外壁をどんな色にするか? 家づくりでは、意外とこの点が難しいのです。よく考えて色を選んだつもりでも、小さい面積で見るのと大きな面積で見るのとでは、色の印象が変わってくるからです。大きな面積で見ると、明るい色をぼやけたように感じたり、暗い色を濃く感じたりしてしまうのは、面積効果という目の錯覚によるもの。色選びで失敗しないように、選ぶ際のコツを知っておきましょう。
外壁の色選びのポイント
【飽きのこない色を選ぶ】
住まいの外壁は、衣服のように毎日取り替えることができません。10年、20年と住み続けることを想定して、飽きのこない色を選ぶほうが失敗しにくいといえます。そういった意味では、周囲の景観や自然に溶け込むような落ち着いた色合いがよいでしょう。
【近所の家の外壁や施工事例を参考にする】
具体的に、基本となる色をイメージしにくいようなら、近所の家や新しく住む町で気になる配色の家を探してみることです。この場合、天候や時間帯によって色味が変化するため、何度か確認するほうが参考になります。
また、インターネットで住宅の施行写真を検索してみるのも、ひとつの方法です。
【汚れや褪色を考慮に入れる】
住宅の外壁は、日射し、風雨、ほこりなどにさらされるため、汚れや色褪せが生じるものと考えたほうがよいでしょう。白、黒は汚れが目立ちやすく、鮮やかな赤や青などの原色は経年変化で色が薄くなっていく傾向にあります。
【周囲の景観に配慮する】
一軒一軒の住宅は、町を構成する要素のひとつです。町の景観から浮いてしまうような色を選んでしまうと、後のトラブルの原因ともなりかねません。京都市のように、建物の色使いに規制を設けている地域もあります。
【色数を欲張らない】
あれもこれもと、欲張って多くの色を使おうとすると、統一感がなく落ち着かない見た目の印象に。多くても3色までとし、同系色など調和のとれた組み合わせを意識すると、配色のバランスを保ちやすくなります。
【サンプルを確認する】
家づくりの工程では、塗料メーカーの色見本を見せてもらうことができます。ただし、印刷物では実際の色合いとの違いが生じますし、小さいと似ている色の違いもわかりにくい面があります。
施工業者のなかには、A4サイズぐらいの大きさの板に塗料を塗ったものを用意してくれるところもあります。材質も実際に用いるものに合わせてくれる場合もありますので、打ち合わせの段階で問い合わせてみることをおすすめします。
外壁で人気の高い色
○ベージュ系
ベージュ系の色は主張が強すぎず、周囲に溶け込む色合い。黄砂や煤煙などの汚れが目立ちにくい点でも、よく使われているようです。
○ホワイト系
純白は汚れが目立つので、あまり使われることはありませんが、アイボリーホワイトのような薄いクリーム色に近い白は、ベージュ系同様に、周囲の景観にやわらかく調和する点が人気です。
○グレー系
道路や周囲の構造物とうまく溶け合ううえ、砂や土ぼこり、カビやコケなど、さまざまな汚れが付着しても目立ちにくいのが特長。
○ブラウン系
落ち着いた雰囲気、高級感のある印象を演出できます。ただし、濃いブラウンは、外壁に使うと思っていた以上に暗い色に見えてしまうおそれがあるので要注意。
カラーシミュレーションについて
ソコンやタブレット端末を使って、住宅の画像の外壁をいろいろな色合いに変換できるカラーシミュレーションソフトという便利なものがあります。建材メーカーのウェブサイトなどで無料のカラーシミュレーションサービスをおこなっているところも。
わざわざ専門家のところや店頭へ出かけなくても手軽にできるのが、大きな利点といえますが、画面上の色合い、プリントすれば印刷した紙での色合いになるため、実際の塗装の色、質感とはどうしても異なってしまいます。活用する場合は、あくまでも参考程度に留めるようにしましょう。
ひと味違う色使いの工夫
住宅の外壁の色選びの工夫として、複数の色を巧みに組み合わせてセンスを感じさせる色使いの方法があります。
調和する2色をお互いに引き立つように使うツートンカラーがそのひとつ。
例えば、白と黒のモノクロでまとめる、クリーム色とそれをさらに淡くした色といった同系色の組み合わせにすると、ちぐはぐな印象にならずにすみます。
また、中間色をベースに使いつつ、差し色として鮮やかな色合いをほんの一部に取り入れると、周囲の景観に調和する一方で個性的な印象を演出できます。
色使いとは少し違うかもしれませんが、タイル柄や石積み柄などをアクセントとして取り入れるのも、見た目に高級感や瀟洒な雰囲気を加えるのに役立ちます。
まとめ
家の印象は、外壁の色使いによって決まる、と言っても過言ではありません。
外壁の色選びは、住まいづくりにおいてそれほど重要であると理解し、この項目で紹介した6点のポイントを押さえつつ、慎重に、そして楽しみながらプランを練ることをおすすめします。
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記事作成協力: 株式会社北九州住宅診断研究所
http://jyutaku-shindan.com
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