日本ではバブル時代に人気が出たおしゃれ(っぽい)なカクテル、モスコミュール。ある程度以上の年齢層には懐かしい名前ですが、今やすっかり定番化。飲みやすさとレシピの簡単さで今、家飲みメニューとしても人気です。そんなモスコミュール、知っているとちょっとだけ役に立つ、誕生秘話や作り方、アレンジレシピをご紹介します。
モスコミュールとは何か知りたい
モスコミュールとは一体なんでしょう? カクテルの一つということは知っていても「なんでモスコ?ロシア製のサンダル?」など謎ばかり。命名の経緯や、このカクテルの誕生秘話については知らない人も多いのではないでしょうか。
どんなカクテルなの?
ウォッカをベースにライムの果汁とジンジャーエール(ジンジャービア)を加えた、甘さの中にもキリっとしたのどごしがさわやかなカクテルです。
モスコミュールは、1946年、アメリカはハリウッドの “コックンプル”というレストランで生まれたという説が有力です。スミノフというブランドのウオッカを売りたい営業マンと、ジンジャービアを仕入れすぎてしまったレストラン店主、そして、銅製のマグカップを売りたいメーカー、この3人が知恵を絞って、それぞれの売り上げを伸ばすために考案したものだとか。
当時は、現代の日本とは違い、ジンジャーエールでなく、ジンジャービアと呼ばれる、エールよりも刺激の強い‘’生姜炭酸ジュース‘’で作っていたので、口当たりが良いとはいえ、喉越しの刺激もピリピリと強く、おまけにおいしいのでたくさん飲んでしまい、へべれけになる人続出で恐れられ、「モスコ・ミュール」(モスクワのラバ)という名前が付けられたのだそう。
ラバというのは後ろ足で蹴り上げる力の強い、馬とロバの交配種。飲んだ時のインパクトなどから、ラバに蹴られたようだ、ということで付けられた名前のようです。
モスコミュールの度数は?
モスコミュールのアルコール度数は、レシピにもよりますが、およそ10度くらいです。日本の普通のビールが5%前後なので、それと比べると度数はやや高めですが、ワインの平均が10~14%、日本酒が15~16%ということを考えると、さらに、その他のカクテルでも20%台のものが多くあることを考えると、それほど高めではありません。
ただ、1杯のアルコール分は少量でも、口当たりが良いからこそ、飲み過ぎに注意する必要があります。
また、海外旅行の際などは、国、お店によってレシピが違い、日本で飲み慣れたものよりも強くなっている場合があるので、気をつけたいですね。特にイギリスやニュージーランド、オーストラリアなどでは、モスコミュールのできた当時と同じレシピで、ジンジャービアを使い、アルコール度数もやや高めとなっているようです。
カロリーは?
一般的なモスコミュール一杯に含まれるのは、ウォッカ45ml、ライム果汁15ml、ジンジャーエール90mlですので、これを元に計算すると、約140kcalです。
モスコミュールの意味は?
モスコミュール(Moscow Mule)は英語で「モスクワのラバ」という意味があり、強いウォッカベースのカクテルなので「ラバに蹴飛ばされたように」効いてくることから名付けられたようです。
モスコミュールはどんな味?
ベースとなるウォッカにはほとんど味がなく、混ぜ合わせる素材の味を生かします。なので、ほぼジンジャーエールを飲んでいるような、強いて言えば、ちょっとだけ薄まったジンジャーエールにライムの香りが効いているな、というところ。
アルコール度数が40度を超えるウォッカは、家庭用冷凍庫では凍りません。冷凍庫に入れても、冷たくなって、とろりとした状態を保つのです。その冷たいウォッカと、これまたよく冷えたジンジャーエールを合わせるのですから、キンキンに冷えたビール以上ののどごしの良さ。
じわじわと暑さの残る夏の夜、居酒屋で最初の一杯にするのも最高ですし、暖房の効いた真冬のバーのカウンターで、冷たい一杯をいただくのも味わい深いものです。
モスコミュールの作り方
シェイカーいらず、混ぜるだけのカクテルなので、材料さえ揃えば家庭でも楽しめるモスコミュール。ホームパーティーなどでも、テーブルにセットしておけば、飲みたい人が自分で作って飲めるほど簡単です。
【材料(1杯分)】
ウォッカ…45ml
ライム果汁…15ml
ジンジャーエール(ジンジャービア)90ml
氷…適宜
【作り方】
①冷やしたグラス(あれば保冷製の高い銅製のマグ)に氷を入れ、ウォッカを注ぐ。
②①にライムを搾り、ジンジャーエールを注ぐ。マドラーで混ぜる。
コツ
ウォッカは冷凍庫で冷やしておくと、まろやかな味わいになります。また、グラスやジンジャーエールもしっかり冷やしておきましょう。
生まれた当時のモスコミュールを味わいたいときは、ジンジャービアで作るのも良いですね。ジンジャービアは、ジンジャーエールより甘みは抑えめ。また、炭酸はそれほど強くありません。生姜がより強く効いているため、ジンジャーエールで作るモスコミュールよりも辛めに感じるかもしれません。見た目は少し濁って、黄色味がかった色をしています。
モスコミュールのアレンジ方法
ベースのウォッカを他のアルコールに変える、ジンジャーエールを別のものにする、果汁を変えるなどなど、定番のモスコミュールからのアレンジも楽しいですね。
ゆずモスコミュール
モスコミュールをライムではなくゆずで作ると、どこか和風のカクテルに変身します。ライム果汁をゆず果汁に変えて、ゆずの輪切りを浮かべてみてください。
また、ジンジャーエールの部分をゆずのジュースと炭酸水などに変えてもモスコミュール風のゆずカクテルを楽しめます。
抹茶モスコミュール
モスコミュールに、ライムの代わりに抹茶を少々入れるだけ。果汁とジンジャーエールの場合よりも丁寧に混ぜます。
梅酒のモスコミュール
ウォッカの代わりに梅酒で! ジンジャーエールの生姜風味と梅の香りが際立って、梅酒好きにはたまらない一杯になります。
芋焼酎のモスコミュール
日本の蒸留酒、焼酎は、ウォッカ同様、純度の高いお酒。芋焼酎には独特の甘味、風味があるので、ほぼ味のないウォッカとは一風変わったモスコミュールになります。ジンジャーエールは少なめで、好みの味を探ってみてください。
他にもウォッカを使ったカクテルが知りたい
暮らしニスタの投稿の中にも、ウォッカを使ったレシピが届いています。カクテルにシャーベット、どれも大人の味に仕上がっていますよ。
脱!缶チューハイ♥1分でランクアップ家時間を過ごす♥シトラスソーダカクテル【#カクテル #お家バー】
【材料】
ウォッカまたはテキーラ…適量
お好みの柑橘フルーツのスライス…3~5枚
炭酸水(又はジュース)と氷…各適量
「脱・缶チューハイ!」ということでこんなおしゃれなカクテルが完成。とは言え、材料3つをグラスで合わせるだけなので、作り方はいたってシンプル。お代わりを要求されてもすぐに次が作れるのも嬉しいですね。
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卵白が決め手!ふんわり口どけイタリアンなレモンシャーベット
【材料(4人分)】
レモン汁…140g
水…240cc
グラニュー糖…140g
卵白…30g
白ワインまたはウォッカ…大さじ1
輪切りレモン…4切れ
ミントの葉…少々
星形ラムネ…8個(なくてもよい)
大人のホームパーティーのデザートにぴったりなウォッカを効かせたシャーベット。おいしくいただいた後に、ほんのり良い気持ちになるのが幸せですよ♡
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ローズマリーとザクロのウォッカ
【材料】
ローズマリーシロップ
水…1/2カップ
砂糖…1/2カップ
ローズマリー…3つ
材料A
ウォッカ…57g
ライムジュース…20g
ローズマリーシロップ…7g
ざくろジュース…28g
材料B
ローズマリー…適量
スライスライム…適量
ライムの種…適量
体に良さそうな材料がぎっしりのヘルシーなカクテル。色味的にも見ているだけで元気が出てきそうですね。
2015.12.21ビタミン等体にもいい、匂いも味もどちらも楽しめる爽やかなカクテルです!続きを見る
ハーブとマイヤーレモンのジムレット
【材料(2人分)】
ジン(アルコール)またはウォッカ…30ml
レモン汁…45ml
水…230ml
砂糖…130g
酸味が少なめのマイヤーレモンで作ったシロップで作るジムレット(ギムレット)。ウォッカで作るとウォッカ・ギムレットと呼ばれるカクテルになります。少しクセのあるジンよりも、ウォッカの方が飲みやすいかもしれません。
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まとめ
ホームパーティーももう皆さん料理やデコレーションのレベルが上がりっ放しで、どこで新しさをだそうかと考えると、残るはドリンク分野!? お客様の目の前でカクテルを手作りしてさっと出せたら、おもてなしも完璧ですよね。
元々が飲みやすい人気カクテルなので、あまり嫌いな人はいないはずのモスコミュール。覚えておくとかなり使えるレシピかもしれません。
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まとめ/伊波裕子
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