“壁面いっぱいの本棚" がある素敵な実例を最近よく見かけませんか? 本棚のある家は、実用性はもちろん、インテリアの面でも注目を集めています。
「家を建てるなら、ぜひホームライブラリーをつくりたい! 」と考えている本好きファミリーも多いよう。そこで、ここではホームライブラリーのプランのポイント、メリットやデメリットなどを徹底研究。どんな場所にどうつくれば使いやすいかなどを考えていきます。
ホームライブラリーとは?
ホームライブラリーとは、住宅の中で本をしまったり、読んだりできるスペースのこと。
電子メディアが普及したこともあり、最近では本の置き場所に困っている人は少数派かもしれません。
でも、そんな今だからこそ、家族が共通で本を楽しむスペースをつくることには、特別な意味があります。
いつもそこに本が待ってくれているというリラックス感、本を通した親子のコミュニケーションなど、本にはさまざまな魅力があります。本好きの方にとって、ホームライブラリーがあこがれの的になるのもうなずけますね。
広いスペースをとれなければ、廊下の一部をあてるという方法もあります。
手持ちの本が少なければ、家族で図書館に行って借りてきた本をまとめて置いておくだけでもいいでしょう。
ウェブ上に流れていく情報とは違う、本ならではの魅力に、じっくりと向き合えるスペースをつくれたら理想的です。
ホームライブラリーのメリット
ではさっそく、ホームライブラリーをつくることのメリットを考えてみましょう。
本が片づくのはもちろん、夫婦・親子・きょうだい同士の理解が深まるなど、ほかでは得られないメリットにも注目してみて。
●本とゆったり接することができ、リラックスできる
●家族間で本を通じたコミュニケーションができる
●パートナーや子どもの興味や趣味を、さりげなく理解できる
●読もうと思って買ってある本( いわゆる“ 積ん読" )を置いておけて、探しやすい
●次の世代に本を受け継いでもらえる
●子どもが本好きになりやすい
●家の中に本が散乱するのを防げる
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ホームライブラリーのデメリット
一方で、ホームライブラリーにはどんなデメリットがあるのでしょうか。
本棚の作り方だけでなく、「使い方」にもポイントがありそうです。
●狭い家では、ホームライブラリーをつくるスペースをとるのが難しい
●不便な場所にあると、わざわざ行くのがおっくうになる
●本棚の掃除が面倒
●捨てられない本が溜まって、無駄なスペースになる
●置き場所があることで、読まない本をどんどん買ってしまう
ホームライブラリーをつくる際に考えるべきポイント
次に、ホームライブラリーをつくるときに考えておきたいポイントを実例と共に紹介します。
前述したデメリットを踏まえ、家族みんなが気軽に使えるように工夫しましょう。
●日常の中で、何となく本が集まってしまう場所の近くに設けるのがコツ。
例えばLDK、寝室、子ども部屋など。
↑LDK に直結した大容量のライブラリー。生活スペースから近いので、本が部屋の中に散らかることがなく、読みたい本を取りにいくのもラク。棚板の位置は本の高さに合わせて変えられます。
↑ライブラリーの奥は、ハンドメイドなどを楽しむアトリエスペース。床をヘリンボーン張りにするなど、インテリアにもこだわりました。
●大切な本を保管しておく場所なのか、人が集まって本を読む場所なのかなど、
目的をもってプランすることが大切。それによって本棚の配置やスペースのつくり方に違いが出ます。
↑自宅で英語を教えているかたがつくった、街の図書館のようなライブラリー。家族だけでなく、生徒さんや近所の子どもたちも訪れます。玄関横にあるので入りやすく、ゴチャゴチャした自由な雰囲気が魅力。棚はリーズナブルな合板でつくりました。( 撮影/ 藤木一彰 )
●オープンスペースではなくて完全に個室としてプランする場合は、室内窓から中の様子が見えると利用率が上がります。
この場合、室内窓やドアを素敵にすることで、LDK のフォーカルポイントにもなります。
リビングから室内窓を通して見通せる、おしゃれなライブラリー。窓の黒いフレームがカフェのような印象を与えます。本棚の奥は奥さまの趣味室。
↑お気に入りの本と一緒に、北欧雑貨などもディスプレイ。ゆったりと飾るように並べることで、インテリアとしても見ごたえたっぷり。
●家族みんなが通る廊下や階段などの壁をライブラリーにする手もあります。
省スペースで効率のいいプランです。
↑2 階ホールの壁面に本棚を設けたお宅。お子さんのお気に入りで、友達とホールに寝ころんで本を読みふけっていることも多いとか。パパやママも通りがかりに「何を読んでるの?」と声がけしやすく、親子で自然に本を共有できるそうです。( 撮影/ 藤木一彰 )
↑こちらのお宅のライブラリーも、2 階のホール。階段の手すりに沿って低い本棚をつくり、壁面にも大容量の本棚を設けました。左手の壁沿いにはワークカウンターがあり、本を読んだりパソコンを使ったりできます。
↑低い本棚の裏側は階段。
上下2 つの大きな窓からたっぷり光が入り、明るく開放的な空間で読書を楽しめます。
●内装の素材にこだわったり、好みの本や雑貨をさりげなく飾ったりして、
リラックスできる空間にできれば理想的です。
↑床をモルタルで仕上げ、小上がり風のフリースペースをつなげたライブラリー。
デスク&チェアもありますが、小上がりの段差が心地いいので、ここに座って本を読むことも多いそう。
↑本棚には子どもの絵本や雑貨もディスプレイ。棚板はラワン合板をオイル塗装にして、コストを抑えました。
ホームライブラリーをつくる際の注意点
ホームライブラリーをプランする際に気をつけたいことをまとめました。本の管理のしやすさ、耐荷重や耐震性、居心地のよさなど、さまざまなポイントがあります。
●大切な本を日焼けさせたくない場合は、窓は北向きがベスト。壁面の高い位置に設置すると、窓そのものが小さくても、スペース全体を明るくできます。
●棚の奥行きが深すぎると、大きな床面積が必要になるうえ、本の手前にホコリがたまリやすくなります。浅くてもいいと考えるなら、奥行き23cmくらいを目安にしてください。
●本はかなり重量があるので、棚板の縦の支えは60cm間隔くらいで入れるのがベスト。収納効率を考えると、棚板は可動式がおすすめです。地震に備えて、重い本は下のほうに置き、上のほうには文庫本などをしまいましょう。
●照明は本が探しやすい位置に設けましょう。小さなイスを置けると、探した本をちょい置きしたり、座って読んだりできて、さらに便利です。
ホームライブラリーの間取り・プランニングのコツ
ホームライブラリーのプラン方法については、こちらでもご紹介しています。省スペースなライブラリーの実例も取り上げているので、ぜひチェックしてみて!
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まとめ
「好きな本に囲まれる幸せ」を実感できるホームライブラリー。
子どもにもとってもいい影響がたくさんありそうです。
さらにインテリアとしても楽しめるスペースができれば言うことなし!
暮らしが豊かになるプラスアルファの空間としてぜひ検討してみてください。
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アドバイスをくださったのは
プランボックス 一級建築士事務所
小山 和子さん
1955年広島県生まれ。女子美術大学芸術学部卒業。87年に小山一級建築士事務所、95年に一級建築士・湧井辰夫さんと共同で現事務所を設立。http://www.mmjp.or.jp/p-box/
取材・文/後藤由里子
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