寒い国の強いお酒というイメージが強いウォッカ。確かにアルコール度数は平均40度、中には90度超えもある強いお酒ですが、クセがなくて飲みやすく、家飲みにも、外での一杯にもおすすめのお酒。そんなウォッカのおいしい飲み方や人気の銘柄についてチェックしてみましょう。
ウォッカとは?
ウォッカは焼酎やウイスキーなどと同じ、蒸留酒のひとつです。銘柄にもよりますが、香りも薄く、味は水のよう。そんな特徴を生かして、カクテルのベースとして色々な素材と合わせて使われています。
発祥の地としては、一般的にロシアの印象が強いようですが、実はロシア説、ポーランド説、スウェーデン説と諸説あります。この中でポーランドは、「ウォッカ」の起源と名称はポーランドのものであると主張し、1977年にロシア(当時のソ連)を相手取って法廷で闘いました。
裁判所は最終的にウォッカの起源はロシアとし、ロシアのオリジナルアルコール飲料として宣伝する権利を認めたそうです。
そのロシアでのウォッカの定義では、原材料は小麦かライ麦。その他の国では様々な原料が使用されています。
ウォッカの原料は?
上記以外の国でもウォッカは愛され、製造されています。アメリカやイギリス、フランス、もちろん日本でもウォッカの有名な銘柄が作られていますし、その原料も様々。ライ麦や大麦・小麦、ジャガイモなどの穀物が中心ですが、フランスではぶどうを原料にしたウォッカなどもあり、フルーツから作られるものも。それぞれに香りや味わいが違います。
また、ポーランドに多いフレーバーつきのウォッカには、果実の他に薬草や蜂蜜入りのものも。ほのかな甘味やアクセント的な風味を加えるため、生姜や唐辛子、木の葉など、その隠し味には各社が工夫を凝らしています。
ウォッカのアルコール度数はどれくらい?
アルコール臭を除けばほぼ無味無臭、水のような飲み口と言っても、ウォッカの平均アルコール度数は約40度もあります。日本で販売されているビールの多くは5度前後なので、ウォッカのアルコール度数がかなり高めなのは一目瞭然。
他に、日本でよく飲まれているお酒と比べても同様です。日本酒の最大度数は22度ですが、平均は15~6度。ワインが7~8度くらいです。
ただ、ウォッカをストレートで飲む人はそう多くないでしょう。カクテルなどに使用して飲む場合は、1杯のアルコール度数が10度前後からということになるはずです。
ウォッカの飲み方は?
水のような口当たりということで、スイスイと飲めそうなウォッカですが、ストレートで飲むと胃を荒らしてしまうほど強いものも。おいしくて、体にもやさしい飲み方を探ってみましょう。
ストレート
こんなに強いウォッカを、ストレートで味わいたいというウォッカ好きもいるんです。そんな人たちは、ウォッカを瓶ごと凍らせてショットグラスに注いでチビチビと。アルコール度数の高いウォッカは、家庭用の冷凍庫に入れても凍らず、とろりとするだけなのです。
ポーランドの「ズブロッカ」のようなフレーバーウォッカは、このような楽しみ方に向いているかもしれません。
ロック
ストレート同様、氷を入れたロックで飲んでも、ウォッカの風味を存分に楽しむことができます。レモンやライムを搾って入れると、より爽やかな飲み口に。ウォッカは柑橘系との相性が抜群なんですね。
ウォッカトニック
グラスに氷を入れ、ウォッカを注ぎます。トニックウォーターを注いだら、ライムを搾って出来上がり。トニックウォーターの甘みと炭酸の爽やかさで、ぐいぐい飲めてしまいます。ジントニックが有名ですが、ジンよりもクセが無く、トニックウォーター好きには特におすすめの飲み方です。
ソーダ割り
ウォッカをソーダで割ると、ただの炭酸水を飲んでいるような印象。食事のお供にはぴったりですが、知らないうちに酔っているという恐ろしい事態に。
これにライムジュースを加えると、ウォッカリッキーと言う有名なカクテルになります。ジンで作ればジンリッキー。ウォッカとジンは似たようなカクテルに使われることが多く、従兄弟のような関係なんですね。
ジンジャーエール割り
グラスにウォッカを注ぎ、冷えたジンジャーエールを注ぎ、レモンを搾るだけ。家飲みの場合は、ウォッカの量はお好みで。飲み口が鹿(buck)に蹴られたように強いため、「ウォッカバック」という名前がついたのだそうです。でも、ウォッカの量を調整すれば、それほど強いカクテルにはならなそう。ちなみにこのカクテルも、ベースとなるお酒によって、ジンバック、ラムバックなどと名前が変わります。
ウォッカを使ったおすすめカクテルは?
そんなウォッカを使ったおすすめカクテルを、お酒の強い人、弱い人、それぞれに向けて選んでみました。
お酒に強い人には
・ウォッカマティーニ
ウォッカと「ドライベルモット」のみのシンプルなショートカクテル。ピックに刺さったオリーブが印象的な大人っぽい一杯。量は少ないですがアルコール度数は高めなので、ウォッカ好きの酒豪さんにおすすめです。
・ゴッドマザー
アーモンドのような風味の「アマレット」というリキュールを使ったやさしい風味が特徴ですが、アルコール度数は高いので要注意です。ウィスキーをベースにした「ゴッドファーザー」というカクテルの妹版として誕生しました。
・ブラックルシアン
名前からして強そうですが、食後酒として楽しむカクテルとしてデザート代わりに最適。甘みと苦みのバランスが良いコーヒーリキュール、「カルーア」とウォッカを軽くかき混ぜるだけで作れます。
お酒に弱い人には
・モスコミュール
ウォッカのジンジャーエール割り(ウォッカバック)のレモンをライムに変えると「モスコミュール」になります。ちなみにモスコミュールは、モスコー(モスクワ)と付いてはいますがアメリカで生まれたカクテル。モスクワのラバ(馬)に蹴られたようなガツンとした飲み口という意味でつけられたのでしょうか。
・ブラッディーメアリー
イングランドの冷血女王、異教徒を火あぶりにしたメアリーに由来する、血の色を連想させるカクテル。でもレシピを見れば、トマトジュースとウォッカを混ぜただけのシンプルさです。レモンを搾る、塩、コショウをして飲むなど、トッピングはお好みで。
・コスモポリタン
ウォッカをクランベリージュースで割った、ピンク色がきれいなカクテルです。強さはウォッカとクランベリージュースの比率で変わるので、お酒が弱い人はクランベリージュースを多めにして。
家飲みにオススメ!ウォッカを使ったオリジナルカクテル
ここからは、暮らしニスタさんによるおすすめのオリジナルカクテルコーナー。家飲みするときの参考にしてくださいね♪
ローズマリーとざくろのウォッカ
【材料】
◎ローズマリーシロップ
水…1/2カップ
砂糖…1/2カップ
ローズマリー…3つ
ウォッカ…57g
ライムジュース…20g
ローズマリーシロップ…7g
ざくろジュース…28g
ローズマリー・スライスライム・ざくろの実…各適量
ローズマリーと砂糖を水で煮詰めてシロップを作り、ウォッカとジュース類、氷と混ぜてシェイカーへ。ざくろの実やスライスしたライムを添えれば、宝石の様な爽やかカクテルの出来上がり!ビタミンもたっぷり。
2015.12.21ビタミン等体にもいい、匂いも味もどちらも楽しめる爽やかなカクテルです!続きを見る
凍らせたルビーグレープフルーツで冷え冷えつぶつぶカクテル
【材料】
レッドグレープフルーツ
ウォッカ
炭酸水
グレープフルーツの薄皮を剥き、一房ずつ冷凍しておきます。グラスに盛り付け、ウォッカと炭酸水を注げば出来上がり!氷の代わりに凍らせたグレープフルーツを使うことで、口当たりが楽しいつぶつぶカクテルに。
2020.08.30♡氷の代わりに…ひと房ずつ凍らせたレッドグレープフルーツを使った冷え冷えつぶつぶカクテル♡https://kurashinista.jp/articles/detail/72385https://kurashinista....続きを見る
オシャレ♪ミルクティー味の3層ウォッカカクテル
【材料】
水出しピラミッド型ティーバッグ
牛乳
ウォッカ
甘くないアイスミルクティー・ウォッカ・カクテル。上層から、泡立てた牛乳、アイスミルクティー、アイスティーの三層仕立てになっています。
2020.08.11♡甘くないアイスミルクティー(ウォッカ)カクテル♡上層…泡立てた牛乳中層…アイスミルクティー下層…(ガムシロップなし)アイスティー続きを見る
ウォッカベースの梅酒ジンジャーレモン
【材料】
ウォッカベースの梅酒
レモン
ジンジャーエール
ウォッカベースの梅酒にレモンを少量加え、よく冷えたジンジャーエールを注げば出来上がり。梅とレモンと生姜のコラボでスッキリとした味わいのカクテルです。
フローズンオレンジカクテル
【材料】
ウォッカ
オレンジジュース(ブリックパック)
オレンジ
パック入りのオレンジジュースを3時間ほど冷凍庫で冷やしてシャーベットを作り、ウォッカと合わせれば出来上がり。スライスしたオレンジをのせて。とっても簡単なのに本格的なカクテルに♡
2020.08.11簡単!ブリックパックのオレンジジュースをそのまま3時間程冷凍しシャーベット状態にした♡フローズンオレンジ(ウォッカ)カクテル♡オレンジの輪切り浮かべて出来上がり!続きを見る
ウォッカのおすすめ銘柄を知りたい
1本あると、ホームパーティーや家飲みがさらに楽しくなるウォッカ。銘柄は数え切れないほどですが、日本で購入できて、ウォッカ初心者でも飲みやすいものを厳選してお送りします。
スミノフ
スミノフ ブラック 40度 700ml/スミノフウォッカ
雑味、濁りを徹底的に取り除いた、無色透明のクリアなテイストで人気。1864年にウォッカ発祥の地ロシアで生まれ、その質の高さゆえに皇帝御用達の品になったそう。アルコール度数40%と、どんなカクテルを作るのにも使いのですが、ストレートでウォッカそのものの味わいを楽しめるのも、ブラックラベルの「ちょっと良いスミノフ」ならではです。
ウィルキンソン
ウィルキンソン ウオッカ 40度[ウォッカ 720ml]/ウィルキンソン
炭酸水のウィルキンソンが自信を持って送り出す、ニッカウヰスキーの蒸留技術が生かされた国産のウォッカです。白樺炭による丁寧なろ過工程により、軽やかで飲みやすい味わいが実現。価格も1000円を切る手頃さで人気です。どんなジュース、果汁とも相性が良く、さらに炭酸水で割れば爽やかなソーダ割りが簡単に作れるので、毎晩ホーム・バーを開店しても、全く飽きません。
アルコール度数が40度、50度と2種類あり、ラベルもほぼ同じデザインなので、購入時に間違えないように、好みのタイプを選んでください。
アブソルート
アブソルート ウオッカ[ウォッカ 750ml]/ ABSOLUT VODKA(アブソルート ウオッカ)
1979年にアメリカデビューを果たして以来、口コミでその人気が世界に広がったというスウェーデンのブランド。ほのかな穀物とドライフルーツの香りが漂い、うっすらと甘みを感じる仕上がりは、丁寧に作られた小麦原料のウォッカの特徴。どんなカクテルにもよく合う飲み口ですが、芳醇なフルボディのテイストは、ストレートで飲むのもおすすめです。しっかり冷やして、そのなめらかな味わいを堪能してください。
ギルビー
ギルビーウォッカ 37.5度[ウォッカ 750ml]/GILBEY'S(ギルビー)
150年以上の伝統を守り続ける、イギリスのギルビー社こだわりのウォッカ。飲み口はクリアで軽く、度数もやや控えめの37.5度となっています。ストレートで飲んでも良いですが、水かと思うくらいに香りが抑えられているので、果汁や炭酸飲料との相性も良く、ウォッカハイボールに最適という声も。手軽にカクテルが味わえる1本です。
スピリタス
スピリタス[ウォッカ 500ml]/ポルモス ワルシャワ
なんとびっくりのアルコール度数96度はポーランドのブランド。70回以上の蒸留を繰り返すことで、この高アルコール度数が生まれるのだそう。ポーランドでは昔から、家で果実酒を仕込む習慣があったのですが、その頃から愛されて大事に使われてきた銘柄。強いアルコール感の後に感じられる甘みが特徴ですが、ストレートで飲むと口から胃まで熱く感じるほどの強烈さ。粘膜を荒らしてしまう危険性があるので、カクテルのベースなどに少量使うのがおすすめです。
グレイグース
グレイグース[ウォッカ 700ml]/グレイグース
1997年にフランスの美食文化や、ラグジュアリーな世界観をコンセプトに取り入れて開発されたウォッカです。ロシアやポーランドといった東ヨーロッパの高級ウォッカが蒸留と濾過の技術を駆使しピュアさを追求するのに対し、グレイグースは原材料の特徴を残すため、濾過を最小限にとどめ、「味わいあるウォッカ」を製造するというコンセプトに基づいているそう。原材料となる冬小麦は、フランス北部の主要穀物生産地で育成され、フランスのパティシエ達に愛用されるソフトなものが使用されています。数々のテイスティングコンテストで1位に輝く、圧倒的な売上世界No.1を誇るスーパープレミアムウォッカです。
ストリチナヤ
ストリチナヤ・プレミアム[ウォッカ 750ml]/ストリチナヤ
ウォッカの本場ロシアで最も有名なプレミアムウォッカ。ストリチナヤはロシア語で「首都の」を意味し、その名の通り1901年にモスクワで製造が始められたことに由来します。大統領の晩餐会で飲まれるのもこのウォッカなんだそう。芳醇でまろやかな味わいなので、ぜひストレートで飲んでみて!
アブソルベント
アブソルベントプレミアムウォッカ[ウォッカ 700ml]/リードオフジャパン
世界的に有名なポーランドのウォッカメーカーの商品。自社で所有している自然豊かな源泉から汲み取った水を5つの異なるフィルターで丁寧にろ過して作られています。ピュアでクリアな味わいが特徴なので、どんなカクテルにもマッチ。とくに、フルーツやハーブ系のカクテルに最適です。
まとめ
熊のようなむくつけき大男が雪の大地でプハーッと飲んでいるようなイメージでしたが、ウォッカって実は丹精込めて作られる、洗練されたお酒だったんですね。気づけばおしゃれなカクテルのベースにもたくさん使われていて、真夏に凍る寸前のトロトロ状態を楽しむのも素敵♪ そんな優雅な一面も持つウォッカ。家で飲むときにも積極的にチャレンジしたいお酒です。
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まとめ/伊波裕子
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