ほうれん草の旬の時期は「冬」?季節による味の違いや栄養価も徹底解説!

ほうれん草の旬の時期は「冬」?季節による味の違いや栄養価も徹底解説!

副菜には欠かせないほうれん草。漢字では「菠薐草」と書きますが、これは、ほうれん草がペルシャから伝わってきた野菜で、中国語でペルシャのことを「菠薐」というのが由来だそう。そんなほうれん草は一年中スーパーで見かけますが、旬の時期は一体いつなのでしょうか?

今回は、ほうれん草の旬の時期や季節から主な産地まで一挙に解説します。また、栄養満点なほうれん草を美味しく食べられるおすすめのレシピも紹介します。

ぜひこの記事を読んで、美味しいほうれん草を楽しんでくださいね!

ほうれん草の旬は一般的に「冬」

年中スーパーで売られているほうれん草ですが、一般的な旬の季節は冬。特に1月〜3月が旬のピークで、種まきは9月〜11月の秋に行われます。

冬に収穫されるほうれん草は「寒締めほうれん草」といい、甘みや栄養が豊富です。「寒締め」とは、冬野菜のほうれん草や小松菜を収穫する1〜2週間前から、外の冷たい空気に当てることをいいます。これによって味が濃くなり、美味しいほうれん草に仕上がります。冬は収穫量が多くなるため、値段が安い時期でもあり、栄養が高い時期でもあるのですよ。

一方、夏に収穫されるほうれん草も。暑さに弱いほうれん草を高冷地やビニールハウスで栽培することで、夏でも収穫することができるためです。青森などの東北地方や北海道は比較的涼しいため、通常でも夏に収穫できます。

このように夏頃に収穫できるほうれん草は、4月〜5月に種まきされる「春まき」のほうれん草で、6月〜7月に収穫されます。冬が旬の産地と夏が旬の産地があるので、味わいの違いを感じてみてもいいですね。

冬のほうれん草はビタミンCがたっぷり!

冬のほうれん草は色が濃く、甘みが強いだけでなく、豊富な栄養も特徴の一つです。

もともとほうれん草は、鉄分やビタミンC、カロテン、食物繊維など栄養豊富な野菜ですが、ビタミンCは旬の時期になると含有量が多くなります。その含有量は、なんと夏の約3倍!

そのため、同じ量のほうれん草を食べたとしても、食べる時期によって摂取できるビタミンCの量は違ってくるのです。栄養豊富な美味しいほうれん草を、ぜひ旬の時期に食べてみてくださいね!

ほうれん草は鉄分不足解消に最適

ほうれん草はビタミンCはもちろん、鉄分も豊富に含まれているため鉄分不足解消に最適な野菜です。

ほうれん草100gには、一日に必要な鉄分の約1/4が含まれているといわれています。鉄分は吸収されにくい成分ですが、ビタミンCには成分吸収を助ける働きがあります。そのため、ビタミンCも豊富なほうれん草は、鉄分も同時に摂れるのです。

ただし、貧血予防にうってつけのほうれん草ですが、アク抜きのために下茹でしてしまうと栄養素も一緒に溶け出してしまいます。アク抜きしたい時は、電子レンジや炒め調理することで、栄養素をなるべく逃さずに調理できます。

根本の部分には「マンガン」という、酵素を活性化させてくれる成分が豊富に含まれているので、根っこまで丸ごと調理してくださいね。

ほうれん草の生産量No.1は埼玉県!

ほうれん草は日本各地で収穫される野菜ですが、最も生産量が多いのは埼玉県です。農林水産省が発表した2019年の産地野菜生産出荷統計によると、全国の出荷量は18万4900トン。そのうち約11%の2万100トンが埼玉県で生産されています。

次に、群馬県で1万8500トン、千葉県で1万7200トン、茨城県で1万4400トンと、埼玉県に劣らない生産量です。なんと、これら上位4県で全国の約38%を占める生産量を誇ります。

このように、ほうれん草は関東近郊で多く生産されますが、それはほうれん草が収穫後にすぐ品質が落ち始める「軟弱野菜」と呼ばれているためです。品質が高いまま消費者のもとに届けられるように、大都市に近い場所で栽培されているのです。

ほうれん草の品種は主に4種類

普段、スーパーで何気なく買うほうれん草ですが、実はさまざまな品種があります。

よく見かける国産のほうれん草は、主に「ほうれん草」「ちぢみほうれん草」「サラダほうれん草」「赤軸ほうれん草」の4種類。大きく分けると東洋種と西洋種がありますが、先述したほうれん草はこの2種の交雑種で、両方のいいところ取りをしている品種です。

以下ではそれぞれ4種類の特徴と美味しい食べ方を紹介します。スーパーで見かけた際にはぜひ、品種にも注目してみてくださいね。

ほうれん草

ほうれん草はスーパーによく並んでいる一般的なほうれん草のこと。ほうれん草は大きく分けて東洋種と西洋種の2種があり、それらを混ぜた中間種が一般的なほうれん草のほとんどです。

一部では葉の切れ込みが深くて、根本が赤くなるのが特徴の東洋種に近いものや、葉の切れ込みが浅く、丸みがあり歯肉が厚めで、根本の赤色は薄めの西洋種に近いものなども見かけます。

ほうれん草は東京に近い場所で多く栽培されていますが、奈良県や兵庫県などの関西でもよく栽培されているため、基本的にはどこでも摂れる野菜です。一般的な日本のほうれん草ということから「日本ほうれん草」と呼ばれることもあります。

よんぴよままさんのアイデア

ほうれん草ともやしのサバ和え

材料 : サバ缶(水煮) / ほうれん草 / もやし / ごま / ごま油 / めんつゆ(3倍濃縮)

みずみずしいほうれん草ともやしと、サバの旨味がマッチしたほうれん草ともやしのサバ和え。香ばしいごま油の香りがアクセントとなり、魚の臭みを感じさせません。サバの代わりにツナを使っても美味しく食べられますので、栄養豊富で美味しい副菜として楽しんでみてはいかがでしょうか。

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ちぢみほうれん草

ちぢみほうれん草は名前の通り、ちぢんだ肉厚な葉が特徴のほうれん草です。他のほうれん草との違いは品種ではなく栽培方法によるもので、冬の冷たい空気の中で露地栽培し、寒締めされて栽培されています。

寒締めされることで、寒さに耐えられるように葉に厚みが出て、糖度が上がり旨みも増すのです。また、アクがないためアク抜きをせずに食べることができるのも特徴。寒締め栽培されるため、手に入れる事ができるのは12月〜2月頃の冬季限定です。冬に見かけた際にはぜひ食べてみてくださいね。

わんたるさんのアイデア

鶏肉とちぢみほうれん草のかき揚げ

材料 : 鶏モモ肉 / ちぢみほうれん草 / ★薄力粉 / ★水 / ★氷 / 米油

サクサクの衣に包まれた鶏肉とちぢみほうれん草のかき揚げは、食べごたえがあり旬の野菜を楽しめる一品です。ちぢみほうれん草の甘みと鶏肉のジューシーさがマッチして、やみつきになること間違いなし。お好みで塩やめんつゆ、梅肉ソースなどでアレンジするのもおすすめです。

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サラダほうれん草

アクが少なく、生で食べることができるサラダほうれん草。通常のほうれん草はアクが強くサラダには不向きですが、改良を重ねて生でも食べられるようになりました。

葉が柔らかく、茎も細くシャキシャキした食感が特徴です。旬の冬には甘みが増して、サラダだけでなくソテーやスムージーに入れるなど、さまざまな料理で美味しく食べられます。鉄分やビタミンなどの栄養も満点で、下処理がいらず手軽に食べられるのもうれしいポイントです。

わんたるさんのアイデア

カリッとチキンサラダ

材料 : サラダチキン / サニーレタス / アボカド / ミニトマト / 米粉 / ローズマリー(乾燥) / バジル(乾燥) / 油 / お好みのドレッシング

カリッと焼いたサラダチキンと栄養満点のサラダほうれん草を使ったサラダ。アボカドも一緒に入れることで食べごたえ満点です。シャキシャキしたほうれん草とカリッとしたチキンの食感は、メイン料理として十分。ボリューミーな一品で、食べ盛りの男の子にもぴったりですよ。

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赤軸ほうれん草

普通のほうれん草と比べて、軸から葉脈にかけて赤紫色なのが赤軸ほうれん草です。アクがあまりないため、生で食べても美味しく食べることができます。

鮮やかな赤色を活かしてサラダの彩りに使われたり、ベビーリーフとして販売されたりすることが多いですが、茹でてしまうと鮮やかな色素やビタミンなどの栄養素が溶け出してしまうため、生で食べるのがおすすめ。茹でる際もさっと茹でて、氷水で冷やしてからすぐに水気をきってくださいね。

おおもりメシ子さんのアイデア

ほうれん草とベーコンとマッシュルームのサラダ

材料 : ほうれん草 / ベーコン / オリーブオイル / にんにく(チューブ) / ブラウンマッシュルーム / 塩 / 酢 / 粗挽きの黒コショウ / ミニトマト / パプリカ(黄色)

ベビーリーフとトマトのみずみずしい食感と味わいに、マッシュルームと香ばしいベーコンがアクセントとなるサラダ。ドレッシングは爽やかなシトラスや、ハーブのアクセントが加わった特製のものがおすすめです。ビタミンやミネラルが豊富で、栄養バランスも抜群です。見た目の鮮やかさと口に広がる絶妙な組み合わせが、夏の食卓にぴったりの一品です。

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スーパーで美味しいほうれん草を見分ける3つのポイント

栄養たっぷりのほうれん草は、普段の食卓に積極的に取り入れたい食材ですよね。そこで、スーパーで美味しいほうれん草を見分ける目利きポイントを紹介します。購入する際は、ぜひチェックしてみてくださいね。

①葉先がピンと張っているか

まずはじめに確認するポイントは、葉先がピンと張っているか。鮮度のいいほうれん草はしっかりとハリがあるため、茎を持っても葉先までピンと立ちます。

一方、葉先が下に垂れてしまうほうれん草は鮮度が落ちてしまっている証拠。また、葉が中央の葉脈と軸として左右対称のものは、良いほうれん草とされているので、あわせて確認してくださいね。

②緑色が濃いか

もともと濃い緑が特徴のほうれん草ですが、色合いも確認するべきポイントです。葉の緑色が濃く色鮮やかで、色ムラがないものを選びましょう。

黒ずみがあるものは鮮度が落ちているため避けるのがベターです。また、葉の表側だけでなく裏側の色味も忘れずにチェック。なかには黄緑みがかかっているものもあるため、しっかりと緑が濃いものを選んでくださいね。

③根本の赤みが強いか

ほうれん草は冬になると寒さに耐えられるように糖を蓄えるため、根本部分がピンク色に変色します。そのため、根本のピンク味が強いほど甘みが強い証拠だといえます。

また、切り口がみずみずしいかどうかもチェックしたいところ。乾燥しているものは収穫されてから時間が経って鮮度が落ちてきているため、根本の色とあわせてよく確認しましょう。

ほうれん草の保存方法

ほうれん草の保存方法には冷蔵と冷凍の2種類があります。冷蔵では1週間、冷凍では1ヶ月ほど保存できます。

冷蔵保存の場合

  • 1. 傷んでいる葉を取り除く
  • 2. 湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋や保存用袋に入れる
  • 3. 冷蔵庫に立てた状態で保存する

冷凍保存の場合

  • 1. 傷んでいる葉を取り除く
  • 2. 流水に当てながら根本の土を落として全体を洗う
  • 3. 切らずに硬めに下茹でしたら、冷水にさらして色止めする
  • 4. 水気を切ったら食べやすい大きさにカットする
  • 5. 小分けにラップで包んだら、ポリ袋や保存用袋に入れて冷凍庫で保存する

まとめ

冷凍で販売されているものも多く、食べ馴染みがあるほうれん草。スーパーで売られているものでも種類があるのは意外だったのではないでしょうか。栄養が豊富で鉄分不足解消にも役立つほうれん草を、ぜひ積極的に摂ってくださいね。

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