玄米はどうすればおいしく炊ける？土鍋や炊飯器を使った方法を紹介

近年、糖質オフダイエットやマクロビブームにともない、玄米食が見直されてきています。しかし健康によいと言われても、実際にどんな効果があるのかイマイチよくわからないという人も多いのでは？　試したことがあっても「ボソボソして食べにくい」「独特な臭みが苦手」などの理由からなかなか常食はされにくいようです。そんな玄米ですが、ちょっとしたコツをつかむだけで誰でも簡単に、しかもおいしく炊くことができちゃいます。

玄米がダイエットや健康によいのはなぜ？

玄米はもみ殻だけをのぞいた米のこと。米の栄養のほとんどは「ぬか層」と「胚芽」と呼ばれる部分に凝縮されています。玄米はこの胚芽を残してあるため、精米された白米よりも栄養価が高くなります。特に糖質の代謝を促すビタミンB１が豊富に含まれ、米のでんぷんをエネルギー源として利用しやすくしてくれます。

一見すると糖質を多く吸収してダイエットによくないように思えますが、脂肪となってしまうのはビタミンB1などの補助を受けずに吸収してしまった場合。ビタミンB1と同時に吸収することで体に有効的に作用して疲労回復などに役立ちます。

また食物繊維量も白米の約4倍。そのため食感はかたくなりますが、噛むことで満腹感を得やすく腹持ちがよくなります。このほかミネラルやビタミンE、リノール酸も多く、動脈硬化予防に効果大。健康への即効性はありませんが、毎日の主食として取り入れることで生活習慣病などの予防につながります。

玄米と白米の炊き方はどう違う？

玄米が茶色いのはぬか層で覆われているため。米ぬかは油分なので水をはじきやすく、そのまま軽く研いだだけでは水がうまく浸み込んでくれません。よく精製された白米なら20分くらいの浸け置きで十分ですが、玄米は浸け時間が短いと芯が残ってしまうことも。

水の吸収をよくするため、細かい傷をつけるようによく研ぎ、少なくとも６時間、できれば一晩くらい浸けおくのがおすすめです。夏場は長時間放置すると水が傷みやすくなるので、途中で水を変えるのを忘れないように気をつけましょう。時間がないときはぬるま湯（人肌くらいの温度）を使って浸ける裏ワザもあります。冷水よりも吸収率がアップするので時間短縮ができます。

玄米のおいしく炊き方～炊飯器の場合～

炊飯器に玄米モードがある場合は、まずはそれに従って炊いてみてください。電気炊飯器を使う場合、火を使う鍋炊きとくらべて熱量が弱いため、炊飯時間が長くなります。その分時間をかけて水分を吸収することで、炊き上がりもやわらかくなるのです。先に記載したように、玄米をふっくらと炊き上げるにはとにかく水分の吸収率が重要なります。順を追った炊き方のコツは以下をご覧ください。

① 水をはじいてしまうぬか層に細かい傷がつくように、両手でこすり合わせるように揉み洗いし、給水しやすい状態にする。
② たっぷりの水に浸けて6時間以上浸水させる。
③ 一度ざるにあげて水をきり、炊飯釜の目盛りに合わせて水と塩ひとつまみを加える。
④ 玄米モードを使い、時間をかけて炊く。
⑤ 保温状態で１時間以上蒸らす。

塩ほんの少しでおいしさアップ

「寝かせ玄米」のおいしさの理由

また、近年「寝かせ玄米」が流行っていますが、これは炊き上がった玄米を保温状態で長時間蒸らす（寝かす）ことでより水分をキープさせ、もっちりとした食感にすること。まとめ炊きをして寝かせるだけなので余計な手間もかかりません。炊飯器を保温にしたまま放置しておけば、3日目くらいには色が濃くなり、もち米のようなもっちり食感になります。

寝かせた玄米は衛生面を考えて、３～７日以内に食べきるのがベストです。長期間放置したら傷まないか心配ですが、ある程度温度が高ければ雑菌の繁殖が防げるので、保温スイッチは切らないことが大事です。もしずっと保温状態でおいておけないときは、ある程度寝かせたら、熱々のうちに小分けにして冷凍保存してください。電子レンジで再加熱しても、もっちり感は十分保てます。

玄米のおいしい炊き方～鍋の場合～

直火で炊く場合、使う鍋の種類で炊き上がりが大きく変わってきます。ごはん炊き専用の鍋がベストですが、ル・クルーゼやストウブなどの厚手のホーロー鍋もおすすめ。ふたが重いので吹きこぼれがなく、保温力があるので火を止めたあとの蒸らしも上手にできます。ただしお値段も張るので、普通のステンレス鍋を使いたい人は米の対流がスムーズにいくように、ある程度の深さがあって、ふたがぴったりとはまるものを選びましょう。

また火で炊くと炊飯器で炊くよりも熱量が高いので、中心まで水が浸透する前に炊き上がってしまい芯が残るなんて失敗も。長めに浸水時間をとり、蒸らすときは熱が逃げないようにタオルなどに包んで保温するのもふっくら炊き上げるコツです。

☆鍋で玄米を炊く基本のレシピ（２合分）
玄米…２合
水…500㎖（お好みで加減）
塩…ひとつまみ

◎米を洗う
まずはもみ殻やごみを落とすようにさっと水洗いします。続けて炊飯器で炊くときと同様に、ぬか層に細かい傷がつくよう両手でこすり合わせるように揉み洗いします。

◎浸水
たっぷりの水に浸けて６時間以上じっくりと浸水させます。

◎水加減
浸けおいた玄米をざるに上げて水をきり、鍋に移します。玄米の容量に対して約1.4～1.5倍の水と塩ひとつまみを加え、軽くかきまぜて塩を溶かしてからふたをかぶせます。
この水加減ですが、古い玄米の場合はやや多めに、新米なら少なめにするのがポイント。

◎中火→弱火→強火の順に炊く
まずは５分ほど中火にかけて沸騰させます。不慣れなときはふたを開けて確認してもOKです。
沸騰したら弱火で25分～30分じっくりと炊きます。最初はふたの縁からぶくぶくと泡がたちますが、25分くらいすると蒸気が収まってくるので、一度ふたを開けて水が残っていないか見てみましょう。
最後に底に残った水分を飛ばすため30秒ほど強火にかけ、ふたをしたまま10分蒸らしまして、底からすくい上げるようにかきまぜます。

玄米のおいしい炊き方～土鍋の場合～

玄米のおいしい炊き方～圧力鍋の場合～

圧力鍋でも基本の炊き方は鍋で炊くのとほとんど変わりません。ただし圧力鍋の場合は蒸気が外に出ずもっちりと炊けるので、水はやや少なめの加減してください。玄米２合に対して水の分量は約400㎖くらいが目安です。
きっちりとふたし、圧力調整があれば高圧に設定して強火にかけます。圧力がしっかりとかかったら弱火にして20分ほど炊き、火からかずして予熱で10分くらい蒸らします。圧力が抜けてからふたを開けてかかきまぜてください。

電子レンジでも玄米はおいしく炊ける？

玄米と白米をまぜて炊く場合のポイント

そもそも白米と玄米は炊き方がちがうので、そのまま一緒にまぜて炊いても、うまくいきません。白米に合わせて炊くと玄米がかたくなり、玄米に合わせれば白米が水っぽくなります。一緒に炊くときのコツは、玄米だけあらかじめ浸水させておき、炊く前にまぜ合わせて白米モードで炊くようにします。玄米をよく給水させておくことで、白米に合わせて炊いたときに差がでにくくなります。

発芽玄米だと炊き方は変わるの？

玄米はまとめて炊いて、冷凍保存を

玄米は少量で炊くよりも、あるていどまとめて炊いたほうがおいしくなります。これは玄米に限らずですが、米は少量で炊くと対流が上手くいかないことがあります。それならば一気に炊いて上手に保存するほうが、手間もなく効率的です。
炊き上がった玄米をおいしく保存するには、蒸らし中の熱いうちにラップに包んでしまうのがコツ。ラップについた蒸気が、電子レンジで再加熱するときに必要な水分となってくれます。そして、できれば急冷させたほうがおいしさを保てます。冷凍庫へ入れる際は、他の食材が溶けないように注意して、そのまま冷凍庫へ。

玄米を使ったアイデアレシピはこちら！

うなぎのまぜごはん

【材料（作りやすい分量）】
米…70㎖
発芽玄米…70㎖
水…140㎖
市販のうなぎのたれ…小さじ１
しょうゆ…小さじ1
塩…少々
油揚げ…1/2枚
うなぎの蒲焼き…80ｇ
にんじん…25ｇ
枝豆…80ｇ
塩…少々
ねぎ…15ｇ
青じそ…6枚

栄養満点なうなぎと玄米のWパワーで、疲労回復に役立つ炊き込みごはんです。甘辛いうなぎダレに青じそやねぎの香りが加われば、どんどん食が進むことまちがいなし！

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こんぶ入りタコライス

【材料（２～３人分）】
合い挽き肉…200g
玉ねぎ…3/4個（約150g）
こんぶ…50g
サラダ油…大さじ１
酒…大さじ１
トマトケチャップ…大さじ３
ウスターソース…大さじ２
チリパウダー：小さじ１
塩…適量
レタス…適量
ミニトマト…3~4個
オクラ…3~4本
ごはん（玄米ごはん）…適量

刻んだ昆布が入ったミートソースとたっぷり野菜で作る、和風のタコラス。タイ米のように少しかために炊き上がる玄米は、エスニック料理やアジアン風とも相性バッチリです。

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ミキサーで簡単！秋の味覚「きのこと玄米のなめらかリゾット」

油を使わないヘルシーリゾット。しめじを使えば秋だけでなく一年中楽しめる1品です。少ない調味料でも、玄米の独特な風味で味に深みとコクを出してくれます。

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ミキサーと電子レンジだけで簡単・時短料理です！秋の味覚が楽しめる、胃腸にも優しいリゾットはいかがでしょうか。油も使っていないのでとってもヘルシーです♪続きを見る

秋の香り満載！ ヘルシーなきのこたっぷり玄米サラダ

サラダ用の玄米を使って手軽に作るライスサラダ。弱火で10分ゆでるだけでOKなので、時間がないときの朝ごはんにもぴったり。たっぷり野菜で栄養バランスも満点です。

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すだち明太子ごはん

炊きたてのごはんにピリ辛の明太子をのせて、キュッとすだちを絞るだけ。すだちのさわやかな酸味で、明太子の辛みがより引き立つお手軽ごはんです。お好みで薬味を添えても。
https://kurashinista.jp/articles/detail/51784

夏休みのランチに♥火を使わない簡単おしゃれ栄養満点ごはん

玄米ごはんをベースにしたライスピザ。しょうゆをまぜてこんがり焼いてあるから、トロトロのチーズとも相性バツグン。おしゃれな見ためはおもてなし料理にもおすすめです。

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胡麻油がおいしい！まるでキンパなおにぎらず♥

存在感のある玄米ごはんは、味つけのはっきりとした韓国風ともよく合います。玄米自体の栄養価も高いので、具だくさんのおにぎらずなら１品だけでもランチには充分です。

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お月見に♪玄米の焼き団子レシピ

玄米粉の香ばしさと白玉粉のもちもち感があわさって絶妙な美味しさに♪　みたらしダレは自分好みの味に調節を。できたてのもちもち感をぜひご家庭で味わってみて！

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参考：文部科学省「食品成分データベース」

まとめ／久賀友美

からだのために毎日食べたい玄米レシピ☆栄養豊富な玄米をもっと美味しく♪

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