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ラム酒の度数や種類は?おすすめの飲み方やカクテルもご紹介

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ラム酒の度数や種類は?おすすめの飲み方やカクテルもご紹介

ラム酒と言えば、映画のなかでカリブの海賊たちが豪快に飲んでいるお酒、というイメージがあるかもしれません。お菓子作りする人にとっては、製菓材料としてもおなじみですよね。

そのラム酒、そもそもどんなお酒なのか、知っていますか? ここではラム酒の基本情報から、おいしく味わうための方法、楽しみ方についてご紹介します!

ラム酒ってどんなお酒?

ざっくりと言えば、ラム酒はサトウキビを原料とするお酒のひとつ。そのまま飲んだり、カクテルのベースにしたり、お菓子の材料としても活躍します。
では、さらに詳しく見ていきましょう。

◎4大スピリッツのひとつ

ジン、ウォッカ、テキーラと並び、ラムは世界4大スピリッツのひとつに数えられています。スピリッツとは蒸留酒のこと。お酒はまず、原料を発酵させてアルコールにしますが、この段階では「醸造酒」。さらに醸造酒を蒸発させて蒸気を冷やしてアルコール分を凝縮させるのが「蒸留酒」です。

日本でなじみが深いお酒で言えば、焼酎などは蒸留酒で、ワインやビール、日本酒などが醸造酒です。造り方の違いから、蒸留酒は醸造酒よりもアルコール度数が高くなり、ラム酒もアルコール度数は40~50%ほどと高め。

◎ラム酒はどうやって造られる?

サトウキビから砂糖を精製するとき、搾り汁を煮詰めていくと結晶ができます。この結晶を砂糖にしていくのですが、結晶を取り除いたあとに液体が残ります。この液体が「糖蜜」(モラセス)。糖蜜こそがラム酒の主原料になります。

また、糖蜜のほかにサトウキビの絞り汁を原料として造るラム酒も増えてきました。こうした糖蜜や絞り汁を原料に、醸造・蒸留させて造るのがラム酒。蒸留のあと、多くのラム酒は木樽で熟成されます。

◎ラム酒はどこのお酒?

原産地は西インド諸島ですが、主な生産地は世界でも有数のサトウキビ産地であるキューバやプエルトリコ、ジャマイカなどカリブ海諸国。こうした地域では、17世紀頃から生産されています。

今では、ラム酒は南極を除くすべての大陸で造られていて、世界に4万を超える銘柄が存在しているのだとか。日本でも沖縄県や鹿児島県の奄美群島などサトウキビが生産できる地域でラム酒が造られているんですよ。

◎ラム酒の味って?

銘柄によって味わいは異なりますが、ラム酒と言えば、サトウキビ由来の甘みが持ち味。さらに樽熟成による香味やコクがあり、カラメルのような風味を伴います。

ラム酒の分類

世界には透明なものから濃い褐色のものまで様々なラム酒があります。分類方法も様々なのですが、日本でよく用いられる分類は、熟成度合いによる色や風味の違い、製法による種類分けが一般的です。

◎色合いによる種類

・ホワイトラム
…ホワイトの名の通り、無色透明または淡色の仕上がり。シルバー・ラムとも呼ばれます。基本は、樽で熟成をさせていないか熟成期間が短期間のもの。
ただし、内側を焼いていない樽で短期間貯蔵したあと、「チャコールフィルタ」という活性炭を使った色と香りの除去処理を行なったものなども、ホワイトラムと呼ぶことがあります。

ラムのなかでも一番多く作られているのがホワイトラムで、カクテルのベースとしても人気。

・ゴールドラム
…樽で3年未満の熟成を経たラムのこと。色合いはウイスキーのような薄い褐色。ホワイトラムと同様に造られ、最後にチャコールフィルタを行なわなものもゴールドラムの一種です。また、カラメルなどで着色したり、ダークとホワイトを混ぜることも。

・ダークラム
…内面を焦がした樽で3年以上の熟成を経て、濃い褐色になったラムのこと。スイーツ作りなどによく用いられるラム酒です。色が濃いだけでなく、樽に由来する香味成分が含まれるのも特徴。有名な「マイヤーズ」をはじめ、ジャマイカ産に多いタイプです。

◎風味による分類

・ライトラム
…糖蜜に水を加えて培養した酵母により発酵。さらに連続式蒸留機で蒸溜し、水で割り、内面を焦がしていないホワイトオーク樽などに短期間貯蔵するもの。仕上げにチャコールフィルタを通して濾過するので、無色や薄い琥珀色のものが多くなっています。味わいは軽やかで、カクテルのベースにも最適。

・ミディアムラム
…ライトとヘビーの中間。ヘビーラムと同様に発酵させ、ポットスチルか連続式蒸溜機で蒸溜するもの。なかには、ライトラムとヘビーラムを混ぜ合わせるものもあります。

・ヘビーラム
…糖蜜が2~3日かけて自然に酸を生成するまで待ち、そのタイミングでサトウキビの搾りかす(バガス)や以前の蒸溜残液(ダンダー)などを加えて発酵させます。さらにポットスチルで蒸溜し、内面を焦がしたオーク樽などで3年以上熟成させるもの。濃い褐色で、個性が強くなりやすいラム酒です。

◎製法による分類

・アンデュストリエル
…糖蜜を原料とするラム酒のこと。ラム酒の製造方法としては8割以上を占めます。「アンデュストリアル」とは工業生産品の意味。もともとは砂糖工場に併設された酒造所で造られたことから名前がついたのだとか。

「トラディショナル」や、糖蜜を意味する「モラセズ」から名付けた「モラセズ・スピリッツ」と呼ばれることもあります。

・アグリコール
…サトウキビの絞り汁を100%主原料とするもの。「アグリコール」とは農業生産品を意味していて、農家がサトウキビ収穫のあとに造って嗜んだことに名前が由来していると考えられています。

・ハイテストモラセス
…比較的新しい製法。サトウキビジュースを加熱してシロップ状にしたものや固形化したものを原料として造るラム酒のこと。

ラム酒をおいしく飲むポイント

カクテルやお菓子の素材としての印象が強いラム酒ですが、実力はそれだけではないんです! ラム酒の本場、カリブ海諸国では、ラム酒をストレートやロックで飲むというスタイルも定番。この飲み方はポイントを押さえると、とてもおいしく味わえますよ♪

◎そのまま飲むならダークラム

どんなラム酒でも、ストレートやロックがベスト!というわけではありません。もし、そのまま飲んで楽しみたいなら、風味豊かなダークラムがよいでしょう。

◎ストレートは温度が大切

ラム酒に限らず、スピリッツ全体に言えることですが、本来の味わいを楽しむには温度は重要。ストレートで飲むなら基本的には常温がおすすめです。ロックで飲むときは、あらかじめ冷蔵庫でグラスやラム酒も冷やしておくとよいでしょう。

逆に、寒い夜にぴったりなのがホットラム酒。ラム酒をお湯で割ったりラム酒そのものを温めて、ゆっくり味わってみてくださいね。

◎グラスにもこだわりたい

香りを楽しむお酒は、グラスで味わいが変わるもの。ラム酒をストレートで飲むときは、「ショットグラス」もいいのですが、チューリップ型の「ブランデーグラス」で飲むのはいかがでしょうか。
ブランデーグラスは上部の少し細くなった部分に香りが集まるつくり。手で包み込むように持つことで、体温で温まったグラスから香りが立つので、ダークラムの香りをしっかり感じられますよ。

ラム酒のおいしい飲み方と活用法

ラム酒はストレートでそのまま飲むこともできる!とお伝えしたところですが、ほかにももちろん、おいしく飲む方法や活用方法があります。

◎やっぱりおいしい!ラム酒のカクテル

ラムベースのカクテルは数も多く、根強い人気があります。カクテルに使う場合は冷凍庫に入れておくのもおすすめ。スピリッツはアルコール度数が高いので、家庭の冷蔵庫で冷凍してもコチコチに凍ってしまわず、液体のままトロリとした状態になります。カクテルにも使いやすいので、バーでもスピリッツを冷凍庫で保存することがあります。

ラム・カクテルについては、のちほどご紹介しますね。

◎スイーツ作りに大活躍

ラム酒はスイーツ作りのときにも重宝しますよね。ガトー・ショコラなどのケーキやトリュフ、フルーツ・コンポートといったいろいろなスイーツの材料として活躍します。
ラム酒を使うと、スイーツに上品な甘さと苦味、香りがプラスできるのが魅力。また、アルコールの殺菌力で食品の保存性を高められるので、レーズンなどドライフルーツの漬け込みにも最適なんです。

ラム酒を使った有名なカクテルって?

ラム酒をベースにしたカクテルはたくさん。ここでは代表的なものを5つほどご紹介しましょう。

◎モヒート

夏に人気のモヒートは、ラム酒にライムとミントの葉、砂糖、氷、炭酸水を入れて作るカクテル。ライムとミントの爽やかな風味と、ラムのコクや甘みが絶妙にマッチ。

◎ダイキリ

ラムを使った定番のショートカクテル。19世紀後半、キューバのダイキリ鉱山で、坑夫たちがラム酒にライムを絞って砂糖を入れて飲んだのが始まりと伝わります。ダイキリを氷と一緒に攪拌し、シャーベット状にすると、フローズン・ダイキリに。

◎マイタイ

ポリネシア語のタヒチ方言で「最高」を意味するトロピカルカクテル。ラム酒にホワイトキュラソー、パイナップルジュース、オレンジジュース、レモンジュースをシェイカーで合わせ、フルーツをトッピングするカクテルです。南国ムードと口当たりのよさが魅力。

◎ピニャ・コラーダ

ピニャ・コラーダとは、スペイン語で「パイナップルが生い茂る峠」という意味。ラム酒とパイナップルジュース、ココナッツミルクをシェイカーで混ぜ、クラッシュドアイスを入れた大ぶりのグラスに注いで飲むもの。

◎ブルーハワイ

ハワイの海のように、青くて美しいカクテル。ラム酒、ブルーキュラソー、パイナップルジュース。レモンジュースで作ります。パイナップルなどのトロピカルフルーツを飾って南国風な雰囲気に。

ほかにも、ラム酒を使ったカクテルは「ハバナ・ビーチ」や「ロングアイランドアイスティー」、「XYZ」、「キューバリブレ」など種類豊富です。

おすすめのラム酒5選

世界に400種類以上が存在するラム酒。実際に買おうと思うと、かなり迷ってしまうのではないでしょうか。そこで、3,000円台までのお手頃価格で買いやすいラム酒を厳選してみました。参考にしてみてくださいね。

◎ロンリコゴールド

ラム酒本来のおいしさを味わってみたい!という人には、まずはゴールドラムがおすすめ。なかもでこちらは、1860年にプエルトリコで設立され、禁酒法にも唯一製造を許されていたラムメーカー「ロンリコ」社によるゴールドラム。まろやかで飲みやすく、正統派のラムの味わいを楽しめます。メーカー希望小売価格は700mlで1,460円程度(オープン価格)。

◎キャプテンモルガン スパイストラム

キャプテンモルガンは、フレーバーラムで人気のブランド。スパイストラムは、ゴールドラムをベースに、フルーツの香りとスパイスを加え、さらにバニラの隠し味を利かせたラム酒です。度数が35%とやや控えめなのも特徴。ストレートやロック、カクテルのベースとしてもどうぞ。参考価格は700mlで2,000円程度(オープン価格)。

◎レモンハート デメララ 40度

ダークラムを家で気軽に飲むなら、1804年にイギリスで発売を開始したブランド「レモンハート」のダークラムはいかがでしょうか。香りや色はしっかりありますが、クセが少ない味わいなので比較的飲みやすい一品です。参考価格は700mlで2,400円程度。

◎バカルディ スペリオール(ホワイト)

ラムのカクテルをいろいろ楽しみたい人に。世界トップクラスの販売量を誇るバカルディブランドのホワイトラム。12~18カ月ほどアメリカンオーク樽で熟成させたあと、再度チャコールフィルタを行なって仕上げるもので、フルーティでココナッツのような味わいや甘みが魅力です。参考価格は750mlで1,400円程度(オープン価格)。

◎マイヤーズラム

洋菓子材料との相性がよく、お菓子作りの材料として、世界の一流洋菓子店やレストランで愛用されているラム酒。ジャマイカ産の本格派ダークラムです。風味も香りも華やか。コーヒーやアイスクリームのトッピングに少量たらしても美味。参考価格は700mlで1,500円程度(オープン価格)。

まとめ

ラム酒の魅力をお伝えしてきましたが、いかがでしたか? ストレートやロック、ホットで家呑みするもよし。カクテルやお菓子の素材にも使うもよし。おうちに一本ストックしておくと、いろいろな楽しみ方ができそうですね♪ 

文/北浦芙三子

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