室内環境において、生活音など音は意外と気になってストレスを感じてしまうことも多いはず。家に防音対策を施すことで、同時に断熱性も高められます。
せっかく家を建てるのであれば、そうした音にも配慮したいものです。
家の中で聞こえる音は2種類ある
音には重量衝撃音と軽量衝撃音の2種類あり、それぞれ防音対策は異なります。
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LH(重量衝撃音)
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LL(軽量衝撃音)
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音源
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子どもがドンドン飛び跳ねる音、人が歩く音
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スプーンのような軽くて硬いものを落としたときの音、椅子の移動音
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感じ方
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「ドーン」「ドスン」 比較的低い音源 低音域で音が発生する
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「カチッ」「コーン」 比較的高い音源 中高音域で音が発生する
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子どもが飛び跳ねたときなどに生じる、「ドンドン」「ドスーン」といった重量衝撃音を防ぐには、コンクリートや鉛などの重い材料を使います。
一方、椅子の脚がフローリングに当たった「カタカタ」という音や、ペンなど硬いものを床に落としたときに生じる「カツン」「コーン」といった軽量衝撃音(振動音)を防ぐには、グラスウールの断熱材やコルク床など、多孔質なものやクッション性のある材料をかませます。
断熱性・気密性の高い家は防音性能にもすぐれる
断熱材を、必要な箇所に適切な施工で十分に入れ、窓にはペアガラスサッシを採用した断熱性・気密性の高い住宅は、おのずと外から音が入りにくく、室内の音も漏れにくい構造になっています。
上下階や壁を隔てた隣に他人が住んでいるマンションやアパートと違い、一戸建ての場合はそれほど神経質に防音性を高めなくても、断熱等性能等級4級を満たせば、ある程度十分な防音性能も同時に得られます。
それでも幹線道路沿いだったり、飛行場が近いなど、とくに騒音が気になる地域では、防音の弱点となる開口部に、普通のペアガラスサッシよりさらに気密性が高く振動も伝えにくい、防音サッシを用います。
気密性が高いと、すき間からの音の侵入を防げます。
天井を張らないと上階の音が下に響く
自然素材の家などで見受けられる、天井を張らないで2階の床下の梁をそのまま見せる方法は、上階の音が響きやすいので、家庭内の生活騒音を気にする人には不向きです。
天井の懐を深くすることで、音は伝わりにくくなります。
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小さな家でトイレの音が気になる場合
トイレの音が気にならないようにするには、間取りの工夫が第一。トイレの入口がリビングなどに向かないように気をつけましょう。
また便器がリビングのそばにくるのも避けるようにしましょう。これは、来客への配慮としても必要です。
どうしてもリビングと便器が近くなってしまう場合は、リビング(またはトイレに接する部屋)とトイレの間の壁に断熱材を入れて防音する方法があります。
高めの密度のグラスウール(16K・24Kなど)で、10cm厚さのものを入れるとかなり効果的です。壁の厚みは10.5cm〜12cmなのでちょうどおさまります。
ほかにも、壁の下地材の石膏ボードを二重にして、音を伝えにくくするのもひとつの工夫です。
水回りの配管や換気扇から漏れる音にも注意
2階にキッチン、バス、トイレを設ける場合、配水管は、なるべく1階リビングや寝室など、音の気になるところを避けて通しましょう。配管を家の外に出すと音が気にならず、メンテナンスもしやすいのでおすすめです。
この場合、デザイン的に目立たない場所に配するよう工夫します。二世帯住宅で居室内に配水管を通す場合は、なるべく上下階の水回りの位置を揃えましょう。
また、キッチン、トイレも壁に直接穴を開けてファンを取り付ける壁付け型の換気扇は、音が外から侵入したり漏れやすいもの。
気になる場合は、天井にファンをつけてダクトで外に排気するシロッコファンを採用してください。
防音室には密度の高い特殊材や防音サッシと扉を
防音室は、石膏ボードを二重にするなど、壁厚をどんどん厚くすることが基本で、同時に壁を重くすることで防音性能を高めます。
鉛や密度の高い石膏ボードなど、防音用の特殊材があるのでそれを利用するのもおすすめです。
いちばん音が漏れやすいのは開口部なので、防音サッシ、防音扉にすることが重要。プラン的には、上下階に寝室を持ってこないよう注意を。ピアノを弾く人など向けに、メーカーによる音響効果も考えられたユニットタイプの防音室もあります。
また、地下室を防音室にするのは、コストはかかりますが効果の高い方法です。
施したい防音性能のまとめ
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