「オートミール」をご存知ですか?栄養があってダイエットにも役立つヘルシー食材なのですが、食べるにはちょっとコツが必要です。
ここでは、「オートミールって何?」という基本的な知識から栄養の話、ベーシックな食べ方、おいしいアレンジレシピまで、オートミールについての情報をたっぷりとお届けします。
オートミールとは何か知りたい
欧米の映画やドラマで朝食に登場する「オートミール」。日本でもじわじわと人気を集めていて、キレイになりたい女性たちやヘルシー志向の人たちの間でちょっとしたブームになっています。オートミールとは一体どんなものなのか、ポイントをチェックしてみましょう。
そもそもオートミールって?
「えん麦」を食べやすく加工したものがオートミール。えん麦は穀物の一種で「オーツ麦」や「オート麦」とも呼ばれてます。えん麦を炒ったり蒸したりして、粗挽きにするか平べったく押しつぶして作られます。
欧米で愛されてきたヘルシーフード
オーツ麦自体はアジアで生まれ、紀元前1000年ごろにはヨーロッパでも栽培されていたほど長い歴史を持つ穀物。ただし、スコットランドなど一部を除いては、主に家畜のエサとされていました。
オーツ麦がイギリスに伝わってからはオートミールが開発され、栄養価の高い大事な食材として認められるように。17世紀にアメリカに伝わると、さらにブレーク。朝食メニューにぴったりの食品として普及していきました。
日本では近年ブームに
日本にオートミールが伝わったのは明治時代。近年はダイエットに役立つ食材として注目されたり、ヘルシー志向の高まりなどから、ちょっとしたブームになっています。
シリアルやグラノーラとは違うの?
オートミールはシリアルの一種。ただし、コーンフレークとは違ってそのままで硬くて食べられません。つまり、“牛乳をかけるだけ”ではダメ。加熱などして手を加えてから食べる、ちょっと手間のかかるシリアルです。
また、グラノーラはオートミールを材料の1つに使った食べ物のこと。オートミールがさらに食べやすく加工され、ドライフルーツなどとミックスされています。
オートミールの種類
オートミールは、狭義ではオーツ麦を蒸してつぶして平たくした「ロールドオーツ」を指します。ただし、オートミールを「オーツ麦を食べやすく加工したもの」と広く定義すると、実は種類がこんなにいっぱい!
・ホールグローツ…オーツ麦の穀や皮を取り除いたもの。
・カットオーツ…ホールグローツを挽き割ったもの。
・ロールドオーツ…「オートミール」の代表格。カットオーツを蒸してつぶし、平たくしたもので短時間で調理が可能。
・クイックオーツ…ロールドオーツを細かく砕いたもの。
・インスタントオーツ…ロールドオーツをさらに短時間で食べられるよう加工したもの。
・オーツブラン…オーツ麦をオートミールを加工するときに出る薄い外皮のこと。
オートミールの栄養効果
オートミールとは、そのままでは食べられず、加熱調理するなどして手間をかけて調える食べ物とわかりました。それでもオートミールが世界各国で愛されているのはなぜなのでしょうか。その理由は、なんと言っても栄養価の高さ。オートミールの栄養効果について詳しく見ていきましょう。
バランスよく栄養が摂れる
オートミールはタンパク質やビタミン、ミネラル、食物繊維などがバランスよく含まれています。
文部科学省の食品成分データベースによると、たんぱく質は精白米の2倍以上。体内で糖質をエネルギーに変える働きを助けるビタミンB1や、抗酸化作用のあるビタミンEなどのビタミンも豊富です。赤ちゃんの健康のために、妊娠中に摂っておきたい「葉酸」が含まれているのもうれしいですね。
カルシウムや鉄分は玄米以上!
日本人に不足しがちなカルシウムや鉄分が豊富です。ミネラルたっぷりなヘルシー食材として知られる玄米と比べてみても、カルシウムはオートミール100gに47mg含まれ、玄米の約5倍。鉄分はオートミール100gで3.9mgで玄米の2倍近くという優秀さ。女性に多い貧血や骨粗しょう症などを予防するにも、オートミールが活躍しそうです。
2種類の食物繊維がたっぷり
食物繊維にいたっては、オートミール100gに9.4g含まれていて、これは玄米の3倍以上、精白米の約19倍!しかも、オートミールがスゴいのは、水溶性・不溶性のどちらの食物繊維も含んでいること。
水溶性食物繊維は血液をサラサラにしたり糖質の吸収も遅くしたりして、いろいろな病気の予防に役立ちます。不溶性食物繊維のほうは腸の調子を整えて便秘を解消。おなかをスッキリさせる効果が期待できます。
腹持ちがよく、ダイエット中にもぴったり
栄養素がバランスよく含まれているオートミールは、ダイエット中にも頼れる食品。豊富な食物繊維のおかげで腹持ちがいいので、食べ過ぎを防ぐこともできます。
オートミールの食べ方
栄養たっぷりなオートミール。これまで食べたことがない人は、まずは基本的な食べ方で味わってみてはいかがでしょうか。オートミールの1日の摂取量についても考えてみましょう。
1.ポリッジ(お粥)
定番の食べ方はお粥。「ポリッジ」とも呼ばれます。作り方はカンタン。オートミールに対し、4~5倍程度の水を用意し、一緒に鍋に入れて煮るだけ。ときどきかき混ぜながらお粥状になるまで弱火で3~5分ほど加熱します。器に盛ったら、砂糖、牛乳、ハチミツ、ジャムなどをお好みでかけて。レーズンやナッツ、シナモンなどをトッピングするのもおすすめです。
2.ハニーミルク
「鍋で加熱調理をするのは面倒。材料もできるだけシンプルにしたい」という人は、電子レンジで作ってもOKです。深めの耐熱容器にオートミールと牛乳を入れて混ぜてからラップをかけ、電子レンジで1~2分ほど温めればできあがり。仕上げにハチミツをかけて。
3.ミューズリー
こちらもオートミールの超定番メニュー。耐熱容器にオートミールとナッツ類を入れ、180℃に予熱したオーブンへ。途中で10分おきにかきまぜ、計30分加熱します。焼き上がったらドライフルーツを散らして冷やし、牛乳をかけてどうぞ。
4.オーバーナイトオーツ
オシャレな朝食として、人気を集めているのが「オーバーナイトオーツ」という食べ方。ボウルにオートミールを入れ、ナッツやドライフルーツも加え、牛乳や豆乳をかけて冷蔵庫で一晩浸しておきます。放っておくだけで翌朝にはふやけて食べやすいオートミールが完成。朝にはフレッシュフルーツをカットしてトッピングするのもいいですね♪
5.ヘルシースープ
スープの具材にするのもオートミールではポピュラーな食べ方。お好みのスープにオートミールを加えましょう。
忙しいときには、インスタントスープの素とオートミールを一緒にカップに入れ、お湯を注いでしばらく置くだけでOK。カンタンに作れて栄養があり、カロリーも低めなので夜食にもぴったりです。
6.オートミールクッキー
薄力粉、バター、砂糖、塩、ベーキングパウダーなどで作るクッキー生地に、オートミールを混ぜ合わせたクッキー。ザクザクとした歯ごたえがクセになります。カロリーを抑えたい人は砂糖をハチミツに置き換えるなど、自分流にアレンジして楽しむのもいいですね。
1日に食べる量の目安は?
オートミールについて、1日のおすすめ摂取量は、メーカーなどでは明示されていないようです。
栄養素の面では、摂取上限量が決められている栄養素は含まれていないので、どれだけ食べても健康への害はないと言えます。
続いて、カロリーに注目してみましょう。文部科学省の食品成分データベースによると、オートミールは100gで380kcal。メーカーなどが紹介するレシピでは、1 人分・1食のオートミール分量は40g程度のものが多いので、1食分のカロリーの目安は150kcal程度です。運動量の少ない人の場合、厚生労働省が提示する「推定エネルギー必要量」は18~29歳女性で1,650kcal、30~49歳で1,750kcalなので、朝・昼・夜3食ともオートミールにしたとしても、オートミールだけで大幅にカロリーを取り過ぎることはないでしょう。
ただし、気をつけたいのは、インスタントタイプの味付きオートミールを選んだとき。糖分や塩分がたくさん入っていることがあるので、この場合は塩分の過剰摂取などに注意が必要です。製品の成分表をチェックし、できればプレーンタイプのオートミールを使って、フルーツなどで食べやすく工夫するようにしたいところ。
オートミールのおすすめ商品
「いよいよオートミールを入手しよう!」と思ったら、どんな商品を選べばよいのか迷ってしまうかもしれません。ここでは購入方法やおすすめの商品などについてご紹介しましょう。
オートミールはどこで買える?
オートミールは、スーパーでも市販されていることがあります。近くの店舗には見当たらないときは、インターネットの通販サイトを利用してみましょう。
次にご紹介する5つの商品はどれもインターネットで購入可能。送料がかかるので、多めに買ってストックしておいてもいいですね。
おすすめのオートミール5選
●オールドファッションオートミール510g/クエーカー
オートミールの世界No.1シェアを誇る「クエーカー」によるプレーンタイプのオートミール。価格は510gで800円程度。コストコやインターネット通販サイトなどでは1袋2kg程度の大容量タイプも販売されていて、大容量のもののほうがお得な価格に。たくさん買うのでコスパのよいものがほしい!という人におすすめです。
味付けされていないので、オートミールそのものの味を楽しみたい人にもいいですね。
●日食オーツ500g/日本食品製造合資会社
1929年に日本で初めてオートミールを製造・販売した日本食品製造合資会社による商品。最高品質のえん麦を特殊加工したもので、防腐剤、着色料などの添加物は一切不使用。価格の目安は500gで600円程度。
鍋で煮たり、電子レンジで温めてもスピーディに調理できます。缶詰タイプなので長く保存できるのもいいところ。
●日食プレミアム ピュア オートミール300g/日本食品製造合資会社
日本人に合わせて加工されたオートミール。保存料、着色料は不使用で、かつ乳児用規格適用食品なので、離乳食にも安心して使えます。価格の目安は300gで350円程度。
チャック付きで食べたい分だけ使って保存しておけるので便利。容器にお湯180mlとオートミール30gを入れて、電子レンジで40秒温めて作れる手軽さも人気の秘密です。
●Odlums 挽き割りオートミール454g/オドラムズ
せっかくなら本格的なオートミールを食べたい!という人には、こちらがおすすめ。アイルランドの老舗製粉メーカー・オドラムズ社によるもので、アイルランド伝統の挽き割りオートミールが入っています。価格は454gで750円前後。
調理しやすいように加工されたインスタント品ではないため、調理に30分以上かかるのですが、噛んだときのプチプチ感や濃厚な風味がしっかり楽しめます。
●ネイチャーズパース オーガニック ホットオートミール オリジナル400g/ネイチャーズパース
アメリカでオーガニック朝食製品を扱うトップブランド「ネイチャーズパース」のオートミール商品。非遺伝子組み換えの有機押しオート麦のみを使っています。価格は400gで900円前後とやや高め。
ほのかな甘みがあり、ミルクや豆乳、メープルシロップなどとも相性抜群。個包装されたものが8袋入っていて、使い勝手もよい商品です。
オートミールのアレンジレシピ
最後にオートミールのアレンジレシピをご紹介します。シンプルな食べ方ではちょっとに飽きちゃったときや、オートミールの栄養をいろいろなメニューで摂取したいときなどに、ぜひ作ってみてくださいね。
マッシュルームとヒラ豆のヘルシーハンバーガー
【材料(8~12個分)】
オリーブオイル…小さじ2
玉ねぎ(みじん切りにしたもの)…1個
ニンニク(みじん切りにしたもの)…2個
マッシュルーム…300g
タイム…小さじ2
唐辛子パウダー…小さじ2
チリパウダー…小さじ1
塩コショウ…少々
レンズ豆…250g
オートミール…150g
カンタンに作れて、ヘルシーなハンバーガー。お肉を使わず、オートミールや豆類で、食べ応えのあるハンバーグを作るのがポイントです。ダイエット中の人から食べ盛りのお子さままで、いろいろな人に喜んでもらえそうですね。
2016.02.26今回紹介するのはとっても簡単なハンバーガー♪ダイエット中の方から食べ盛りのお子さんにも…いろんな方におすすめの、オートミールを使ったとってもヘルシーなヘルシーハンバーガーの紹介です。続きを見る
ダイエット効果抜群のオートミールを美味しくオシャレにガレットで!
【材料(1人分)】
<ガレット生地>
オートミール…30g
水…120cc
ココナッツオイル…小さじ1
<具材>
ピザ用チーズ…適量
卵…1個
ベーコン…ハーフ1枚
冷凍ほうれん草…適量
マヨネーズ…適量
ケチャップ…適量
ブラックペッパー…適量
ダイエットにも効果が期待できるオートミールとココナッツオイルを組み合わせて生地を作ります。サラダを合わせればバランスのとれたオシャレな朝ごはんが出来上がります。オートミール入りで腹持ちの良さもGood♪
2016.06.14オートミールは非常に栄養価の高い食品で、食物繊維は玄米の3.5倍、カルシウムは5倍、鉄分は2倍!特に食物繊維が豊富で、便秘の予防・改善、基礎代謝の向上、低GIとダイエットや健康目的にぴったりの優れた食品です!(オートミール...続きを見る
フルーツたっぷり・自家製フルーツグラノーラ
【材料(約535g)】
オートミール…200g
カシューナッツ…40g
くるみ…40g
アーモンドスライス…20g
松の実…20g
ドライストロベリー…40g
ドライマンゴー…40g
ドライメロン…40g
グレープシードオイル…25g
バター…25g
メープルシロップ…80g
ごろごろとしたフルーツが入ったグラノーラが自分で作れるレシピ。オートミールやフルーツなどの栄養がたっぷりだから毎日の朝食にもぴったりです。ヨーグルトやお好みのドライフルーツ、オイル類を合わせて、いろいろとアレンジが楽しめますよ。
2017.02.06今流行りの「フルーツごろっとグラノーラ」を自家製しました。タンパク質・ビタミンB1・食物繊維がたっぷりのグラノーラは、ヨーグルト等と一緒に毎日摂取したいですね。お好きなドライフルーツ、お好きなオイル類で・・・と、色々アレン...続きを見る
混ぜて焼くだけ!オレンジピールとオートミールで米粉のスティックバー
【材料(10本分くらい)】
米粉(富澤商店)…40g
ココア…8g
ベーキングパウダー…4g
オートミール…30g
きび砂糖…30g
ココナッツミルク…120g
くるみ…30g
オレンジピール…適量
混ぜて焼くだけで簡単に作れる米粉のスティックバー。チョコレートやバター、生クリームを使わず、ココア、ココナッツミルクで作ります。オートミールにオレンジピール、くるみを加えてビタミン、ミネラルを補給。かわいくラッピングして手土産にも!
2016.05.17混ぜて焼くだけ~だから簡単に作れる!米粉のスティックバーです。オートミール、オレンジピール、くるみをいれて~ビタミン、ミネラル補給~♪チョコレートやバター、生クリームを使わないで、ココア、ココナッツミルクで作りました!つい...続きを見る
まとめ
タンパク質にビタミン、ミネラルなどバランスよく栄養が摂れるオートミール。料理からスイーツまで、いろいろなレシピにアレンジできるのも魅力ですよね。まずは朝食にオートミールに取り入れて、カラダの変化を感じてみてはいかがでしょうか。
参考:文部科学省「食品成分データベース」(https://fooddb.mext.go.jp/)
文/北浦芙三子
コメント
全て既読にする
コメントがあるとここに表示されます