美容や健康によい食材として人気がある黒ニンニク。市販品はお値段が張るので、最近では黒ニンニクを家庭で手作りする人が増えているのだとか。
そんな家庭で黒ニンニクを作る方法について、炊飯器、保温ジャー、圧力鍋、コンロ、オーブントースターでの作り方を一気にご紹介。
おすすめの食べ方や保存方法についてもまとめました!
黒ニンニクの作り方が知りたい
そもそも黒ニンニクとは、ニンニクを発酵させた食材。
家庭でおいしく作るには、素材となるニンニクも重要というものです。
まずはその選び方から見ていきましょう。
ニンニク選びのポイント
ニンニクは野菜の一種。
野菜なら新鮮でみずみずしいものがよいイメージがありますが、黒ニンニク作りに至っては逆です。水分が多いと、熟成の過程でベチャベチャになってしまうからです。
そのため、黒ニンニクの素材には、表面の皮がパリパリとして乾燥しているニンニクがベター。一般的なスーパーマーケットなどで売られているニンニクは乾燥処理がされているので、それで十分です。
ひとつ注意したいのは、7月頃に出回る新物のニンニク。
乾燥処理はされておらず、そのままでは熟成させるのが困難です。そうした水分が多いニンニクは数日間、天日干しにして乾燥させるのがおすすめです。
ニンニクの品種についてはどれでもOK。
安全面を考えると国産品を選びたいところです。
臭いの対策
黒ニンニクは、完成すれば臭いは少なくなるのですが、作る途中で強烈な臭いを放ちます。そのため、作る場所は普段の生活では使わない別棟の納屋や、ベランダなどの屋外がおすすめ。
また、マンションなどの集合住宅や、隣りの住宅との距離が近い環境なら、近隣の方の了承を得るか、作るのはやめたほうが安心です。
◎臭い対策としては…
・作り始める前にニンニクを酢に1~2日浸し、乾燥させてから作る。
・作り始める前にニンニクを料理酒を吹きかけてから作る。
・炊飯器で作る場合は、大きなダンボールや木の箱、プラスチックケースなどで覆う。
などの方法があります。ただし、臭いは少なからず発生します。この場合もご近所さんへ了承を得てから作るのがよいかもしれません。
黒ニンニクを炊飯器で作る方法が知りたい
では、家庭で黒ニンニクを作る方法を見ていきましょう。
よく知られているのが炊飯器を使ったもの。
臭いが炊飯器に残るで、お米を炊くことはもうしない、黒ニンニク作り専用の炊飯器で作るのがおすすめですよ。
材料
ニンニク(乾燥処理されたもの)…適量
作り方
(1)ニンニクは皮を剥かずに、新聞紙やキッチンペーパーなどで包みます。
(2)炊飯器の底に金網やすのこ、竹カゴなどを敷き、(1)のニンニクを置きます。
(3)炊飯器のフタを閉じ、保温ボタンを押します。
(4)7~14日ほど保温を続けて熟成させます。1日に一度、炊飯器の保温が続いているかを確認。
(5)ニンニクを1片だけとり出して皮をむき、熟成具合を確認。
チョコレートのような色になったらでき上がりです。
◎作るときのポイント
・熟成をし始めてから数日間は強烈な臭いがたつので、臭い対策を行なうようにしましょう。
・乾燥させ過ぎると食べられないほど固くなります。
皮を剥いてみて、ニンニクの表面がしっとりとしている程度で終えるのがおすすめ。
・ニンニクから水分が出ることがあります。
途中、炊飯器の底に水分が溜まっていたら捨てましょう。
黒ニンニクを保温ジャーで作る方法が知りたい
炊飯器で黒ニンニクを作る方法をお話ししましたが、「炊飯器と言っても炊飯機能はいらない」ということがわかりましたよね。
ですから、黒ニンニクを作るなら、炊飯機能がない保温ジャーや保温ポットなどでも大丈夫。
材料
ニンニク(乾燥処理されたもの)…適量
水…60ccほど
作り方
(1)ニンニクは皮付きのまま、新聞紙やキッチンペーパーなどで包みます。
(2)保温ジャーの底に金網やすのこ、竹カゴなどを敷き、(1)のニンニクを置きます。
(3)保温ジャーのフタを閉じ、保温をスタートさせます。
(4)7~14日ほど保温を続けて熟成させます。
3日目に様子を見て、ニンニクがカラカラに乾燥しているなら、水を60ccほど入れます。
(5)1片とり出して皮をむき、熟成できていればでき上がり。
作るときのポイント
・電源を長く入れっぱなしにすることになります。
取扱説明書を見て、安全面に問題がないか確認しておくとよいでしょう。
・自動で保温を切る機能が付いている場合は、途中でスイッチを入れ直すことになります。
黒ニンニクを圧力鍋で作る方法が知りたい
10日前後と熟成に日数がかかる黒ニンニク作り。
もっと短期間で作りたい!と思ったときに役立つのが、圧力鍋を使った方法です。
じっくり熟成させた黒にんにくとは、味わいが異なってしまいますが、圧倒的な早さで作れるのが魅力。
よかったら試してみてくださいね。
材料
ニンニク(乾燥処理されたもの)…適量
料理酒…適量
作り方
(1)ニンニクを料理酒に浸します。
(2)圧力鍋の底に金網またはすのこ、竹カゴを置きます。その上にペーパータオルを敷きます。
(3)料理酒に浸しておいた(1)のニンニクを入れ、さらに料理酒をスプレーで吹き付けます。
ペーパータオルを被せて蓋をします。
(4)圧力鍋を火にかけ、20~30分ほど温めます。
(5)ニンニクを1片だけとり出して皮をむき、好みの熟成具合になっていればでき上がり。
◎作るときのポイント
・熟成期間が短いので、炊飯器で作るときのような仕上がりにはなりません。
「まあまあ」の熟成具合でよし、とするつもり作るとよいかもしれません。
・料理酒を使うので、ニンニクの臭いを多少抑えることができますが、近隣への配慮は忘れないようにしましょう。
黒ニンニクをコンロで作る方法が知りたい
圧力鍋ほどではありませんが、スピーディーに黒ニンニクを作る方法としては、コンロを使った方法もあります。
ホイルで蒸し焼きにしたあと2~3日熟成させるもので、黒ニンニクの簡易版として味わうにはぴったり。
材料
ニンニク(乾燥処理されたもの)…適量
作り方
(1)ニンニクは皮付きのまま、上部の凸部分を切り落とします。
(2)アルミホイルで(1)のニンニクを包みます。1枚包んだら、さらに2回ほど包みます。
(3)コンロには焼き網を乗せ、(2)のニンニクをのせます。
(4)中火から強火で片面を焼き、10分ほどしたら裏返して同様に10分ほど焼きます。
(5)火から下ろし、ニンニクをアルミホイルでくるんだまま、さらに上から新聞紙またはキッチンペーパーでニンニクをぐるぐると分厚く包みます。
(6)包んだまま2~3日、常温で放置して熟成させます。
◎作るときのポイント
・ニンニクを途中で裏返しして熱を通しやすくするため、最初に凸部分を切っておきましょう。
・コンロによって火の強さが変わるので、ニンニクを焦がさないように注意してくださいね。
黒ニンニクをオーブントースターで作る方法が知りたい
今度はオーブントースターでの黒ニンニク作り。
ここでも残念ながら、チョコレートみたいな色合いの黒ニンニクを作り上げるのは厳しいものがあります。
そこで、ニンニクをゆっくりと蒸し焼きにして、ニンニクが熟成された状態へ少しでも近づけることに挑戦してみましょう。
材料
ニンニク(乾燥処理されたもの)…適量
作り方
(1)ニンニクは皮付きのまま、アルミホイルで包みます。合計3回ほど包みましょう。
(2)オーブントースターの網に(1)のニンニクをのせ、低めの温度で30~40分ほど焼きます。
(3)一度アルミホイルを開いて、ニンニクの状態を確認。皮がきつね色になっていたらでき上がりです。
◎作るときのポイント
・ニンニクをアルミホイルで包んでいるので、ゆっくり蒸し焼きをしている状態にできます。
ただし、日数をかけて熟成させた黒ニンニクとは味わいや成分は異なるかもしれません。
黒ニンニクのおすすめの食べ方が知りたい
ここまで黒ニンニクの作り方を見てきましたが、いかがでしたか?
手作りした黒ニンニクはもちろん、市販の黒ニンニクを手に入れたときも、できるだけおいしく味わいたいですよね。
おすすめの食べ方についてもご紹介しましょう。
◎そのまま食べる
まずは、黒ニンニクの皮を剥いてそのまま食べてみましょう。
もっちりとして柔らかい食感がくせになるかも。
つい手が伸びそうですが、1日に食べる量は1粒が目安です。
とくに、寝る前に食べると眠りにくくなることがあるので注意してくださいね。
◎おつまみにする
おつまみのように、塩を軽くふって食べると美味。
チーズとも相性がよいので、クリームチーズと黒にんにくをカナッペ風にクラッカーなどにのせて味わうのもおすすめです。
◎お菓子や料理に使う
手軽なのは、ヨーグルトやアイスに混ぜ込むこと。
料理なら、サラダ、チャーハン、餃子、カレーなどに混ぜ込むのも◎。
生のときのような強い臭いはんどないので、隠し味となったり、食感のアクセントになったりしていい仕事をしてくれます。
黒ニンニクの保存方法が知りたい
最後に、黒ニンニクの保存方法についてもチェックしておきましょう。
比較的日持ちがしやすく、常温、冷蔵、冷凍、いずれの方法でも保存することができますよ。
◎常温で保存
黒ニンニクは、気温や湿度が低い場所であれば、常温で1ヶ月ほど保存OK。
紙袋などに入れて冷暗所に置くか、ネットに入れて風通しがいい場所に吊るしておくとよいでしょう。
皮は剥いても剥かなくて保存できますが、剥かないほうが日持ちはよくなるようです。
◎冷蔵で保存
もっと長く保存したいときや暑い季節などは、冷蔵保存もおすすめ。
新聞紙やキッチンペーパーなどで包んで冷蔵庫へ入れましょう。
新聞紙やキッチンペーパーは湿ってきたら交換すると、保存性がより高まります。
冷蔵中も乾燥するので食感がやや固くなりますが、半年ほど保存できますよ。
◎冷凍で保存
さらに長期で保存するなら冷凍を。
黒ニンニクを密閉できる保存袋に入れて冷凍庫へ入れるだけでOKです。
冷凍中も乾燥するので食感がやや固くなりますが、1年くらい保存できますよ。
皮付きでも冷凍できますが、皮を剥いた状態で冷凍しておくと食べるときに便利。
実がカチカチに凍ることがないので、出してすぐに食べられます。
まとめ
ちょっと高価な黒ニンニクが、家庭でカンタンに手作りできるのは魅力的ですね!
熟成させているときの臭い対策が重要ですが、そこさえクリアできるなら挑戦してみる価値は大。
炊飯器から圧力鍋、オーブントースターまで、気軽にできそうな方法で試してみてはいかがでしょうか。
取材・文/北浦芙三子
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