こんにちは。和田明日香です。
夏休み、子どもたちの宿題を中心に予定が決まっていると言っても過言ではない我が家です。
石の研究で川に行きたい人もいれば、沖縄料理屋に調査しに行きたい人もいて、スケッチブックを買いに行くだの、石を割る道具を買いに金物屋さんに行くだの、ゴーヤが売っているスーパーを探しに行くだの、次から次にリクエストが止まりません。
わたしは運転手しながら、予定を管理して、時にアシスタント、時にご意見番として、めちゃくちゃ働かされている気がします。
ただ、勉強させてもらうこともたくさんあって。とくに長女がやっている沖縄料理研究は、「これはわたしがやらなきゃいけないやつだな…」と思いながら付き合っています。
長女の学校では6年生の一年間をかけて沖縄について学習するのですが、今年は沖縄が日本に返還されて50年という節目の年。沖縄の特集番組がたくさん放映され、スーパーやショピングモールでは沖縄フェアをやっているところも多く見かけます。沖縄をテーマに自由研究をする長女にとっては追い風吹く中、彼女は料理を調べることにしました。
▲子どもたちは食べないかなぁ、と思って買うことがあまりなかったゴーヤ。そのゴーヤを、子どもが料理する日が来るなんて!
家族で沖縄料理屋さんに行って、どんな料理があるのか調査したあと、作り方を調べて一品ずつ作っています。
たとえば、ゴーヤチャンプルー。薄く切ったゴーヤを「塩もみした後、透き通ってくるまでそのままおいておく」という工程、なぜそんなことするのか?切ってすぐ炒めちゃいけないのか?いちいち引っかかる娘を見ていて、いいねいいねぇと、親として、また料理家として嬉しく眺めています。
▲長女曰く、炒めすぎちゃった豆腐。でもそれが、しっかり焼き固まって崩れにくく、香ばしくて、むしろ大成功!
車麩を使うフーチャンプルーは、わたしも作ったことがない一品でした。水で麩をじっくり戻して、手でしっかりと水気を絞り、今度は卵液を染み込ませます。麩を水で戻すのも、卵に浸すのも、なかなか時間がかかる工程。
横で晩ごはんを作りながら見守っていたわたしはじれったくなってしまって、「もうそんなもんでいいんじゃない?触って柔らかければ大丈夫だから、先に進めば?」と言ってしまいました。作ったこともないくせに。
出来上がったフーチャンプルーは、親バカ抜きにとっても美味しかったのですが、娘曰く「麩が全然違う。お店で食べたやつの方がもちもちしてて美味しかった。卵の染み込みが足りてない気がする」そうで、その目は「ママがもういいって言ったからだ…」と訴えていました。ごめんよ、娘。
▲でも本当に美味しかった。ふーチャンプルーに関しては、娘の方が経験者ですね。
沖縄は暑い地域ですが、南国によくある甘味の強い濃い味付けより、豚や鰹節の出汁をしっかりと感じるやさしい味付けが多い、というのが今回の発見。トッピングにもたっぷりと鰹節を使うので、自然なうま味を味わう料理が多いように思いました。
あとは、とにかく豚肉をよく使う、ということ。インターネットで調べたレシピを見ながら、買い物リストに豚肉のいろんな部位をメモしていた娘が「沖縄って、豚は、鳴き声以外全部食べるんだって」と、おもしろいことを教えてくれました。沖縄土産の代表格、ちんすこうにも、豚のラードが使われているそうです。
▲そんな話を「へえ〜!」って聞きながら飲むビールのうまいこと。もちろんオリオンビール。BGMはBEGINで。
子どもたちにとって、世界への関心や社会との結びつきを導く存在でいたいと思って子育てしていますが、夏休みの宿題をいっしょに取り組んでいると、逆に、子どもたちの方こそ、わたしに関心ごとを増やしてくれる存在なのかも、と思ったり。
中学生になったら、夏休みの過ごし方もまた変わるのでしょうか。って、そんな先のことはぜんぜん考えられないぐらい、毎日やることがいっぱいの夏。とりあえず無事に乗り切ろうと思います。
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和田明日香(わだ・あすか)●料理家。東京都出身、3児の母。料理愛好家・平野レミの次男と結婚後、食育インストラクターの資格を取得。オリジナルレシピの紹介、企業へのレシピ提供のほか、講演会、コラム執筆、CM、ドラマ出演など幅広く活躍。近著『10年かかって地味ごはん。』は20万部を突破。
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