ミラノから行く小旅行 vol.1北イタリアの古都パヴィアを訪ねて〜「パヴィアの街」
更新日：2020.01.10
「暮らしニスタ」上はもちろんのこと、テレビや雑誌、企業とのコラボ企画などで大活躍の暮らしニスタさん。
今回、そんな人気「暮らしニスタ」の１人である *yuko*(曽布川優子)さんに「暮らしニスタ」では初となる、海外レポーターをお願いしました。
在日イタリア商工会議所様の案内のもと、普段の旅行では行けないような、知らないような、新しいイタリアを取材してくれた *yuko*さん。
渾身の体験レポートを３回に渡ってご紹介していきます！
*yuko*(曽布川優子)さん
https://kurashinista.jp/user_page/detail/9024
最初に……パヴィアの取材旅行に参加して
4月のある日、暮らしニスタ編集部のMさんから
「エントリーしてみますか？」という一通のメールが。
なんと私の故郷（？）イタリアの取材旅行のお話。
後先考えずに、「はい」と返事をしてしまいました。
選考を通過して、北イタリアのパヴィアという街へ、プロのジャーナリストの方々に交じって、暮らしニスタ第1号の海外取材旅行に行ってきました。
在日イタリア商工会議所様のご協力のもと、毎日盛りだくさんなスケジュールで、パヴィアの街を駆け巡りました。そんな今回の旅行の様子を
「パヴィアの街」
「パヴィアの食の世界」
「パヴィアのレストランと宿泊」と3部にわたって、その魅力をお伝えしています。
パヴィアってこんなところなんだ～
旅行してみたい～なんて思っていただければ嬉しいです。
北イタリアの古都パヴィアを訪ねて①〈パヴィアの街〉
突然ですが、北イタリアを旅行するならどこを選びますか？
初めての旅行なら、日本からの飛行機が止まるミラノでしょうか…。
ミラノみたい大都市もいいのですが、そのすぐ近くに小さい街ながら歴史的建造物の見どころにあふれ、
中世の魅力を残し。おいしいものにあふれた街「パヴィア（Pavia)」があります。
ミラノやパヴィアはロンヴァルディア州という北イタリアの州にありますが、ここは
「ロンバルド族が統治していた土地」という意味から名付けられたといわれます。
北イタリアを横断するポー川のの合流点に近いティチーノ川の湖畔に位置するパヴィアは、ロンバルド王国の首都だったそうです。
ロンバルディア州の首都ミラノからは南に40キロ行ったあたりです。
〈パヴィアの街〉
ミラノのマルペンサ空港から車で1時間20分位。夜の21時ごろのパヴィア駅前です。
ミラノから電車だと45分ぐらいなので、ミラノに勤めている人の通勤圏でもある街なのだとか。
暮れなずむ街並みと旧市街の様子です。
夏時間に入っているイタリア、は21時過ぎまで明るいのが特徴。
雨が多い日本と違って6月は一番気持ちの良い晴れた天気が続きます。
街の中心ドゥオーモ（大聖堂）。
ドゥオーモのすぐ近くカヴァネリア広場は、夜の0時を過ぎても人がいっぱいでした。
この日はちょうど小・中・高といった学校が終わった金曜日。
6月の10日前後から9月中旬近くまである長い夏休みの始まりに、若者たちであふれかえっていました。
パヴィアの街といえば なんといってもパヴィア大学です。
そう、パヴィアは学生の街でもあり、若者が街にあふれて活気のある治安のよい街でもあります。
パヴィア大学の創立は、なんと1361年。
理学、経済学、経営学、医学部などをはじめ、エンジニアリング部では多数の技術者を輩出しています。
有名なガリレオも教鞭に立ったこともあるとか・・・
14世紀ごろ建てられた 歴史的建造物の中で 今でも授業が行われているそうです。
このパヴィア大学のある旧市街地は 歴史的な建物が数多く残っていました。
大学の中庭の近くにある12世紀に建てられた中世の塔。
当時の権力者たちが財力を競って高く高くなっていったそうです。
ドゥオーモの横に建てられていた塔は1989年、意外と最近に崩壊したそうで
その跡地が残っています。
このような立派な塔が立っていたそうです。死者も出た大きな事件でした。
大学の北東、旧市街地の東にあるサンフランチェスコ教会は13世紀のもので、ファザードに特徴があり、レンガの赤と 砂岩の白のコントラストが特徴です。
サン・ミキエーレ・マッジョーレ聖堂
国王たちの戴冠式など重要なイベントが行われていた聖堂としても有名です。
1004年、最初の建物は火災によって消失してしまい、現在の建物は、11世紀に再建されました。
重厚なファサードは赤レンガでなく、砂岩を使っていて、日の当たり具合でいろいろな雰囲気と顔を見せるのだとか・・・。
とくに朝日が当たると美しいとのことでした。
ところどころに彫ってある装飾が目を惹きます。
受胎告知でしょうか・・・・
歴史的な場面や聖書の一説などが彫られていました。
このサン・ミケーレ・マッジョーレ聖堂の横のレストランはたくさんの人たちが食事を楽しんでいました。
歴史的建造物を眺めながらのお食事は、ロマンチックですね。
石造りの小路。
街のどこを見渡しても中世の建物が見え風情を感じさせます。
カヴァネリア広場から見えるドゥオーモの様子。
正面から見たパヴィアの街のシンボル、ドゥオーモです。
中は意外とシンプル・・・と思ったらまだ未完成な状態だそうです。
シンプルゆえにクーポラは宇宙的な神秘さを感じます。
ティチーノ川にかかる屋根付きのコペルト橋はパヴィアの人たちの憩いの場でもあります。
アインシュタインが「世界で一番美しい橋だ」と絶賛した橋だそうです。
パヴィアの街のヴィスコンティ城。
ビスコンティ城は14世紀に、ミラノを支配していたヴィスコンティ家が建てた要塞だそうです。
この日は Pavio del Ticino パヴィオ デル ティチーノというお祭りの初日。中世の衣装を身にまとった人々が出迎えてくれました。
ビスコンティ城の中庭、北側は1500年代のフランスとの戦争で壊されたままになっています。
２階には美術館もあるそうです。
〈パヴィア郊外ヴィジェバーノ〉
それではここでパヴィア郊外にある有名な建築物を見ていきましょう。
パヴィアの北8キロあたりにある都市、Vigevano（ヴィジェバーノ）。
19世紀ごろから 製靴業が栄えイタリア有数の靴の街としても知られています。
ヴィジェバーノの街の 最も高い位置にあるスフォルツェスコ城は14世紀
ミラノに通じる道を監視する目的で要塞が建てられた後、城ができたそうです。
要塞と城は通路でつなげられています。
長さ164m、幅7ｍのこの通路は街の外から城へと迅速に移動できました。
スフォルツェスコ城のブラマンテの塔
その城の前庭として作られたドゥカーレ広場。
ルネッサンス様式の広大な広場で、イタリアで最も美しい広場の一つともいわれています。
広場から見たブラマンテの塔
美しい模様が描かれた柱廊
壁面に描かれた花や紋章のモチーフは幻想的でもあります。
街灯もモダンな雰囲気で、広場の床面もモザイク模様が美しいです。
この広場は、レオナルド・ダヴィンチの立案をもとにブラマンテが設計したそうで
縦約１３４ｍ、横約４８ｍ、８４本の円柱に囲まれています。
ドゥオーモの優美なファザードが青い空に映えます。
中の様子です。
パイプオルガンに囲まれた主祭壇。
クーポラも美しい。
高い天井と重厚な装飾品の数々にしばし見とれていました。
〈パヴィア修道院〉
パヴィアから北に8キロのところにあるパヴィア修道院。
並木道の向こうに入り口が見えます。
16世紀初めに完成した ロンバルディア・ゴシック建築の代表作。
当時有名だった建築家が数多く加わった合作といわれているそうです。
中に入るとまず目に飛び込むのが神秘的で奥深い青く染められた天井。
教会奥にある祭壇です。
建設を命じた当時の王、ジャン・ガレアツッオ・ヴィスコンティの墓。
この修道院は 教会部分と修道士たちが暮らす「僧房」の部分が一緒になっています。
こちらが大回廊で、煙突の見える24の建物は僧房です。
現在も、6人の修道士たちが暮らしているそうです。
修道士たちの部屋も見学でき、どんな生活をしているのか垣間見ることができます。
こちらは食堂です。食堂にはオッタヴィオ・セミーノ作の「最後の晩餐」のフレスコ画が。
教会と修道院が一緒になっている見ごたえ満載の歴史的建造物でした。
次回は、食の世界へと続きます！
レポートとリンクさせて、現地で教えていただいた食のレシピの投稿も公開していますので、ぜひご覧ください。
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ミラノから行く小旅行 vol.3北イタリアの古都パヴィアを訪ねて「レストランと宿」情報
取材協力／在日イタリア商工会議所（http://iccj.or.jp/ja）
Pavia Sviluppo（http://www.pv.camcom.gov.it）
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