シュワシュワと炭酸が弾け、すっきり爽快な飲み口で人気のハイボール。食事に合わせるお酒としてもすっかり定着し、女性ファンも増えていますよね。
そんなハイボールですが、作り方によって味が大きく変わるドリンクなのだとか。少しでもおいしく仕上げるために、ハイボールのおいしい作り方から、おすすめのウイスキーの銘柄まで、この機会にしっかりと学んでいきましょう!
ハイボールとは、どのようなお酒?
ハイボールとは、ウイスキーの炭酸割りのこと。広い意味では、蒸留酒を炭酸水で割るロングドリンクのことで、蒸留酒にはウイスキーのほか、焼酎やブランデー、ウォッカ、ジンなども含まれているので、いわゆる「チューハイ」もハイボールの一種です。ちなみに「チューハイ」は「焼酎ハイボール」の略ですが、最近は焼酎だけでなく、ウォッカなどほかのお酒を使っても、チューハイと呼ばれることが多いようです。
でも、実際には「ウイスキー」をイメージされることが多く、「ハイボール」という言葉を、ウイスキーの炭酸割りと説明していることも少なくないようです。
日本では近年、ハイボール人気が続いていますよね。ひと昔前まではウイスキーと言えば、水割りやロック、ストレートで飲むのが定番で、「おじさんたちが飲むお酒」や「アルコール度数が高くて飲みにくい」などと、若い世代には敬遠される傾向がありました。
ところが、国内でウイスキーを販売する大手メーカーが「ウイスキーを炭酸水で割ったハイボールは、食事にも合わせやすい」と打ち出したところ、居酒屋などで人気に。ビールに変わる「とりあえず!」の1杯に選ばれるドリンクにもなってきたと言われています。
◎ハイボールの名前の由来は?
ハイボールの名前の由来は諸説ありますが、スコットランドのゴルフ場でウイスキーのソーダ割りを飲んでいた人たちのところに、高く打ち上げられたボールが飛び込んできて、「ハイボールだ!」と叫んだことにある、というのが有力のようです。
ただ、世界共通の名称ではなく、外国のバーで「ハイボール」とオーダーしても通じないことがあります。例えば、英語圏では同様のドリンクを「ウイスキー&ソーダ」と呼ぶようです。
ハイボールの作り方が知りたい!
最近は、ハイボールを家庭で気軽に作って飲む人が増えていますよね。人気の理由は、作り方がシンプル&カンタンなことにもありますが、シンプルだからこそ、同じ材料でも作る人によって味わいに差が出るのもハイボールの面白いところ。
◎ハイボールの作り方
(1)ロンググラスまたはジョッキを用意し、氷をいっぱいに入れて冷やします。
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(2)氷から溶け出た水分を捨て、ウイスキーをグラスに適量注ぎます。
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(3)マドラーでよく混ぜます。混ぜると氷が溶けるので、溶けた分の氷を足してグラスを氷で満たします。
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(4)グラスを傾けながら、キンキンに冷やしておいた炭酸水をそーっと加えます。
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(5)マドラーで縦に1回、軽く混ぜればできあがり!好みでレモンなどを搾っても美味。
おいしいハイボールを作るコツは?
ウイスキーと炭酸水、氷を混ぜるだけ、というシンプルなレシピのハイボールですが、おいしく作るにはちょっとしたコツが必要です。コツを知れば見違えるほどおいしくなりますよ♪
◎Point1/グラスを冷やす
グラスをしっかりと冷やすのは、ハイボール作りにおいて重要です。しかしながら、グラスを冷蔵庫で冷やすのはおすすめできません。冷蔵庫のなかで食品のニオイがグラスに付いてしまうからです。
ベストなのは、氷でグラスを冷やす方法。氷をたっぷり入れてグラスを冷やします。ウイスキーや炭酸水は冷蔵庫で冷やしておきましょう。
◎Point2/ウイスキーを入れたらよく混ぜる
ウイスキーをグラスに加えたら、氷と温度が均一になるようによく混ぜましょう。ウイスキーはソーダなどほかのものが混ざると熱を発してしまうのですが、温度を下げておくことで、炭酸水を加えたときに温度が急に上がり、炭酸が飛ぶのを防ぐことができます。
混ぜる回数は30回ほどが目安。そして、溶けた分だけ氷を加えてグラスを氷で満たしておくとGood。
◎Point3/炭酸水はそ~っと注ぐ
ハイボールは炭酸のシュワシュワとした爽快な口あたりを楽しむドリンク。作ったときに炭酸ガスが一気に抜けてしまうと、あとには水っぽいハイボールが残ってしまい失敗のもとに……。とくに氷の角に炭酸水が当たると、ブクブクと泡立つ原因になるので注意しましょう。
炭酸水やソーダを入れるときは、氷にかからなようにグラスの内側を滑らせながら注ぐのがコツ。可能なら氷は表面が滑らかなものを選ぶとよいでしょう。
◎Point4/炭酸水を入れたら1回だけ混ぜる
炭酸水を加えたあとは、マドラーを一度挿し入れてスッと抜く程度にします。炭酸を飛ばさないためには、混ぜ過ぎないのがポイント。アルコールの比重は炭酸水より軽いので、これだけでも自然に混ざります。
◎Point5/レモンで爽やかに
お好みですが、仕上げにレモンで香りづけすると爽快感がいっそう引き立ちます。
ウイスキーと炭酸水の黄金比は?
ハイボールはウイスキーと炭酸水でできていることはわかりました。では、おいしく作るための黄金比率はあるのでしょうか。
おすすめの比率は、ウイスキー:炭酸水=1:3~4。
国内でウイスキーを販売する大手メーカー数社のホームページでは、おいしいハイボールを作る方法としてこの比率が推奨されています。バーなどでもこの比率がよく使われているようです。
もちろん、好みやウイスキーの銘柄によって比率を変えてOK。「ウイスキーの風味をもっと濃く感じたい」とか「アルコールを強めにしたい」というときにはウイスキーの割合を上げてみてもいいですね。
逆に、「ゴクゴク飲めるような軽めの1杯がいい」というときには、ウイスキーの割合を下げるとよいでしょう。
ハイボールに合うウイスキー選びのポイント
次に気になるのは「ハイボールにはどんなウイスキーを合わせたらいいの?」ということ。もちろん、ウイスキーの好みは人によって違うので、自分好みのものを選べばOKです。
でも、その「自分好み」のウイスキーをどうやって見分けるのか……。慣れるまではちょっと難しいですよね。具体的な銘柄を選ぶ前に知っておくときっと役に立つポイントをチェックしてみましょう。
◎ハイボールに合うウイスキー選びのPoint1/産地
ウイスキーには膨大な数の種類がありますが、世界的な産地と呼ばれる、日本、アメリカ、スコットランド、カナダ、アイルランドの5カ国のものが「世界5大ウイスキー」とされています。銘柄により異なるものの、味の大まかな特徴は次のように言われています。
・アイリッシュウイスキー(アイルランド)…熟成時間が比較的短く、軽やかですっきりとした味わい。
・スコッチウイスキー(スコットランド)…個性豊かな銘柄が充実。スモーキーフレーバーが強い傾向が。
・ジャパニーズウイスキー(日本)…スコッチの流れを汲みながら、日本人の繊細な味覚に合うよう発展。
・アメリカンウイスキー(アメリカ)…大きく8種類ありますが、香ばしさと甘みがあるバーボンが有名。
・カナディアンウイスキー(カナダ)…癖が少なくライト。マイルドで飲みやすく、カクテルベースとしても活躍。
自分の好みに合いそうなウイスキーの種類がイメージできたでしょうか。どの産地のものも、ハイボールとしておいしく飲めますが、それぞれ風味は違います。
続いて、熟成期間についても見ていきましょう!
◎ハイボールに合うウイスキー選びのPoint2/熟成期間
ハイボールには、熟成期間の短い、若いウイスキーが好まれることが多いようです。
一般的にウイスキーは、熟成するほど香りが華やぎ、味にまろやかさや甘みが増します。逆に、熟成年数が10年以下のウイスキーはストレートやロックで飲むにはピリリとして刺激が強く、甘みが濃いなど「きつさ」が感じられるものもあります。
炭酸水で割るハイボールの場合は、ウイスキーの香りや風味が炭酸によって薄められます。そのため、熟成期間が短いウイスキーの「きつさ」は、ハイボールにすると“ちょうどよい具合”になると言われているのです。
また、熟成が進んだものは味の良さや手間、希少性から高価になる傾向があります。ハイボールは、家庭で気軽に飲むドリンクですから、あまり高価なお酒は避けたいですよね。価格はリーズナブルなほどうれしいところ。その意味でも、ハイボールには若いウイスキーがおすすめなのです。
◎ハイボールに合うウイスキー選びのPoint3/価格
ハイボールは自宅でカジュアルに楽しめるお酒。おいしくて、かつ、家計にやさしいとなおうれしいですよね。
ただし、価格が高いものは味の良さや手間のかかり具合、希少性などそれなりの理由があるもの。「家庭用にウイスキーを買うなら○○○○円まで!」といった予算の範囲で、好みに合うものを見つけたいですよね。
例えば、普段はリーズナブルな価格のウイスキーを選び、たまには「ご褒美」としてちょっぴりリッチなウイスキーを選ぶ、というのもいいかもしれません。
ハイボールに合うウイスキーの銘柄は?
では、いよいよハイボールを作るのにおすすめの銘柄をご紹介します。ハイボールに合わせるウイスキーとして評判のよいもののなかから、なるべく手ごろな価格帯のものをチョイスしました。よかったら、“お好み”を探す参考にしてみてくださいね。
・サントリーウイスキー角瓶
角瓶は居酒屋やバーなどでは、「角ハイ」という愛称で呼ばれるほど、ハイボールではおなじみのウイスキー。ハイボール作りに合うように味が設計された、厚みのあるコクとドライなあとくちが魅力です。価格も手ごろなので、これからハイボールを飲み始めたい人にもぴったり。希望小売価格は700mlで1,590円(税別)。
・ブラックニッカ クリア
税込み1,000円前後で手に入る、家計にやさしいジャパニーズウイスキー。ピート由来のスモーキーフレーバーがない大麦麦芽を使ったブレンデッドウイスキーで、ウイスキー初心者にも飲みやすいのが魅力です。香りはやわらかでクセのない、すっきりとした味わいで、ハイボールにぴったり。希望小売価格は700mlで900円(税別)。
・カナディアンクラブ
こちらもハイボールに慣れていない人にもおすすめ。「C.C.」の愛称で、世界各国のウイスキーファンに親しまれるカナディアンウイスキーです。ほのかな甘みがあり、すっきりとしていて飲みやすい1本。ただし、軽やかでクセがないので、ウイスキーに慣れた人にはパンチが弱く感じるかもしれません。希望小売価格は700mlで1,390円。
・ジムビーム
ウイスキーに少し慣れてきたら、バーボンはいかがでしょうか。ジムビームは1973年以来40年以上、販売数量世界No.1を誇ってきたバーボンウイスキーで、200年以上の歴史を持つロングセラー。バーボンならではの強い風味がありますが、香りや味わいのバランスよく仕上がっています。希望小売価格は700mlで1,540円(税別)。
・メーカーズマーク
同じくバーボンウイスキーですが、こちらは原料に冬小麦を使い、ふっくらとした甘みと香ばしさが楽しめるもの。1本ずつ手作りされる本格派のクラフトバーボンウイスキーです。オレンジやバニラのような香りがあり、ハイボールにするならオレンジの皮を軽く絞って飲むのもおすすめ。希望小売価格は700mlで2,400円(税別)。
・バランタイン ファイネスト
スコッチウイスキーなら、一度は飲みたい銘柄がバランタイン。40種類におよぶモルト原酒をブレンドし、豊かでなめらかな風味に仕上げたスタンダード・スコッチスモーキーです。軽すぎず、重すぎずの絶妙なバランスで、世界各国で愛されているロングセラー商品。希望小売価格は700mlで1,390円(税別)。
・デュワーズ ホワイトラベル
ハイボールに使うウイスキーとして、日本のバーテンダーたちから高い人気を誇るスコッチウイスキー。ハイボールの起源は諸説ありますが、デュワーズブランドの2代目であるトミー・デュワーがハイボールを考案した、という説があるほど、ハイボールと関わりが深いウイスキーです。うま味や酸味、渋みのバランスがよく、ややスパイシーなので食事とも合いますよ。参考小売価格は700mlで1,574円。
・シングルモルトウイスキー タリスカー 10年
価格はやや高価になりますが、こちらはウイスキー愛好家による「家飲み用のおすすめウイスキー」ランキングで1位に選ばれたことも実力派。骨太で荒々しい辛口のボディのスコッチウイスキーです。スモーキーフレーバーと柑橘系の香りがあり、ハイボールにすると爽やか。参考価格は700mlで3,200円程度。
・ラフロイグ セレクトカスク
「ラフロイグ」は、スコットランド・アイラ島の職人が手づくりする、ピートの効いた麦芽から生みだされるシングルモルト。スモーキーな香りで、味わいは濃厚、後味はドライです。個性が強烈なため、「惚れ込むか、大嫌いになるかのどちらか」と言われる銘柄です。やや価格が高い「ラフロイグ 10年」が人気ですが、セレクトカスクなら比較的手ごろで、参考価格は700mlで3,800円程度。
・知多
「ジャパニーズウイスキーでちょっとリッチなものが飲みたい!」という人におすすめ。大麦を原料とするモルトウイスキーとは違って、トウモロコシを主原料にしたグレーンウイスキーのシングルタイプです。ハイボールにすると、の軽やかな風味が楽しめますよ。和食との相性もばっちり!希望小売価格は700mlで3,800円(税別)。
ハイボールのアレンジレシピが知りたい!
自宅に1本、MYウイスキーを用意したら、いろいろな飲み方で味わいたいですよね♪まずはシンプルなハイボールで。それに満足したら、たまにアレンジハイボールを作ってみるのはいかがでしょうか。
ここでは、人気のアレンジ「ジンジャーハイボール」をはじめ、簡単に作れるアレンジレシピを4つご紹介します。カルピスやイチゴ、オレンジなど……好みのフレーバーを加えて、ハイボールの世界をますます楽しんでくださいね。
◎ジンジャーハイボール
【材料(1人分)】
ウイスキー…割合1
ジンジャーエール…割合3~4
氷…適量
ショウガ(好みで)…適量
ハイボールアレンジとして有名なのが、「ジンジャーハイボール」。自宅で作るなら、すりおろしたショウガを加えて、スパイシーに仕上げるのもおすすめです。無糖のものから甘めのものまで、どんなジンジャーエールを選ぶかによっても味わいが変わりますよ。
◎カルピスハイボール
【材料(1人分)】
ウイスキー…割合5
カルピス(濃縮)…割合2
炭酸水(ソーダ)…割合4
氷…適量
「お家でもお酒をいつもよりちょっとおシャレに楽しんでみたい」というときに、簡単に作れるアレンジレシピ。カルピスハイボールは、濃縮タイプのカルピスを使う、爽やかな一杯です。
◎手もみフルーツハイボール
【材料(1人分)】
ウイスキー…割合1
炭酸水(ソーダ)…割合4
イチゴ…適量
ブルーベリーなどのベリー類…適量
氷…適量
手でつぶしたフルーツで作るハイボール。フルーティで果肉のゴロゴロ食感が楽しい1杯です。フルーツはお好みですが、イチゴなどを使えば見た目もカラフルに仕上がりますね。
◎オレンジハイボール
【材料(1人分)】
ウイスキー…割合1
オレンジジュース…割合1
炭酸水(ソーダ)…割合3
氷…適量
オレンジの輪切り…1枚
オレンジジュースと輪切りのオレンジを加えた、柑橘系ハイボール。爽やかで飲みやすいから、お代わりしたくなってしまうかも。作り方もカンタンなので、自宅にオレンジジュースやオレンジがあるときに、試してみてはいかがでしょうか。
2015.12.26お家でもお酒をいつもよりちょっとおシャレに楽しんでみたい。そんなときに、ご簡単に作れるアレンジレシピをご紹介します。5種類の氷とフルーツ等を使うと、パッと華やかで飲みやすい一杯に。「家バー」をお洒落にカジュアルに楽しめますよ♪続きを見る
◎大人の味♡ハイボール×チョコミント
【材料(1人分)】
市販のハイボール…適量
チョコミントアイスクリーム…適量
氷…適量
ドラマのワンシーンで登場した、斬新な組み合わせのドリンク。作り方はハイボールにチョコミントアイスクリームをのせるだけ。ウイスキーのほろ苦さと、チョコミントアイスが意外にも相性抜群なことに驚くかも。ハイボールから手作りするのもおすすめ!
2019.08.06ドラマ「凪のお暇」を見ていたら美味しそうなハイボール×チョコミント割りのシーンがあり私も作ってみたいとチョコミントアイスを探しに行きました。ドラマではもっとアイスクリームっぽいクリーミーな感じだったので他のミントアイスも色...続きを見る
まとめ
簡単に作れるハイボールが、コツをつかめば家庭でももっとおいしく飲めるなんて、なんだかワクワクしますよね。ちょっと丁寧に作ってみたり、アレンジをしてみたり、楽しみながら「自分好みのハイボール」をゆっくり探してみてくださいね。
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文/北浦芙三子
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