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コラム

ミラノから行く小旅行 vol.3北イタリアの古都パヴィアを訪ねて「レストランと宿」情報

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ミラノから行く小旅行  vol.3北イタリアの古都パヴィアを訪ねて「レストランと宿」情報

人気暮らしニスタ、曽布川優子さんによる北イタリアの古都パヴィアを巡るレポートの第3弾!
最終回となる今回は、現地の方が一押し!のレストランと宿について紹介してくれます。

*yuko*(曽布川優子)さん

 

まずはパヴィアの旧市街にあるトラットリアから。

パヴィア旧市街にある人気のトラットリア「ラ・トーレ・デッリ・アクイラ(鷲の塔)」



「ラ・トーレ・デッリ・アクイラ(鷲の塔)」という名前の人気のトラットリアです。
その名前の通り、高い塔の中にありました。

 

まずは、パヴィアのDOP指定のサラミ、サラーメ・ディ・ヴァルジをつまみます。

アンティパストはアヒル肉。この辺りはアヒルやガチョウを飼育していて、よく食べるそうです。イタリアではアヒルのことをアナトラといいますが鴨もそう呼びます・・・。同じ扱い!? 笑
写真はよく動かす首の部分を使ったアヒル肉のテリーヌ風で、アーモンドや松の実などのナッツ類とドライフルーツが入っています。

プリモピアット(前菜と主菜の間に出る料理のことで、第1の皿という意味)はお米の産地パヴィアらしくアスパラガスのリゾット。

セコンド(2皿目である主菜)はうさぎ肉の詰め物。うさぎもイタリアでは普通に食べます。
つけ合わせの人参のスフレが非常に美味でした。

食後酒のモスカートをいただきながら…

ドルチェはパヴィアが発祥のトルタ・パラディーゾを。

トルタ・パラディーゾのレシピはこちらで紹介しています。

天国のケーキ? 北イタリアパヴィア発祥のトルタ・パラディーゾ

2019.07.12

編集部コラム「北イタリアの古都 パヴィアを訪れて②〈食の世界〉」に出てくるお料理のレシピです。https://kurashinista.jp/column/detail/4939北イタリアの パヴィアという街の小さなケーキ...続きを見る

グリーンのドアが特徴的な旧市街地のトラットリア。
地元の雰囲気やおいしいものが味わえる気さくなお店です。

la torre degli Aquila
Corso Str. Nuova, 20, 27100 Pavia PV, Italia
+39 0382 27393

パヴィア旧市街のおしゃれなレストラン「Lino(リノ)」

同じくパヴィア旧市街のおしゃれなレストラン「Lino(リノ)」です。

 

すごくモダンな店内で洗練されています。

アンティパストはアランチーニ。

プリモは、手うちパスタ・ピサレイ。
「ピサレイ(Pisarei)」は生地にパン粉を加えて作るのが特徴です。
サフランとレモン風味のピサレイに、ソースはラグーとストラッキーノチーズです。

スイーツみたいなセコンドは、黒トリュフ入りのステーキ、赤ワインで煮た玉ねぎ添え。

おしゃれなズッパイングレーゼ。
店内も お料理もおしゃれで 伝統的な要素を取り入れながらも現代的にアレンジされていました。

Ristorante Lino
Piazza del Lino, 15, 27100 Pavia PV
+39 0382 180 3920

ビスコンティ城の中庭でのディナー

レストランではありませんが、ビスコンティ城の中庭でもディナーをいただきました。

この日はPavio del Ticino(パヴィオ デル ティチーノ)というお祭りの初日で、特別にご招待していただきました。
中世の衣装を身にまとった人々がお出迎えです。

アペリティーヴォは中庭に設置されバイキング形式で。

ジャルディニエラという野菜の酢漬け アリーチという魚の酢漬け
地元のチーズ グラナ・パダーノ。

すっかり日が暮れて、22時過ぎから着席してのコース料理が始まりました。
プリモピアットは リゾット・アッラ・エルベ・アロマティカ。地元のクレモーゾというチーズとフランチャコルタというスプマンテで味付け、香草をきかせたリゾットです。

セコンドは低温で時間をかけて茹でた牛肉とジャガイモのソースに、ホウレン草のスフォルマート添え。

ドルチェは和菓子を思わせるような形のラズベリーとチョコレートのムース。

今回の料理を作られたシェフ。カルロ氏は地元では有名なシェフ。
お嬢様が日本で仕事をしていて日本びいきだそうです。
どれも繊細さが感じられおいしいお味でした。

次にパヴィア郊外のレストランに移ります。

パヴィア郊外のレストラン「L'OCA CIUCA(酔っぱらいのガチョウ)」

パヴィアから38㎞離れたヴィジェーヴァノの街にある「L'OCA CIUCA」というレストラン
「酔っぱらいのガチョウ」という面白い名前の店です。

パンは米の産地だけあって、米粉を使っているものもあります。

初めのアンティパストはボラージネというハーブのフラン、パルミジャーノのクリーム添え。

 

サルーミの盛り合わせ。
サラミというと豚で作りますが、こちらではガチョウのサラミです。
右はこの地方の特産物でもあるサラ―メ・ドーカ・ディ・モルターラで、ガチョウの皮にガチョウのひき肉を詰めて加熱して作るサラミです。
真ん中はパテ、左はサラミ・ディ・ヴァルジとガチョウのブレザオーラです。

リゾット・サン・マッシモ。
カエルの肉とブッラータというチーズが入っています。
そうこの辺りは水田が多いのでカエルも飼育していてカエル料理もあります。

l'OCA CIUCA
Via XX Settembre,37
27029 Vigevano(PV)
+39 0381348091

注目のレストラン「CASCINA VITTORIA(カシーナ・ヴィットリア)」

Rognano(ロニャーノ)という街にある、話題の最も注目されているレストラン。「CASCINA VITTORIA カシーナ・ヴィット―リア」です。かわいらしい店構え。

敷地内には果物の木やナスなどの野菜ハーブが育てられていました。

ガチョウやニワトリが放し飼いされていて、店の入り口では生みたて卵が売られています。

焼き立てのパンがいただけます。

そしてその隣には パネットーネ・・・えっなんでこの時期にパネットーネ?
パネットーネはイタリアのクリスマス時期に食べるお菓子パンです。
季節感を大切にするイタリア人が季節外れのものを…と思いましたが、これはシェフのこだわりの一つです。パネットーネはおいしいから一年中食べたいということで、季節の食材を入れて 特別の配合で柔らかくふかふかに作っているのだそうです。
このパネットーネ1個50ユーロもしますが、賞を獲得したことで今では注文が殺到しているそうです。

レストランは清潔でシンプルな装いです。窯もあって、夜はピッツァの提供もあります。

斬新な発想と芸術的な料理を作る若きシェフ、ジョバンニ・リッチャルデッラ氏。
イタリアで今最も注目を浴びている若手シェフです。

パンもホカッチャもグリッシーニも粉にこだわった手作りだそうです。

アンティパストは、茄子のミルフィーユ 3つの食感のパルミジャーノソースがけ。
パルミジャーナという茄子の料理を彼なりにおしゃれにアレンジ。
トマトで味付けした茄子に温かいパルミジャーノのソースと、冷たいアイスのようなパルミジャーノをのせ、一番上にカリッとしたパルミジャーノ。
これを4~6等分に切ってスプーンで全部一緒に食べます。
冷たくて温かくカリッとした食感のパルミジャーノが茄子のおいしさを引き立てます。

プリモピアットは「Risotto Riso Buono alla asparago verde 360°。」
おもしろいネーミングなのでイタリア語で書いてみました。
直訳すると「360度グリーンアスパラを使ったおいしいお米を使ったリゾット」
アスパラの固い部分も、むいた皮も、アスパラの360度!全方向から使ったリゾットです。
玉ねぎなどの他の野菜は加えずにアスパラのみで、仕上げのバターはほんの少しで仕上げるそうです。

セコンドは シェフの思い描くトンナータ。
トンナータは、仔牛肉に火を入れツナのソースでいただく料理。
これがトンナータ・・・なんてエレガント。
お皿がお花畑のようでした。

ベジタリアンの方のセコンドは ハチミツとジャムが添えられていた地元チーズの盛り合わせ。

ドルチェは 日本でも有名なティラミス。
サボイアルディクッキーも手作りで、卵は生みたてのものを使い、甘みは極力抑えているそうです。

お米は、リゼルヴァ サン マッシモ (Carnarolli Riseruva San Massimo)のカルナローリ米を使っているそうです。

調理場のスタップは、シェフをはじめみんな若者です。

マスコミにもたびたび登場する若きシェフ、ジョバンニ。
どれも、素材の味を大切にするこだわりの感じられるすてきなレストランでした。
パヴィアの修道院に行かれた後は このレストランでお食事・・・というコースはお勧めです。


CASCINA VITTORIA
Via Roma 26,Rognano(PV)
+39 0382923772

Rivanazzano Termeという温泉街にある「アルベルゴ リストランテ セルヴァティコ」

ホテルも併設のレストラン「セルバティコ」です。
このレストランは、日本人も修行に来たりしているそうです。

オーナー兼シェフ。ピエラさんからハーブで作ったというウエルカムブーケをいただきました。

とても清潔感のあるエレガントなレストランです。

またホテルも併設しています。
実はホテルのほうが歴史が長く1912年カントリーハウスとして始まったそうです。
ベットの木の部分や家具など年代のもので装飾されています。

シングルルームの様子。
ホテルはオーナシェフの娘さんご夫婦が管理されているそうです。

 

さて、このレストランではパンづくりを教えていただきました。

使った粉は Molini di Voghera社の「ファリーナ オルトレポー」で、厳選された小麦を使った地元の軟質小麦です。

 

こねて発酵させて、粉だらけになりながらパンとピッツァをみんなで作りました。

これは、香草の入った生地で作られたフォカッチャ。

クラッカーのような食感の薄い生地の「ストレーガ(魔女)」と呼ばれるピッツァなども、お手伝いしながら作り方を見学。

こんなにたくさんできました。教えてくれたのはシェフのもう一人の娘さんのミケーラさん。シェフとともにレストランで腕を振るっているそうです。

庭でとれたという花ズッキーニ。日本では見ない野菜ですね。

この花ズッキーニにチーズをはさんで卵とパン粉をつけてオーブンで焼いた料理を教えてもらいました。
南の方では、リコッタチーズとアンチョビをはさむのですが、地方によって違いますね。

またパン粉とボルジネという葉っぱ リコッタチーズで作るニョッキのような・・・

ロンバルディアの郷土料理、マルファッティの作り方を教わりました。

料理教室が終わるとお食事です。
ミントの香りがおいしいアペリティーボとピッツァをつまみながら・・

中央に、パンがいっぱい並んでいる庭のテーブルでいただきます。

アンティパストは地元チーズを使った3品。
先ほど作り方を習った花ズッキーニはグリンピースのソースが添えられていました。
瓶に入っているのは洋風茶わん蒸しのようなモンテボーレというチーズの甘くないプリン。

シェフの持ってるのがモンテボーレ段々になっているおもしろい形をしています。
牛と羊の乳で作らいるそうでレオナルドダヴィンチの大好物だったそうです。

プリモピアットは作り方を実践してもらったマルファッティとクレープのファゴッテーニ。クレープはビーツで色付けしたそうです。

バルゼ地方の牛肉のカルパッチョとサラダ。
とれたての生野菜がおいしくって おかわりしてしまいました。

地元のいちごの赤ワイン入りカスタードクリーム添え。
リヴァナッザーノ地方のいちごは水耕栽培だそうです。

いただいたワイン・・・右のボトルの注ぎ口に注目してください! 瓶が切れている!?? なぜかというと…

彼女がナイフでカットするというパフォーマンスをしてくれたからです!!
おいしいお料理と心温まるおもてなし。
お料理を教わったり歴史的な家具に囲まれて過ごす日々も素敵だなと思いました。


Albergo Ristorante Selvatico
Via Silvio Pellico,19-27055 Rivanazzano Terme(PV)
+39 0383 944720



リヴァナッザーノ・テルメの丘にあるアグリツーリズモ・キエリコーニ

 

小高い丘の上にある緑あふれるアグリツーリズモです。
アグリツーリズモ(Agriturismo)はAgri=農業 turismo=観光という意味で1960年に、イタリアで始まり、所有の施設を使って宿泊客を受け入れ、農業、自然や動物とのふれあい、乗馬やトレッキングなどのアクティビティを行う宿をさします。こちらは非常に重厚な構えの建物。

ぶどう畑や 果樹園に囲まれています。

この日は見れませんでしたが きれいな沈む夕日が見れるそうです。

家族経営のアグリツーリズモで経営者アルベルト・ルコッティさん(右)とおちゃめなお父さんがお出迎えです。

杏やアマレーナの木から、摘んで味見もできます。

アマレーナはサクランボの種類で 少し小粒で酸味が強い果実です。
果物はぶどう、イチジク、もも、りんご、柿、栗など。野菜は、玉ねぎ、ジャガイモ、ズッキーニ、トマトを作っているそうです。

ウエルカムドリンクにはサクランボがたっぷり。スプマンテにもサクランボを浮かべて・・・
このアグリツーリズモでは 一年中おもてなしがされていて、ケータリングや街の幼稚園や小学生対象にハーブや果物を植えたり、果物の摘み取りやジャムの作り方、昔ながらの素足でブドウをつぶすなど教育イベントも行っているそうです。
それらは、ロンバルディア州で農場教育として認められているそうです。

おじいちゃんのお話を聞きながらゆっくりアペリティーボを楽しんだ後は、アンティークなお皿が飾られたお部屋でディナーです。

手作りワインはリスニングの白、バルベラと、バルベラクロアティナなどのミストの赤2種類です。

アンティパストはインサラータ・ディ・ルッサ、ロシア風サラダ・・・イタリア風ポテトサラダです。

サラミの盛り合わせ。

ニョッコと呼ばれる 揚げピッツァとともにいただきます。

ズッキーニのトルタ トマトとバジリコのソースと・・・アンティパストを楽しんでいたらなんと孔雀があらわれたというので皆であわてて庭へ。

屋根の上を優雅に孔雀が歩いていました。
ネコや孔雀を自由に放し飼いにしているそうです。

アヒル肉のラグータリオリーニ。

セコンドは 豚ロース肉の香草で香りをつけたローストとグリルした野菜です。
ドルチェは クレーマ・ディ・シャンテとサクランボのソース。

今日おてなししてくれた皆さんで、真ん中のエプロンをつけた女性がシェフです。

こちらが経営者ルコッティ家の皆さん。
皆さん気さくでおもてなしも手際よく、楽しくおいしい時間を過ごすことができました。
野菜や果物の収穫のできる景色の素晴らしいアグリツーリズモでした。
こんなところでのんびり過ごせるといいですね。

Arriturismo Chiericoni
Cascina Chiericoni,6-Rivanazzano Terme(PV)
+39 0383 92957


パヴィアで宿泊した4つ星ホテル「HOTEL MODERNO(ホテル・モデルノ)」

ホテルは清潔で居心地いい空間。

パヴィア駅が目の前で、移動にもとても便利な4つ星ホテルです。

到着した日は、ホテルのバールでウエルカムドリンク。 
ロゼのキュヴェ・エレオノーラ・ジョルです。地元の食材を使ったおつまみを用意していただきました。

お部屋は、シンプルですごく清潔感にあふれています。

朝食はアンティークな大きな時計のある食堂で。

イタリア式朝食の甘いケーキやパンの他、外国人用にハムやサラダも用意されているバイキング式でした。
スタッフの方も みんな親切で居心地のよい時間を過ごせました。
また・・・

ホテルのそばに朝7時半から夜9時まで営業しているエッセルンガという大型スーパーがあるので、お土産探しにのぞいてみると楽しいです。

また、パヴィアの街のドゥオーモのそばに、小さくてかわいい「Agri Pavia」というお店があります。パヴィアのサラミをはじめ、おいしい物、特産品が色々と並んでいます。
お土産を探すならおすすめのお店です。

Agri Pavia
Via Omodeo 27 Pavia
+39 0382530760

終わりに

3回に渡って、わたしが旅行して、見て、ふれて、食べて感じた北イタリアの古都パヴィアの魅力をご紹介しました。
小さな街ですが中世の建物にあふれ、美しく、おいしいワインと食べ物にあふれた街でした。
街の人々もとても親切です。でも、パヴィアの魅力はこれだけではありません。
ぜひ実際に訪れて、確かめてください。
素晴らしいイタリア旅行になること間違いありません!

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取材協力/在日イタリア商工会議所(http://iccj.or.jp/ja)
Pavia Sviluppo(http://www.pv.camcom.gov.it)

 

 

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