーヘン
【材料 (4~5人分)】
薄力粉…200g
牛乳…200cc
卵…2個
黒糖…70g
バター(マーガリン)…60g
ベーキングパウダー…小さじ1
くるみ…50g
油…少々
フライパンで簡単に作れるバウムクーヘン。黒糖のやさしい甘さの中に、クルミがたっぷり入っています。
2019.02.26フライパンで簡単に作れるバウムクーヘンです。黒糖にクルミたっぷり~おやつにぴったりです♪続きを見る
まとめ
くるみにこんなに色々と栄養効果が詰まっていたとは。
日頃あまり意識しなことのない食材ですが、これからはアンチエイジングや脳の活性化を意識して、1日10粒を目安に積極的に食べていきたいですね。
文/伊波裕子
コメント
全て既読にする
コメントがあるとここに表示されます