肌荒れのお悩み、その原因は「便秘」かもしれません。
便秘と肌には深い関係があります。便を何日も排泄できずに体内にとどめておくと、腸内で腐敗して悪玉菌が増えてしまいます。すると、発生した硫化水素やモノアミンなどの有害物質がやがて全身へと巡り、肌もダメージを受けてしまうのです。
さらに、腸内環境が乱れると新陳代謝が低下して、ダイエットをしても瘦せにくい体質になってしまいます。今回は、便秘の原因と改善方法をご紹介します。
便秘の原因は「便を押し出す力」の低下
便秘には、消化管や内科的な病気が原因である場合や、薬の服用が原因となる薬剤性便秘があります。しかし、最も多いのは運動不足や生活習慣、食生活の乱れ、ストレスなどにより腸の動きが低下する、機能性便秘です。
機能性便秘には、痙攣性便秘と弛緩性便秘がありますが、日本人に多く、器質的に問題のない便秘は弛緩性便秘です。これは、大腸周りの筋肉が衰えて蠕動運動が行われず、便を押し出す力が低下するのが原因です。対策を以下で詳しく解説していきます。
便意を我慢する習慣
便意はなるべく我慢しないようにしましょう。我慢する癖がついてしまうと、便反射が鈍くなり便秘が起こりやすくなります。高齢の方は、便意がなくても食後にトイレへ行く習慣をつけるとよいでしょう。
運動不足
適度な運動は、からだの血流をよくして蠕動運動を活発にします。また、運動は蠕動運動の促進作用だけでなく、セロトニンやエンドルフィンなどのホルモンを分泌させる働きもあります。これらのホルモンには、気持ちを安定させる効果やリラックス効果などもあるため、メンタルの安定やストレスの軽減にもつながるでしょう。
ストレス
ストレスや過労は、便秘を悪化させることがあります。ストレスなどで自律神経のバランスが乱れると交感神経が優位になり、便秘になるのです。
さらに、脳と腸は密接に関係しています。そのため、脳が感じたストレスが自律神経を介して腸に伝わり、コロコロの便になることがあります。
便秘解消法の3原則をチェック
便秘の解消法には、「規則正しい生活」「しっかりとした睡眠」「適度な運動」はもちろん、食事の量や食事内容の改善、マッサージなども効果的です。
1.おなかや腰をマッサージする
おなかや腰のマッサージは大腸への刺激となり、蠕動運動が促進されることがあります。
やり方は、手のひらを下腹部にあてて、おへその周りを時計回りにゆっくりとマッサージします。約3分が目安です。このとき、強く指を立てないように気をつけてください。おなかがやわらかくなる程度にマッサージをしましょう。
2.一食抜いて白湯を飲む
硬い便が詰まっている感じがとれない場合は、直近の一食を白湯に置きかえるのもおすすめです。
一食を白湯にすることで腸が温まり、腸内環境が整います。また、刺激された腸が自然に動き出すことも期待できます。なお、白湯を飲むときは、沸騰させたお湯をしばらく冷ましてから、少しずつ飲みましょう。
3.食物繊維は適度に摂取する
便秘の予防や改善には食物繊維が効果的です。
食物繊維のうち、水溶性食物繊維は海藻や果実、こんにゃくなどに含まれており、便をやわらかくする効果があります。また、不溶性食物繊維はきのこ類や豆、野菜、根菜などに多く含まれ、腸の蠕動運動を促進します。
ただし、便秘の方が不溶性の食物繊維を摂りすぎると、大腸の便のかさが大きくなり、さらに詰まってしまうことがあります。便秘気味の方は、不溶性食物繊維の摂りすぎに注意が必要です。
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便秘の悩みは漢方薬でも解消できる
便秘には、便秘薬を使用することも解決策のひとつです。薬を使うことに抵抗がある方もいるかもしれませんが、漢方薬も有効です。
便秘に対しては、自然に排便を促す作用のある生薬を含む漢方薬から選ばれます。また、便と一緒に老廃物や毒素が排出されるため、血流も改善します。代謝能力や免疫力などがあがるため、さまざまな症状を同時に改善できるでしょう。
疲れや体調不良で腸内の水分が不足し、便が硬くて排便しにくい方には、便通をよくする働きのある漢方薬が使われます。腸内を潤し、硬くなった便がつるりと出やすくなりますよ。
頑固な便秘や便意を感じにくいといった方には、腸の動きをよくして便を押し出してくれる漢方薬がおすすめです。
漢方はさらに、便通をよくして、おなかにたまった老廃物をからだの外に出すことで、肌荒れやニキビ、おなかの張りといった症状も改善します。
<便秘でお悩みの方におすすめの漢方薬>
・麻子仁丸(ましにんがん)
コロコロとした便が乾燥して硬く、出にくい方に向いています。腸を刺激するだけでなく、大腸を整えて腸に潤いを与えてくれるため、自然な排便をサポートしてくれます。
・大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)
大黄と甘草の2種類の生薬でできています。大黄が腸の蠕動運動を促し、甘草と合わせて便秘を解消します。なお、便秘に用いられる漢方薬はいくつもありますが、便秘に伴う症状や、便の性状などを踏まえて、大黄を含むかどうか、その配合量や他の生薬との組み合わせも考慮します。
漢方薬を選ぶときに重要なのは、その人の状態や体質に合っているか、ということです。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。
どの漢方薬が自分に合うのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。
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便秘を解消して美しさを手に入れよう
生活のなかでも、便秘は身近な悩みです。便が体内にたまったままだと毒素がからだを巡り、ニキビや肌荒れなど美容にも影響を及ぼします。
便秘解消の方法はいくつもあるため、自分にあった解消法を見つけ、美を取り戻しましょう。
<この記事を書いた人>
薬剤師 相田 彩
薬剤師。昭和薬科大学薬学科卒業。
総合リハビリテーション病院、精神科専門病院、調剤薬局に勤務するなかで、漢方薬が使用される症例の多さと、体質や症状に適した漢方を使用することの重要性を実感する。漢方薬の力をより多くの方に広めるために、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。
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