ホームパーティーやお節でおなじみローストビーフ。大皿に盛ってどーん!と出すと、ごちそう感があってゴージャスで、気分も上がってしまいますよね。そんなローストビーフですが、ちょっとしたコツさえつかんでしまえば、作り方はびっくりするほど簡単なんです。肉の選び方から柔らかく焼き上げるコツ、ソースの色々まで網羅したローストビーフ大辞典、お送りしますね。
ローストビーフとは?
牛肉の塊をオーブンなどで蒸し焼きにした、イギリス発祥の肉料理です。焼きあがったら塊を薄くスライスして、ソースをかけていただきます。焼き方は、周りは完全に火を通し、中央部分にはまだほんのり赤みが残る程度に焼き上げるのが最もおいしいとされています。
基本はこれもイギリスのグレイビーソースと、薬味としてわさびのようなホースラディッシュをつけたり、好みでマスタードなどを合わせて。本場のイギリスでは、クレソンを付け合わせにするのが伝統だそう。
パーティー料理でもよく出てきますが、ちょっとリッチなサンドイッチの具になったり、日本ではローストビーフ丼など、いろいろにアレンジできるのも魅力です。イギリスではローストビーフは伝統的的に、家族の集まる日曜日にいただくランチのメインというポジションなので、余った分は翌日の夕食などに、使い回されるようです。
おいしいものが何もないなどと言われるイギリスでも、ローストビーフだけはおいしいと褒められる、国民自慢の定番料理です。
ローストビーフの材料は?
ビーフ(牛肉)をロースト(焼く)するんですから、材料として牛肉はもちろん必要。というかほぼ肉だけでもできるんです。ですが、その「肉」の選び方がいちばんのポイント。良い肉が選べれば、もう70%はおいしく焼きあがったも同然です。
使用する部位は、モモ。脂の少ない赤身を選びます。焼きやすいのは、均等に火が通る、太さ(厚さ)が出来るだけ均一な塊です。端の方に細い(薄い)オマケのような部分があると、そこだけパサパサに火が通ってしまい、食べられなくはないですが、あまりローストビーフらしくない部分ができてしまって残念なので、肉の形、重さは、売り場でよく吟味してください。
クリスマス前などに、ローストビーフ用として、タコ糸で縛られた牛肉の塊が売られていることがありますが、こういったタイプだと、全体に均一に火が通るので、上手に焼くことができます。初めて作る場合は500~600gくらいの、小さめの塊の方が扱いやすくおすすめです。
基本は、冷蔵庫から出して、中央まで室温になった牛肉の塊に塩、胡椒を刷り込んでちょっとだけ焼いて放置。これだけなので、あまり難しく考えず、挑戦してみましょう。
ちなみに、その他の材料として、在日本英国大使館総料理長のレシピでは、牛もも肉500g,、塩 5g、黒コショウ 少々となっています。
これにくわえてソースの材料が必要ですが、ソースの情報は、このページのいちばん最後にまとめてあります。
簡単!ローストビーフの作り方
ではいよいよ基本の作り方で、ローストビーフを作ってみましょう。え?これだけ?と拍子抜けするほどシンプルなプロセスですが、ところどころポイントを押さえて、肉汁たっぷりのジューシーなローストビーフを焼き上げますよ!
1.材料を揃える
牛ロースかたまり肉…600g
A にんにくのすりおろし…小さじ2
塩…大さじ1~1と1/2
こしょう…小さじ1/2~1
B 酒…大さじ4
しょうゆ…小さじ1
バター…小さじ2
2.牛肉にAをまぶしてすりつける
冷蔵庫から出して1時間〜2時間程度室温に置いた牛肉に、分量の塩とこしょうを混ぜたものが小皿に入っています。多いようですが、全ての面に刷り込んで、この程度でちょうどよいことが後でわかります。
3.油を引かずに焼く
フライパンを火にかけて、油を引かずに焼きます。が、焦げ付きやすいフライパンならサラダ油少々を引いてもOK。この段階で中まで火を通すわけではないので、全ての面に焼き色がついたら引き上げます。
4.アルミホイルで包んでフライパンに戻す
③で引き上げた牛肉をアルミホイルで包んで、またフライパンに戻します。中火にかけて蓋をし、時々焼く面を変えながら13分焼きます。
5.アルミホイルに包んだまま寝かせる
フライパンから取り出して、ホイルで包んだまま約10分おきます。10分経ったらアルミホイルを剥がし、残った肉汁はこぼさないようにフライパンに入れてホイルをはずします。
6.出来上がり!
おそるおそる切ってみたら…? 外は焼けているのに中身はきっちりピンク色のロゼ! 美しいローストビーフが自宅で、フライパンでできました!
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柔らかいローストビーフを作るコツ
お肉に火を通さなきゃと心配になって、塊の真ん中までしっかり火を通してしまうと、それはもうローストビーフではなくて、焼肉に近くなってしまうんですよね。焼きすぎてパサパサしてしまったり、身が締まりすぎて固くなったりせず、柔らかいローストビーフを楽しむためのコツをまとめてました。フライパンで作るローストビーフの、お肉を柔らかく仕上げるポイントは5つです。
1.お肉は脂肪の少ない赤身を選ぶ
ローストビーフは焼きたてのアツアツを食べるものではないので、脂身の多いお肉だと、冷えたときに固まった脂が食感を台無しにしてしまうことも。脂肪の少ない赤身を使えば、冷めてもお肉のうまみがしっかり感じられるローストビーフになります。
2.調理に入る前に肉を常温に戻す
「牛肉は生でも食べるじゃない」という話は置いておいて、ローストビーフの中央の部分はやはり生ではなくてレアでないといけません。そのためには、焼き始めの時点で、牛肉が中まで常温になっていることが重要。パーティーなどで、ど
うしてもこの時間までに焼きあげたいというときなどは特に気をつけて、準備しておきましょう。
3. 加熱は短時間に抑える
フライパンで肉の表面を焼くときは、中まで火を通すわけではなく、こんがりと焼き色をつけるだけにします。ただし、塊の全ての面にしっかりと焼き色がつくようにしてください。
目安としては、各面1分ずつ程度です。
4.加熱した後は寝かせて火を通す
アルミホイルを巻く際は、肉汁が逃げないようにしっかりと包んで、必ず上にくる面を巻き終わりにします。寒い時期ならその上からタオルなどで包んで保温しても良いでしょう。
ちょうどいい具合に、余熱で火がとおります。寝かせている間に、肉汁や旨味もぎゅっとお肉の中に浸透していきます。
5.切り分けは温度が下がってから
できあがったローストビーフ、早く切ってみたいですよね?中はどうなっているのかな?と好奇心が押さえられない人も、必ず冷ましてから切り分けるというのを覚えておいてください。熱いうちに切ると、せっかくの肉汁が、外にこぼれ出てしまうのです。冷めてから切っても多少肉汁は逃げますが、アツアツのうちに切るよりは少なめ。また、切る前の状態で冷蔵庫で一晩寝かせて、翌日に食べても良いくらいなので、あせりは禁物です。
ローストビーフを作る際の注意点は?
せっかくのごちそうメニューに挑戦するなら、失敗したくないですよね。プロセスは本当に簡単ですが、いちばん気をつけたいことはやはり火の通り加減。ローストビーフのあのとろけるような独特の食感やジューシーさは、あのほんのりピンク色のロゼに仕上がっていればこそ。
ローストビーフの切り口の赤さから「生なんでは?」「生肉を食べて平気なの?」などと疑問を抱いたことのある人も多いのではないでしょうか?
ユッケやタルタルステーキなど、生の牛肉とは違い、ローストビーフのピンクの部分は、加熱によって、肉のたんぱく質は固まっているけれど、血液が凝固していない状態になっています。そのためカットすると赤い液体が流れ出しますが、おいしさはぎゅっと閉じ込められた状態です。
中心部がロゼ状態での焼き上がりの温度は55度前後になっているはずで、この状態に持っていくために、アルミホイルで巻いて寝かせたり、炊飯器に入れてみたりと、今まで多くの人が試行錯誤してきたというわけです。
先輩方の頑張りのおかげで、今は焼き時間、寝かせ時間等、おおよその目安はバッチリのレシピばかり。おおよそというのは、家庭によって調理器具に違いがあり、最終的には肉の大きさと、自分の持っている調理器具の焼き加減等で微調整する必要があるためです。その辺りの問題は、自分でデータを取りつつ、2回、3回と作ってみることで解決できるでしょう。
ローストビーフの簡単レシピ8選
暮らしニスタにも、いろいろな作り方でのローストビーフレシピがたくさん寄せられています。その中から作り方別に8つをご紹介します。
低温でプロの味!ローストビーフのレシピ☆彡
【材料(作りやすい分量】
牛もも肉ブロック…600g
ハーブ塩(なければ普通の塩でもOK)…小さじ1杯
胡椒(あればブラックペッパー)
おろしにんにく…小さじ1杯
オリーブオイル…大さじ1杯
付け合わせのお野菜(クレソンなどお好きな物)…適量
作りやすいレシピで人気のひこまるさんが、研究を重ねて最終的にたどり着いた「低温調理」。焼き目をつけたあと、110℃のオーブンで40分(600gの塊の場合)焼きます。また、このレシピの嬉しいところは、通常、常温に戻したお肉を使うところを、冷蔵庫から出したばかりの状態で作っているところ。常温戻しを忘れた!という時にはぜひこの方法で作ってみてください。
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簡単♡20分de柔らかローストビーフ
【材料(作りやすい分量)】
黒毛和牛もも塊…250g
ニンニク…チューブ2㎝
塩(カルディ)…お肉全体にかかる量
ブラックペッパー(カルディ)…お肉全体にかかる量
アルミホイル…お肉が包める長さ
250gの小さめのブロックで作る、お気軽ローストビーフ。お肉の柔らかさが写真からも伝わってきますね。フライパンで表面を焼いたら、オーブントースターにIN!。小さいお肉なので、180度で10分焼けば完成です。
2017.01.20ご覧いただきありがとうございます◡̈♥︎いいお肉で最高に柔らかいローストビーフが食べたくなって奮発してしまいました(≖ᴗ≖ )♪たまにはいいですよね♡厚み5センチのもも塊で作ってます。厚みが5センチなら長くてもオッケー♪続きを見る
メカブとオクラで健康ねばとろ・冷ローストビーフ
【材料(3人分)】
牛もも…400g
ホワイトペッパー…5g
ブラックペッパー(ホールからすりつぶし)…適量
塩…5g
オリーブオイル…大さじ1
玉ねぎ…4分の1
にんにく…1かけ
ブイヨンスープ…200cc
醤油…大匙1
バター…大匙2分の1
メカブ(スライス)…40g
パプリカ(赤)(黄)…各8分の1個
オクラ…5本
ローストビーフって、確かに日本では牛肉のタタキに近いですね。焼いた後に粗熱をとったら冷蔵庫で冷やすのですが、野菜たっぷりのタレと相性抜群。サラダ風においしくいただけます。
2018.09.11夏でもスタミナたっぷりの健康ローストビーフを作りたいと思い、メカブとオクラで冷製ローストビーフを作りました。オクラとメカブの健康ねばとろタレで、お肉を夏でも食べやすく冷製でさっぱりとした風味に仕上げました。さっぱり感をイメ...続きを見る
♡フライパンde超簡単♡牛肉のたたき♡【#牛たたき#簡単#レシピ】
【材料(作りやすい分量)】
牛ももかたまり肉…300g
こしょう…少々(しっかりめに)
●醤油…大3
●酒・みりん…各大1
●にんにく(スライス)…1かけ
フライパンで表面を焼き、寝かせた後に即タレに漬け込む、これもローストビーフというよりはタタキに近い一品。お肉屋さんで購入すれば、作りやすい形に切ってもらえるというアドバイスも効いてます。
2018.12.21こんにちはー♩料理研究家・スイーツコンシェルジュのMizukiです(*^^*)今日ご紹介させていただくのは牛肉のたたき♡ちょっとハードルが高いイメージですが実はとっても簡単に作れますよ♩ローストビーフと違ってオーブンも必要...続きを見る
トースターでも出来る簡単ローストビーフ
【材料(作りやすい分量)】
牛もも肉ブロック…今回は250g
マーマレードジャム…大さじ2
醤油…1/2カップ
にんにくすりおろし…適量
塩…適量
こしょう…適量
生の状態で肉をタレにつけてから焼くので、香ばしい香りがたまりません。オーブントースターで焼いたあと、保温バッグに入れるというのもナイスなアイデアです!
2017.06.29あると見栄えのするお料理ローストビーフオーブントースターで簡単にできました。オーブンがないご家庭や、一人暮らしの方でもおすすめです。続きを見る
レンジ魔法で簡単豪華☆ローストビーフ
【材料(作りやすい分量)】
牛もも肉…300g
おろしにんにく、塩、黒こしょう…適宜
ローリエ…1枚
醤油…大さじ2
みりん…大さじ1
酒…大さじ3
レンジ加熱でもこんなにじょうずにローストビーフが作れるなんて、さらにローストビーフ作りのハードルが下がりますね。
2014.11.21特売の牛モモ肉もレンジ調理であっという間におもてなし料理に大変身~☆クリスマスディナーに、お正月のおせちにも♡続きを見る
フライパン1つでおもてなしにオススメ☆ローストビーフ~シナモンソース~
【材料(牛もも肉 400~450g分)】
牛もも肉(ブロック)…400~450g
塩(全体に)…適量
ブラックペッパー(全体に)…適量
玉ねぎ…1/2個(100g)
にんにく…1片
☆赤ワイン…50ml
☆さとう…大さじ1
☆しょうゆ…大さじ1
GABAN シナモン〈パウダー〉…小さじ1/4
オリーブオイル…大さじ1
加熱時間が短めの、ロゼ部分がたっぷりなローストビーフ。新鮮なお肉が手に入った時に、ぜひ味わってみたい一皿です。
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炊飯器でほっとけローストビーフ
なんと、フライパンで表面を焼いた後、ジッパー付き保存袋に入れて、70度程度の湯を張った炊飯器に30分入れるという方法でも、おいしいローストビーフができちゃうんです。
ローストビーフのソースのレシピ7選
ローストビーフがじょうずに焼きあがったら、おいしさがさらにワンランクアップする、激ウマおすすめソースはいかがでしょうか。ホームパーティーのときなどは、いくつか作っておくと、最高のおもてなしになりますね。
・絶品のバターグレイビーソース
【材料(作りやすい分量)】
ローストビーフを焼いた後の肉汁…適宜
酒…大さじ4
しょうゆ…小さじ1
バター 小さじ2
肉汁を集めたフライパンにバターを加えてとかし、酒、しょうゆをくわえて軽く煮立ててソースを作ります。最後ににんにくのすりおろしを加えてみても。
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・さっぱり爽やかヨーグルトソース
ヨーグルトとマヨネーズ、にんにくのすりおろし、レモン汁適宜をよく混ぜ合わせます。
・玉ねぎのきいた和風ソース
玉ねぎ、りんご、にんにく、生姜適宜はすりおろし、醤油やみりん、酒、さとうとともに煮詰め、和風仕立てにしたソース。
・こってりチーズ系ソース
クリームチーズを角切りにして常温に戻し、牛乳をくわえてよくまぜ、塩、こしょうで味をととのえる。
・ちょっとビターなチョコレートソース
バレンタインはこれに決まり!チョコレートドレッシングのサラダ。
・コクありバルサミコソース
肉を焼いたフライパンに肉汁を戻し、バルサミコ酢、醤油、みりん、砂糖とにんにくひとかけのすりおろし、を合わせて中火で煮詰める。
・パプリカ味のロメスコソース
バル店の味★ロメスコソース
【材料(作りやすい分量)】
パプリカ(赤)…1個
A ホールトマト缶…1/2缶
A オリーブオイル(エクストラバージン)…大さじ3
A 生にんにく(チューブ入り)…小さじ1
A パプリカパウダー…小さじ2
A レモン汁…小さじ1
A 松の実展20粒
塩・粗びき黒こしょう…各適量
真っ赤なパプリカとトマトで作る、旨味がぎゅっと詰まったソースです。
2016.11.25ロメスコソースって?パプリカの旨みを堪能するソースです。続きを見る
まとめ
良い牛肉ってやっぱり高いですけど、ごちそう感、ワクワク感はプライスレス。家族や招いた友人の笑顔を想像しながらぜひ一度、ローストビーフ、作ってみてくださいね。
まとめ/伊波裕子
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