最近、子育てファミリーの間で「平屋住宅」が人気なのをご存じですか?
「コンパクトで暮らしやすい! 」
「家族のふれあいを味わえるのがいい! 」
といったメリットが注目を集めているんです。
とはいえ、平屋住宅には見落としがちなデメリットもあります。
ここでは平屋住宅を検討するときのメリットとデメリット、
さらには注意したい間取りのポイントについても詳しくご紹介します。
平屋住宅とは?
2 階建てや3 階建てではなく、1 階部分のみの住宅のことを「平屋住宅」といいます。
日本では昔から一般的な建て方でしたが、現在では狭い敷地でも生活スペースを広くとれる2 階建てや3 階建てが主流になっています。
平屋住宅に注目しているのは、
大きく分けると60代以上のシニア世代と、30~40代の子育て世代になります。
シニア世代が注目する理由は、おもに「階段の上り下りがないので、体が不自由になったときにも暮らしやすい」というもの。
いっぽうの子育て世代にとっては「階段で空間が区切られないので、家族の一体感を味わえる」という理由を挙げる人が多いようです。
いま30~40代の世代も、数十年後にはシニア世代と同じ考え方になるかもしれません。
つまり、「自分たちが年齢を重ねたあとも暮らしやすい家がほしい! 」と考える人にとっても、
平屋住宅は魅力的な選択と言えそうです。
平屋住宅のメリット
平屋住宅には、どんなメリットがあるのでしょうか?
平屋住宅の魅力や暮らしやすさなどについてまとめました。
平屋住宅のメリット
家族の一体感を味わえる
フロアごとに空間が分断されないため、どこにいても家族の気配を感じることができます。
特に子育て中のママにとっては、子どもに目が届きやすい安心感が◎!
生活動線や家事動線が短い
玄関→LDK 、寝室→トイレ、洗面室→物干しスペース→クローゼットなどの距離が短いので、
生活や家事をするうえでの移動距離が短くてすみます。
ワンフロアで生活できて将来も安心
「歳を取ると2階を使わなくなる」という話を聞いたことはありませんか?
平屋住宅では階段の上り下りがないため、高齢になって足腰に不安が出てきても家の中をすべて使えます。
掃除がラク
重い掃除機を持って2 階・3階へ上がる手間がなく、
毎日の掃除の負担を減らせます。床をフラットにしておけば、ルンバにおまかせという手も!
冷暖房効率がよい
2階建ての悩みのひとつが、1 階と2 階の温度差ですよね。
どうしても1 階が寒く、2 階が暑くなりますが、平屋ではその心配がありません。
間仕切りを少なくした平屋では、エアコン1台で家全体の冷暖房をまかなえることも。
無駄なスペースを省ける
2階に上がる階段には4畳ほどの面積が必要ですが、
平屋住宅ではこのスペースを作らなくてすむので、
ほかの生活空間として有効に使うことができます。
耐震性に優れている
2階建てに比べて基礎部分が広く、壁の高さが低いため、
建物としての強度を高めることができます。
将来のメンテナンスがしやすい
築年数が経って外壁や屋根にメンテナンスが必要になったとき
高い足場を組む必要がないため、その分の工事費用を抑えられます。
平屋住宅のデメリット
こちらは、平屋住宅によくあるデメリットです。
思いがけないポイントもあるので要注意!ですよ。
敷地探しが難しい
土地にはそれぞれ「第一種低層住居専用地域」などの区分があり、
建ぺい率・容積率の制限が厳しい地域では
建てたい家の面積に対してそれだけ広い土地が必要になります。
たとえば建ぺい率40%の地域で、40坪の平屋を建てたい場合、
土地の広さは100坪も必要に。
2階建てを前提にして、50坪~60坪程度で土地を区割りしている分譲地などでは、
20坪~24坪程度の平屋しか建てられないことになります。
つまり、もし最初から平屋住宅を希望しているなら、
建ぺい率や容積率が厳しくない土地や、広い土地を探す必要があります。
敷地によって快適さが左右される
家がぎっしりと建てこんだエリアなどに平屋住宅を建ててしまうと、
日当たりや風通し、プライバシーを確保するのは困難。
2 階建てや3 階建てにして、上階にLDK を設けるほうが快適になることもあります。
この場合も、平屋住宅に向く敷地かどうかをしっかり見極めることが必要になります。
坪単価が高くなる
一般的に、平屋住宅は2 階建てや3 階建てより延べ床面積が小さいため、
1 坪あたりの工事費(坪単価) は割高になります。
また、工事費の中でも基礎・土台・屋根にかかる費用は高額なので、
広い平屋ほどコストが大幅にアップ。
コンパクトな総2 階のほうがローコストになることもあります。
眺めのいい部屋がつくれない
平屋は建物の高さがないぶん、見晴らしの面では×。
特に狭い敷地に平屋を建ててしまうと、周りを囲まれているという圧迫感を感じることもあります。
家族の誕生・成長で狭く感じやすい
「家を建てたあとに子どもが生まれて、部屋が足りなくなった」
「子どもが小さいうちはゆったり暮らせたけど、大きくなったら手狭になった」という声も。
家族の変化によって広さの感じ方が変わることを想定しておきましょう。
防犯対策が不可欠
平屋住宅は1 階にしか開口部がないため、外からの侵入者が心配。
慎重な防犯対策が必要になります。
家づくりの依頼先が限られる
ローコストなハウスメーカーなど、
決まった間取りから選ぶような規格(企画)プランをおもに手がけているところは、平屋住宅には対応していないケースがほとんど。
そのため、設計事務所や工務店、ハウスビルダーなどに注文住宅として依頼する方法がメインになります。
平屋の費用相場について知りたい
実際に平屋を建てようと思ったとき、気になるのはやっぱり建築費ですよね。
平屋は2 階建て・3 階建てに比べて坪単価が割高になりやすいことはご説明しましたが、具体的にはどのくらい差があるのでしょうか。
こちらでは、同じくらいの広さの総二階の家と平屋住宅を比較して、建築費の差について詳しくご紹介しています。
コストを抑えるための工夫にも触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。
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平屋住宅の実例、事例が知りたい!
間取りに工夫を盛り込んで、暮らしやすい平屋住宅を建てた先輩たちもたくさんいます。
こちらではそのうちの2 軒の事例をご紹介しています。
コスト調整のテクニックや、素敵な暮らしぶりもぜひチェックしてみてください。
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平屋住宅の間取りを決める時のポイントとは
平屋住宅の間取りを決めるときに重視したいのは、
なんといっても「狭さ」「圧迫感」の問題です。「この土地に平屋を建てて伸び伸びと暮らせるかどうか」
「将来もこの広さで快適に暮らせるかどうか」をしっかり考えたうえで、
間取りプランを検討しましょう。
窓の配置
周囲の建物からの圧迫感がなく、プライバシーも守れる平屋住宅をつくるためには、
「どこに窓をあけるか」が重要になります。
お隣の窓と重ならない場所を選び、
できるだけ周囲の建物と建物の間を視線が抜けるような方向に窓をつけるのがコツ。
遠くが見通せることで、狭さ感の解消にも役立ちます。
収納の容量
住み始めてから「収納スペースが足りない! 」とならないように、
将来のライフスタイルの変化も含めて、収納スペースの容量をあらかじめ考えておきましょう。
個室の数・広さ
小さな平屋住宅では、ほとんど個室をつくらない人もいますが、
「落ちつけるプライベート空間がない」
「子どもが受験勉強に集中できるスペースがない」といった声もあります。
最低限必要な個室を確保したり、
あとから仕切って個室にできるプランを選んでおいたりすると安心です。
水回りの広さ
キッチンや洗面室など、家事や生活をするうえで使用頻度の高いスペースは、コンパクトにしすぎないほうが住みはじめてからのストレスを減らせます。
将来のリノベーション
最初は小さな平屋を建てておいて、
手狭になったり、経済的なゆとりができたときに、増築して部屋を増やす手もあります。
そのためには「敷地にまとまったスペースをあけておく」「増改築しやすい工法を選ぶ」など、
新築時の準備が必要になります。
さらに、平屋住宅では家事をするときの動き( 家事動線 )にも気を配りたいところ。
こちらでは特に平屋住宅の家事動線について詳しく取り上げています。
2017.08.14平屋の間取りはどのように決めるとよいでしょうか。おすすめは、家事がスムーズにこなせるように動線をよく考えることです。家事動線を重視すると、無駄なスペースのない効率的な間取りを作ることができます。 平屋の間取りの動線設計の大...続きを見る
平屋住宅を建てる時の注意点が知りたい
平屋住宅ではどんなことに注意してプランする必要があるのでしょうか?
「平屋住宅のデメリット」でも触れた通り、
平屋の住み心地は周囲の環境に左右されやすいので、
プランを考えるうえでもいくつかの要注意ポイントがあります・
こちらでは5 つのポイントにしぼって、平屋住宅をプランする際の注意点をご紹介しています。
防犯面やプライバシー、屋根断熱のことなど、平屋を検討するなら必ず知っておきたいポイントばかりです。
http://kurashinista.jp/house_building/detail/3694
まとめ
「広い家はあまり必要ない」と考える人にとって、平屋住宅の暮らしやすさは魅力的ですよね。
とはいえ、どんなプランにもメリットとデメリットがあり、
平屋も例外ではありません。
工事費が割高になること、狭さ解消に工夫が必要なことなどもきちんと理解したうえで、
メリット生かした“小さな暮らし" を満喫できたら理想的ですね。
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