浴室は、一日の疲れを癒しリラックスする場所として、ほぼ毎日使うという方がほとんどだと思います。そして、毎日使うところだからこそ、設備の劣化などが目に入り、気になるもの。
「寒い」「床がすべる」「浴槽をまたぐのが大変」「カビが落ちなくなってきた」「ジェットバスの機能が欲しい」など…浴室に関するさまざまな不満が生じてきたり、日進月歩で開発される新機能付きの浴室でのんびり疲れを取りたいと思うのであれば、おもいきってリフォームすることも検討しましょう。
浴室の種類とは?
浴室には、防水加工を施した部屋にタイルやコンクリートなどを使って風呂場を設える「在来工法」と、防水性の高い素材で壁や床、浴槽などが成形された「ユニットバス」の2つの種類があります。
在来工法の浴室は古い一戸建て住宅に多く見られますが、タイルの目地から水が染みるなどで下地を傷めることもあり、これは家全体の傷みにもつながるため、10年〜20年ごとにリフォームが必要といわれています。
ユニットバスが主流となっている昨今、在来工法の浴室を再び在来工法でリフォームするケースは現在ではほとんどないそう。
とはいえ、こだわりのある浴室を希望される方もいますし、もちろんできないわけではありません。
昔ながらのお風呂も人気です。
一般的な浴室・風呂リフォームの価格相場はいくら?
さて、浴室・風呂のリフォームには、いくらくらいかかるのでしょうか。
リフォーム工事の価格相場を見ていきましょう。
各リフォーム会社が出しているデータでは、工事代金を
①50万円まで
②50万円〜100万円
③100万円〜150万円
この3つに区分した場合、②50万円〜100万円で工事を行うケースが約半数という結果が出ています。
もちろん希望する工事の内容や、現在のお風呂の状態などによって金額は上下しますが、①〜③のそれぞれの価格帯でどんな工事ができるのか、一般的な例を挙げてみます。
①50万円まで
・浴室暖房乾燥器の設置工事
・手すりの設置、滑りにくい床材への交換などバリアフリー化の工事
・シャワー水栓の交換
・洗面台の交換と、それに伴う洗面所の床、クロス貼り換え
→→湯船そのものは扱わず、部分的な改修でよい場合には50万円以内でおさまることがあるようです。
②50万円〜100万円まで
・ユニットバスをユニットバスに交換
→→ユニットバスの中心価格帯に工事費を加えると100万円程度になります。
③100万円〜
・在来工法の風呂をユニットバスに交換
→→ユニットバスの中心価格帯+工事費、そして在来工法の風呂の撤去費用が加わると100万円を超えてくることが多いようです。
浴室・風呂リフォームの工事期間はどのくらい?
工事の一般的な期間を調べてみました。
・在来工法の風呂からユニットバスにリフォームする工事……5〜6日
・ユニットバスをユニットバスにリフォームする工事……4〜5日
・洗面脱衣所の洗面台交換……1日
・洗面脱衣所の床シート、クロスなどのリフォーム……2日
・換気扇を浴室暖房換気扇に……1日
・シャワー水栓の交換……半日
・劣化した配管の交換など……2日
浴室・風呂リフォームの費用内訳
ではそれぞれの費用の内訳を見てみましょう。
在来工法の風呂からユニットバスにリフォームする工事
……1616(1坪)サイズのスタンダードグレードの商品として100万円〜。
ユニットバスをユニットバスにリフォームする工事
……1616(1坪)サイズのスタンダードグレードの商品として80万円〜。
洗面脱衣所の洗面台交換
……スタンダードグレードの商品として20万円〜。
洗面脱衣所の床シート、クロスなどのリフォーム……1坪程度の広さとして6万円〜。
換気扇を浴室暖房換気扇に……10万円〜。
シャワー水栓の交換……4万5000円〜。
劣化した配管の交換など……20万円〜。
浴室・風呂リフォームのコストダウン
浴室・風呂のリフォームを、少しでもコストダウンする方法があるのかを調べてみました。
まずは、スタンダードグレードのものを選ぶこと。
ユニットバスを作っている住宅設備会社はたくさんありますが、どの会社の商品でも、
風呂のグレードは4つ程度に分かれています。
1番安価なグレード、そしてその次のグレードのものが一般的に「スタンダードグレード」と呼ばれるものです。
このスタンダードグレードは、メーカーの主力商品。
よその会社との競争もあるため、利益率が低く抑えられていることが多いグレードです。
メーカーの利益率が低いということは消費者側からすると「値段の割に設備がよい」ということ。
安くてお得な商品なのです。
また、工事をしてくれる工務店によって、扱うメーカーの得意不得意があり、それが値段の割引率に反映することがあるのだとか。
「どこのメーカーが得意ですか」と工務店にたずね、そして相見積もりを取ることも大切。
5%から10%ほど、値段が変わることもあります。
浴室・風呂リフォームの注意点
浴室・風呂をリフォームするときの注意点をまとめてみます。
工事期間は風呂に入れない
もちろん、工事の間には風呂に入ることができません。そのため、工事期間中にどこで入浴するのか考えて、親戚や友人宅でのもらい風呂、銭湯やスパの利用などの段取りをつけておきましょう。大人であれば、スポーツジムの風呂を利用するといったこともできますが、子どもやお年寄りのいる家庭では臨機応変な対応が難しいため段取りが大切です。家ではない場所で風呂を使ったあと、湯冷めしない、また汗をかかないなどのよい季節を選べると、より安心です。
工事期間は洗面所・洗濯機が使えないことも
工事期間には、浴室と隣接していることの多い洗面所が使えなくなることもあります。洗面所のレイアウトによっては、洗濯機を取り外して作業が行なわれることも。これもまた、洗濯をどこで行なうのか考えておく必要があります。
工事の騒音も大きく、人がたくさん出入りするというストレスもあります。計画的に工事にのぞみましょう。
浴室・風呂リフォームの費用が大きく変化する要素はどこ?
浴室・風呂のリフォームは、いまある場所から移動させる場合、新たな配管工事が必要になるため、工事費が高くなります。
介護の関係で寝室のそばに作り替えたいなどの場合、しっかりと見積もりをしてもらいましょう。
なるべく、リフォーム前と同じ場所に作る方が工事費を抑えられます。
また、浴室のサイズを大きくする場合にも、費用が大きくかかります。
風呂だけの工事で済まず、隣接する洗面所や部屋の工事まで必要になるからです。
1坪サイズの浴室がある場所に、同じ1坪サイズの浴室を入れるなら問題ありませんが、それを1.25坪にしたい…などの場合、費用の準備が必要です。
在来工法の風呂の場合、経年劣化によるタイルのひび割れなどから水が床下に漏れ、床下が腐っていることもあります。風呂を取り壊したあとに床や壁に劣化が見つかれば、補強工事が発生しますので、そういう可能性も頭に入れておきましょう。
最後に商品の値段です。
各住宅設備会社には、ハイグレードの商品も用意されています。
ジェットバスが付いていたり、ミストサウナが付いていたり。
内装も豪華ですし、水栓なども高機能で、付けられるオプションの種類も豊富です。
しかしスタンダードグレードのものと比べて、価格はだいぶ変わってきますので、即決せずによく吟味して選んでください。
まとめ
浴室・風呂や給湯器など、水回りの設備は10年ごとに点検やリフォームが必要だと言われます。
今の浴室・風呂に何か不満があれば、リフォームという手段でそれを解決することも考えてください。
毎日入る風呂ですから、長く快適に使いたいですね。
★あなたにピッタリのリフォーム会社を探しましょう!
取材協力 Unir Technica株式会社
https://www.unirtechnica.com/
取材・文/加世田侑季
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