日本人の主食であるご飯。ほぼ毎日食べますよね。
同じお米を使っていても、炊飯方法にちょっとこだわるだけで、炊き上がりの味わいにかなりの差がでるって知っていますか?
ここでは、お米の計り方から研ぎ方、お水の量について、基本的な方法やおいしく炊くためのコツを伝授。
炊き方の工夫ひとつで、どれくらいおいしく変わるのか…ぜひ試してみてくださいね!
お米の計り方が知りたい!
ご飯の炊き上がりを左右する重要ポイントのひとつに、お米とお水の量のバランスがあります。
よいバランスで炊くためには、お米の量を正確に計るのが第一歩。
まずはお米の量を測る方法をおさらいしてみましょう。
お米専用の計量器で計る
お米には専用の計量カップが市販されています。そうした計量カップは、すり切り1杯で180ml、ちょうどお米1合が計れるものが多いようです。
きちんと「すり切り1杯」にするためには、最初はお米をあふれるくらいたっぷり掬い、箸などを使ってカップの上端に合わせてそっと横滑りさせ、余分なお米を落とすとよいでしょう。
このとき、ギュギュッとお米を押し込むと、お米の量が微妙に多くなってしまうので避けます。
また、近頃では米びつに「1 回押すと1合ずつお米が出る」といった便利な計量機能が付いていることも。
そうした機能があれば、それを利用すると便利です。
キッチンスケールでお米を計る方法
お米の「重さ」を基準に、計量する方法がこちら。
料理などに使うキッチンスケールを使います。
お米1合は重さ150gが目安なので、1合なら150g、2合なら300gとなります。
ただし、キッチンスケールに載せるときには容器の重さも加わっています。
あらかじめ容器の重さを調べておき、最後には容器分の重さを引いて計測するようにしましょう。
計量カップでお米を計る方法
今度は、「重さ」ではなく、「容量」に注目してお米を計る方法です。
キッチンによくあるお料理用の計量カップを使って計量できます。
ただし、注意点がひとつ!
お米専用の計量カップは通常180mlなのに対し、料理用の計量カップは満タンで200mlという容量であること。
ですから、お米を計るときには上端いっぱいまで入れずに、上端から少し下に180mlの目盛りまで入れると1合になります。
このときも「山盛り」ではなく、きちんと「すり切り」の状態で計るように注意してくださいね。
コップなどでお米を計る方法
お米1合は180mlとさえ覚えておけば、料理用の計量カップがなくても他のもので代用できます。
180mlが計れる容器があれば理想的ですが、もし、目盛り付きのグラスがない場合は一般的なグラスでもおおよその量が計量可能です。
標準的なグラスは、満タンで200ml程度のものが多いので、そうしたカップなら上端から少し下あたりまでお米を入れると180ml程度になりますよ♪
正しいお米の研ぎ方が知りたい!
続いて、お米の砥ぎ方についてもおさらいしてみましょう。
ここでは一般的な精白米についての研ぎ方と、その他のお米について注意点をご紹介します。
お米の研ぎ方
(1)計量したお米をボウルに入れます。
(2)お水をたっぷり入れ、サッと2、3度かき混ぜたら、ボウルを傾けて水を捨てます。
(3)お水をひたひたに注ぎ、手のひらでやさしく押すようにしてお米を砥ぎます。
(4)研いだものを洗い流すため、水をたっぷり注ぎ、ボウルを傾けて水を捨てます。
(5)(3)と(4)を2~4回繰り返します。研ぎ汁が透明っぽくなってくればOK。
(6)お米をザルに上げて、30~120分ほど置いておき、お米にお水を吸わせます。
<Point>
・研ぎ始めの水はぬかや汚れを含んでいて、お米がそれを吸ってしまいやすいので、すぐに捨てましょう。
・お米の表面に付いている水分をお米にしっかり吸わせるために、最後にザルに上げてから30分ほど置いておきましょう。こうすることで、ふっくらとしたご飯に炊き上がりますよ。
・手順(3)(4)は、新米なら2、3回繰り返せば十分。古米は臭いを取るために3、4回行なうのがおすすめです。
・(6)の浸水時間は、夏なら30分、寒い季節には60~120分ほど置いておくとよいでしょう。
無洗米、玄米、もち米の研ぎ方は?
お米には精白米のほかに、無洗米や玄米などいろいろなお米がありますよね。
無洗米は文字通り、洗わなくてよいお米ですが、家庭の保存状態によって不安な場合は軽く洗ってもよいでしょう。
玄米については、「サッと洗うだけでよい」と言われることもあれば、「よく研いだほうがよい」という考え方もあって研ぎ方は様々なものがあるようです。
また、もち米は柔らかくて割れやすいので、強く押すのは避けます。
研ぐと言うより優しく洗うようにするとよいでしょう。
お米を炊くときのベストな水の量は?
次に、お米を炊くときのお水の量について考えてみましょう。
もちろん、炊飯器を使うなら、お米の量に合わせて必要なお水の量がお釜のなかに目盛りで記されているので、それを利用すればカンタンです。
でも、もし炊飯器を使わないなら…?
そんなときにも、ご飯が炊けるように、ポイントをチェックしてみましょう。
お水の量は1.2倍が基本
ご飯を炊くときには、お米の分量:お水の分量=1:1.2が基本。
お米に対してお水を1.2倍加える、と覚えておくとよいでしょう。
お米1合は180mlですから、1合ならお水は200ml、2合なら400mlといった具合です。
ただし、新米、古米、無洗米、玄米などお米の状態によって次のように水加減を工夫すると、
さらにおいしく炊き上げることができますよ。
無洗米はお水をやや多めに
無洗米はぬかを取り除いたお米のため、一般的な精白米よりも粒がやや小さめ。
計量したときにも粒同士の隙間が小さくなり、精白米よりもやや多めにお米が入ることになります。
そのため、炊飯時に加えるお水は精白米よりも少し多めにするのがおすすめです。
玄米は1.5倍が目安
玄米の炊き方は好みによって様々ですが、基本的には玄米は精白米よりもお水をたくさん入れる、と覚えておくとよいでしょう。
お水はお米の分量の1.5倍が目安。お米1合につき、お水は約300ml、2合なら約600mlです。
また、吸水にも精白米より時間がかかるので、2時間から一晩かけてしっかり吸水させるとおいしく炊き上がります。
夏場など心配なときは冷蔵庫のなかで吸水させるのもいいですね。
新米はお水を少なく
新米は古米よりも水分をたくさん含んでいるので、お水はお米の分量と同等か、1.1倍にするとよいでしょう。
古米はお水を増やす
反対に、古米は水分が比較的少ないお米。
炊飯時のお水はお米に対して1.3倍ほどにすると、おいしく炊けますよ。
もち米は吸水不要!
水加減は精白米と同様に、お米に対して1.2倍程度のお水を加えて炊飯します。
ただし、もち米は柔らかく水分を吸いやすいので、事前の吸水は不要。
洗ったら浸水をさせず、すぐ炊飯を始めましょう。
お米を炊く方法が知りたい!
ここまでで、お米の計量や研ぎ方、水加減をざっとおさらいしてきましたが、いかがでしたか?
では、いよいよお米の炊き方について、考えてみましょう。
炊飯器と土鍋、2つの方法でお米を炊く方法をチェック!
炊飯器でお米を炊く方法
(1)お米とお水をセットする
…計量して研いだお米を炊飯器のお釜に入れ、目盛りまでお水を注ぎます。
(2)吸水させる
…研いだときにザルに上げて吸水をさせていない場合は、このときに30~120分ほど置いてお米に吸水させます。
吸水済みであれば、すぐに炊飯を始めてもよいでしょう。
(3)炊飯ボタンを押す
…機種により「炊飯」、「早炊き」などのモードを選び、ボタンを押して炊飯をスタートさせます。
(4)炊き上がり
…炊飯器から炊飯完了の音が鳴ったら、フタを開けて水蒸気を逃がし、ふたの裏の水分を布巾などで拭きます。
炊きあがったご飯の表面に、しゃもじで手早く十字に切り目を入れておきましょう。
<Point>
・最近の炊飯器は、蒸らし時間が終わってから炊飯終了の音が鳴ることが多いので、すぐにフタを開けるのがおすすめ。やや古い機種では、炊き上がったあとにフタを開けずにしばらく蒸らすとよいでしょう。
・お米を浸水させて吸水する場合は、常温のお水を使うと、お米のうま味が水に染み出てしまうので、冷たいお水を使うのがおすすめ。
・炊飯時にも、お米1合につき氷1個を含めておくと、炊きあがりのもっちり感やツヤがアップします。お米が古いときなどに試してみてくださいね♪
土鍋でお米を炊く方法
(1)あらかじめ吸水させる
…計量して研いだお米はザルに上げて30~120分吸水させておきます。
(2)お米とお水を入れる
…(1)のお米を土鍋に入れ、1.1倍の分量のお水を注ぎ、フタをします。
(3)火加減を調節する
…土鍋を中火~強火にかけ、沸騰したら弱火にし、10~15分ほどしたら火を止めます。
(4)蒸らす
…そのまま10~15分ほど蒸らしたら、でき上がり。一度フタを開けて水蒸気を逃します。
<Point>
・土鍋は水分を吸収しやすいので、土鍋に入れた状態で浸水させるのはなるべく避けます。
あらかじめ、ザルに上げた状態で吸水させるか、別の容器にお米を入れてお水に浸しておくとよいでしょう。
・炊飯時のお米とお水の分量は、お米の分量:お水の分量=1:1.2が目安ですが、あらかじめ吸水させてあるので土鍋には1.1倍量のお水を加えるとちょうどよくなります。
・炊き上がったときにお米にうま味を残しておくためには、土鍋に加えるお水は冷たいものを使うのがおすすめ。
・蒸らしたあとは、一度フタを開けて水分を飛ばしてあげるのがコツ。
こうすることでつややかなご飯になります。
まとめ
正確に計る、お米の状態に合わせて研ぎ方を変える…などお米をおいしく炊くにはいろいろなコツがあるのですね。
今日からちょっとしたポイントを守って、ふっくらつやつや、今日からますますおいしいご飯に炊き上げてくださいね♪
取材・文/北浦芙三子
コメント
全て既読にする
コメントがあるとここに表示されます